茨城県の名物といえば、みなさんは何を思い浮かべますか?
水戸黄門、偕楽園、牛久大仏など色々ありますよね。
そんな数ある茨城名物の中から、今回は「納豆」にフォーカスしてみました。
この記事では、納豆大好きライターが、納豆をテーマにした茨城県の観光モデルコースを紹介します。
加えて、納豆が茨城名物になった経緯や茨城県のおすすめ納豆も解説。納豆をお土産にする場合の注意点なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
人気観光スポットを巡りつつ、納豆の本場・茨城の美味しい納豆グルメを堪能しましょう!
<<関連記事>>
茨城の人気観光スポットに興味のある方はこちら
■国営ひたち海浜公園の【コキア】は10月が見頃!(2023.9.12更新)
■牛久大仏の高さは全長120m!巨大な大仏の歴史や見どころに迫る
納豆についてもっと知りたい方はこちら
■【ご当地変わり種納豆7選】納豆大好きライターが地域に根ざす納豆商品を厳選紹介
■【納豆アレンジ】全国各地の郷土料理やおすすめレシピを納豆大好きライターが紹介
茨城県はなぜ納豆の名産地になった?
現在、日本で製造されている納豆の半数以上は茨城県産であり、茨城県は納豆の製造会社が全国で一番多い県。
そんな納豆の名産地といえる茨城県の中でも、納豆製造会社が一番多いのは水戸市なのです。
納豆の原料である大豆、藁に包まれた納豆、小鉢に盛られた納豆(写真:観光いばらき フォトライブラリー)
ここまではご存知の方も多いかもしれません。では、茨城がなぜ現在のような納豆の名産地になったのか、その理由は知っていますか?
水戸納豆の始まりは、1889(明治22)年までさかのぼります。当時、関東以北で食べられていた納豆の原型を、水戸市郊外出身の笹沼清左衛門(ささぬま せいざえもん)が苦心の末商品化し、「天狗納豆」を創業しました。
その後、天狗納豆は水戸駅で販売を開始。同年の鉄道開通による観光客や旅行者の間で、この天狗納豆がお土産として非常に人気を博したことが、茨城県が納豆の一大産地になるきっかけでした。
また、水戸は水害にも強い「小粒大豆」の産地であったことも幸いし、地の利を生かして大きく発展します。
大豆栽培から製造までほぼ手作業で行われる名物「水戸納豆」
【茨城の観光モデルコース1】水戸で納豆三昧
ここからは、納豆にゆかりのある水戸市を中心に茨城を観光するモデルコースを紹介します。
車と公共交通機関、どちらでも回りやすいコースに仕上げたので、茨城観光の際にはぜひ参考にしてくださいね。
JR水戸駅周辺で納豆ランチ&人気スポットを堪能!
JR水戸駅を訪れたら、ぜひ周辺の茨城名物・納豆を使った料理の数々を召し上がれ。合わせて、日本三名園にも数えられる偕楽園(かいらくえん)にも足を伸ばしてみましょう。
水戸 門のまえ「わら納豆定食」
老舗天ぷら店で修行した料理長が丁寧に揚げる天ぷらが絶品のおしゃれなレストラン。
茨城名産品を使ったわら納豆定食は納豆好きにはたまらない贅沢な一品です。
パック容器の納豆とは異なる趣を感じますね(写真提供:instagram ジ~ハ~さん)
「わら納豆定食(1100円)」は、麦わらに包まれた天狗納豆の藁つと納豆、農福連携に取り組む照沼農園(水戸市)のコシヒカリ、茨城の魚や野菜を使った小鉢など、茨城尽くしの定食となります。
現在改装工事中のため、2024年1月末まで一時閉店中です。利用の際はご注意ください。
【水戸 門のまえの基本情報】
住所:水戸市常磐町1-3-1 偕楽園東門マエ
公式サイト:水戸 門のまえ
喰処 飲処 てんまさ「ねばり丼」
創業50年の郷土料理のお店です。「ねばり丼(1100円)」は納豆にオクラやとろろ、旬の魚介をのせた水戸の名物どんぶり。
茨城県の郷土料理でもあるねばり丼は、現地を訪れたらぜひ食べたい一品(写真提供:instagram chikuwaさん)
体によいネバネバ食材と新鮮な魚介で元気を補充しましょう。いか納豆、納豆オムレツなど納豆づくしの「納豆御膳(1620円)」もおすすめ。
【喰処 飲処 てんまさの基本情報】
住所:水戸市宮町2-2-31 三友ビルB1
公式サイト:喰処 飲処 てんまさ
洋食屋 花きゃべつ「納豆ハヤシオムライス」
40年間、地元の人々や観光客から愛され続ける人気の洋食屋です。だるま食品の納豆を使い、納豆のうま味を引き出す柚子胡椒や、ハバネロ入りソースの相性が抜群。
2023年6月にはテレビ朝日「旅サラダ」でも紹介されています(写真提供:instagram shiori.さん)
納豆が苦手な人にも愛されるふわふわ食感のオムライス「納豆ハヤシオムライス(980円)」は、開発に15年もかけた店主渾身の一品です。
【洋食屋 花きゃべつの基本情報】
住所:水戸市南町2-6-31 加瀬ビル1F
公式サイト:洋食屋 花きゃべつ
とんかつ八戒「納豆とんかつ」
全国銘柄豚コンテストで3位を獲得した茨城のブランド豚「ローズポーク」を使用した絶品とんかつが人気のお店。
茨城県産の肉と納豆を使った、名物づくしのメニューです(写真提供:instagram Takeshi Mizuguchiさん)
とんかつ一筋34年の店主が丁寧に作るとんかつはとても美味しいと評判で、県内外からリピーターが多く訪れます。納豆と大根おろしをかけた「水戸納豆とんかつ特選ロース(2750円)」は不動の人気です。
【とんかつ八戒の基本情報】
住所:水戸市笠原町600-54
公式サイト:とんかつ八戒
偕楽園
偕楽園は、水戸藩九代藩主・徳川斉昭(なりあき)によって江戸時代に造られた日本庭園です。
岡山の後楽園・金沢の兼六園とならび日本三名園と称される偕楽園は、茨城の定番観光スポット。
紅葉が美しい偕楽園の風景(写真:偕楽園ウェブサイト フォトギャラリー)
園内には約100品種3000本の梅が植えられ、春には梅や桜、初夏にはつつじ、秋には紅葉や萩、初冬には二季咲桜と、季節とともに移り変わる花々は魅力の一つです。広く美しい園内には史跡も多く、見応え抜群ですよ。
【偕楽園の基本情報】
住所:水戸市常磐町1-3-3
公式サイト:偕楽園
偕楽園の特徴や見どころについて詳しく知りたい方はこちら
■【偕楽園】日本三名園の見どころ解説
水戸の納豆メーカー直売所で納豆土産探し
納豆ランチでお腹を満たし、偕楽園を見学した後は、JR水戸駅周辺にある納豆メーカーの直売所で地元の美味しい納豆を探しましょう。
株式会社笹沼五郎商店(天狗納豆総本家、水戸天狗納豆)
天狗納豆を引き継いだ老舗、水戸納豆ブランドで納豆を製造販売しています。
工場見学も可能(要予約)で、直売所や納豆の歴史を紹介する「納豆展示室」もあり、観光客に大人気の施設。
昔ながらの伝統の「特選藁つと(わらつと)納豆70g(360円)(※1)」が一番人気ですが、納豆加工品である「そぼろ納豆300g(700円)(※2)」「ほし納豆240g(700円)(※3)」も美味しいと評判です。
(※1)藁つと納豆は、経木(きょうぎ:松を薄く切ったもの)や発泡スチロールではなく、稲わらを容器として使用した納豆
(※2)そぼろ納豆は茨城の郷土料理で、納豆に塩と水で戻した切干大根を混ぜ、寝かしたもの
(※3)ほし納豆は、納豆に塩や調味料を加えてよく混ぜたあと、天日で乾燥させたもの
【株式会社笹沼五郎商店の基本情報】
住所:水戸市三の丸3-4-30
電話番号:029-225-2121
公式サイト:株式会社笹沼五郎商店
だるま食品株式会社
だるま食品株式会社は、名前の通り「だるま」がトレードマークの納豆で知られており、現在50種類を超える納豆や納豆加工品を製造販売しています。
なかなか目にすることがない納豆自動販売機(JA津田直売所に設置:ひたちなか市津田3241-2)でも販売。24時間いつでも美味しい納豆を買うことができるため、地元住民だけでなく観光客にも人気があります。
ドライ納豆(低温でフライ加工した納豆)にチョコをまぶした「チョコ納豆(648円)」も人気!
【だるま食品株式会社の基本情報】
住所:水戸市柳町1-7-8
公式サイト:だるま食品株式会社
【茨城の観光モデルコース2】納豆と名所の絶景を楽しむ
納豆と縁が深い水戸市からもう少し足を伸ばし、久慈川を中心に豊かな自然に囲まれた常陸太田市や大子町を観光するコースです。
車がある方が回りやすいかもしれませんが、公共共通機関も通っているので行けないことはありません。茨城観光の際にはぜひ参考にしてくださいね。
JR水戸駅周辺で納豆ランチ&人気スポットを堪能!
茨城の中でも特に納豆が有名な水戸市。モデルコース2でもモデルコース1と同様、JR水戸駅周辺で納豆グルメを堪能しましょう。
腹ごなしには、日本三名園にも数えられる偕楽園での散策がおすすめです。
県北の納豆メーカー直売所で納豆土産探し
納豆ランチでお腹を満たし、偕楽園を見学した後は、水戸市から車で40分ほどの常陸太田市まで移動。納豆メーカーの直売所で地元の美味しい納豆を探しましょう。
舟納豆 納豆ファクトリー
舟納豆 納豆ファクトリーでは、美味しい納豆づくりをモットーに、こだわりの国産大豆を使用した納豆作りを行っています。発酵時には、大豆にクラッシック音楽を聞かせているのだとか。
納豆本来の味を大切にするため、船の形をしたマツの経木(きょうぎ)に包まれた納豆
すぐ近くの直営店では、10種類以上の納豆、納豆菓子、こだわりの納豆グッズなどを販売。
大粒大豆や黒大豆、紅大豆などを使った美味しい納豆もあり、地元で人気の納豆ブランドです。工場見学は完全予約制で7日前までに電話かインターネットで予約が必要。
【舟納豆 納豆ファクトリーの基本情報】
住所:常陸大宮市山方825-1
電話番号:0120-710-593
公式サイト:丸真食品株式会社
金砂郷食品納豆工房
タレやからしにまでこだわりがつまった納豆。北海道産の「ユキシズカ」「すずまる」や茨城県産「納豆小粒」を使った小粒納豆を主に製造しています。
どの納豆も豆のほのかな甘さと香りを感じられると大人気。工場に併設された直売所では、納豆が入ったワッフルや納豆スナックなどのデザートや菓子も販売しています。
【金砂郷食品納豆工房の基本情報】
住所:常陸太田市高柿町1183-1
公式サイト:金砂郷食品納豆工房
茨城観光の締めくくりは景観美
お土産を購入したら、日が沈まないうちに茨城の大自然を堪能しましょう。竜神大吊橋は16:40までの受付、袋田の滝は通常17:00までの営業ですが、冬のライトアップ期間は20:00まで延長して営業しています。
竜神大吊橋
奥久慈県立自然公園に位置する竜神ダム湖にかけられた、全長446メートルという日本最大級の歩行者専用吊り橋。
湖面からの高さは約100メートルで、床面にある「のぞき窓」から湖面をのぞくとスリル満点です。
吊り橋の壁面に描かれた竜や、床面ののぞき窓をながめながら、空中散歩を楽しんで
【竜神大吊橋の基本情報】
住所:常陸太田市天下野町2133-6
公式サイト:竜神大吊橋
★竜神大吊橋からのバンジージャンプ体験レポートはこちら
高さ日本一!竜神大吊橋で【バンジージャンプ】にいざ挑戦!
袋田の滝
高さ120メートル、幅73メートルの大きさを誇り、日本三名瀑にも数えられる「袋田の滝」。
冬季、夜間ライトアップされる滝は、神秘的な美しさで人々を引きつけます。四季折々で異なる景観も素晴らしく、茨城を訪れた際にはぜひ訪れてほしいスポットです。
紅葉の間を轟音とともに流れ落ちる滝は圧巻
【袋田の滝の基本情報】
住所:久慈郡大子町袋田3-19
公式サイト:袋田の滝
袋田の滝についてもっと詳しく知りたい方はこちら
■袋田の滝
■袋田の滝の【氷瀑】は圧巻-滝が氷結する冬だけの絶景
番外編【茨城の納豆】お土産購入の豆知識
茨城各地で製造される様々な種類の納豆ですが、製造に使う菌や大豆、仕込み方法の違いで、かなり風味が異なります。
ぜひお土産として購入し、自宅で食べ比べてみましょう。
納豆は10℃を超える温度で保管すると再発酵がおこりアンモニアが発生するので、持ち帰りは保冷容器(袋)に十分な量の保冷剤を入れるのがおすすめ。
クール宅急便でお土産屋さんから送るのが一番楽で安全だと思います。
まとめて買うならJR水戸駅で!
水戸駅ビルのエクセルみなみおよび駅構内のショップで、いくつかのブランド納豆を購入することができます。
また、納豆せんべいや納豆おかき、干し納豆など、納豆加工品も購入できるので、納豆三昧を楽しみたい方は、生納豆以外の納豆商品もどうぞ。
JR水戸駅南口の外観
通販でも茨城納豆は購入できます
観光中に納豆を購入できない場合でもメーカーの公式サイトなどから通信販売で購入することができます。
納豆好きならぜひ、気になるブランドの納豆を購入して食べ比べしてみましょう。とても楽しいですよ!
モデルコースを参考に納豆三昧の旅にでかけましょう
この記事では、茨城と納豆の関係性や、水戸の納豆料理のお店、茨城の人気観光スポットなどを紹介しました。
茨城を訪れる際にはぜひ参考にしてくださいね。今年の秋冬は、ぜひ茨城で納豆観光を!
Text:額田善之(ぬかだ・よしゆき)
北海道と東北以外の県はすべて旅行した旅ライター。オートバイでツーリングをして名物や銘菓を食べるのが趣味のアウトドア派。岡山県出身。納豆の健康効果を紹介する個人ブログ「納豆人甚Gene」を運営中。健康や旅行、武道、キャンプなどのSEOライティング執筆を受託。少林寺拳法有段者で「武道・道場ナビ」でも執筆中。
Edit:Sakura Takahashi
Photo(特記ないもの):PIXTA /Photo AC
参考:
水戸納豆|コトバンク/納豆連会員名簿/株式会社笹沼五郎商店公式サイト/だるま食品株式会社公式サイト/丸真食品株式会社公式サイト/金砂郷食品納豆工房公式サイト/横島醤油納豆有限会社/横島醤油納豆有限会社|食べログ/るるぶ特別編集八千代町/ふるなび/水戸市公式サイト/水戸 門のまえ/水戸 門のまえ公式FaceBook/喰処 飲処 てんまさ/とんかつ八戒|いばナビ/偕楽園/袋田の滝|大子町観光協会公式サイト/竜神大吊橋公式サイト/ほか各種パンフレット