日本における政治の中心、「国会議事堂」。東京都千代田区の永田町に位置するこの国会議事堂は、誰でも見学できるということは知っていましたか?
日本の政治の中心地を自分の目で見学するツアー。それが個人で参加できるうえ、費用は無料。ここでは、申し込み方法や開催時間、見どころについてご紹介します。
※2024年12月、一部情報を更新しました
国会議事堂の基本情報
国会議事堂は、国会が開催される建物のことです。16年もの歳月をかけ建設され、1936(昭和11)年に竣工しました。建物は中央の玄関を挟み左右対称の形をなしており、中央塔正面に向かって左側が衆議院、右側が参議院です。
国会議事堂の正門側
国会は国権の最高機関であり唯一の立法機関です。憲法改正や国の予算制定などのすべての政治が、この国会議事堂内で行われています。今回ご紹介する見学ツアーでは、政治が行われている舞台を実際に見学することができるのです。
個人参加できる国会議事堂見学ツアーとは
国会議事堂の見学は、ガイドの職員と一緒に巡る、見学ツアーの形で実施されています。ツアーで訪れることができるのは、実際に国会が開かれる部屋(本会議場)や、中央広場、天皇陛下が使用する御休所など。普段見ることのできない場所ばかりです。
衆議院・参議院が別々で開催
国会議事堂見学ツアーは衆議院と参議院の両院で開催されています。内容は大筋で両方同じですが、参議院のツアーでは「参議院の本会議場」を、衆議院のツアーでは「衆議院の本会議場」を見学することができるなどの違いがあります。
申し込みは別々にする必要があり、どちらか片方のみの参加も可能ですし、両方参加することもできます。具体的な申込み方法は次の項目ででご紹介します。
国会議事堂見学ツアーの申込み・参加方法
個人で参加する:衆議院(無料)
衆議院の見学ツアーに個人で参加する場合は、予約不要です。ただし、10名以上で参加する場合、手話による参観を希望の方は、事前に予約・問い合わせが必要です。
個人参加の場合、平日なら直接「衆議院参観受付所」に向かい、窓口で申し込み書を記入します。土日祝の場合は、「衆議院面会受付所」で申し込み手続きが必要です。
▶︎詳細はこちら:参観案内(衆議院)
【衆議院参観受付所】
●住所:東京都千代田区永田町1-7−1
●アクセス:
①東京メトロ[国会議事堂前駅]1番出口から徒歩約3分
②東京メトロ[永田町駅]1番出口から徒歩約5分
●地図:Googleマップ
【衆議院面会受付所】
●住所:東京都千代田区永田町1-7−1
●アクセス:
①東京メトロ[国会議事堂前駅]1番出口から徒歩約1分
②東京メトロ[永田町駅]1番出口から徒歩約5分
●地図:Googleマップ
個人で参加する:参議院(無料)
個人で参加する場合は、参議院見学ツアーも予約不要。こちらも10名以上で参加する場合、手話による参観を希望の方は、事前に予約・問い合わせが必要です。
平日の受付時間内に直接「参議院参観受付・入口」に向かいましょう。参議院の見学ツアーは、平日の毎時00分にスタート。
なお見学前には手荷物検査があります。毎時40分から開始なので、その頃を目掛けて受付をするといいでしょう。
▶︎詳細はこちら:国会体験・見学(参議院)
【参議院参観受付・入口】
●住所:東京都千代田区永田町1-7-1
●アクセス:
①東京メトロ[永田町駅]1番出口から徒歩約3分
②東京メトロ[国会議事堂前駅]1番出口から徒歩約6分
●地図:Googleマップ
旅行会社等のツアーで参加する(有料)
国会議事堂の見学は、個人で申し込むほか、旅行会社の見学ツアープランに申し込むことでも参加可能です。「はとバス」などで国会議事堂見学ツアーを実施しているので、詳しくは、各社の案内をチェックしてみてください。
▶︎はとバス:国会議事堂を含むプラン
▶︎クラブツーリズム:国会議事堂を含むプラン
▶︎東京観光タクシー:観光コース一覧
国会議事堂見学ツアー開催曜日・時間
衆議院・参議院で開催されている国会議事堂見学ツアーですが、参加可能な曜日や時間はそれぞれ異なっています。特に、土日祝は衆議院しか見学ができませんので、土日祝に見学したい方は、衆議院のツアーに参加するといいでしょう。
衆議院
●見学可能曜日
月〜金曜/土日祝
●見学可能時間
平日……8:00〜17:00(最終受付16:00)
土日祝……9:30/10:30/11:30/13:00/14:00/15:00
●所要時間
通常1時間程度
参議院
●見学可能曜日
月〜金曜
※参議院議員を通じた申し込みの場合は、国会閉会後の第1・第3日曜で見学可能
●見学可能時間
①9:00〜/②10:00〜/③11:00〜/④12:00〜/⑤13:00〜/⑥14:00〜/⑦15:00〜/⑧16:00〜
※本会議が開かれる日は開会予定時刻の1時間前〜散会まで見学不可
●所要時間
1時間程度
見学ツアーではどんなものが見られる?
国会議事堂は日本の政治の中心であり、建物自体も歴史があるため、ツアー内容は見どころたっぷりとなっています。国会議事堂の見学ツアーだからこそ体験できるポイントをご紹介します。
政治が実際に行われてきた舞台 国会議事堂「本会議場」
参議院の本会議場
国会議事堂見学ツアー最大の見どころは本会議場です。本会議場は国会の本会議が開かれるところで、衆議院と参議院にそれぞれにあります。歴史ある日本政治の中心舞台を実際に見ることができるのはツアーの魅力。
本会議場を上から眺めたときの光景は、半円形に配列された議席や細部にまでこだわって施された彫刻など、普段見られない箇所ばかり。また、ほとんどのものが、1936年の建設当時のまま残されています。ぜひじっくりと本会議場を眺めてみてください。
「前庭」で国会議事堂を真正面から見る
国会議事堂の前庭(国会議事堂正面)
国会議事堂見学ツアーでは最後に、前庭へ訪れます。通常は遠目から見ない国会議事堂が真正面に。これほど真正面、そして間近で見ることができるのは見学ツアーだけです。国会議事堂見学の記念撮影はこの場所でするのがおすすめです。
国会議事堂前庭の銀杏の木(前庭)
国会議事堂前庭には議会開設80年を記念して全国から贈られた「都道府県の木」が植えられています。大きな銀杏の木もありますが、これは国会議事堂が建設される前からこの地に根を張っていたもの。国会議事堂を長い間見守り続けてきたシンボルとして、今でも残されています。
衆議院と参議院、どちらのツアーがおすすめ?
国会議事堂では衆議院と参議院それぞれ別々に見学ツアーを開催しています。各院の見学ツアーでは1時間ほど要しますので、「サクッと片方だけ見学したい」という方は、どちらかの見学ツアーに参加するのがいいでしょう。両院それぞれの見どころをご紹介します。ぜひ見学のプラン立ての参考にしてみてください。
参議院ツアーの見どころ
参議院の見学ツアーは、参観ロビー→参議院本会議場→御休所→中央広間→前庭の順で巡ります。
国会議事堂参観ロビー
参議院見学ツアーの最大の見所は、最初に訪れる参観ロビーです。この参観ロビーは参議院の見学ツアーでのみ訪れることができる場所。参議院の前身である貴族院時代の展示物や、参議院の歴史を学ぶことができる展示物があります。
国会議事堂の議員議席複製
さらには、本物を模した議員席に座ることもできるので、実際に議員になった気分を味わえます。また、参議院は階段が少ないため、足腰にやさしい見学ツアーとなっています。
衆議院ツアーの見どころ
衆議院の見学ツアーは、衆議院本会議場→御休所→貴族室→中央広間→前庭の順で巡ります。
衆議院の本会議場
衆議院見学ツアーの最大の良さは、本会議場の撮影が可能という点です。見学ツアーで訪れる多くの場所は撮影禁止。本会議場の写真が撮れるのは衆議院だけです。政治が実際に行われてきた舞台を写真に残すことができるのは嬉しいポイントです。
国会議事堂見学ツアーの注意事項
参議院ツアーは平日のみの開催
参議院の見学ツアーは、月〜金曜の午前9時から午後4時までの毎正時(1日8回)に開催されます。衆議院と参議院の両方訪れようと考えていても、土・日曜、祝日に参議院の見学はできないので注意が必要です。
会議中は見学できない
本会議が開かれる日は、開会予定時刻の1時間前から散会までの間は国会議事堂見学をすることができません。また、特別な行事があるときなどには見学できないこともあります。せっかく訪れても、見学できない可能性もあるので注意しましょう。
写真撮影は3カ所のみ可能
国会議事堂を見学した思い出に多くの写真を撮りたいと思いますが、ほとんどの場所は撮影禁止となっています。
参議院は参観ロビーと前庭、衆議院は本会議場と前庭のみが撮影可能。国会議事堂ツアーガイドの指示に従いましょう。
事前の荷物検査あり
参議院の見学ツアーでは開始の5分前までに、手荷物検査を終えていなければなりません。見学ツアー開始20分前から手荷物検査を受けることができます。
おわりに:気軽に国会議事堂へ
国会議事堂外観
日本の政治の中心を長年担ってきた国会議事堂。その建物からは歴史の重みを感じることができます。大人から子どもまで楽しむことができる、国会議事堂見学ツアーにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
Photo:編集部/PIXTA