都心から1時間ほど離れた場所に位置する「高尾山」。そのアクセスの良さや自然の豊かさから老若男女に愛され、毎年多くの人が訪れます。
高尾山は標高が高すぎず、初心者や子供連れでも十分楽しめるのが魅力的。今回は8つの登山コースはもちろん、はじめての登山で気になる服装や持ち物、所要時間についてもたっぷりとご紹介します。
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高尾山の登山
東京都・八王子市に位置する「高尾山」。標高は599mですが、標高約485m地点まで延びるケーブルカーやリフトもあるため初心者や子ども連れの方でも気軽に遊びに行くことができます。
高尾山の主要な登山コーツは8コース。自分のレベルや目的に合った登山道を選んで、楽しく安全に登りましょう!
高尾山 基本情報
住所:東京都八王子市高尾町
TEL:042-661-4151
ケーブルカー:8:00〜18:30(季節により変動あり)
リフト:9:00〜16:30(季節により変動あり)
運賃:片道 大人 490円 子供 250円
往復 大人 950円 子供 470円
公式サイト:高尾登山電鉄株式会社
1号路【表参道コース】
王道コースの1号路
「高尾山の自然」をテーマにした山頂までのコースが、1号路の「表参道コース」。もっとも多くの登山者が利用する王道コースです。全長3.8kmと比較的距離は長いですが山道は舗装されており、初心者でも歩きやすいコースが続きます。
薬王院の本堂やさる園、霞台展望台など多くの観光スポットを通るのも見どころの一つ。山道脇にはお茶屋さん、おそば屋さんなどの食事処やトイレもあるので初めての方も安心して登れるコースです。
2号路【霞台ループコース】
1号路の中腹あたりのさる園・野草園を周遊する2号路「霞台ループコース」。「高尾の植物」がテーマの2号路は山頂にはつながっておらず、1周およそ1kmを30分ほどで周ることができます。
南斜面には暖帯系の常緑樹林、北斜面には寒帯系の針葉樹林が広がっており、短いコースですが高尾山ならではの自然を味わうことができます。
3号路【かつら林コース】
高尾山3号路のかつら林コースの景色
1号路途中にある浄心門の南側からスタートし、山頂まで続く3号路「かつら林コース」。全長2.4kmほどの登山道は起伏が少なく、のんびり登ることができます。
スギを中心とした針葉樹林と、コースの名前にもなっているかつら林が広がる中の登山は、高尾山の醍醐味。コース終盤に5・6号路と合流し、少し歩くと山頂に到着します。「高尾の森」を存分に味わいたい方は3号路コースがおすすめです。
4号路【吊り橋コース】
高尾山唯一の吊り橋を渡る4号路
「森と動物」がテーマの4号路「吊り橋コース」。全長は1.5kmの登山道は浄心門から北へ、3号路とは逆の方向に登山道が伸びており、約1時間で登ることができます。山頂付近の階段を上がり、1号路に合流すれば山頂はすぐそこです!
4号路コース最大の特徴は、高尾山唯一の吊り橋「みやま橋」を通ること。高尾山の動物や森に囲まれて進む道は、穏やかな時間が流れ癒されること間違いなしです。
さらに紅葉の季節になるとブナ、モミ、カエデなどが鮮やかに高尾山を彩り、森の美しさを最大限感じながら登ることができます。
5号路【山頂ループコース】
山頂付近を周遊する5号路「山頂ループコース」。山道周辺に生い茂る「江川杉」は江戸時代に植えられたといわれており、高尾山の歴史を感じられるコースです。号路は、2号路以外すべてのコースとつながっているのが特徴的。約30分で1周できるので、下山する前に少し散策してみるのもおすすめです。
冬には「氷の花」が見られる5号路
冬には「シモバシラ」という植物の茎から氷が発生する現象が見られます。その様子はまるで「氷の花」。5号路を周遊しながら高尾山の自然に触れ合えるのも魅力の一つです。
6号路【びわ滝コース】
上級者向けの「びわ滝コース」
1号路などに比べ厳しい山道が続き、登りごたえのある上級者向けの6号路「びわ滝コース」。沢沿いを進んでいく6号路は「森と水」がテーマで、爽やかな水のせせらぎが疲れを癒してくれます。
途中に「びわ滝」がある6号路は、清涼感たっぷりで夏に大人気のコース。真冬でも水行者の姿が見られることもあるそうです。山頂付近では丸太階段や飛び石で沢を登っていく場所もあり、他のコースとは一味違う山登りを体験することができます。
整備された1号路とは異なり、足元が悪くトイレやお店も山頂までないため、しっかりと登山の準備を整えてから挑戦しましょう。
稲荷山コース【尾根コース】
稲荷山コースの景色
高尾山の南東に広がる尾根を通っていく「稲荷山コース」。全長3.1kmあるこのコースは、急な上り坂から始まりなかなかハードな登山道です。しかしコース中間にある稲荷山展望台から望む絶景は、登山の疲れも吹き飛ばしてくれます。
「四季折々」がテーマの稲荷山コース。秋には山全体を紅葉が彩り、絶景が広がります。分岐がなく他のコースから移動できないため混雑も比較的ゆるやかなのがおすすめポイント。春夏秋冬と移りゆく自然の素晴らしさとともに、本格的な登山を楽しみましょう!
【高尾山〜陣馬山コース】
最も難易度が高い「高尾山〜陣馬山コース」
高尾山の山頂から「城山」、「景信山」を経由して「陣馬山」山頂へ至る約15.3kmの「高尾山〜陣馬山コース」。主要8コースの登山道の中でも圧倒的に難易度が高いロングコースです。
眼下に満開の桜が咲き誇る「一丁平」
複数の山を越えていくことは簡単なことではありませんが、登山途中に見える数々の絶景はこのコースだけの特権。高尾山山頂から城山に向かって40分ほどの場所にある展望台「一丁平」は春になると満開の桜で埋め尽くされます。城山、景信山頂上からの壮大な眺望も見逃せません。
高尾山山頂から陣馬山山頂まで5時間以上かかるコースではありますが、休憩所も多数完備されているのでゆっくりと自分のペースで進みましょう。
高尾山の服装や持ち物は?
高尾登山のベストな服装・持ち物とは?
登山とは危険も伴う油断できない旅。安全に帰ってくるためにはどのような服装・持ち物で登れば良いのでしょうか?今回は初心者でも安心して登れるよう徹底ガイドします!
高尾登山の服装はこれ!
標高が低い高尾山は、普段着で登ってもいいの?と思う方もいるかもしれません。自分が登るコースや天候、季節によってベストな服装は異なります。1号路のように舗装され、歩きやすい道の場合は本格的な登山の装備は必要なく、普段着の範囲で動きやすい格好であれば問題ないです。
防寒対策・雨具は必須!
天気の変わりやすい山では、防寒対策や雨具は絶対に忘れてはいけません。ウインドブレーカーのような軽くて防寒着になるものや、撥水性のある上着、レインコートを持参することがおすすめです。自宅を出た時は暖かく感じていても、山に登り木陰になると肌寒いと感じることも。天気や気温の変化に対応できるよう、上着を1枚多く持っていきましょう。
登山は一番歩きやすい靴で!
歩きやすく滑らない、履き慣れた靴で登山を楽しもう
1号路など舗装路が中心の登山道は、本格的な登山靴でなくても大丈夫。歩きやすく履き慣れていて、滑らない靴が好ましいです。登山のために新しく新調しても、足に馴染んでいないと靴擦れを起こす可能性も。自分と相性の良い、どれだけ歩いても疲れないような靴で登ってください。ヒールがある靴や革靴などは厳禁です!
バッグは両手が空くリュックサックなどがgood!
リュックサックのような両手が空くバックがおすすめ
防寒対策や雨具、水分補給など必需品が多くなる登山。たくさんの荷物を持って歩くには、リュックサック(登山用語でバックパック)が最適です。初心者だと、慣れてない道や木の根っこなどでつまづいて転んでしまうこともあるかもしれません。そんな時、両手が空いていないととっても危険。安全面から見ても両手が空くものや、リュックサックがベストです。
帽子をかぶって安全対策◎!
思わぬ危険が潜んでいる登山では、帽子があるとなおよし。木の枝などから頭を守ってくれます。また転倒してしまったときなど、帽子ひとつで大きな怪我を防げる場合もあるので安全対策はバッチリと行いましょう。日差しから頭部を守ることで必要以上に体力が消耗するのも防げます。
食料・飲み物は忘れずに!
お茶とは別にお水を持参すると便利
高尾山には食堂や売店があるものの、1号路だけ。他のコースで行く場合、売店はおろか自動販売機すらありません。山頂までに補給できる食べ物や飲み物は必ず持って行ってください。飴やチョコレートは携行食の定番です。また飲み物は、お茶や少し甘めの紅茶がおすすめ。それらとは別に水は必ず持参しましょう。手が汚れた時や怪我をした時の洗浄、気分が悪くなった時などあらゆる場面で使えます。
高尾山の登山にかかる時間は?
登山をする時気になるのは、その所要時間。高尾山全8コースの登山にかかる時間を紹介します。
1号路【表参道コース】の所要時間
上り:100分 下り:80分(難易度:★★)
2号路【霞台ループコース】の所要時間
一周:40分(難易度:★)
3号路【カツラ林コース】の所要時間
上り:60分 下り:50分(難易度:★★)
4号路【吊り橋コース】の所要時間
上り:50分 下り:40分(難易度:★★)
5号路【山頂ループコース】の所要時間
一周:30分(難易度:★)
6号路【びわ滝コース】の所要時間
上り:100分 下り:80分(難易度:★★★)
稲荷山コース【尾根コース】の所要時間
上り:100分 下り:80分(難易度:★★★★)
【高尾山〜陣馬山コース】の所要時間
約5時間20分(難易度:★★★★★)
高尾山の3つの展望台
山登りの醍醐味といえば、高い位置から眺める美しい自然の景色。今回は登山の疲れも吹き飛ばしてくれるおすすめの高尾山展望台を紹介します。
高尾山山頂展望台
富士山まで見渡せる「高尾山山頂展望台」
1つ目は「高尾山山頂展望台」。晴れた日には富士山まで見渡すことができる、絶対に外せない高尾山の人気展望台です。休憩スペースもあるので、景色を楽しみながらお弁当を食べて一休みするのも良いでしょう。
かすみ台展望台
八王子市街地から東京スカイツリーまで見渡せる「かすみ台展望台」
山頂展望台に負けず劣らず素晴らしい景観を楽しめるのが、1号路の中腹にある「かすみ台展望台」。高尾山ケーブルカーの高尾山駅に隣接しており、アクセスも良く、手軽に絶景を堪能できます。
晴れた日には東京スカイツリーや横浜港まで見渡すことができますが、特に夜景は必見。八王子市街地から都内のビル群まで光り輝きます。眼下に広がるパノラマを、ぜひ写真や記憶に収めてください。
稲荷山展望台
稲荷山コースからしか辿り着けない「稲荷山展望台」
稲荷山コースの中腹に位置する「稲荷山展望台」。ふもとから稲荷山展望台までは急な登山道が続くハードなコースですが、展望台で休息をとりながら景色を眺めてみましょう。
稲荷山展望台は稲荷山コースでしか辿り着くことができません。その分、展望台から見られる景色も特別なものとなるはずです。「初心者でも挑戦してみたい!」という方は、万全な体調で準備を整え登ってみてください。
樹齢100年超え!高尾山の“3本の杉”
暖帯・温帯・寒帯の境目という特徴から、多種多様な植物が育つ高尾山。今回紹介したいのは樹齢100年をゆうに超える高尾山の“3本の杉”です。
天狗の腰掛け杉
天狗の腰掛け杉
1号路途中にある「天狗の腰掛け杉」。樹齢700年を誇る大木は、その名の通り天狗が腰を掛け、登山者を見守っていると言われています。場所は薬王院のすぐそばに生えているので、ぜひチェックしてみてください。
江川杉
高尾山で最も古い人工林「江川杉」
登山コースでも紹介した、5号路にある「江川杉」。この杉は江戸時代に植えられた樹齢およそ150年の高尾山で最も古い人工林です。
江戸時代の韮山代官だった「江川太郎左衛門」36代目の「英龍」が植林の必要性を考え、植えたといわれています。絵画、剣術、蘭学でも活躍した彼は、日本で初めてパンを焼いた人物で「パン祖」と呼ばれていたそうです。
江川杉で歴史と触れながら、5号路のテーマである「人と自然」についても深く考えることができますね。
たこ杉
たこ杉
最後に紹介するのがは、天狗の腰掛け杉と同じく1号路の途中にある「たこ杉」。樹齢およそ500年を誇る大木で、根がまるでたこの足のように広がっていることから、この名が付けられました。
たこ杉の横には「ひっぱりだこ」という置物があります。たこの頭を撫でると幸運が訪れるとされており、たこ杉と合わせてパワースポットとしても有名。登山の途中に見つけてみてください!
高尾山へのアクセス
最寄駅:京王線高尾山口駅
新宿駅から高尾山へのアクセス
【新宿駅】ー 京王線 / 高尾山口方面
→ 【高尾山口駅】 → 徒歩(約5分)
東京駅から高尾山へのアクセス
【東京駅】ー JR中央線快速 / 新宿方面
→ 【新宿駅】ー 京王線 / 高尾山口方面
→ 【高尾山口駅】→ 徒歩(約5分)
成田空港から高尾山へのアクセス
【成田空港駅】ー JR成田線成田エクスプレス / 新宿方面
→ 【新宿駅】ー 京王線 / 高尾山口方面
→ 【高尾山口駅】→ 徒歩(約5分)
羽田空港駅から高尾山へのアクセス
【羽田空港駅】ー 京急線 / 品川方面
→ 【品川駅】ー JR山手線 / 渋谷方面
→ 【新宿駅】ー 京王線 / 高尾山口方面
→ 【高尾山口駅】→ 徒歩(約5分)
車でのアクセス
最寄りIC:中央自動車道八王子JCT経由、圏央道高尾山IC(約5分)
高尾山周辺の駐車場:高尾山薬王院祈祷殿駐車場 八王子市営高尾山麓駐車場 京王高尾山駐車場
目的に合った登山が楽しめる高尾山!
高尾山山頂の看板
都心から小一時間という手軽さで大自然に触れられる高尾山。全部で8つの登山コースは目的や自分のレベルに合わせて登ることができ、初心者でも十分に楽しむことができます。
高尾山でハイキングをして、体も心もリフレッシュしましょう!