初夏のお出かけ先としておすすめしたいのが「滝」。ひんやりとした空気や水しぶきから涼しさを感じられる滝は、蒸し暑い季節の避暑にぴったりのスポットです。
このページでは首都圏からの日帰り訪問でも楽しめる栃木県内の14の滝をご紹介。
全国的に名の知られる人気の滝から、静かに楽しめる穴場の滝まで、いずれも訪れる価値あるスポットばかりです。
今年の夏はぜひ涼を求めて栃木県内の滝を訪れてみてはいかがでしょうか。
※掲載情報は2024年3月末時点のものです。荒天や災害によって、山道が通行止めや立ち入り禁止になることもあるため、訪れる際には必ずご自身で目的地周辺の最新情報をご確認ください
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栃木県内に数多くある滝の中でも特に有名な5つをご紹介します。
日本三名瀑として名高い華厳ノ滝、霧降ノ滝、裏見の滝をはじめ、パワースポットとして人気を集める白糸の滝や、塩原10名瀑のひとつに数えられる竜化の滝と、いずれも見応えのある滝ばかり。
人気観光スポットや温泉地からのアクセスも良いため、観光とあわせて滝巡りを楽しみましょう。
(日光市)華厳ノ滝
虹がかかった華厳ノ滝
日光三名瀑のほか、日本三名瀑の一つとしても数えられる華厳の滝。中禅寺湖の水が高さ97mの岩壁を流れ落ちる壮大な姿が眺められます。
エレベーターでアクセスできる観瀑台からは、滝つぼで水しぶきがはじける迫力ある姿が見られます。新緑や紅葉とのコントラストや、冬の凍結した姿など、四季折々の姿も魅力です。
【華厳ノ滝】
●住所:栃木県日光市中宮祠
●サイト:華厳ノ滝
●アクセス:
(観瀑台まで)東武バス(中禅寺温泉行き)バス停「東武日光駅」乗車、バス停「中禅寺温泉」下車後、徒歩約5分
(日光市)霧降滝
緑のなか流れ落ちる霧降滝
華厳の滝、裏見の滝とともに日光三名瀑のひとつとして知られる霧降滝(きりふりのたき)。
落差75m、上下2段に分かれて流れ落ちる巨大な滝で、下段の滝が岩に当たることで水しぶきが生じ、それが霧のように見えることが名前の由来と言われています。
【霧降滝】
●住所:栃木県日光市所野
●サイト:霧降滝
●アクセス:
(観瀑台まで)東武バス(霧降の滝方面行き)バス停[東武日光駅]乗車、バス停[霧降の滝]下車後、徒歩約10分
(日光市)裏見の滝
裏見の滝
華厳の滝、霧降の滝とともに日光三名瀑のひとつとして知られる裏見の滝。高さ約20mの滝は奥の細道行脚で日光を訪れた芭蕉が句を詠んだことでも知られています。
かつて滝の裏側に道が通じていたことが名前の由来と言われています。
【裏見の滝】
●住所:栃木県日光市丹勢
●サイト:裏見の滝
●アクセス:
(最寄り駐車場まで)日光宇都宮道路[清滝IC]から車で約6分
(日光市)白糸の滝
白糸の滝(写真:一般社団法人日光市観光協会)
日光二荒山神社の別宮「滝尾神社」の入り口に流れる白糸の滝。
天狗沢にかかる高さ10mの滝は、かつて弘法大師の修行した場としても知られ、近年では滝尾神社とともにパワースポットとして注目を集めています。
【白糸の滝】
●住所:栃木県日光市山内
●サイト:白糸の滝(滝尾神社)
●アクセス:
(滝尾神社まで)東武バス(世界遺産めぐりバス)バス停[東武日光駅]乗車、バス停[東照宮東参道入口 ホテル清晃苑前]下車後、徒歩約25分
(那須塩原市)竜化の滝
迫力ある竜化の滝
塩原10名瀑のひとつ、竜化の滝。三段になって流れる様子が竜のように見えるのがその名の由来です。
駐車場から遊歩道が整備されており、竜化の滝までは所要約20分。途中で抛雪(ほうせつ)の滝、風挙(ふうきょ)の滝も見られます。
【竜化の滝】
●住所:栃木県那須塩原市塩原
●サイト:竜化の滝
●アクセス:
(最寄り駐車場まで)東北自動車道[西那須野塩原IC]から車で約15分
穴場【栃木の滝9選】パワースポットや絶景を静かに楽しむ
自然に囲まれ、マイナスイオンたっぷりの滝は日ごろの疲れを癒やすのにぴったりのお出かけ先。
ここからはそんな滝の魅力を静かに味わいたい方におすすめの9スポットを紹介します。
いずれのスポットも滝周辺に遊歩道が整備されており、美しい自然のなかでの散策と滝見物があわせて楽しめるのが魅力。
水辺はヤマビルが繁殖しやすいため、しっかりと対策をしたうえで滝巡りを楽しみましょう。
(矢板市)おしらじの滝
青い滝壺が美しい
「山の駅たかはら」から車で約5分ほどの駐車場から、10分ほど歩いて下ったところにあるおしらじの滝。
神秘的なブルーの水を滝つぼにたたえる姿が美しく、幻の滝とも呼ばれています。
滝の周辺は携帯電話が圏外で熊の目撃情報もあるため、訪問の際は注意してください。
【おしらじの滝】
●住所:栃木県矢板市下伊佐野
●サイト:おしらじの滝
●アクセス:
(最寄り駐車場まで)東北自動車道[矢板北スマートIC]から車で約35分
(日光市)マックラ滝
マックラ滝
霧降川の支流にかかるマックラ滝は、全国でもめずらしい北向きに流れ落ちる滝として知られています。
バス停の近くからハイキングコースが伸びており、霧降川沿いを歩きながらマックラ滝、玉簾滝、丁字滝からなる霧降隠れ三滝を巡ることができます。
【マックラ滝】
●住所:栃木県日光市所野
●サイト:マックラ滝
●アクセス:
(マックラ滝まで)東武バス(霧降高原行き)バス停[東武日光駅]乗車、バス停[隠れ三滝]下車後、徒歩約60分
(日光市)玉簾滝
玉簾滝
霧降隠れ三滝の一つである玉簾滝(たますだれのたき)。滝上を水が滑り落ちていく様が玉すだれのように見えることが名前の由来です。
ほかの隠れ三滝と同様に霧降川沿いのハイキングコース上に位置し、美しく水が流れる様子を間近に見ることができます。
【玉簾滝】
●住所:栃木県日光市所野
●サイト:玉簾滝
●アクセス:
(玉簾滝まで)東武バス(霧降高原行き)バス停[東武日光駅]乗車、バス停[隠れ三滝]下車後、徒歩約35分
(日光市)丁字滝
丁字滝
マックラ滝、玉簾滝とともに霧降隠れ三滝として知られる丁字滝(ちょうじのたき)。高さ約10mと小ぶりながらも、勢いよく水が流れ落ちる様子は見応えがあります。
【丁字滝】
●住所:栃木県日光市所野
●サイト:丁字滝
●アクセス:
(丁字滝まで)東武バス(霧降高原行き)バス停[東武日光駅]乗車、バス停[隠れ三滝]下車後、徒歩約35分
(日光市)寂光の滝
鳥居の奥の階段を登ると寂光の滝が見えてきます
田母沢川にそそぐ沢に落ちる寂光の滝(じゃっこうのたき)。かつて弘法大師が開基したといわれる寂光寺(現在の若子神社)がその名の由来と言われています。
高さ50mの滝が7段に分かれて流れ落ちる様が美しく、日光八景の一つにも数えられています。
【寂光の滝】
●住所:栃木県日光市日光
●サイト:寂光の滝
●アクセス:
(寂光の滝まで)東武バス(中禅寺温泉または湯元温泉行き)バス停[東武日光駅]乗車、バス停[日光田母沢御用邸記念公園]下車後、徒歩約20分
(那須塩原市)乙女の滝
冷涼な雰囲気
白笹山から流れる沢名川にある乙女の滝は、幅約5m、落差約10数mの美しい滝。
名前の由来にはいくつかの説があり、滝の落ちる姿が乙女の髪のように見えるからとも、地元に残る滝の上に現れた盲目の美しい乙女の伝説から名づけられたとも言われています。
【乙女の滝】
●住所:那須塩原市板室703
●サイト:乙女の滝
●アクセス:
(最寄り駐車場まで)東北自動車道[那須IC]から車で約30分
(那須塩原市)回顧の滝
遊歩道が整備されており初心者も挑戦しやすそうです
訪れた旅人が去るのを惜しみ、振り返らずにはいられないほどの美しさからその名がつけられたという回顧(みかえり)の滝。
駐車場から遊歩道が伸びており、15分ほど歩いた先の回顧の吊橋を渡ったところにある観瀑台からは豪快に流れ落ちる滝が眺められます。
【回顧の滝】
●住所:栃木県那須塩原市塩原
●サイト:回顧の滝
●アクセス:
(最寄り駐車場まで)東北自動車道[西那須野塩原IC]から車で約15分
(那須塩原市)スッカン沢
(写真左)素簾の滝、(写真右)雄飛の滝
青白く輝くスッカンブルーの水で知られるスッカン沢。美しい渓谷美が楽しめる沢沿いの雄飛の滝線歩道を歩けば、素簾の滝や雄飛の滝をはじめとする美しい滝に出会えます。
【スッカン沢】
●住所:栃木県那須塩原市湯本塩原
●サイト:スッカン沢
●アクセス:
(最寄り駐車場まで)東北自動車道[矢板スマートIC]から車で約30分
(那須鳥山市)龍門の滝
夏は遊水スポットとしてもおすすめです
江川にかかる幅65m、高さ20mの龍門の滝。周辺には遊歩道が整備されており、滝つぼまで降りて間近に滝を眺められます。滝上にJR烏山線が走っており、フォトスポットとしても人気です。
【龍門の滝】
●住所:栃木県那須烏山市滝414
●サイト:龍門の滝
●アクセス:
(龍門の滝まで)JR烏山線[滝駅]からで徒歩約5分
【栃木の滝】服装や持ち物に注意!ヤマビル対策のすすめ
夏の森林
滝を見に行く際に注意したいのがヤマビル。6月から10月の雨天時やその翌日に特に活発に活動し、栃木県内のハイキングコースなどでも被害が報告されています。
ヤマビルは衣服の隙間から侵入してくるため、山内の遊歩道やハイキングコースを歩く際は長袖、長ズボンを着用し、ズボンの裾は靴下に入れて隙間を無くしましょう。
滝巡りの際には特に長靴がおすすめです
足元はくるぶしまで覆う登山靴や、長靴がおすすめです。山歩きの前に市販のヤマビル用の忌避剤を靴や衣類に噴霧しておきましょう。
ヤマビルに血を吸われてしまったら、塩や虫除けスプレー等をかけてすぐに取り除きましょう。道具がなければ指で引き剥がしてもかまいません。
引き剥がしたヤマビルは、放置すると繁殖してしまうため、必ず駆除しましょう。
応急処置セットを忘れずに
傷口は指でつまんで血を押し出し、ヤマビルの唾液成分(ヒルジン)を絞り出してから水や消毒用エタノールで洗い流しましょう。
その後虫刺され薬やかゆみ止めを塗り、絆創膏を貼ってください。
おわりに
自然のパワーを感じる滝は日々の疲れを忘れてリフレッシュするのにぴったりのスポット。
遠くから全景を眺めたり、滝つぼに水が豪快に流れ落ちる姿を間近でみたりと、それぞれの好みにあわせて楽しめるのが魅力です。
今回ご紹介したスポットは、どの滝も日帰りで気軽に訪問できるものばかり。お気に入りの滝を見つけたら、ぜひ週末や休暇の小旅行で訪れてみてください。
Text:石井亮 Edit:Sakura Takahashi
Photo:PIXTA(特記ないもの)
参考:各市町村公式サイト