上高地の基本情報
上高地の絶景スポットを3つ紹介
大正池(たいしょういけ)
河童橋(かっぱばし)
明神池(みょうじんいけ)
上高地観光のモデルコースを紹介
上高地を観光する際の服装は?季節ごとの服装を解説
上高地でランチをするならここ!おすすめレストランを紹介
上高地へのアクセス(車・鉄道・バス)
まとめ
周辺情報

松本駅からバスで1時間半。周りを北アルプスの峰々に囲まれた標高1500mの場所にある「上高地」。年間120万人以上の観光客が訪れ、長野県だけでなく日本を代表する景勝地のひとつとして知られています。

手付かずの自然が作る雄大な上高地の景色は、まさに絶景。そんな美しい上高地の景色を楽しむにはハイキングがオススメです。

上高地ハイキングのモデルルートや観光スポット、おすすめのランチもご紹介いたします。

上高地について

長野県西部、松本市の梓川(あずさがわ)上流に位置する上高地。中部山岳国立公園の一部で、その美しい景観から「特別名勝」と「特別天然記念物」の両方に国から指定されています。この二つの称号が与えられているのは、国内でこの【上高地】と富山県の【黒部峡谷附猿飛ならびに奥鐘山】だけです。

美しい上高地の景色。正面に見えるのが穂高連峰の峰々

上高地の観光ベストシーズンは?ー夏と秋

上高地が開山されているのは4月下旬から11月中旬まで。中でも梅雨前の5月〜6月、梅雨が明けたあとの7月下旬〜8月初旬はベストシーズンだと言われ、特に避暑地として人気です。

上高地の豊かな緑と夏らしい青空

また9月下旬〜10月末にかけて、上高地の木々が鮮やかな紅色に染まり始め秋のシーズンが始まります。紅葉を満喫しながらハイキングを楽しむことができるのは秋の季節ならでは。アクセス難易度は高くなりますが、上高地から涸沢までの登山も人気。涸沢カールの紅葉は一度は見たい絶景です。

秋の上高地。うっすら積もった雪と緑の針葉樹、黄色の広葉樹で秋らしい景色に。

上高地の観光スポットを3つ紹介

上高地にはたくさんの絶景スポットがあります。その中でもバスターミナルから比較的近く、アクセスが良いオススメの上高地観光スポットを紹介いたします。

大正池(たいしょういけ)

静かな湖面に映し出される北アルプスの山々

北アルプスで唯一の火山・焼岳(やけだけ)の噴火によって吹き出した土石流が、梓川をせき止めたことで、突如としてできた「大正池」。それまであった林は水没し、木々は立ち枯れてしまいましたが、その枯れた木々が神秘的な景観をもたらしています。

また、風の弱い日には水面に穂高連峰の姿が映し出されます。美しい緑と雄大な山々が鏡合わせになった風景は息を飲む美しさ。

河童橋(かっぱばし)

上高地のシンボル 河童橋

梓川に架かる木製の吊り橋「河童橋」、橋の上からは穂高連峰や焼岳が望める絶景ポイント。
上高地のシンボル的存在でもあり、周辺にはホテルや飲食店も集まっています。

なぜ河童橋と言われているのか。その由来にはさまざまな説があり、「ここに河童が住んでいそうな深い淵があった」、「衣類を頭にのせて川を渡った人々の姿が、河童に似ていた」など、諸説ありはっきりとした理由はありません。

芥川龍之介が1972年に書いた小説「『河童』の中で上高地や河童橋が取り上げられたということもあり、その名が広く知られたと言われています。

上高地バスターミナルから河童橋までは約40分ほど。

明神池(みょうじんいけ)

神秘的な雰囲気の明神池

穂高神社奥宮の境内にあり、一之池と二之池のふたつからなる池「明神池」。河童橋から約1時間歩いたところにあります。

桟橋から目の前にそびえる「明神岳」や神社の周りをぐるりと囲む針葉樹林に囲まれ、静寂な雰囲気がただよう明神池。神社の境内にあるため、訪れるには拝観料が必要ですが、透明な池とその周りの自然から生まれる神秘的な光景は一見の価値あり。

毎年10月に山の安全を神に感謝する祭り「明神池お船祭り」が行われます。平安装束に身を包んだ神官らが雅楽の調べの中、船に乗って明神池に悠々と繰り出します。

公式サイト:明神池ー上高地公式サイト

上高地観光のモデルコースを紹介

上高地の絶景を楽しむにはハイキングが一番。ハイキングコースは様々あり、それぞれの魅力があります。

上高地のハイキングコースには名所の巡り方によって初級者〜上級者までのコースがあります。この記事では上高地のシンボルでもある河童橋までのコースを紹介いたします。大正池から河童橋まで片道1時間半、3時間ほどで往復することができ、初心者の方でも楽しめるハイキングコースです。

上高地観光の拠点は「上高地バスターミナル」

上高地観光への拠点となるのは「上高地バスターミナル」。上高地ではマイカー規制があり、アクセスをするには基本バスになります。関東方面や関西方面からの直行バスが出ており、アクセスは非常に良いです

上高地バスターミナルからはハイキングコースが分かれており、自分が訪れたい観光名所に向かって訪れることができ便利です。

時刻表:
さわんどバスターミナル〜上高地バスターミナ
あかんどバスターミナル〜上高地バスターミナル

この記事では、上高地バスターミナルからではなく大正池バス停を下車してすぐの所にある大正池からスタートするモデルコースを紹介いたします。大正池・田代池・ウェストン碑などの観光名所を巡りながら、1時間半以内でハイキングすることができるオススメのコースです。

雄大な景色が広がる大正池

大正池をからスタートし、まずは道なり。田代池を目指します。

道なりに進むと原生林の中の湿原に広がる「田代池」に出ます。土砂によってできた浅い池で、池の中には幾つかの島があります。四季によって移り変わる美しい風景が特徴で、天候が良ければ湿原に穂高連峰が綺麗に映し出します。

上高地を称賛した日本近代登山の父・ウォルター・ウェストンが日本を離れる最後に訪れたのが、この田代池だと言われています。

黄色く色づいた木々が美しい秋の田代池

田代池の先、二手に分かれる道をさらに先に進むと見えてくるのは「穂高橋・田代橋」。スタート地点の大正池と河童橋の中間に位置する橋です。橋の上からの景色はこちらも見事。

橋を渡らず、右手に進むと「中ノ瀬園地」へとたどり着きます。ベンチが点在し休憩場所にぴったり。上高地バスターミナルに続く道でもあります。

穂高橋・田代橋を渡り右手に進むと、ウォルター・ウェストンのレリーフがある「ウエストン碑」へとたどり着きます。著書で上高地の魅力を世界に発信し、登山をすることの楽しさを広めたとして、その栄誉を讃えるべくレリーフが設置されました。

ウォルター・ウェストンが描かれたレリーフ

ウエストン碑の近くにはホテル「上高地温泉ホテル」や「上高地ルミエスタホテル」が点在。散歩の途中や登山の帰りなどに楽しめる日帰り温泉が利用できるホテルもあります。緑に囲まれた地で入る温泉は格別。

穂高橋・田代橋から約36分、ウエストン碑から約20分歩くと今回のハイキングコースのゴールである河童橋に到着です。

このコースのゴール地点 河童橋

多くの観光客でにぎわい、上高地のシンボルとなっている場所。木造の吊り橋である河童橋の上は穂高連峰や焼岳を眺めることができ、絶好のフォトスポットです。

さて、ここまで来たら来た道を帰るもよし、上高地バスターミナルの方へ向かうもよし。さらに1時間ほどハイキングをして、明神池を目指すのもよいでしょう。

大正池〜河童橋は軽めのハイキングを楽しみたい方にはオススメのルートです。

上高地を観光する際の服装は?季節ごとのおすすめの服装

ハイキングには準備が必要

上高地を観光する際に役立つ服装をご紹介します。上高地は標高1500mの山岳地。天候は都市部と異なるので、快適に過ごすために、またいざという時に命を守るため、準備は怠らないようにしましょう。

通年の服装アドバイス

上高地のような山間部では、天気が変わりやすく、また日差しが強いのが特徴です。雨具と帽子は用意しておきましょう。遊歩道が整備された場所の短時間での散策であれば、雨具はポンチョなどで問題ありませんが、少し時間をかけて距離を歩くなら、上下セパレートのレインウェアが快適です。

また観光地といえど、山間部になりますので、シューズは歩きやすく防水性のあるもの、バッグは両手が空くリュックが安全です。リュックの中には水分と栄養補給用のおやつ(あめ・チョコなど)を入れておくのを忘れずに。

春(4月〜5月)の上高地

春の季節といえど、5月でも最低気温が氷点下を下回ることもあります。また、日中と朝・夕方の寒暖差も激しいためダウンジャケットやフリース・長袖シャツなど温度の調節ができる服装がオススメ。冬を想定したものにすると、快適に過ごせます。ゴールデンウィークまでは年によっては雪が残っている可能性があります。足元はトレッキングシューズや歩きやすいスニーカーがおすすめ。

夏(6月〜8月)の上高地

6月でも少し肌寒さが残りますが、日差しが強くなる時期。その日の天気や日差しによって、体感温度はかなり異なります。そのため、ウィンドブレーカーなどの脱ぎ着しやすい服装がおすすめです。

梅雨が明ける7月〜8月には上高地も夏の気温になります。日中はTシャツで過ごせるでしょう。日差しが強いので、日焼け止めを塗りましょう。日焼けを防ぐことで体力が消耗するのを防げます。朝や夕方以降は日差しがなくなり、日中より気温がグッと下がります。羽織れるものの準備を。

秋(9月から10月)の上高地

夏の季節が明け、気温が下がり始めます。秋の季節の訪れは平地より早いです。春の季節と同じように冬の格好を想定したアウターを用意すると快適に過ごせるでしょう。やはり、ジャケットなどの脱ぎ着しやすい格好が便利です。

冬(11月〜)

本格的に冬のシーズンにはいります。真冬並みの気温になり、雪が降る日も。ハイキングをするには厳しい季節になります。冬山登山の経験が必須となり、上級者でない限りは訪れることは控えます。

上高地でランチをするならここ!おすすめレストランを紹介

川のせせらぎや鳥のさえずりを聞きながら、自然の中でゆったり楽しむ食事もハイキングの醍醐味。ここからはランチを楽しむことができるオススメのレストランを紹介していきます。

上高地食堂

上高地バスターミナルに隣接する「上高地食堂」。定食のほか、丼もの・そば・カレーなどを比較的リーズナブルな価格で楽しむことができます。

オススメは「信州サーモン丼」と「信州産豚肉 トンカツ定食」。信州の豊かな土地で育ったサーモンと豚肉は非常に油が乗っていて、絶品。

また、近くの売店でオリジナル商品「河童焼」を味わうことも。フワッとした生地の中にあんこやカスタードクリームなどが入っているスイーツです。河童橋にちなんだカッパの形をしていることもあり、上高地ならではの商品です。

上高地名物 河童焼

上高地の名物「河童焼」 写真提供:Instagramfumicco_mt

住所:長野県松本市安曇上高地

営業時間:
9時〜17時(土日祝を除く)
※季節や日にちによって異なる場合があります。

公式サイト:上高地食堂

五千尺キッチン

河童橋の目の前にあり、雄大な景色を眺めながら食事を楽しむことができる「五千尺キッチン」。

オススメメニューは信州の郷土料理である、ニンニクダレが効いた鶏の唐揚げ山賊焼が味わえる「山賊定食」。非常にジューシーな味わいで、ご飯のオトモにぴったりです。

また、料理長が監修しているカレーも非常に人気。20種類以上のスパイスで辛めの風味が豚肉と野菜にとても合う「五千尺スパイシーポークカレー」、バターと野菜・チキンがマッチし鮮やかに色付けされたマイルドな味が特徴の「黄金のバターチキンカレー」もオススメメニュー。

住所:長野県松本市上高地 五千尺ホテル

営業時間:
11時〜15時頃
土日祝は10時〜
※季節によって営業時間が異なる場合があります。

公式サイト:五千尺キッチン

上高地へのアクセス(車・鉄道・バス)

上高地へのアクセス方法は大きく車、鉄道、直行バスの3種。ただし、上高地は通年マイカー規制を行なっており、自家用車(自動二輪も含)は途中までしか行くことができません。マイカーで訪れたい方は上高地近くの駐車場に停め、シャトルバスやタクシーをご利用ください。

マイカーの他にも上高地へのアクセスは充実。都心からの直行バスや鉄道、路線バスなども通っており、自分に合った方法で訪れることができます。

上高地へのアクセス情報を紹介していきます。

車・バイク

長野自動車道「松本」I.C→国道158号経由(約1時間)
→沢渡駐車場

【沢渡駐車場基本情報】
住所:長野県松本市安曇4161-10
駐車台数:約2,000台
営業期間:4月中旬〜11月中旬
営業時間:24時間
普通車料金:700円(1日)
バイク駐車料金:350円(1日)
公式サイト:沢渡駐車場

中部縦貫自動車道「高山」I.C→国道158号経由(約1時間)
→あかんだな駐車場

【あかんだな駐車場の基本情報】
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯791-38
駐車台数:約850台
営業期間4月中旬〜11月中旬
営業時間:24時間
普通車料金:600円(1日)
バイク駐車料金:300円(1日)
公式サイト:あかんだな駐車場

鉄道

東京・新宿発

【新宿・東京駅】特急あずさ(約2時間40分)→【松本駅】路線バス※要予約(約1時間30分)→【上高地バスターミナル】

名古屋発

【名古屋駅】特急しなの(約2時間)→【松本駅】路線バス※要予約(約1時間30分)→【上高地バスターミナル】

大阪発

【大阪駅】特急ひだ(約4時間25分)→【高山駅】路線バス(約1時間)→【平湯バスターミナル】シャトルバス(約25分)→【上高地バスターミナル】

公式サイト:アルピコ交通路線バス(松本〜新島々〜上高地)

直行バス

【東京 新宿バスターミナル】アルピコ高速バス※要予約(約5時間)→【上高地バスターミナル】
公式サイト:さわやか信州号(新宿〜上高地バスターミナル)

【名古屋 名鉄バスセンター】名鉄高速バス※要予約(約6時間)→【上高地バスターミナル】
公式サイト:名鉄バス(名古屋〜上高地バスターミナル)

【大阪(阪急三番街)】アルピコ高速バス※要予約(約6時間)→【上高地バスターミナル】
公式サイト:さわやか信州号(大阪・京都〜上高地バスターミナル)

上高地は日帰りでも楽しめる場所ですが、せっかくなので泊まりで訪れるのもオススメ。河童橋周辺や大正池周辺など、アクセスのいい場所に山小屋や宿泊施設があり、ハイキングの疲れを癒してくれること間違いなしです。

また、周辺の乗鞍高原も合わせた観光も人気がありますよ。ぜひ、上高地で素敵なハイキングをお楽しみください。

Edit:Kaoru Maki/Erica Nagumo

参考サイト:上高地公式サイト/鈴木ともこさん一家の上高地案内ブックほか

上高地の周辺情報