動物園としては毎年日本一の来場者数を誇る「上野動物園」は、一度は行ってみたい名所です。
人気者のパンダが有名ですが、パンダ意外にも個性豊かな動物たちがたくさん暮らしています。本記事では。知っていればもっと楽しくなる上野動物園の豆知識をご紹介します。
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※本記事は2018年6月時点の情報をもとに作成しています。諸事情により最新の状況と異なる場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報をご確認ください
※2024年2月、一部情報を更新しました。
上野動物園ではどんな動物たちに会える?
上野動物園にはパンダ以外にも魅力的な動物たちにたくさんいます。例えば、世界の三大珍獣と呼ばれるパンダ・オカピ・コビトカバなど。ここではエリアごとにどんな動物たちが飼育されているのか紹介します。
【西園】パンダ・アイアイ・キリンなど
上野動物園は大きく2つのエリアに分かれていて、不忍池のほとりにあるのが西園です。「パンダのもり」「小獣館」「アフリカの動物」「両生爬虫類館」「アイアイのすむ森」「子ども動物園すてっぷ」などのエリアに分かれていて、パンダやアイアイ、キリン、サイ、ハシビロコウ、ペンギン、キツネザルなどに会えます。
小獣館
小獣館のプレーリードッグ
マヌルネコやミーアキャットなどの小動物を見られる施設が小獣館です。そのほかにもオリイオオコウモリやショウガラゴといった夜行性の動物も展示されています。夜行性動物の飼育は、その生息環境を再現するために地下で行われています。
両生爬虫類館
両生爬虫類館のガラパゴスゾウガメ
両生爬虫類館では、自然環境を再現した展示で爬虫類や両生類が飼育されており、より野生に近い習性を観察できます。ヤドクガエルのような小さな生き物はもちろん、200kg以上にもなるガラパゴスゾウガメのような大きい動物も見ることができます。
アイアイの住む森
アイアイやフォッサ、キツネザルなど、マダガスカル島に生息する動物たちが飼育されているエリアです。特に珍しいのは、日本国内では上野動物園でしかお目にかかれないアイアイ。ちなみにアイアイは夜行性ですが、屋内施設ではアイアイが餌を取る様子などを観察できることもあります。
子ども動物園すてっぷ
2017年に「子ども動物園」がリニューアルオープンし、「子ども動物園 すてっぷ」になりました。小動物や家畜の飼育展示、モルモットとの触れ合いを通して、動物を身近に感じることができますよ。ヤマアラシやスカンクなど、特殊な方法で身を守る動物たちや、昔から人ととも暮らしてきたウマやニワトリにも会えます。
【東園】トラ・ホッキョクグマ・ゴリラなど
JR上野駅・公園口からまっすぐ行った先の正門から入れるのは、東園です。東園には「クマたちの丘」「ゾウのすむ森」「ホッキョクグマとアザラシの海」「ゴリラ・トラの住む森」「日本の動物」などのエリアがあり、トラやホッキョクグマ、ゴリラ、ゾウ、カワウソ、フクロウ、世界のサルたちに会うことができます。
ホッキョクグマとアザラシの海
「ホッキョクグマとアザラシの海」のホッキョクグマ
上野動物園は海の動物も多く展示しています。このエリアでは、大きなガラスの窓を通してホッキョクグマの泳ぐ姿や、アザラシやアシカなど寒い環境で暮らす動物を見ることができます。
ゴリラ・トラの住む森
「ゴリラ・トラの住む森」のゴリラ
ゴリラやトラそれぞれの生息地を模した空間で飼育展示を行なっています。ゆとりある環境での繁殖に取り組んでいるそうで、のびのびとしたゴリラやトラを見ることができます。
日本の動物
ニホンカモシカ(イメージ)
「日本の動物」エリアでは、カモシカやルリカケスといった日本特有の動物が展示されています。意外と知らない日本の動物を見ることができますよ。
動物以外の見どころ
不忍池
不忍池
西園の半分近くの敷地を占めているのが不忍池です。水面が見えないほどの蓮で覆われているこの池には、ツルやペリカンといった鳥類が多く生息しています。不忍池の中心部には弁天堂やボート乗り場があり、動物の観察以外にも様々な楽しみ方ができます。
旧寛永寺五重塔
上野動物園のランドマークでもある五重塔
1639年、上野公園設立の際に建てられた旧寛永寺五重塔は重要文化財に指定されています。上野公園はすぐそばにある寛永寺の所有地だったこともあり、今でも敷地内には寛永寺に関わりのある建物が多く残っています。
上野動物園の特徴と歴史
上野動物園の特徴:人気者はジャイアントパンダ
上野動物園で一番の人気者といえば、やっぱりパンダですよね。「パンダのもり」では、シンシン、リーリー、シャオシャオ、レイレイという4頭のジャイアントパンダに会えます。双子のシャオシャオとレイレイは一緒の部屋で飼育されていますよ。
中国にルーツを持つパンダファミリー
母親のシンシンと仲良し双子なシャオシャオ・レイレイ
オスのリーリーとメスのシンシンは中国で生まれたパンダ。2023年の2月に中国に返還されたシャンシャンの両親でもあります。リーリーはパンダの中でも大きな体格を持っているのが特徴。シンシンは丸顔でキュートな顔をしています。
そんな2頭から生まれた元気いっぱいの双子パンダ、オスのシャオシャオとメスのレイレイ。シャンシャンは2頭にとってお姉ちゃんにあたります。現在は2頭とも親離れをしており、仲睦まじい様子を一緒の展示場で見ることができますよ。
現在、日本でジャイアントパンダを飼育している動物園は3つしかありません。上野動物園を訪れる際には、ぜひパンダのもりに足を運んでみてください。
新パンダ舎「パンダのもり」はどんな施設?
西園にジャイアントパンダとその生息地にくらす動物の新しい飼育施設「パンダのもり」が2020年9月8日に新たにオープンしました。ジャイアントパンダに適した飼育環境となるようさまざまな工夫をこらし、自然環境にも配慮した最新の施設です。
この「パンダのもり」という名称は、2020年2月に上野動物園で実施したアンケートで最多得票だったことにより決定。パンダが生息する広い「森」を再現した環境でジャイアントパンダがのびのびと暮らせるようにという願いと、多くの人とともに希少動物のジャイアントパンダを「守」っていけるようにという、2つの意味がこめられています。
上野動物園の歴史:日本最古の動物園である
上野動物園の旧正門
日本最古の動物園って知っていましたか?
上野動物園は、上野公園に設立されていた博物館の付属の動物園として、1882年に開園された日本で一番古い動物園です。開園当初は日本国内から集めた動物を展示していましたが、数年後にはトラやゾウなど海外から輸入した珍しい動物や外国の王室から贈られた動物の展示も始まりました。
1924年には皇太子殿下のご結婚を機に、上野公園と上野動物園が東京都に下賜され、「上野恩賜公園動物園」と呼ばれるようになります。当時にしては貴重な動物を展示していた上野動物園は、多くの注目を集め人気を得ました。
第二次世界大戦とその後
1969年の上野動物園
第二次世界大戦中、上野動物園では猛獣処分が行われました。当時の東京都長官であった大達茂雄は、空爆で壊された檻から動物が脱走することを恐れ、クマ、カバ、ライオンなどの動物を処分するよう指示。そのため、多くの動物が殺処分されました。戦後には亡くなった動物のための慰霊碑が園内に置かれました。
中国から上野動物園にジャイアントパンダが寄贈される
上野動物園にいるジャイアントパンダのシンシン
長年、上野動物園の人気を支えてきたジャイアントパンダが日本初上陸したのは1972年。日中国交回復の記念として中国より来日したカンカンとランランの人気は社会現象となりました。2頭を一目見ようと日本中からパンダファンが集まり、年間来園者数は例年の倍以上となる700万人を超える年が続きました。
絶滅危惧種を保護する「ズーストック計画」
上野動物園で保護されているコビトカバ
1982年に100周年記念を迎えた上野動物園は大改造を行い、開園当時と比べ敷地が4倍も広くなりました。同時に上野動物園を含む動物園・水族園に暮らす気象動物の保護と繁殖を目指す計画「ズートック計画」を推進。
上野動物園ではジャイアントパンダやアイアイなどの貴重な動物を繁殖させてきました。都立動物園は2018年に、動物たちの種の保存、野生動物保全、普及活動などを盛り込んだ「第2次ズーストック計画」を推進しています。
お土産もパンダ! おすすめ3選
上野動物園にはここならではのお土産がたくさん。園内にある「プチカメレオン」と「リトルトランク」の2カ所でお土産を購入できます。
その中でもおすすめのお土産を3つだけ紹介いたします。
双子パンダの缶入ベイクドクッキー(1200円)
可愛らしい絵柄が入った缶が特徴的(画像提供:東京恩賜上野動物園)
双子パンダのシャオシャオとレイレイの絵柄がとってもキュートな缶入りベイクドクッキー。クッキーが入っている個包装のパッケージにも、2頭の愛らしい姿を見ることができます。ナッツが入ったクッキーの味もとっても好評で、上野動物園では人気のお土産となっています。
缶入さっくり飴 パンダ 抹茶きな粉(540円)
パンダの絵が入ったさっくり飴 抹茶きなこ味(画像提供:東京恩賜上野動物園)
商品名の通り、サクッとした食感で舐めても噛んでも美味しいお菓子。花柄の背景にパンダの絵柄がとても可愛い缶で、食べ終わった後も小物入れとして使うことができそうですね。ひとつひとつお菓子が個包装されています。
上野動物園 人形焼(1080円)
しっとりとした食感があんこに合う人形焼(画像提供:東京恩賜上野動物園)
パンダの形をした人形焼で、中にはあんこが入ったこちらのお土産。しっとりとした食感の生地と甘いあんこの組み合わせはバッチリで、多くの人に愛されるお土産です。
上野動物園の年間イベント
3月・4月『春休みイベント』
春の上野動物園
上野動物園では、毎年3月末から4月の頭にかけて春休みイベントが行われます。毎年異なる内容で、過去にはニホンザルやツキノワグマの餌やり体験、園内でのオーケストラの演奏会などが開催されました。
8月『真夏の夜の動物園』
真夏の夜の動物園は8月半ばの1週間、閉園時間が通常の17時から20時まで延長されるイベントです。日中の暑さも和らぐ夕暮れ時に、夜行性動物の普段見られない習性を見に行ってみてはいかがでしょう。
UENO ZOO WINTER
UENO ZOO WINTERでは、その年によって様々なイベントが開催されています。クリスマスの時期に飼育員がサンタクロースの格好をして、特別な餌を動物たちにあげたり、お正月にはその年の干支にちなんだイベントが行われたりします。
イベント情報の詳細は上野動物園のイベント情報ページをご覧ください。
上野動物園の基本情報・アクセス
基本情報
●住所:東京都台東区上野公園9-283
●開園時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)
●定休:月曜(祝日の場合は翌平日休)、12月29日~1月1日
●入場料:
一般 600円
中学生 200円
小学生 無料
65歳以上 300円
●公式サイト:上野動物園
アクセス
●最寄駅:
JR上野駅(JY05)
京成上野駅(KS01)
東京メトロ上野駅(G16,H17)
新宿駅からのアクセス
【新宿駅】- JR山手線 / 池袋方面に乗り換え
→【JR上野駅】 公園口で下車。 → 徒歩(約5分)
東京駅からのアクセス
【東京駅】- JR山手線 /上野方面に乗車
→【JR上野駅】公園口で下車。 → 徒歩(約5分)
成田空港からのアクセス
【成田空港駅】- 京成本線(快速特急)/ 京成上野方面に乗車
→【京成上野駅】で下車。正面口 → 徒歩(約10分)
羽田空港駅からのアクセス
【羽田空港駅】- 東京モノレール / 浜松町方面に乗車
→【浜松町駅】- 京浜東北線(快速)/ 南浦和方面に乗り換え
→【JR上野駅】で下車。公園口 → 徒歩(約5分)
園内散策にはデジタルマップが便利です
上野動物園は東園と西園に分かれており、かなり広い敷地面積があります。そのため、マップを見ながらの散策がおすすめですよ。お持ちのスマートフォンなどで利用することができるデジタルマップでは全体マップはもちろんのこと、動物たちの生態が理解できる動物解説ページや、食事・お土産をタップひとつで表示できるなど、便利な機能が満載。
ご利用になりたい方は都立動物園・水族園 見どころデジタルマップをご覧ください。
上野動物園の周辺情報・関連記事
上野動物園の周辺には規模の大きな博物館や美術館、自然豊かな公園、下町情緒あふれる商店街などなど、見どころたっぷりです。動物園帰りは上野散策を楽しんでみては?
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●【東京国立博物館】日本最大級の博物館で新たな発見を!
1872年に創立された日本最古の博物館。5つの展示館と資料館、その他の施設からなり、年間を通じてさまざまな展示を開催しています。
●国立科学博物館
自然史や科学技術史に関する、唯一の国立総合科学博物館です。建物自体にも歴史があり、見応え十分です。
《美術館》
●【上野の美術館】7館の特徴や2024年おすすめ展覧会情報まとめ
2016年に世界遺産に登録された国立西洋美術館や、日本初の公立美術館として1926年に会館した東京都美術館など、上野の周辺には美術館がたくさんあります。
《公園》
●【上野恩賜公園】神社や博物館など魅力を徹底解説!
桜の名所としられる上野公園は日本最古の公園。園内散策では不忍池や弁天堂にも足を運びたいですね。
《商店街・商業施設》
●上野アメ横商店街
「アメ横」の愛称で親しまれる商店街。日用品から海産物、生鮮食品、お土産まであらゆるものが集まります。
●UENO3153
JR上野駅と京成上野駅の間にある、5フロアからなる商業施設。飲食店が集まっており、ランチやディナーに便利です。
《神社仏閣》
●護国院
「谷中七福神」の大黒天を祀る寺院です。1625年に東叡山寛永寺の子院として建立されました。
●上野東照宮
上野公園内にある神社で、徳川家康公を御祭神として祀っています。
Edit: Ayano Enokido/Kaoru Maki/Erika Nagumo
参考: 上野動物園/東京ズーネット/上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト/毎日パンダ/その他