日本全国には、いくつもの白糸の滝が存在します。有名なものだと、長野県の白糸の滝などが挙げられます。今回紹介するのは、静岡県の富士宮市にある白糸の滝。
富士山の伏流水が流れ落ちる白糸の滝は、世界遺産に登録されている富士山の構成資産にも登録されています。絹糸のように優しく流れ落ちる白糸の滝は、古くから愛されてきました。
この記事では白糸の滝の歴史や見どころ、アクセス情報などを紹介していきます。白糸の滝にまつわる情報がふんだんに掲載されているので、ぜひ最後までご覧ください。
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白糸の滝の歴史
古くから親しまれる白糸の滝は、多くの歌にも詠まれてきました。鎌倉幕府将軍の源頼朝や、戦国時代には織田信長も白糸の滝を訪れ、歌を詠んでいます。
戦国時代末から江戸時代初期にかけては、富士山を信仰する集団の「富士講」を開祖した長谷川角行がこの地で修行を行い、その後富士講の人々の巡礼、修行の場となりました。
1936年に国の名勝及び天然記念物に指定されると、2013年には「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として、世界文化遺産にも登録されました。
白糸の滝は富士山の世界構成資産
白糸の滝周辺から見る富士山
静岡県の白糸の滝は、富士山の世界構成資産として登録されています。
富士山の「信仰の中心」「芸術の起源」としての価値を示す具体的な文化資産を指すものを「構成資産」と言います。この富士山の価値は、単に山そのものだけに限らず、歴史を通じて富士山と繋がりが深い周辺の神社、登山路、風穴、溶岩の樹形、湖や沼などが含まれています。
これらの構成資産は富士山の世界文化遺産としての重要な価値を示しており、構成資産すべてを合わせて世界遺産に登録されています。
2013年に「富士山ー信仰と芸術の中心」としてユネスコの世界文化遺産に認定されました。この時、その価値を示す構成資産としてこちらの静岡県 白糸の滝が選ばれました。
1936年には白糸の滝は国の「名勝及び天然記念物」としても選定されており、富士講の信仰や修行の場所としても広く知られています。
岩壁の間から流れ落ちる珍しい滝
岩の間から流れる白糸の滝
通常、滝というと川から流れ落ちるのを想像しますが、白糸の滝は岩壁の間から流れ落ちる珍しい滝なのです。幅150m、高さ20mの崖から、毎秒約1.5tもの水量が流れ落ちます。
この不思議な現象には地層が関係しています。白糸溶岩流という水を通しやすい地層の下に、水を通しにくい古富士泥流という地層があり、この2つの地層の間から水が湧き出しているそう。
2つの展望台から眺める
白糸の滝を眺めるポイントは、大きく分けて2カ所あります。一つが、白糸の滝の目の前まで近づけるマイナスイオンたっぷりの場所です。
静岡県富士宮市の白糸の滝
近くで見ると、絹糸のように優しく流れる滝のイメージとは打って変わって、音と滝の大きさに圧倒されます。また、滝壺の水の透明度が高く、底が見えるほど透き通っているのも確認できます。
白糸の滝と富士山
もう1カ所は、整備された歩経路を進んだところにある高台にある展望場です。ここからは、白糸の滝を見下ろすことができます。上から見下ろすと、崖から流れ落ちる様子がはっきりと観察できるほか、天気のいい日には富士山も一緒に眺めることができるポイントです。
音止の滝
白糸の滝の近くの音止の滝
白糸の滝の近くには、もう一つ大きな滝が流れ落ちています。それが「音止の滝」。白糸の滝駐車場から徒歩5分程のところにあり、白糸の滝の雰囲気とは反対に、落差25mの崖から轟音を響かせています。
その昔、鎌倉時代の武士、曾我兄弟が父の仇である工藤祐経を討つ相談をしていた際、滝の音で声が遮られてしまいました。そこで静まるように神に念じたところ、一瞬滝の音が止んだという伝説から、音止の滝という名が残されています。
白糸の滝周辺の観光スポット
白糸の滝の周辺には多くのレストラン、ショップ、おしゃれなカフェなどが複数点在。白糸の滝にきたら、訪れたい観光スポットを紹介していきます。
自家焙煎 Mifujiya Coffee
Mifuneya Coffeeの店内から見る音無しの滝(画像提供:jyunjyun4649様)
音止の滝のすぐ上、豊かな自然に囲まれた特別なロケーションに「自家焙煎 Mifujiya Coffee」があります。迫力溢れる滝の景色と一緒に、コーヒーの一杯を堪能する時間は非日常を感じられる瞬間です。
落ち着いた色調の外観と、木のぬくもりが感じられる店内は、訪れる人々に安らぎを提供しています。席数もたくさん用意されており、ゆったりとした空間でのんびりと過ごせるでしょう。
「自家焙煎 Mifujiya Coffee」で、滝のすぐそばで自然を感じながら一息してみませんか?
自家焙煎 Mifujiya Coffee基本情報
営業時間:10:30〜17:00
定休日:不定休
公式サイト:自家焙煎 Mifujiya Coffee
平石屋
小腹がすいた方には焼きそば専門店「平石屋」がおすすめです。
白糸の滝のすぐ近くにある「白糸の滝テラス」にお店を構えます。 こちらの平石屋は創業70年の歴史を誇り、コシのある麺とソースのコクとの味わいがたまらない「富士宮焼きそば」をいただくことができます。
木材を中心とした落ち着いた雰囲気の古民家風レストランで、ゆっくりと食事ができるでしょう。
白糸の滝の絶景と地元グルメも楽しみたい方は、こちらの平石屋がオススメです。
平石屋基本情報
営業時間:9時〜17時
定休日:不定休
白糸の滝は日本全国にある
白糸の滝は実は日本全国にあることをご存知でしたか?
下は九州から、北は北海道まで白糸の滝という名前がついた滝が複数点在しているんです。
ここからは関東にある白糸の滝をいくつかご紹介したします。
長野県軽井沢町
山梨県にある白糸の滝
長野県軽井沢町に、たっぷりの地下水を利用した白糸の滝があります。
特徴はその幅の広さ。高さ3mと小さな滝ではありますが、幅が70mもあります。湾曲した岩壁に沿って、豊富な水が落ちていき自然の美しさを感じられるでしょう。
実は軽井沢の白糸の滝は、人の手によって作られた人口滝。人の手が加えられたとはいえ、周りの自然との調和が保たれていて美しいことに変わりはありません。
夏の季節には滝のライトアップが行われ、幻想的な雰囲気に変わります。秋の季節には美しい紅葉も一緒に見ることができますよ。
山梨県富士吉田市
山梨県にある白糸の滝
静岡県の隣、山梨県の富士吉田市にも白糸の滝があります。
静岡県の白糸の滝から車で1時間ということもあり、場所を勘違いしてしまう人もいらっしゃるようです。3つの峠より湧き出た水からできた、こちらの白糸の滝は山梨県の癒しスポットとして有名です。
静岡県富士宮市の白糸の滝へのアクセス
最寄駅:白糸の滝(バス停)
東京駅からのアクセス
【東京駅】-東海道新幹線 / 名古屋方面
→【三島駅】- JR東海道本線 / 静岡方面
→【富士駅】- JR身延線 / 甲府方面
→【富士宮駅】- 路線バス・富士急静岡バス / 白糸の滝行き
→【白糸の滝バス停】
静岡駅からのアクセス
【静岡駅】- JR東海道本線 / 熱海方面
→【富士駅】- JR身延線 / 甲府方面
→【富士宮駅】- 路線バス・富士急静岡バス / 白糸の滝行き
→【白糸の滝バス停】
富士山静岡空港からのアクセス
【富士山静岡空港駅】- 空港バス・しずてつジャストライン / 新静岡行き
→【静岡駅】- JR東海道本線 / 熱海方面
→【富士駅】- JR身延線 / 甲府方面
→【富士宮駅】- 路線バス・富士急静岡バス / 白糸の滝行き
→【白糸の滝バス停】
車でのアクセス
最寄りIC:東名高速道路 富士IC
白糸の滝周辺には複数の駐車場があります。
・白糸の滝観光駐車場
・旧白糸ガーデン駐車場
・終点駐車場
・近道駐車場
・白糸自然公園駐車場
料金や駐車可能台数がそれぞれ異なるので、ご注意ください。
(掲載した情報が異なる場合があります。現地での確認をして下さい。)
公式サイト:ふじのみやNAVI/白糸自然公園/ドライブ旅のみちしるべ
静岡県富士宮市の白糸の滝は紅葉の名所でもある!
紅葉と白糸の滝と富士山
白糸の滝は、美しい紅葉が見られる場所でもあります。特に、白糸の滝を見下ろせる展望場からは、真っ赤に染まった紅葉の下を流れる白糸の滝。そして雪化粧をした富士山を背後に眺めることができます。
紅葉の季節に合わせて訪れるのも、また違った表情を見せる白糸の滝を楽しむことができますね。
Edit:Kaoru Maki
参考:ふじのみやNAVI/富士宮市/ハローナビしずおかBlog/富士の国やまなしほか