日本屈指の観光スポット「京都」。歴史ある建造物や古都の風景が、今も受け継がれる場所です。一年を通して国内外から多くの観光客が訪れる京都ですが、とりわけ人気の季節は桜の咲く春や紅葉の美しい秋。一方で、寒さの厳しい冬は観光客の数も少し落ち着きます。「わざわざ冬に来るべき観光名所もないのでは?」そう思う人もいるかもしれません。
しかし、雪化粧をした寺院の静かな風景や冬の自然が織りなす絶景など、冬にしか味わえない魅力もたくさんあるのです。今回は、冬に訪れるべき京都のおすすめスポット8選を紹介します。
冬の京都おすすめスポット① 金閣寺
冬の京都を代表する絶景が、雪化粧をした「金閣寺」。正式名称は「鹿苑寺」で、「金閣」と呼ばれる舎利殿が金閣寺の名前の由来とされています。雪景色の中に浮かび上がる金色の舎利殿は、息をのむほどの美しさ。雪が積もる日は例年数日しかないので、まさに冬にしか出合えない貴重な景色と言えます。
雪がうっすら積もる程度だと午前中のうちに溶けてしまうことも多いので、できるだけ早い時間に訪れるのがおすすめ。金閣寺の最新の状態は公式サイトのライブカメラで確認できますよ。
金閣寺 基本情報
住所:京都府京都市北区金閣寺町1
拝観時間:9:00〜17:00
アクセス:京都市バス12・59・204・205・M1番系統「金閣寺道」下車、徒歩5分
公式サイト:臨済宗相国寺派 金閣寺
冬の京都おすすめスポット②「貴船神社」
積雪時だけ行われる貴船神社灯篭のライトアップ
京都屈指のパワースポットとして人気の「貴船神社」。水の神様「高龗神(たかおかみのかみ)」を祀る神社で、絵馬の発祥地として知られています。参道の両脇に連なる灯篭(とうろう)は、雪が積もると幻想的な姿に。毎年1月後半〜2月の間は積雪日限定ライトアップとして、雪が積もった土曜日のみ、夕暮れ〜20時までライトアップが行われます。
白い雪と赤い灯籠のコントラストを、ライトが優しく照らすことで楽しめる幻想的な風景。ライトアップが開催される場合は、当日15時に貴船神社の公式サイトやFacebook、Twitterでアナウンスがあるので、冬の貴船神社を訪れる際は要チェックです。
貴船神社 基本情報
住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
参拝時間:6:00〜20:00
※季節により変動あり。ライトアップ開催期間は参拝時間延長
アクセス:叡山電車「貴船口」駅から京都バス33番乗車。「貴船」バス停下車、徒歩5分
公式サイト:貴布禰総本宮 貴船神社
冬の京都おすすめスポット③「天橋立」
冬の天橋立
京都府宮津市に位置する「天橋立(あまのはしだて)」。日本三景の一つに数えられる有名な景勝地です。全長約3.6kmの砂浜に大小約8,000本もの松が茂っている珍しい地形で、その形が天に架かる橋のように見えることからこの名が付きました。
冬になり雪が積もると松の葉の1本1本にも雪が積もり、まるで水墨画のようなモノトーンの景色へと変わります。しかし、この雪は日が昇るとすぐに溶けてしまうことから「幻雪の飛龍観(ひりゅうかん)」とよばれ、めったに見ることができない貴重な絶景なのです。
「天橋立ビューランド」や「傘松公園」、「天橋立雪舟観展望休憩所」などから見晴らすことができます。
天橋立 基本情報
住所:【天橋立ビューランド】京都府宮津市字文珠437
【傘松公園】京都府宮津市字大垣75
【天橋立雪舟観展望休憩所】京都府宮津市字獅子崎
【天橋立公園】京都府宮津市文珠天橋立公園
関連サイト:海の京都 DMO 天橋立地域本部 天橋立観光協会
冬の京都おすすめスポット④「嵐山」
雪化粧をまとった冬の渡月橋
京都を代表する人気観光スポットである「嵐山」。嵐山といえば紅葉の名所ですが、鮮やかに色づいた木々とは対照的に純白の世界が広がる冬も非常に魅力的です。
特におすすめなのが真っ白な雪で染まった「竹林の小径」。まるで異世界に飛び込んだかのような幻想的な風景に、思わず息を呑んでしまいます。冬の嵐山でしか味わえない特別な空間です。
雪の竹林の小径
さらに嵐山を流れる桂川の上流「保津川」では、川下りを楽しむことができます。船には絨毯が敷かれていてストーブも完備しているため、寒い冬でも安心。雪化粧をまとった雄大な大自然を、心ゆくまで堪能してみてはいかがでしょうか。
嵐山 基本情報
住所:【渡月橋】京都市右京区嵯峨中ノ島町
【竹林の小径】京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町
アクセス:
【渡月橋】
①京福電車(嵐電)「嵐山」駅下車、徒歩2分
②阪急電鉄「嵐山」駅下車、徒歩8分
③JR「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩11分
【竹林の小径】
①京福電車(嵐電)「嵐山」駅下車、徒歩10分
②JR「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩13分
関連サイト:渡月橋(京都観光Navi)/竹林の小径(京都観光Navi)/保津川下り
冬の京都おすすめスポット⑤「美山かやぶきの里」
冬のかやぶきの里のライトアップ
岐阜・白川郷のような昔ながらの日本の原風景が見られる「美山かやぶきの里」。京都市内から車で約1時間ほどの美山町は、伝統技法で建てられた数多くのかやぶき屋根の民家を残す地域。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
冬にはかやぶきの屋根に雪がしんしんと積もり、辺り一帯が静けさで包まれます。懐かしさを感じさせる原風景に心癒されることでしょう。
さらに例年1月末〜2月頭にかけて、ライトアップイベント「雪灯廊」を開催。かやぶき民家のライトアップに加え、観光客による手作りの「雪灯篭」や京都嵐山エリアでも使われる「花灯籠」が夜のかやぶきの里を優しい光で照らします。初日と最終日にあげられる冬の花火も必見です。
美山かやぶきの里 基本情報
住所:京都府南丹市美山町北
アクセス:
①JR「日吉」駅から南丹市営バス美山かやぶきの里方面に乗車。「北」バス停下車、徒歩1分
②京都縦貫自動車道「園部」ICから車で40分
関連サイト:かやぶきの里(美山ナビ)
冬の京都おすすめスポット⑥「清水寺」
雪の積もった冬の清水寺
京都観光の定番スポットとして外せないのが「清水寺」。桜や紅葉など、四季折々の美しい姿を見せてくれる清水寺ですが、うっすらと雪の積もった冬の清水寺もまた趣があります。
「清水の舞台」の名で有名な本堂からは、冬ならではの京都の雪景色を一望。一年を通して混雑する清水寺ですが、冬は比較的観光客が少ないため、静かな雰囲気の中ゆっくりと落ち着いて景色を楽しめるのが魅力です。
清水寺 基本情報
住所:京都市東山区清水1-294
拝観時間:6:00~
※閉門時間は時期により変動あり。詳しくは公式サイトの拝観案内を確認してください。
アクセス:
①京都市バス206・100系統、京阪バス83・85・87・88系統など「五条坂」バス停下車、徒歩10分
②京都市バス207、京阪バス83・85・87・88系統など「清水道」バス停下車、徒歩10分
③京阪電鉄「清水五条」駅から徒歩25分
公式サイト:音羽山 清水寺
冬の京都おすすめスポット⑦「伊根の舟屋」
雪の積もった冬の舟屋
天橋立から車で20分ほどの場所に位置する伊根町で立ち並ぶ「伊根の舟屋」。寺院や舞妓さんなどのイメージが強い京都ですが、北部は「海の京都」と呼ばれ、京都市内とは全く違う海沿いの風景が広がっています。海上に浮かぶように建てられた「舟屋」と呼ばれるいくつもの家。まるでイタリアのベネツィアのような水辺の街並みを楽しむことができます。
「舟屋」はこの地域の漁師の家に見られる形式で、1階が直接海に接した船用のガレージ、2階が居住スペースとなっているのが特徴的。地域独特の建物が並ぶこの町並みは、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。
冬の時期は立ち並ぶ舟屋の屋根に雪が積もり、さらに美しい風景に。間近の海や背後の自然と相まって、ここでしか見られない特別な雪景色を楽しむことができる穴場スポットです。
伊根の舟屋 基本情報
住所:京都府与謝郡伊根町平田491(伊根町観光案内所)
アクセス:丹後海陸交通「伊根」バス停下車、徒歩1分
関連サイト:伊根町観光協会
冬の京都おすすめスポット⑧「龍安寺」
冬の龍安寺
エリザベス女王が絶賛した石庭が見られる「龍安寺」。石庭とは白砂や石を使い大自然を表現する庭園で、禅寺を中心に多くの寺院で楽しむことができます。龍安寺の石庭には白砂の上に15個石が配置されていますが、庭のどの角度から見ても必ず1つ隠れてしまい、15個全てが見えないようにできているのだとか。
そんな石庭観賞のベストシーズンといわれるのが実は冬。桜や紅葉などの彩りがない冬ですが、これが石庭本来の美しさを感じるにはもっとも良い状態とされています。しんと静かな空気が漂う冬の石庭で感覚を研ぎ澄ませば、そこに表される世界がきっと見えてくるはず。
龍安寺 基本情報
住所:京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13
拝観時間:
【3月〜11月】8:00〜17:00
【12月〜2月】 8:30〜16:30
アクセス:
①京都市バス50・55系統「立命館大学前」バス停下車、徒歩7分
②京都市バス59系統「龍安寺前」バス停下車、徒歩すぐ
③京福電鉄「龍安寺」駅から徒歩7分
公式サイト:大雲山 龍安寺|Ryoanji
冬だけの特別な出会いを求めて京都へ
今回は、冬にこそ訪れたい京都のおすすめスポットを紹介しました。春や秋のみならず、今まで知らなかった冬の京都の魅力を感じられたはず。今回紹介したもの以外でも、雪景色やライトアップを楽しめる場所、普段は見られない冬だけの特別公開が数多くあります。
京都を何度も訪れている人でも、まだ見ぬ新しい魅力に出会うことができるかもしれません。あなたも冬だけの特別な経験を求めて、京都を訪れてみてはいかがでしょうか。