碓氷峠の歴史
碓氷峠の見どころ
碓氷峠鉄道文化むら
碓氷関所跡
旧丸山変電所
碓氷湖
碓氷第三橋梁 めがね橋
峠の湯
おぎのやの「峠の釜めし」
イベント
アクセス
まとめ

群馬県と長野県にまたがる碓氷峠(うすいとうげ)。かつては交通の難所として知られていた碓氷峠ですが、関東と信州を結ぶ重要な役割を担っていました。現在は高速道路や新幹線の誕生により、この碓氷峠を超える人は少なくなりましたが、当時の建造物や施設は今も残されています。

その碓氷峠の名所を巡るのにピッタリなのが「アプトの道」。碓氷峠の見どころは、アプトの道を歩けばすべて満喫できると言っても過言ではありません。

今回は、そんな碓氷峠の歴史と見どころ、アプトの道のハイキングコースの情報を紹介していきます。

碓氷峠の歴史

江戸時代には、五街道の一つ・中山道のルートとして整備された碓氷峠。神奈川県の箱根と並んで、最も重要な関所とされた「碓氷の関」は、その跡地が群馬県の指定文化財にも登録されています。

明治時代に入ると日本に鉄道が誕生し、ここ碓氷峠にも鉄道計画が立てられます。そして1893年、群馬県の横川駅と長野県の軽井沢駅間の碓氷線が開通。標高差の勾配の問題を解決するために取り入れられたドイツのアプト式は、日本初の試みでした。アプト式とは、「ラックホイール」と呼ばれる歯車型の車輪と、「ラックレール」という歯車型のレールを噛み合わせることで1歩ずつ坂を登っていく仕組みです。

その後も、100年以上にわたって関東と信州を結ぶ重要な役割を果たしてきましたが、列車の輸送力の限界や他路線の普及により、徐々に衰退していきます。1997年に長野新幹線が開通すると、ついに碓氷線は廃止を迎えました。

碓氷峠の見どころ

観光の際に訪れたい、碓氷峠の見どころをご紹介します。

碓氷峠 アプトの道をハイキング

碓氷峠を通るアプトの道

碓氷峠を通るアプトの道のトンネル

ハイキングコースの「アプトの道」は、かつて碓氷線として使われていた線路のうち、横川駅と熊ノ平駅間の約6kmを遊歩道として整備したものです。このアプトの道沿いには、碓氷峠の歴史や自然が堪能できる見どころスポットが集まっています。

碓氷峠鉄道文化むら

碓氷峠鉄道文化むらの外観

碓氷峠鉄道文化むら

アプトの道の起点に位置する「碓氷峠鉄道文化むら」は、「見て、触れて、体験できる」をコンセプトに作られた鉄道テーマパークです。碓氷線の歴史の展示やジオラマ模型がある資料館、当時使われていた蒸気機関車や電気機関車などの車両の展示、鉄道を運転している気分が味わえる運転シミュレーターなど、子供から大人まで楽しめる施設がたくさんあります。

さらに、1日講習を受けて修了検定に合格すると、碓氷峠専用EF63形電気機関車を運転することができます。ただし、この講習や運転体験は人数が限られているため、なかなか予約が取れません。常に公式サイトをチェックしておきましょう。

碓氷関所跡

江戸時代に使われていた碓氷関所跡の外観

碓氷関所跡

「碓氷関所」は、1623年に江戸幕府によって設置されました。五街道の一つとして江戸幕府を支えた中山道。その中で関東へ入国する関門として厳しく監視されていた場所です。

明治時代に入り関所としての役割は終えますが、1955年に関所跡が群馬県の指定文化財に登録されます。1960年に完成した資料館は、碓氷関所の歴史を伝える施設です。
*老朽化に伴い、3月で現在の資料館は閉館。4月から鉄道文化むら近くの市施設に移される予定。

旧丸山変電所

重要文化財の旧丸山変電所の外観

旧丸山変電所

横川・軽井沢間の鉄道を大きく支えた「旧丸山変電所」。鉄道の電化に伴い1912年に建てられました。1994年には国の重要文化財に指定され、復元工事が施されます。現在見学できるのは外部のみで、内部の公開は行っていません。

碓氷湖

碓氷湖の景色

碓氷湖

「碓氷湖」は、碓氷川と中尾川の合流地点をせき止めてできた人工湖です。豊かな自然に囲まれた湖で、新緑、紅葉、雪景色と四季折々の美しさが楽しめます。アプトの道ハイキングの休憩にもピッタリの場所です。

碓氷第三橋梁 めがね橋

碓氷峠のめがね橋上部

碓氷峠のめがね橋上部

1892年に完成した「碓氷第三橋梁」は、その形から「めがね橋」の愛称でも親しまれる煉瓦アーチ橋です。高さ31m、長さ91mと、煉瓦づくりのアーチ橋としては日本一の大きさを誇り、国の重要文化財にも指定されています。

アプト式鉄道時代に線路として使われていた橋で、1892年から1963年までこの橋を鉄道が通っていました。現在はアプトの道の一部として、橋の上を歩くことができます。

下から見た碓氷峠のめがね橋

下から見た碓氷峠のレンガアーチのめがね橋(碓氷第三橋梁)

また、橋を渡ったところに下へ降りる道があります。下から眺めるめがね橋も迫力満点なのでオススメです。

峠の湯

碓氷峠にある峠の湯の外観

碓氷峠にある峠の湯

碓氷峠の麓に位置する「峠の湯」。場所としては旧丸山変電所と碓氷湖の間にあたります。2001年にオープンした日帰り温泉施設で、洋風・和風の二つの大浴場や露天風呂、個室の家族風呂など、充実した温泉施設が揃っています。アプトの道ハイキングの後は、ぜひ峠の湯に立ち寄って疲れを癒しましょう。

おぎのやの「峠の釜めし」

おぎのやの「峠の釜めし」

おぎのやの「峠の釜めし」 写真提供:ググッとぐんま写真館

碓氷峠に訪れたら必ず食べたいグルメが、おぎのやの「峠の釜めし」。1958年から作られている、横川駅の名物駅弁です。碓氷線が運行していたころはもちろん、廃線となった今でもこの駅弁目当てで訪れる人も多くいます。

益子焼で作られた釜の中に、タケノコやゴボウ、栗などの山の幸がふんだんに使われた釜めしは優しい味わい。横川駅前の本店や、駅内の売店、碓氷鉄道文化むらなど、様々な場所で購入できます。

碓氷峠のイベント

碓氷峠で開催されるイベントをご紹介します。

7月『碓氷峠ホタルの里まつり』

例年7月上旬に実施される「碓氷峠ホタルの里まつり」。峠の湯付近の、碓氷峠の森公園で開催されます。6月下旬から7月上旬がホタルの見頃となり、多くのホタルが飛び交う姿は幻想的です。イベント当日には屋台の出店もあります。

碓氷峠へのアクセス

最寄駅:JR信越本線横川駅

東京駅からのアクセス

上越・北陸新幹線 / 新潟・金沢方面
→【高崎駅】
JR信越本線 / 横川方面
→【横川駅】

前橋駅からのアクセス

【前橋駅】ー JR両毛線 / 高崎方面
→【高崎駅】
JR信越本線 / 横川方面
→【横川駅】

車でのアクセス

最寄りIC:上信越自動車道 松井田妙義IC
碓氷峠アプトの道周辺の駐車場:碓氷峠鉄道文化むら駐車場 めがね橋駐車場 

碓氷峠の歴史と自然を大満喫

碓氷峠の名所を巡るアプトの道は、豊かな自然に囲まれながら歴史を感じられるハイキングコースです。ハイキングに鉄道文化むら、釜めしに温泉と、一日中楽しむことができます。アプトの道ハイキングをする際は、歩きやすい靴と虫除けの準備も忘れずにしておきましょう。