上野公園の歴史
上野公園の見どころ
上野公園のイベント
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都内の数ある公園の中で随一の規模・設備を誇るのが、「上野恩賜公園」。上野公園は、日本最古の公園としても知られ、園内の豊かな自然は春の桜・秋の紅葉で美しく色づき、1年を通して来園者を楽しませてくれます。

園内の敷地には、「東京国立博物館」や「国立科学博物館」で芸術・歴史・文化を体感できる一方、「上野動物園」で希少な動物を間近で見られるので楽しみ方もさまざま。

今回は、ありとあらゆる魅力に溢れる上野公園の歴史と見どころを紹介していきます。

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上野動物園

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水族館・動物園・植物園

上野公園の歴史

1人のオランダ人によって守られた「上野の山」

上野公園

散歩日和の上野公園

上野公園一帯は高台に位置しているため、江戸時代から「上野の山」という愛称で親しまれてきました。当時から自然に恵まれ、桜の名所として人気でした。しかし、慶応4年、上野一帯は戊辰戦争で全焼してしまいます。

戦後、陸軍省は上野の山と寛永寺の跡地に陸軍病院と墓地を建設する計画を立てますが、この計画はある人物の猛反対によって中止となりました。その人物とは、長崎医学校で教鞭をとっていたオランダ人軍医 アントニウス・フランシスクス・ボードワン博士です。

彼は来日した際、上野の山を大変気に入り、「このようなところは、先進国の都会地にならって公園とすべき」と強く主張。その結果、病院・墓地の建設は中止となったのです。この功績を称え、園内にはボードワン博士の像が建てられています。

翌年、東京都内各地で公園建設計画がスタートします。候補地として、浅草寺・増上寺・富岡八幡宮・飛鳥山、そして寛永寺が決定。そして、その3年後に「上野公園」が開園しました。

「内国勧業博覧会」と上野公園

その後、上野公園は明治日本の文化発展に大いに貢献します。

1877年に日本国内の文化・産業の繁栄を目的とした「内国勧業博覧会」が開催されたのを皮切りに、博物館や動物園が続々と開園。1914年には、「東京大正博覧会」のメイン会場として上野公園が使われました。この際には、日本初のエレベーターが設置されたほか、不忍池にはウォータースライダーも作られました。

関東大震災を乗り越えて

このように時代とともに発展を続けた上野公園でしたが、大正後期より幾度となく災害にあいます。1923年、関東大震災が発生。直接の被害は免れましたが、園内には1万戸以上の仮設住宅が建てられ、市民の避難所として利用されました。

上野のシンボル「西郷像」には尋ね人の張り紙が多く貼られました。震災から3年後、東京の活気を取り戻そうと、「東京府美術館」(現東京都美術館)が開館します。日本初の公営美術館は人気を博し、震災復興の一役を買いました。

上野公園はなぜ桜の名所になった?

第二次世界大戦中、上野公園は防空部隊の本部として使用されました。また、不忍池は水が抜かれ水田となり稲作が行われたほか、上野公園内は避難所としても使われていました。

戦争によって焼け野原となった上野公園では、シンボルとも言えた不忍池の蓮もなくなってしまいます。都民の憩いの場として愛され、文化の街として発展した上野のかつての姿は見る影もありませんでした。街は闇市で埋め尽くされ、家をなくした人々が行き交い、売春も横行。

そんな治安の悪くなってしまった上野を復興させようと立ち上がったのが、「上野鐘声会」です。鐘声会は不忍池に水を引き直し元の姿に戻したほか、1,250本もの桜を園内に植えるなど、精力的に復興活動を行いました。

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絶景

文化の街、上野へ

それ以降、上野公園は都内随一の桜の名所として知られています。昭和中期以降、高度経済成長期の影響を受け、国立西洋美術館・上野の森美術館などが開館された上野公園は、世界中の作品を見ることができるようになり、再び文化の街として発展していきます。

上野公園の見どころ

不忍池

上野公園の不忍池

上野公園の不忍池

上野公園内南側にある「不忍池(しのばずのいけ)」。天然の池で、水面は蓮に覆われています。7月から8月にかけて、可愛らしい花が咲き誇ります。池には鶴やペリカンなど、様々な種類の鳥が生息しています。

弁天堂

弁天堂

不忍池に浮く弁天堂

不忍池の中央付近に佇むのが「弁天堂」です。1625年に建てられましたが、第二次世界大戦で焼失。その後、1958年に再建されました。ご本尊である「八臂大弁財天(はっぴべんざいてん)」は、長寿や芸能の神様として信仰されています。弁天堂最大の特徴である八角形のお堂は、池の周りのどの場所からでもお祈りできるように設計されました。

清水観音堂

清水観音堂

清水観音堂

寛永8年、天海によって建立されました。もともと東叡山寛永寺は、京都の平安京と比叡山の関係を習って創建されたもの。この観音堂は京都の清水寺を見立てて、建てられました。堂内には、歌川広重が「名所江戸百景」にて描いた風景や松の木を見ることができます。

上野東照宮

上野東照宮

上野東照宮

寛永4年、徳川家康を祀り創建された由緒ある神社です。国の重要文化財に指定されています。一番の見どころは、社殿を取り囲む「透塀」。透塀は格子状の装飾や彫刻が施されており、塀を通して中を見ることができます。

また、東照宮には日中友好を記念して昭和55年に開苑された「ぼたん苑」があります。4月中旬から5月にかけて色とりどりの牡丹が咲き誇り、それを祝して「春のぼたん祭り」も開催されます。ぜひ、足を運んでみてください。

【上野東照宮 基本情報】
参拝時間:9:00〜16:30(10月から2月)/ 9:00〜17:30(3月から9月)
拝観料:中学生以上 500円 / 小学生 200円
※参拝は無料

【ぼたん苑開苑情報】
開苑時間:9:30〜16:30
入苑料:中学生以上 1,000円 / 小学生以下 無料

公式サイト:上野東照宮

擂鉢山古墳

弥生時代に築造された古墳です。全長70m、高さ5mにも及ぶ古墳で、弥生土器や埴輪が見つかっています。現在は小高い丘となっており、主に休憩所として使われています。古墳を間近で見る機会はなかなかありません。上野公園を訪れた際は、是非お立ち寄りください。

銅像

上野公園には、様々な銅像が建てられています。その中から有名なものをいくつか紹介します。

西郷隆盛像

上野公園にある西郷隆盛像

上野公園西郷隆盛像

1898年に建てられた上野のシンボル。「上野の西郷さん」の愛称で長年親しまれてきました。明治維新に大いに貢献したその功績を称し建てられた西郷像は高さ4m近くあり、今も悠然と上野の街を見守っています。現在は上野の待ち合わせスポットとして有名です。

ボードワン博士像

1973年、オランダ政府協力のもと建てられた銅像です。ボードワン博士は、日本最初の公園である上野公園の建築に携わりました。銅像の周りには、オランダのチューリップが植えられています。

実はこの銅像には裏話が。1973年に造られた像は、なんとボードワン博士の顔ではなく、同じく日本に滞在経験のある博士の弟のものであると判明したのです。像の発注をした際に、オランダから送られてきた写真が間違っていたことが原因とされています。その後、2006年に再建され、正真正銘ボードワン博士の銅像が完成しました。

上野公園 野口英世

上野公園の野口英世像

上野公園には、このほかにも小松宮新王像・グラント将軍植樹碑・野口英世像・安井誠一郎像などがあります。

上野大仏

上野大仏

上野大仏

1631年に建立された上野大仏は、幾度も火災や震災、戦争の被害を受けてきました。その都度修復が行われてきましたが、関東大震災の際に頭部が落下してしまいます。

現在は、大仏がもともと設置されていた場所に仏塔が建てられており、大仏の顔のみ安置されています。また、幾多の災難を乗り越えた大仏は「これ以上落ちない」として、受験シーズンには合格祈願に多くの学生が訪れます。

竹の台噴水

上野公園の中央にある竹の台噴水

上野公園の中央にある竹の台噴水

上野公園の中央にある「竹の台噴水」は大噴水とも呼ばれています。江戸時代、この場所には根本中堂というお寺がありました。戊辰戦争で本堂・中堂ともに焼失してしまい、中堂の跡地にはこの噴水と広場が造られました。国立科学博物館の目の前にあります。

博物館・美術館

上野は文化・芸術の街としても知られています。それもそのはず。上野公園内には、10以上の博物館や美術館があります。代表的なものを紹介します。

国立科学博物館

国立科学博物館

国立科学博物館

科学や生物、恐竜が好きな人にピッタリの博物館です。「日本」「世界」のギャラリーに別れた館内には、動植物の標本・時代別の日本人の生活を紹介する実物大模型・恐竜の復元骨格などが展示されています。毎年200万人以上が訪れる、子供から大人まで楽しめる博物館です。英語・中国語・韓国語の説明が表示されているほか、音声ガイドも用意されています。

東京国立博物館

東京国立博物館

東京国立博物館

通称「トーハク」は、明治4年に建てられた日本で最古の歴史を誇る博物館です。主に日本・アジア各国の考古品や美術品を展示しており、その数は11万件を超えます。歴史好きにはたまらない博物館です。

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東京国立博物館

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美術館・博物館

東京都美術館

東京都美術館

東京都美術館

日本初の公営美術館として誕生した「東京都美術館」。1871年に、北九州の石炭商 佐藤慶太郎の寄付によって建設されました。それより、気軽に美術に触れられる場所として都民に愛されてきました。特別展を中心に営業しています。

上野公園のイベント

春『うえの桜まつり』

春の上野公園

春の上野公園

上野は江戸時代から桜の名所として知られてきました。上野公園には1,250本もの桜が植えられており、そのベストシーズンに合わせて「うえの桜まつり」が開催されます。入場は無料で、多くの花見客で賑わいます。夜、ぼんぼりによってライトアップされる桜の花々は幻想的です。例年3月後半から4月にかけて開催されます。

5月『さつきフェスティバル』

5月下旬、初夏の訪れを告げるイベントです。さつきの花の展示・販売が行われます。噴水広場前では、初心者向けの講習会も行われます。

夏『江戸趣味納涼大会/うえの夏まつり』

上野の夏を彩る恒例イベント。ステージでのライブ・骨董市・灯籠流し・氷の彫刻・大道芸など、ありとあらゆるジャンルの催しを楽しむことができます。また、街を練り歩いての盆踊りも行われます。

10月『江戸ウィーク』

10月半ば、噴水広場で行われる「和装で楽しむ世界最大の縁日」です。外国人だけでなく、日本人にも自国の文化に親しんでもらうことを目的としたイベントで、和装や伝統工芸体験、和食・日本酒・野点を楽しめるブースなどが設置されます。

冬『冬桜イルミネーション』

10月半ばから1月まで開催される「冬桜イルミネーション」では、噴水広場から上野商店街まで続く約100本の桜並木が、100,000灯ものLED でライトアップされます。

上野公園へのアクセス

最寄駅:JR上野駅(JY05) / 京成上野駅(KS01) / 東京メトロ上野駅(G16,H17)

新宿駅からのアクセス

【新宿駅】- JR山手線 / 池袋方面
→【JR上野駅】 公園口 → 徒歩(約1分)

東京駅からのアクセス

【東京駅】- JR山手線 / 上野方面
→【JR上野駅】公園口 → 徒歩(約1分)

成田空港からのアクセス

【成田空港駅】- 京成本線(快速特急)/ 京成上野方面
→【京成上野駅】正面口 → 徒歩(約5分)

羽田空港駅からのアクセス

【羽田空港駅】- 東京モノレール / 浜松町方面
→【浜松町駅】- 京浜東北線(快速)/ 南浦和方面
→【JR上野駅】公園口 → 徒歩(約1分)

駐車場

専用駐車場なし
※身障者専用駐車場のみ 詳しくは上野恩賜公園 アクセス・駐車場

上野恩賜公園周辺駐車場:
・上野パーキングセンター(400台収容・24時間営業・30分料金300円)※上野恩賜公園から徒歩約4分
・京成上野駅駐車場(100台収容・6:00〜24:00・30分料金300円)※上野恩賜公園から徒歩約6分

上野公園の周辺情報