茨城県のひたちなか市に位置する、日本の国営公園「国営ひたち海浜公園」。約200万㎡にも及ぶ広大な園内には各所に大規模な花畑があり、春夏秋冬でさまざまな花が咲き誇ります。5月にはネモフィラ、秋にはコキアなどが見頃を迎え、いつ訪れても美しい花畑を鑑賞できるのが魅力です。
一面に咲き誇る青色が絶景のネモフィラの見頃時期は例年4月中旬から5月上旬ごろ。
今回は、東京からも比較的近い距離に位置し、豊かな自然に触れられるひたち海浜公園のネモフィラだけでなく、歴史や観光情報を紹介します。
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2024年ひたち海浜公園ネモフィラの開花時期と見頃
ネモフィラの見頃時期は4月中旬から5月上旬
ネモフィラの開花時期は例年4月上旬から5月中旬、見頃時期は4月中旬から5月上旬です。面積約4.2haという広大なみはらしの丘には、約530万本のネモフィラが咲き乱れます。
2024年のネモフィラ開花予想が発表されました。国営ひたち海浜公園の開花予想によると、4月12日頃に「見頃(7分咲き)」、4月19日頃に「見頃」を迎えると予想しています。
例年、見頃のピークは1週間~10日程。2024年は4月19日〜27日あたりが最も美しい状態のネモフィラを見られるのではないでしょうか。
「みはらしの丘」一面を美しい青色に染め上げ、自然の青が溶け合う風景を楽しめるネモフィラ。まさに人生で一度は見たい絶景が目の前に広がっています。また春のふんわりとしたそよ風に吹かれ、やさしい波のように揺れる青い花々に心を癒されることでしょう。
ネモフィラが見られるエリアはどこ?
開園面積が約215haにも及ぶ国営ひたち海浜公園は7つのエリアに分けられており、それぞれに見どころが詰まっています。ひたち海浜公園の目玉といえば、やはりネモフィラが咲き誇るこのエリア!
みはらしエリア
国営ひたち海浜公園のみはらしエリアの真っ青なネモフィラ
国営ひたち海浜公園の北東に位置する「みはらしエリア」。ひたちなか市で標高が一番高い丘「みはらしの丘」では四季折々の花が一面に咲き誇り、ひたち海浜公園でしか見ることのできない景色が広がります。
4月中旬から5月上旬にかけて咲くネモフィラが創り出す青い空・青い海・青い丘のコラボレーションは、圧巻の一言。一度訪れたら決して忘れることのできない絶景が堪能できます。
ネモフィラが終わると登場するのが、コキア(ホウキグサ)。夏場の緑色から秋は真っ赤に紅葉し、コスモスとともにみはらしの丘を彩ります。
秋はコキアによって真っ赤に染まる「みはらしの丘」
コキアが紅葉の見頃を過ぎる11月に刈り取りを行い、春へ向けてネモフィラの種をまきます。種まき終了後、真っ白な霜除けシートが丘一面に敷設されると、まるで雪化粧をしたかのような冬ならではの風景を楽しむことができます。
フォトジェニックな絶景の写真撮影スポットとしても大人気のエリア。丘の上からの眺めもよく、国営ひたち海浜公園の園内はもちろん、太平洋も一望できるスポットです。
ひたち海浜公園のみはらしエリア
また、東日本で最も古い民家の一つの古民家もあり、内部を見学することもできます。古民家のすぐ横にある「みはらしの里」は、「懐かしい農村の風景と暮らしが味わえるエリア」として、菜の花・ジニア・ソバなどが風景に合わせて栽培されています。
ひたち海浜公園のネモフィラはどんな花?
ひたち海浜公園に咲くネモフィラ
ネモフィラは、北アメリカ原産の一年草でムラサキ科・ネモフィラ属、和名を瑠璃唐草(るりからくさ)といいます。
茎の先から、かわいらしい丸みをおびた青い花を咲かせるネモフィラ。多肉質の茎には繊毛があり、葉っぱが分かれていて、地を這うように生い茂ります。広大な土地に、群がる様に小さな花々が咲き乱れる様子はまるで美しいブルーの絨毯のよう。
ちなみに青い花の中心が白い様子から、英語では「Baby blue eyes(赤ちゃんの青い瞳)」と呼ばれています。
ネモフィラの花言葉
ネモフィラの花言葉は、「可憐」「どこでも成功」「あなたを許す」。
「あなたを許す」という花言葉には、ギリシャ神話の男女の悲恋に由来するといわれています。
“あるところにネモフィラという女性に恋をした男性がいました。その男性はネモフィラと結婚できるなら死んでも構わないと願います。その後願い通り結婚できたものの、結婚式当日の夜、本当にその男性は死んでしまいました。
妻のネモフィラはもう一度夫に会いたいと冥界に訪れますが、冥界への扉は固く閉ざされもう二度と会うことはできませんでした。
その悲しむネモフィラの姿を哀れに思った神様が、彼女を一輪の青い花に変えたのでした。”
ひたち海浜公園はネモフィラ以外も見どころいっぱい!
7つのエリア間にはサイクリングコースが整備されているほか、シャトルバス「シーサイドトレイン」も運行されているため、自由に行き来することもできます。ネモフィラが楽しめるみはらしエリアだけでなく、ひたち海浜公園には魅力溢れるエリアが盛りだくさん!今回は一つ一つのエリアの見どころもご紹介します。
多種多様な生物が自生する「樹林エリア」
国営ひたち海浜公園の北端に位置する「樹林エリア」は、ほとんどがアカマツやクロマツの樹林エリアです。一部は植物保護区として立ち入りが禁止されていますが、多種多様な生物が自生し、身近で観察することができます。
エリア内にある「沢田湧水地(さわだゆうすいち)」は、自然に囲まれながら散策できるスポット。この地一帯の地下には厚い砂の層があり、さらにその下には水を通しにくい層が広がっています。
その結果、雨が降ることで地中にしみ込んだ雨水が湧き出し、沢田湧水地が形成されました。近くには「沢田湧水ネイチャーハウス」もあり、遊水池の生態系をより知ることができます。
ピクニックやサイクリングもできる「草原エリア」
ひたち海浜公園の中心部に位置する「草原エリア」
ひたち海浜公園の中心部に位置する「草原エリア」。面積8haの芝生広場はボール遊びからイベントまで、バラエティ豊富な遊びができる多目的広場です。思いっきり走り回ったり、芝生に寝転んでリラックスしたり、思い思いに楽しむことができます。大きな木の下で読書をしたり、ピクニックをしてみるのもおすすめです。
美しいお花畑の隣をサイクリングで楽しめる
季節によって異なる景観を楽しめるスポットが、広場の隣にある「大草原フラワーガーデン」。春から初夏にかけてはポピーやリナリア、秋にかけてはコスモスが花畑を彩ります。美しい花々に囲まれながらのサイクリングができるのもフラワーガーデンの見どころです。
太平洋の息吹を感じる「砂丘エリア」
海風を感じながら海浜植物に触れられる「砂丘エリア」
海沿いに位置する「砂丘エリア」は、海風を感じながら海浜植物を多く観察できるエリア。「砂丘ガーデン」には、約60種類もの海浜植物のほか、ハーブや多肉植物などの園芸植物約130種類が整備されています。また、園芸のイベントが開催される「グリーン工房」や、月に一度(第3日曜日)の陶芸体験ができる「陶芸棟」などの施設もあります。
太平洋が一望できる「グラスハウス」
砂丘エリアで絶対に外せないのが、太平洋が一望できる休憩施設「グラスハウス」。軽食やコーヒーが楽しめる「Sea Side Cafe」も併設されています。グラスハウスの最大の見どころは、冬に咲く約15,000本のアイスチューリップ。まるで太平洋に浮かんでいるかのような幻想的な景色が目の前に広がります。
ふわふわのトランポリンが大人気!「西口エリア」
143種25万本ものチューリップが咲き誇る「たまごの森フラワーガーデン」
ひたち海浜公園の西口すぐ近くにある「西口エリア」は、カラフルで陽気な雰囲気が特徴的なエリア。「たまごの森フラワーガーデン」には、143種25万本ものチューリップが植えられ、色鮮やかなのチューリップガーデンが広がります。
国営ひたち海浜公園の西口エリア
「巣の中で生まれ育つ卵が健やかに成長して巣立っていく森」をテーマに作られた「たまごの森」。小学校低学年以下を対象にした松林には、9つのカラフルな卵が置かれています。また大きな卵のような白い山形のふわふわトランポリンで遊べる「ぴょんぴょんたまご」も大人気。小さいお子様を連れて行ったら絶対楽しんでくれるはずです。
季節の植物が彩る「南口エリア」
さまざまな品種のひまわりが咲く「泉の広場フラワーガーデン」
ひたち海浜公園南口の赤のゲートのすぐ近くに位置する「南口エリア」。人気スポットの一つ「泉の広場フラワーガーデン」には、夏の風物詩、ひまわりが一面に広がります。みはらしの里でもひまわり畑を楽しめますが、さまざまな品種のひまわりが咲くのは南口エリアだけ。ひまわりを背に記念写真を撮ってみてはいかがですか。
アクティビティを楽しむならココ!「プレジャーガーデンエリア」
国営ひたち海浜公園の観覧車
国営ひたち海浜公園の南西に位置し、アミューズメント施設が多数存在する「プレジャーガーデンエリア」。遊園地のようなアトラクションや長さ400mもの滑り台、専用自転車で形状の異なるコースを走るスポーツのBMXコース、夏の季節には子供連れで賑わう水遊び広場など、アクティブな体験ができます。
国営ひたち海浜公園のイベント
3月〜4月『スイセンファンタジー』
国営ひたち海浜公園のスイセンファンタジー
国営ひたち海浜公園西口エリアの松林の下に広がる約10,000㎡のエリアに、絨毯のように敷き詰められたスイセンが広がる「スイセンファンタジー」。例年3月下旬から4月中旬に見頃を迎えます。約600品種100万本のスイセンが幻想的な空間を創り出します。
4月『チューリップワールド』
国営ひたち海浜公園のチューリップワールド
卵の森フラワーガーデンでは、例年4月中旬〜4月下旬に「チューリップワールド」が開催されます。見頃の期間がとても短いチューリップですが、約140種25万本ものカラフルなチューリップは必見です。
4月〜5月『ネモフィラハーモニー』
国営ひたち海浜公園のネモフィラハーモニー
みはらしの丘の35,000㎡に約450万本のネモフィラが広がります。見頃は例年4月下旬〜5月中旬。ライトブルーが可愛らしい国内最大級のネモフィラガーデンが広がります。
7月〜8月『サマーフェア』
国営ひたち海浜公園みはらしの丘の緑色のコキア
7月中旬〜8月下旬にかけて、「サマーフェア」が開催されます。夏らしいイベントが多く開催され、夏限定で水遊び広場も開放されます。みはらしの丘のコキアは、一面緑色に色づき、秋の赤色とは違った雰囲気を味わえます。
9月〜10月『コキアカーニバル』
秋にはコキアとコスモスが花を咲かせる
みはらしの丘のコキアが真っ赤に紅葉します。例年9月下旬〜10月中旬に見頃を迎えるコキアは、夏の緑色から一変し、真っ赤に染まったコキアは圧巻です。
国営ひたち海浜公園 基本情報
住所:茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4
料金:
【大人(高校生以上)】450円
【65歳以上】210円
※中学生以下無料
※見頃時期の4月中旬~5月上旬の20日間程度は季節料金350円加算
休園日:毎週火曜日(火曜日が祝日にあたる場合は直後の平日)
※3月26日〜5月31日は毎日開園
公式サイト:国営ひたち海浜公園
国営ひたち海浜公園へのアクセス
最寄駅:海浜公園西口 または 海浜公園南口(バス停)
東京駅からのアクセス
【東京駅】- JR上野東京ライン特急 / 水戸方面
→ 【勝田駅】- 路線バス・茨城交通 / 中央研修所行き
→ 【海浜公園西口バス停】 → 徒歩(約5分)
水戸駅からのアクセス
【水戸駅】- JR常磐線 / いわき方面
→ 【勝田駅】- 路線バス・茨城交通 / 中央研修所行き
→ 【海浜公園西口バス停】 → 徒歩(約5分)
茨城空港からのアクセス
【茨城空港駅】- 空港バス・茨城交通 / 常陸太田行き
→ 【勝田駅】- 路線バス・茨城交通 / 中央研修所行き
→ 【海浜公園西口バス停】 → 徒歩(約5分)
車でのアクセス
最寄りIC:北関東自動車道~常陸那珂有料道路 ひたち海浜公園ICすぐ
国営ひたち海浜公園の駐車場:西駐車場 南駐車場 海浜口駐車場
国営ひたち海浜公園を埋め尽くす花々
今回は、国営ひたち海浜公園を紹介してきました。春はネモフィラ、スイセン、チューリップ、夏はポピー、バラ、ジニア、ヒマワリ、秋にはコキア、コスモス、冬はアイスチューリップという、公園を埋め尽くすさまざまな花たちを四季を通じて楽しむことができます。
そんな魅力いっぱいの国営ひたち海浜公園で、美しい花々の絶景をお楽しみください。