全国各地に点在する商店街。地域住民の生活を支えるために、観光客をもてなすためにと地域の人々が立ち上がり生まれた商店街は、なんと都内だけでも1,700以上あるんです。
その中で、「関東一長い商店街」であり、「〇〇銀座商店街」のはじまりとされる商店街が、「戸越銀座商店街」。全長1.3kmの商店街には、400軒もの店舗が並びます。
今回は、そんな戸越銀座商店街で、編集部員が見つけた本当におすすめしたいお店と、商店街に潜むパワースポットを併せて紹介。長く愛され続けてきた老舗と、2017年以降に戸越銀座商店街にオープンした勢いのある新店を見つけてきました!
関東有数の長さを誇る商店街「戸越銀座商店街」とは?
全長1.3km!関東有数の長さを誇る「戸越銀座商店街」
今回紹介する商店街は、品川区戸越に広がる「戸越銀座商店街」。多くの人が耳にしたことのある、都内の人気商店街です。ショッピング、ランチ、カフェ、食べ歩き、銭湯…多彩なラインナップを誇る店舗がそろい、その数なんと約400軒。
戸越銀座商店街を語る上で忘れてはいけないのが、「関東一長い」商店街であること、そして、日本各地に点在する「〇〇銀座商店街」の最初の商店街であること。いくつもの交差点を挟み、通りには2つの駅(戸越駅、戸越銀座駅)が設けられた全長1.3kmの商店街。初めて訪れた人にとっては、たくさんの中からどのお店に足を伸ばせばいいのか、迷ってしまうほどの長さです。
戸越銀座商店街の誕生
日本全国には、「〇〇銀座商店街」という名づけられた商店街が多数存在しています。そのさきがけであるのが、ここ「戸越銀座商店街」。大正12年の関東大震災で被害を受けた銀座では、レンガ造りの建物が倒壊し、レンガの処分に困っていたそう。話を聞いた戸越の商店主たちがレンガをいただき、通りの修理などで使用したのです。
当時も、やはり銀座は東京の商業の中心エリア。常に賑わいを見せてきた「銀座」からレンガをいただいたこと、そして繁華街「銀座」の賑わいにあやかりたいと、「戸越銀座商店街」という名称がつけられたのです。
さらに、無事に発展を遂げた戸越銀座商店街にあやかろうと、全国のさまざまな商店街がそれぞれ「銀座」の名前を冠したのだといわれています。
戸越銀座商店街で出会えるアイドル「戸越銀次郎」
ギンちゃんのパネル
戸越銀座商店街を歩いているとさまざまなところで見かける黄色のネコ。この子は、戸越銀座商店街のアイドル「戸越銀次郎」です。愛称は「銀ちゃん」「ギンちゃん」。「頭に描かれている星模様を触るとハッピーになれる」といわれる、愛らしいキャラクターです。時にはパネルで、時には置物で。見かけた時は、ぜひ頭の星模様を撫でてみてはいかがでしょうか?
案内所の前にもギンちゃんの姿が
編集部員おすすめ!戸越銀座商店街の名店
関東有数の長さを誇る戸越銀座商店街は、3つの商店街振興組合により構成されているとご存知ですか?
西側から、戸越銀座商栄会商店街振興組合、戸越銀座駅の線路を挟んで戸越銀座商店街振興組合、そして戸越銀座銀六商店街振興組合と続きます。それぞれ「商栄会ゾーン」「中央街ゾーン」「銀六会ゾーン」と呼ばれており、それぞれに多彩な店舗が並んでいる、といった構成です。
今回はそのなかでも「食べ物が購入できるお店」に注目し、編集部員が厳選した本当におすすめしたいステキな名店を紹介していきます!
compass coffee 戸越銀座店
戸越銀座駅を降りて、まずは西側、商栄会ゾーンへ。歩みを進めた一番先、つまり今回のスタート地点に、そのお店は立っていました。
「compass coffee 戸越銀座店」
「compass coffee(コンパスコーヒー)戸越銀座店」は、焙煎コーヒー豆の専門店。店頭には「日替わりコーヒーテイクアウトできます」と書かれた看板が置かれており、モダンでスタイリッシュな外観が目を引きます。コーヒーの香ばしい匂いが鼻腔をつつき、思わず店内へ。そこには、ずらりと並ぶコーヒー豆の入った缶と、コーヒー豆を焙煎する機械、その奥に小さなカウンターが設けられています。
店内には、常時20種類以上のコーヒー豆を用意し、その場でお好みの深さに焙煎し、お持ち帰りできる…という仕組み。淹れたてのホットコーヒーのテイクアウトもできます。戸越銀座商店街巡りのお供にぴったりです。
店内に並ぶさまざまなコーヒー豆
compass coffeeがこの場所にオープンしたのは、2017年。戸越銀座店のほか、世田谷区の「九品仏店」、品川区「旗の台本店」の3店舗展開しています。最大のこだわりは、もちろん取り寄せるコーヒー豆。「コーヒーベルト」とも呼ばれる、赤道を中心とした熱帯地方に広がるコーヒーの各産地から品質の高い豆を取り寄せ、販売。ブラジル、キューバ、グァテマラ…好みを伝えれば、きっとスタッフがあなたに合う豆を選んでくれます。
焙煎度合いを選んで注文!
店内の焙煎機で焙煎を行う
今回は、テイクアウトOKのホットコーヒーを1杯注文しました。日替わりの豆を、異なる焙煎度合いで提供。「浅煎り(ハイロースト)」「中煎り(シティロースト)」「深煎り(フレンチロースト)」の3つから選べます。コーヒーの酸味が苦手な私は、しっかりしたコクと苦味が楽しめる深煎りのコーヒーをいただきました。店の前にはベンチも用意されているため、戸越銀座商店街散策の休憩にもぴったり。
テイクアウトの日替りコーヒー(レギュラーサイズ 270円)
和菓子 青柳
compass coffeeから徒歩約1分、戸越銀座商店街の商栄会ゾーンを進んでいくと、風情のある建物が目に入りました。こちらは大正8年創業の和菓子の老舗「和菓子 青柳」。「煉切(ねりきり)」と呼ばれる和菓子の他、ようかん、おはぎなど、種類豊富な和菓子スイーツがショーケースに並びます。
大正8年創業の老舗「和菓子 青柳」
歴史感じる店内に入りショーケースを眺めていると、お店のおかあさんがおすすめの煉切を教えてくれました。季節を感じられるコロンとかわいらしい煉切たちのなかでも、イチオシは「衣柿(ころかき)」。明治神宮へ献上されたこともある戸越名物として、多くの人が買っていく銘菓です。干し柿のような見た目が印象的。周りを覆う求肥がとっても薄く中のあんこが透けて見えるのが、技術の高さを感じられます。
手前が「衣柿(270円)」
額に入った賞状が飾られている
上生菓子は1つ270円ととってもリーズナブル。今回は衣柿のほか、2つの煉切を購入しました。食べるとどれも甘みがほどよく、上品な味わい。あんこもしっとりしていて、お茶と相性抜群です。戸越銀座商店街を代表する、とっておきの名店ですね。
店内のショーケースに並ぶ和菓子たち
音更ぎょうざの宝永 戸越銀座店
お土産の上生菓子を購入し、足を進めていきます。戸越銀座駅を過ぎ、「中央街ゾーン」へ。青柳から徒歩約5分、おいしい匂いに誘われて思わず足を止めたそこには、餃子がショーケースの中で温められていました。
「音更ぎょうざの宝永 戸越銀座店」
訪れたのは「音更ぎょうざの宝永 戸越銀座店」。北海道の音更(おとふけ)町で作られた餃子をはじめ、さまざまな北海道のグルメを購入できるお店です。都内のお店はここだけ。2017年に誕生した、戸越銀座商店街の新たな名店です。東京の他に、北海道札幌をはじめ、岩手、宮城にも店舗を展開しています。
店内の様子
餃子誕生のヒストリーが書かれている
名物はもちろん「宝永特製手作り餃子」。音更町で手作りされた餃子が、そのまま冷凍され都内へ。お店では冷凍のパックのまま購入するだけでなく、焼き立ての手作り餃子をテイクアウトすることができるんです。
ずっしりとボリューミーな宝永の特製餃子
宝永特製手作り餃子は、とにかくサイズが大きい!皮はもちもちで厚く、中にはたっぷりと餡が詰まっていて食べ応えも抜群。一口かぶりつけば、口の中で肉汁が広がりとろけるおいしさです。餡にはしっかり味がついており、タレをつけずとも十分においしくいただけます。
味はオーソドックスなニラのほか、コーン・シイタケ・フキの全4種を用意(持ち帰り用餃子は5個入り500円)。食べ比べできるセットも販売しているため、お気に入りを見つけてから冷凍のパックを買うのもおすすめです。
肉の雲野
最後の目的地は、あったかコロッケがいただける「肉の雲野」。音更ぎょうざの宝永から徒歩約30秒に位置しています。
「肉の雲野」外観
戸越銀座商店街、実は「戸越銀座コロッケ」と呼ばれるプロモーションを行っているほど、コロッケが有名な商店街なんです。商店街のお肉屋さんが手がける惣菜のコロッケがどれもとってもおいしく、歩きながらコロッケを頬張っている人も多数。さまざまな店舗で、工夫を凝らした絶品コロッケがいただけるのです。
ケースに並ぶコロッケたち
なかでも「肉の雲野」は、しっかり味のついた「お肉屋さんらしい」コロッケを味わえると評判。多くのメディアに取り上げられている、こちらもまさに戸越銀座商店街の名店です。
訪れたのは夕方4時ごろ。ケースの中のコロッケはほとんど売れてしまっていましたが、せっかくですのでおやつ感覚でいただけるという「おやつコロッケ」を購入しました。ほんのり甘く、それでいてしっかりと味のついたおやつコロッケ。通常のコロッケよりも小ぶりで、ぺろりといただけてしまいます。
小ぶりで甘い「おやつコロッケ」
戸越銀座商店街にきたら、ひとつは味わっておきたい名物のコロッケたち。お肉屋さんが作る絶品コロッケを、ぜひ味わってみてください。
お肉がぎゅうっと詰まった「手作り焼売」も人気
知ってた?戸越銀座商店街に佇む神社たち
戸越銀座商店街を散策すると、脇道にちらりと真っ赤な鳥居が見えることがあります。戸越銀座駅を出て西側へ進んだ「商栄会ゾーン」の脇道に、東側へ進んだ「銀六会ゾーン」の脇道に。この2つの神社はいずれも稲荷神社です。
そして、「中央街ゾーン」から少し歩いたところには「戸越八幡神社」が佇んでおり、お参りに訪れる人も多数。散策とあわせてお参りしてみてはいかがでしょうか?
法護稲荷神社
法護稲荷神社
東急池上線 戸越銀座駅から徒歩約2分、商栄会ゾーンの脇道に佇む「法護稲荷神社」。鳥居の中央には、「法護稲荷大明神」の文字が綴られています。
商売繁盛のご利益があるともされている稲荷神社。商店街の繁栄を祈って祀られているのでしょうか。歴史や由緒の記載はありませんが、見つけたらぜひ立ち寄ってお参りをしてみては。
末廣稲荷神社
末廣稲荷神社
銀六会ゾーンの脇道に立つこちらは、「末廣稲荷神社」。キツネの像(おいなりさん)が祀られています。住宅の間に立つ神社ですが、手入れも行き届いている様子。こちらも法護稲荷神社と同じく、商店街の繁栄を祈って祀られたものと考えられます。
戸越八幡神社
戸越八幡神社
東急池上線 戸越銀座駅から徒歩約9分、中央街ゾーンと交差する「宮前商店街」を進んだ先に位置する「戸越八幡神社」。戸越銀座商店街には戸越八幡神社の旗や進路を示す看板が置かれているため、迷わずにたどり着くことができます。
鳥居の先は一気に静けさが増し、まさに神聖な場所。木々が葉を揺らす参道を抜けた先に、本殿があります。御神祭は応神天皇(誉田別命(ほんだわけのみこと))です。商店街の散策とあわせて、ぜひお参りに立ち寄ってみてください。
戸越銀座商店街の名店でおいしいグルメを味わって
400軒以上ものお店が並ぶ戸越銀座商店街。今回は老舗・新店それぞれの名店を探してきました。戸越銀座商店街では交通規制時間が設けられており、毎日歩行者天国になる時間が(曜日によって異なる)。車が通らないためのんびり食べ歩きをしながら商店街を巡ることができます。
ぜひ、自分のお気に入りのお店を探しに、戸越銀座商店街に足を運んでみてはいかがでしょうか。