東京都内にある動物園「上野動物園」。毎年日本一の来場者を誇るという上野動物園は、ジャイアントパンダがいることでも有名で、昨今は2017年にジャイアントパンダ「香香(シャンシャン)」の誕生で大盛り上がり。公開が始まると、日本全国からシャンシャンを一目見ようと多くの観光客が訪れています。また、新たなパンダ舎として「パンダのもり」が2020年9月8日にオープンしました。
上野動物園の魅力はもちろんパンダだけではありません。東園と西園に分かれた園内には、様々な魅力が詰まっているのです。
今回は、上野動物園の歴史からチェックしておきたい見どころまでをご紹介していきます。
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日本最古の動物園「上野動物園」
日本最古の動物園って知っていましたか?
上野動物園の旧正門
上野動物園は、上野公園に設立されていた博物館の付属の動物園として、1882年に開園された日本で一番古い動物園です。上野動物園開園当初は日本国内から集めた動物を展示していましたが、数年後にはトラやゾウなど海外から輸入した珍しい動物や外国の王室から贈られた動物の展示も始まりました。
1924年には皇太子殿下のご結婚を機に上野公園と上野動物園が東京都に下賜され、「上野恩賜公園動物園」と呼ばれるようになります。当時にしては貴重な動物を展示していた上野動物園は、多くの注目を集め人気を得ました。
第二次世界大戦とその後

1969年の上野動物園
第二次世界大戦中、上野動物園では猛獣処分が行われました。当時の東京都長官であった大達茂雄は、空爆で壊された檻から動物が脱走することを恐れ、クマ、カバ、ライオンなどの動物を処分するよう指示。そのため、多くの動物が殺処分されました。戦後には亡くなった動物のための慰霊碑が園内に置かれました。
中国から上野動物園にジャイアントパンダが寄贈される

上野動物園にいるジャイアントパンダのシンシン
長年、上野動物園の人気を支えてきたジャイアントパンダが日本初上陸したのは1972年。日中国交回復の記念として中国より来日したカンカンとランランの人気は社会現象となりました。2頭を一目見ようと日本中からパンダファンが集まり、上野動物園の年間来園者数が例年の倍以上の700万人を超える年が続きました。
絶滅危惧種を保護する「ズーストック計画」

上野動物園で保護されているコビトカバ
1982年に100周年記念を迎えた上野動物園は大改造を行い、開園当時と比べ敷地が4倍も広くなりました。同時に上野動物園はパンダやアイアイといった絶滅危惧種の保護を目標とした「ズーストック計画」を発表し、それに基づいた飼育繁殖をサポートする設備を整えました。ズーストック計画は今も続いており、成果を残しています。
上野動物園で特に人気の動物は?
ここでは上野動物園で特に人気なエリアを紹介していきます。
ジャイアントパンダ舎

上野動物園で一番人気のジャイアントパンダ
上野動物園で一番人気のジャイアントパンダ舎では、シンシンとリーリーの2頭のジャイアントパンダを飼育しています。また、2017年6月には5年ぶりにパンダの赤ちゃん「シャンシャン」が誕生したこともあり、その人気はますます高まっていきました。
上野動物園はズーストック計画の一環で、中国の北京動物園やアメリカのサンディエゴ動物園といった世界中の動物園と協力し、ジャイアントパンダの保護に携わっています。パンダの繁殖にも力を入れており、日本で初めて成功させた動物園でもあります。
現在、日本でジャイアントパンダを飼育している動物園は3つしかありません。上野動物園を訪れる際には、ぜひパンダハウスに足を運んでみてください。
新パンダ舎「パンダのもり」ニューオープン
上野動物園の西園にジャイアントパンダとその生息地にくらす動物の新しい飼育施設「パンダのもり」が2020年9月8日に新たにオープンしました。ジャイアントパンダに適した飼育環境となるようさまざまな工夫をこらし、自然環境にも配慮した最新の施設です。
この「パンダのもり」という名称は、2020年2月に上野動物園で実施したアンケートで最多得票だったことにより決定。パンダが生息する広い「森」を再現した環境でジャイアントパンダがのびのびと暮らせるようにという願いと、多くの人とともに希少動物のジャイアントパンダを「守」っていけるようにという、2つの意味がこめられています。
日本の動物

ニホンカモシカ(イメージ)
上野動物園日本の動物エリアでは、カモシカやルリカケスといった日本特有の動物が展示されています。意外と知らない日本の動物を見ることができる展示エリアです。
ゴリラ・トラの住む森・ゾウのすむ森・アイアイの住む森・クマたちの丘

上野動物園のゴリラ
このエリアでは世界中から集められた動物を、生息地を再現した環境で展示しています。その中でも特に珍しいアイアイはマダガスカルから輸入されていて、日本全国で見られるのは上野動物園だけです。
ホッキョクグマとアザラシの海

上野動物園のホッキョクグマ
上野動物園は海の動物も多く展示しています。このエリアでは、大きなガラスの窓を通してホッキョクグマの泳ぐ姿や、アザラシやアシカなど寒い環境で暮らす動物を見ることができます。
ビバリウム

上野動物園のガラパゴスゾウガメ
ビバリウムでは、自然環境を再現した展示で爬虫類や両生類が飼育されており、より野生に近い習性を観察できます。カエルのような小さな生き物はもちろん、200kg以上にもなるガラパゴスゾウガメのような大きい動物も見ることができます。
小獣館

上野動物園小獣館のプレーリードッグ
マヌルネコやミーアキャットなどの小動物を見られる施設が小獣館です。その他にもコウモリやショウガラゴといった夜行性の動物も展示されています。夜行性動物の飼育は、その生息環境を再現するために地下で行われています。
こども動物園

上野動物園にいるカピバラ
小動物と触れあえ、餌やりを体験できるこども動物園は、お子さま連れにおすすめのエリアです。ヤギなどのなじみのある動物を始め、世界最大のげっ歯類であるカピバラのような少し変わった動物とも触れあうことができます。
動物以外の見どころ
不忍池

上野動物園の不忍池
西園の半分近くの敷地を占めているのが不忍池です。水面が見えないほどの蓮で覆われているこの池には、ツルやペリカンといった鳥類が多く生息しています。不忍池の中心部には弁天堂やボート乗り場があり、動物の観察以外にも様々な楽しみ方ができます。
旧寛永寺五重塔

上野動物園のランドマークでもある五重塔
1639年、上野公園設立の際に建てられた旧寛永寺五重塔は重要文化財に指定されています。上野公園はすぐそばにある寛永寺の所有地だったこともあり、今でも敷地内には寛永寺に関わりのある建物が多く残っています。
上野動物園のイベント
3月・4月『春休みイベント』

春の上野動物園
上野動物園では、毎年3月末から4月の頭にかけて春休みイベントが行われます。毎年異なる内容で、過去にはニホンザルやツキノワグマの餌やり体験、園内でのオーケストラの演奏会などが開催されました。
8月『真夏の夜の動物園』
真夏の夜の動物園は8月半ばの1週間、閉園時間が通常の17時から20時まで延長されるイベントです。日中の暑さも和らぐ夕暮れ時に、夜行性動物の普段見られない習性を見に行ってみてはいかがでしょう。
UENO ZOO WINTER
UENO ZOO WINTERでは、その年によって様々なイベントが開催されています。クリスマスの時期に飼育員がサンタクロースの格好をして、特別な餌を動物たちにあげたり、お正月にはその年の干支にちなんだイベントが行われたりします。
アプリやガイドの利用がおすすめ
Tokyo Parks Navi
「上野動物園散策アプリ」のTokyo Parks Naviをダウンロードすると各展示の情報を更に知ることができます。アプリ使うと展示の情報を見ることができ、その動物に関する説明が流れます。展示のガイドスポットのQRコードをアプリ内でスキャンしても、同様の機能を使うことができます。
上野動物園へのアクセス
最寄駅:JR上野駅(JY05) / 京成上野駅(KS01) / 東京メトロ上野駅(G16,H17)
新宿駅からのアクセス
【新宿駅】- JR山手線 / 池袋方面
→【JR上野駅】 公園口 → 徒歩(約5分)
東京駅からのアクセス
【東京駅】- JR山手線 / 上野方面
→【JR上野駅】公園口 → 徒歩(約5分)
成田空港からのアクセス
【成田空港駅】- 京成本線(快速特急)/ 京成上野方面
→【京成上野駅】正面口 → 徒歩(約10分)
羽田空港駅からのアクセス
【羽田空港駅】- 東京モノレール / 浜松町方面
→【浜松町駅】- 京浜東北線(快速)/ 南浦和方面
→【JR上野駅】公園口 → 徒歩(約5分)