秋の楽しみのひとつといえば紅葉。日本にはさまざまな紅葉名所がありますが、京都はその筆頭。
京都の紅葉名所の中でも、とりわけ美しいといわれる寺院が「瑠璃光院」です。書院から見る紅葉は息を飲むほど。
瑠璃光院の2023年(令和5年)秋の特別拝観は、10月1日(日)〜12月11日(月)まで開催の予定。期間中特に紅葉が見頃となる11月1日(水)〜12月3日(日)は、事前予約拝観期間になります。
予約拝観期間が導入される以前は最大4時間待ちになることもあった瑠璃光院の紅葉。その魅力をご紹介します。
※2023年10月18日、一部情報を更新しました
瑠璃光院について
瑠璃光院の入り口
瑠璃光院の所在地は大原にほど近い比叡山麓の八瀬という場所。飛鳥時代に起きた壬申の乱にて、背中に傷を負った大海人皇子(天武天皇)が「八瀬の釜風呂」で傷を癒したと伝えられており、貴族や武士の「やすらぎ」の郷として愛されていました。
瑠璃光院にある瑠璃の庭
瑠璃光院の現在の建物は昭和初期に建てられた数寄屋造りのもの。1万2000坪を誇る境内には3種の庭園があり、そのうちの一つ「瑠璃の庭」は一面をコケで覆われていて、瑠璃光院の名の由来にもなっている庭園です。
【2023年瑠璃光院秋の特別拝観】
●住所:京都府京都市左京区上高野東山55
●拝観期間:10月1日(日)〜12月11日(月)
●事前予約拝観期間:11月1日(水)〜12月3日(日)
※瑠璃光院公式サイトに予約フォームへのリンクが設置されています
●拝観時間:
予約期間以外 10:00~17:00(最終受付16:30)
予約期間 9:00〜17:40(最終受付17:20)
※予約期間は20分刻みで予約可能なようです
拝観料:1人2000円
駐車場:なし
公式サイト:八瀬大原 瑠璃光院
瑠璃光院の一般公開は期間限定-2023年秋は10月1日から
瑠璃光院は、文化財の保護のために通常非公開とされていましたが、2015年より季節限定で一般公開されるようになりました。その後SNSの投稿をきっかけに人気を集め、今では有名観光スポットに。春(4月中旬〜6月中旬頃)、夏(7月中旬〜8月中旬頃)、秋(10月上旬〜12月上旬頃)の3回の特別拝観時期が設けられています。春は新緑、夏は青もみじ、秋は紅葉が美しく庭を彩ります。
鏡のように映る瑠璃光院の紅葉の絶景
瑠璃光院の机に反射する紅葉
SNSがきっかけで人気の紅葉名所となった瑠璃光院ですが、その絶景があるのは書院2階。窓いっぱいに広がる紅葉と、その紅葉が机に反射する光景は神秘的です。ほかではそうそう見ることのできない光景のため「幻の紅葉」とも呼ばれています。
また、輝きを放つほどきれいに磨かれている瑠璃光院の漆塗りの廊下も、紅葉が映し出されます。「床もみじ」と呼ばれるこちらも必見です。机にカメラを置きながら撮影すると、うまく机に紅葉が映りこむ様子を写真に撮れますよ。
瑠璃光院の床もみじ
瑠璃光院の紅葉の見頃はいつ?
紅葉の見頃は年によって変わりますが、例年は11月下旬~12月初旬ごろ。見頃となる11月1日(水)〜12月3日(日)の間は、事前予約拝観期間となります。
ライトアップが見られる夜間拝観:2023年秋はJR東海ツアーズ主催
瑠璃光院の夜間ライトアップ(秋)
瑠璃光院では、通常、夜間の拝観はできません。しかし夏や秋は期間限定で夜間特別拝観を実施しています。夜間特別拝観ではライトアップに照らされた美しい庭を見ることができます。事前予約制で人数を制限しているため、ゆっくりと楽しむことができますよ。
2023年の夏は7月15日〜17日、7月22日・23日・29日・30日、8月5日・6日、8月11日〜13日に実施されました。
2023年の秋は【11月11日(土)】【11月12日(日)】【11月17日(金)~12月3日(日)】で開催。主催はJR東海ツアーズです。夜間特別拝観料、叡山電車1日乗車券代、叡山ケーブル往復乗車券代、甘酒1本などがついて、料金は1人7500円。1日200名限定です。
詳細は以下サイトをご確認ください。
●錦秋の絶景リフレクション 八瀬・瑠璃光院&嵐山・祐斎亭
瑠璃光院で写経体験も
瑠璃光院の写経体験
紅葉のリフレクションが見られる机がある部屋の横には写経スペースが設けられています。写経とは仏教の経文を書き写すことで、瑠璃光院ではどなたでも体験できます。
準備等は必要なく、入場の際に写経セットも渡されるので、そちらを使いましょう。紅葉の景色を見た後にぜひ写経で心を落ち着かせてみてはいかがでしょうか。
瑠璃の庭を眺めながら抹茶をいただく
瑠璃光院には、「瑠璃の庭」、「臥龍の庭」、「山露路の庭」といった趣の異なる3つの名庭があります。
瑠璃の庭の目の前にあるお抹茶席
中でも美しいのが、瑠璃光院の名の由来にもなったとされる瑠璃の庭。一面を苔に覆われ、苔の間を一条のせせらぎが清らかに流れています。その瑠璃の庭が見える1階のお茶席でお抹茶をいただくことができます。
お抹茶
お抹茶を注文した人だけが座れる特等席で瑠璃の庭を眺めることができ、さらに美味しいお抹茶をいただけるなんて、贅沢な時間です。
瑠璃光院のアクセス
最寄駅:叡山電鉄 八瀬比叡山口駅
駐車場がないので、電車かバスで訪れるのがおすすめです。
京都駅からのアクセス
【京都駅】- JR奈良線 / 奈良方面
→【東福寺駅】- 京阪本線 / 出町柳方面
→【出町柳駅】- 叡山電鉄叡山本線 / 八瀬比叡山口方面
→【八瀬比叡山口駅】→ 徒歩(約5分)
大阪駅からのアクセス
【大阪駅】- JR大阪環状線外回り / 京橋方面
→【京橋駅】-京阪本線 / 出町柳方面
→【出町柳駅】- 叡山電鉄叡山本線 / 八瀬比叡山口方面
→【八瀬比叡山口駅】→ 徒歩(約5分)
関西空港からのアクセス
【関西空港駅】- 南海空港線 / 難波方面
→【新今宮駅】- JR大阪環状線内回り / 天王寺方面
→【京橋駅】-京阪本線 / 出町柳方面
→【出町柳駅】- 叡山電鉄叡山本線 / 八瀬比叡山口方面
→【八瀬比叡山口駅】→ 徒歩(約5分)
瑠璃光院の周辺情報
貴船神社
京都市北部・鴨川の水源に位置し、水の神様を祀る「貴船神社」。全国に約450社ある貴船神社の総本山です。1000年以上の歴史を持ち、平安時代に女流歌人の和泉式部が夫との復縁を願って参詣したことから、縁結びの神様としても人気を集めています。
●住所:京都市左京区鞍馬貴船町180
●公式サイト:貴船神社
鞍馬寺
京都市北部に位置し、平安末期の武将・源義経が天狗から武術を学んだという伝説が残る鞍馬寺。1200年あまりの歴史を持つ、鞍馬弘教の総本山です。ふもとの仁王門から標高約400メートルの地点にある本殿金堂までは、九十九折参道(つづらおりさんどう)と呼ばれる急な坂道を約30分の道のり。敷地内を走るケーブルカーを利用することもできます。
●住所:京都府京都市左京区鞍馬本町1074
●公式サイト:総本山 鞍馬寺
下鴨神社
京都市北部に位置し、京都で最も古い神社のひとつとして知られる「下鴨神社(しもがもじんじゃ)」。正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)と呼ばれ、古代氏族・賀茂氏の式神を祀っています。1994年には「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されました。縁結び、無病息災のご利益があるとされているほか、大切な契約を成功に導く契約の神としても崇められています。
●住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59
●公式サイト:下鴨神社
圓光寺
約400年前に徳川家康によって建てられ、学校の役割も果たした「圓光寺(えんこうじ)」。もともとは京都市南部の伏見にありましたが、現在の一乗寺小谷町(京都市北部)に移転しました。
日本最古の活字本のひとつ『伏見版』の印刷事業が行われた地として知られ、孔子の言行や逸話を集録した『孔子家語』など、多数刊行されました。こちらも紅葉が美しいお寺です。
●住所:京都市左京区一乗寺小谷町13
●公式サイト:瑞巌山 圓光寺