【PROFILE】この人たちに話を聞きました
【INTERVIEW】「島ぐらしカフェ chigoohagoo」浅沼未弥さん・長瀬夏海さん
移住前はホテルのオペレーション・立ち上げ・広報などを経験
とんとん拍子で二人揃って伊豆大島へ
とりあえず始めたゴミ拾い。そしてフリーマーケットに発展
今後は「人が集まれる場」「最後まで幸せに暮らせる仕組み」を
【INTERVIEW】地域おこし協力隊・「クエストハウス」神田 遼さん
シェアハウス&オフィスを立ち上げる
協力隊の任期終了後は大島で定住
地元の人に聞いた〝マイフェイバリット大島〟
Information

日本にある離島の数は6800以上。そのうち約400の島に人が暮らしています。それぞれの島に美しい風景や独自の文化がありますが、人口流出・観光の停滞といった課題もあります。

東京都の島・伊豆大島もそうした課題を抱える島のひとつ。しかし近年、さまざまな思いを持って移住する人が増え、新たな魅力が生まれはじめています。

伊豆大島に移住した3人を訪ね、移住のきっかけや、島暮らしのこと、行っている取り組みについて教えてもらいました。


Photo:Maika Mitani/Erika Nagumo
Text:Erika Nagumo
Special Thanks:Koji Yoshimoto(青とサイダー ao to cider)/東海汽船

【PROFILE】この人たちに話を聞きました

左から、浅沼さん・長瀬さん・神田さん

左から、浅沼さん・長瀬さん・神田さん

浅沼未弥(あさぬま みや)さん・長瀬夏海(ながせ なつみ)さん

浅沼さんは伊豆大島生まれ、伊豆大島育ち。長瀬さんはアメリカ、ベルギー、大阪、千葉、八王子など、両親の都合で海外と日本の各地を転々とし幼少期を過ごしました。2019年、二人一緒に伊豆大島に移住し、2020年「島ぐらしカフェ chigoohagoo(ちぐはぐ)」をオープン。女性に優しい宿とカフェを2人で営んでいます。お互いの愛称は「ミヤ」「なっちゃん」。

神田 遼(かんだ りょう)さん

千葉県出身。2020年に伊豆大島に移住。地域おこし協力隊として「農産物直売所ぶらっとはうす」の運営を行う傍ら、伊豆大島・三宅島のメンバーとともにシェアハウス&シェアオフィス「クエストハウス」を運営。伊豆大島ジオパーク認定ガイド。伊豆大島移住前は、旅行会社の海外支店に勤務。新型コロナウイルス流行を機に退職し、現在に至ります。

【INTERVIEW】「島ぐらしカフェ chigoohagoo」浅沼未弥さん・長瀬夏海さん

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」の浅沼未弥さん・長瀬夏海さん

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」の浅沼未弥さん・長瀬夏海さん。壁の絵は浅沼さんが描いたもの

移住前はホテルのオペレーション・立ち上げ・広報などを経験

本土から伊豆大島へは、飛行機か船に乗って行きます。伊豆大島には空港が1カ所、客船が入港する港が2カ所があります。客船が入港する港のひとつが「岡田港(おかたこう)」。岡田港の周辺は、晴れた日には海の向こうに富士山が見える、静かな港町です。

そんな岡田港近くに2020年にオープンしたカフェ&宿が「島ぐらしカフェ chigoohagoo(ちぐはぐ)」。午前中と夕方は手作りスイーツが楽しめるカフェとして、夜は女性に優しい宿として営業しています。

二人の性格やこだわりが全然違うことが名前の由来

二人の性格やこだわりが全然違うことが名前の由来

「島時間の中で暮らしのリズムや自分らしさを取り戻せる場所を」という思いで営むのは、伊豆大島にUターンでやってきた浅沼さんと、Iターンでやってきた長瀬さん。それぞれの得意領域を活かして、浅沼さんが宿を、長瀬さんがカフェを担当しています。出身地も育った場所も違う2人が出会ったのは、新卒で入社したリゾート運営会社でした。

浅沼さん:
「過疎や高齢化が進む大島をなんとかしたい、という思いが結構昔からありました。宿がきっかけになってその土地の魅力をお客さんが知る、という流れができたらいいなぁと思ったんです。地域の魅力を知ってもらうノウハウを学びたい、と思って入社しました。
10年以上の在籍期間中に、長野、栃木、山梨、石川で勤務して、清掃スタッフや調理スタッフとして働いたり、新規ホテルの立ち上げを担当したりしました。」

長瀬さん:
「私は小さい頃から両親の都合であちこちを転々とていたんですが、田舎に住むことが多く田舎の雰囲気が好きでした。だから日本の地方のこと、田舎のことを発信したいと思って入社しました。地域の魅力をホテルで表すってすごいと思ったんです。
きっかけは大学生のときのカナダ・バンクーバーへの留学経験でした。ちょっとした事件をきっかけに、国際都市であるバンクーバーでも意外と日本のことが知られていないというのを感じて。日本には東京や京都だけじゃなくて、いろいろなところがあるのに。」

浅沼さん:
「会社ではいろんな場所に異動できたんですけど、山梨に異動したときになっちゃんと一緒になりました。それで仲良くなったんです。山梨から長野に転勤になってからは、2人でルームシェアして、2年くらい一緒に住みました」

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」の客室は洋室と和室がそれぞれ1部屋ずつ

「chigoohagoo」の客室は洋室と和室がそれぞれ1部屋ずつ(写真提供:島ぐらしカフェ chigoohagoo)

とんとん拍子で二人揃って伊豆大島へ

「いずれは大島のために何かしたいと思っていた」という浅沼さんは、あるとき思い立ち、伊豆大島の物件を購入。会社を退職して、長瀬さんを島に誘います。

浅沼さん:
「実は何をやるか決めずに物件を買っていて。何をやるかは『物件を見なきゃ分からない!』と思って、まずは家を見に行ったんですね。客観的な意見も欲しかったから、なっちゃんも誘って。

そうしたらなっちゃんも大島を気に入ってくれて、『じゃあ一緒にやろう!』ってことで移住して、私が宿、なっちゃんがカフェをやるという話にまとまりました。」

2019年の12月頃に物件を購入、その後に引っ越しを終え、2020年の5月半ばから宿&カフェの工事が始まり、同年7月30日にオープン。
オープンまでスピーディーに進んだのは、2人に宿やカフェ開業のノウハウがあったから。

浅沼さん:
「私たちがいた会社では、フロント業務から、清掃、調理、取材対応などの広報活動、新しいホテルの立ち上げや、『魅力づくり』のプランニングなど、ひと通りの業務を全員が担当していました。お互い何を決めなちゃいけないか分かっていたから、自分たちで宿とカフェを始めるのは苦ではなかった。『今回はこういうコンセプトだから備品はこれが必要だね』『ここに連絡しなくちゃだよね』とか。

コンセプトやターゲットは、引っ越す前から考えはじめていたんですけれど、実はこれが一番時間がかかりました。はじめはカフェだけにする、とか宿だけする、って案もあったんです。
でも大島って、お客さんが来るのが週末や夏に偏るんですよ。だから宿泊だけだと空きが出ちゃうし、かといってカフェだけでも魅力がちょっと弱くなる。やっぱり宿がないとお客さんって来てくれないから。それで閑散期でも戦えるように、宿とカフェ両方でやることにしました。」

カフェで提供するお菓子

カフェで提供するお菓子は長瀬さん作。「米粉のクレープ」やバター不使用の「塩麹ビスケット」など、アレルギー対応のメニューもあります

浅沼さん:
「テーマも最初は、大島だから『港町』とか、映えを意識した『椿』とか。あと芋もよく採れるんで『芋カフェ』とかも考えたり。でも最終的には自分たちが興味があって得意なものじゃないと続かないし、心からの提供ができないから『女性に優しい』にしました。

女性に優しい宿にしようと思ったのは、なっちゃんと長野でルームシェアをしていた頃、女性の悩みを意識することが多くあったから。
なっちゃんはお菓子作りとかインテリアが趣味なので、家をカフェみたいに作り込んで、手作りのお菓子で友達を呼んでもてなす〝カフェごっこ〟みたいなことをよくしていたんですね。それでみんなが集まったときによく話題に上がったのが、キャリアのこと、結婚のこと、出産のことなどなど。みんないろんな悩みがあってどれかひとつだけを選ぶなんてできないよなぁって、当時から思っていたんです。

それで、島の自然とか、島に流れる時間の中でなら、周りを気にせずに自分のことを考えられるのかなと思ったんです。それで『大島の自然の中で心を整えてもらいたい、自分を見つめ直す時間を過ごしてもらいたい』という思いを込めました。」

実際に宿のゲストは24~30代くらいの女性が多く、「安心して泊まれる」という声も。ちなみに男性は、カップルや夫婦など女性と一緒であれば宿泊が可能。カフェは男性・女性どちらの利用もOKです。

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」のインテリア

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」のインテリアは長瀬さんが担当。インテリア好きの両親と、ヨーロッパ暮らしの影響で感性が磨かれたそう

宿の朝食は浅沼さんが担当

宿の朝食は浅沼さんが担当。島唐辛子みそや焼き魚が嬉しい和食の御膳です(写真提供:島ぐらしカフェ chigoohagoo)

とりあえず始めたゴミ拾い。そしてフリーマーケットに発展

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」ではエコを意識した取り組みも行っています。月に1回のゴミ拾い活動と、代理で中古品の販売をするフリーマーケットです。

浅沼さん:
「実はもともと、環境についてそんなに意識してなかったんですが、大島は浄化槽が整備されていないところもあったりして、それで『エコなこと考えなくちゃ!』って思うようになりました。お客さんと話しているうちにゴミ拾いをする流れになって、月に1回『アイランドクリーンデイ』という形で、参加できる人たちで集まってゴミ拾いをするようになりました。

海岸でのゴミ拾いではこんなにゴミが集まりました

海岸でのゴミ拾いではこんなにゴミが集まりました(写真提供:島ぐらしカフェ chigoohagoo)

浅沼さん:
「そうこうしているうちに、エコをテーマにした本とか読み出すようになって。なっちゃんがベア・ジョンソンという人の『ゼロ・ウェイスト・ホーム』という本を読んでいたんですけれど、それに影響を受けて急に断捨離を始めたり。営業時間中なのに家に帰っちゃって『これはいらない』『これも使わない』って使わないものをめちゃくちゃ集めてたんですよ。

それで不用品が集まったんですが、そのまま捨てるのはもったい、でも島にはリサイクルショップはない、ということで自分たちでフリーマーケットを開いてみることにしたんです。それで1回開いたらけっこう人気で、私たちの周りの売れるものは売れてしまいました。そこで島の人にも出品をお願いしたんです。そしたらどんどん集まって。次で7回目の開催です。(※2022年10月時点)」

第7回フリーマケットのフライヤー

第7回フリーマケットのフライヤー。「島ぐらしカフェ chigoohagoo」のフリーマーケットは島の人たちが持ち寄った品を、二人が代理で売るという形式

今後は「人が集まれる場」「最後まで幸せに暮らせる仕組み」を

短期間でさまざまな挑戦を重ねてきた2人。今後もまだまだやりたいことがたくさんある、と教えてくれました。

長瀬さん:
「私は昔からインテリアが好きで、宿やカフェのインテリアも自分たちで考えてリフォームしました。そのうちに周りからインテリアのことで相談を受けるようになって。知り合いの家のインテリアをリフォームしたり、宿の家具を選んだり床の色をアドバイスしたり。だから、これからはインテリアの仕事もしたいなと思ってます。空き家をリフォームして売る、とか。大島は移住者だとけっこう、リフォームするのって難しいと思うので。」

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」の母家の外にある雑貨販売スペース

「島ぐらしカフェ chigoohagoo」の母家の外にある雑貨販売スペースも長瀬さんがインテリアを担当。「廃材を使って大工さんたちと一緒に小屋を作りました。私たちは『魔女小屋』と呼んでいます(笑)」(長瀬さん)

浅沼さん:
「あとはなっちゃんの実家が長野県の松本にあるので、松本にもひとつ拠点があってもいいかなって思ってます。でも今は宿とカフェを2人で回すのにヒーヒー言ってるから、どうしようかな、とかね。

それからわたしはもうひとつやりたいことがあって。結婚していない女性が、結婚しなくても最後まで幸せに暮らせる、みたいな仕組みをつくたいんです。『最後にひとりで死ぬが嫌だから結婚する』っていう話もけっこう聞くんですけど、そもそも独り身でも不安にならずに自分らしく生きられるような仕組みがあったらいいのに、と思っていて。

亡くなったときは誰かがすぐに気がついてくれるけど、各々自分の生き方ができて、そこで自分のスキルを商品にビジネスが成り立つ、みたいな。老人ホームだと住んでいるだけになってしまうけれど、そうじゃなくて、経済活動もできる何かにしたい。街なのか、コミュニティなのか、何になるかはまだ分からないですけれど。」

<img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2022/11/29/17/27/17/chigoohagoo_3.jpg" alt="浅沼さんと長瀬さん />

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【INTERVIEW】地域おこし協力隊・「クエストハウス」神田 遼さん

地域おこし協力隊の神田 遼さん

地域おこし協力隊の神田 遼さん。シェアハウス&オフィス「クエストハウス」の運営メンバーでもあります

シェアハウス&オフィスを立ち上げる

伊豆大島は最盛期には1200頭の牛がいた酪農の島。島の牧場で生産される「大島牛乳」はコクがあり美味です。大島空港の近くに牧場と工場があり、牛の飼育と牛乳の生産を行なっています。

その牧場の近くある「農産物直売所ぶらっとはうす」では、紙パックの大島牛乳はもちろん、大島牛乳を使ったソフトクリームや、島の恵みがたっぷりのジェラート、新鮮な野菜などが購入できます。

地域おこし協力隊として「ぶらっとはうす」に2020年から勤務しているのが、〝カンちゃん〟こと神田遼さん。コロナ禍を機に移住したという神田さんは、移住して1年で協力隊の仕事とは別に、シェアハウスも立ち上げることになります。

「ぶらっとハウス」のソフトクリームとジェラート

「ぶらっとハウス」のソフトクリームとジェラート

神田さん:
「僕は大島に来る前は、旅行会社で働いていました。日本人のツアー客向けに、現地のガイドやホテルの手配をする、というような仕事をしたんですが、新型コロナの影響をもろに受けました。
しばらくお客さんは戻らないだろうな、というのが分かったので、逆に将来を考えるきっかけになり、それで退職を決めました。

なんとなく地方への憧れ、田舎への憧れ、島への憧れがあって、ざっくり地方に行きたいと思っていたんです。『地域おこし協力隊なら地方に行ける』って考えていたタイミングで、ちょうど大島の地域おこし協力隊の募集が出て、すぐに応募しました。

実は大島には一度も来たことがなかったんですが、同じ伊豆諸島の神津島には毎年キャンプをしに行っていたから、なんとなく島のイメージはあって。受かるかどうかも分からないし、とりあえず応募して、受かったら受かったでそのとき考えよう、くらいに思っていました。家も自分で手配しなくていいですし。そんな感じでうまくタイミングが合って大島にやってきました。」

地域おこし協力隊で募集していた仕事は、「ぶらっとハウス」の運営。お店に出て接客したり、裏方で事務的な仕事もしているうちに、神田さんは伊豆大島でできた知り合いから「空き物件があるから見てみてよ」と誘われます。これが「クエストハウス」誕生のきっかけでした。

クエストハウスの共有スペース

クエストハウスの共有スペース。入居者やシェアオフィス登録者は自由に使えます

神田さん:
「紹介された空き物件をとりあえず見てみようと、三宅島の伊藤さんっていう人と一緒に内見に行ったんです。

伊藤さんっていうのは、三宅島のゲストハウス『島家』のオーナーで、三宅島で知り合いました。幼少期から大島、小笠原諸島の父島、八丈島、と東京の離島を転々としてきた人で、島の自然体験活動だとか、イベントを開いている人です。八丈島のイベントとか、いろんな場所で会うので、自然と関係ができていって。
内見に行ったときに伊藤さんからシェアハウスをやろう、と誘われて、それで『クエストハウス』をやることになりました。

それからもうひとり、『島ぐらしカフェ chigoohagoo』の浅沼さんも協力してくれることになり、3人で『クエストハウス』をやっていくことになったんです。空き物件を買って、DIYで直して、2021年10月にシェアハウスとしてオープン。大島に来てちょうど1年が経った頃でしたね。」

オープン以来、二拠点生活でロケコーディネーターをしている方や、大島へ移住する前のお試し暮らしの方などが入居。オープンして半年経った頃からは、シェアオフィスとしても解放し、地元のデザインオフィスなどにスペースを貸し出しています。

神田さん:
「特徴としては、僕がIターンで、伊藤さんがJターン(=出身地の近隣地域に戻ってくること)、浅沼さんがUターンで女性ということ。伊豆大島に移住したい、という人にそれぞれの視点からリアルな話ができるのがいいのかなと思っています。」

クエストハウスの窓際にあるワークスペース

「クエストハウス」には畳の会議スペースのほか、窓際のワークスペース、大きなデスクが使えるワークラウンジもあります

協力隊の任期終了後は大島で定住

2020年の10月に大島の地域おこし協力隊に就任し、間も無く3年が経つという神田さん。実は協力隊の任期は3年と決まっており、その後は卒業となります。神田さんは卒業後も大島で暮らすことを決めているそうで、今後の予定を伺いました。

神田さん:
「実は協力隊の仕事とシェアハウス&シェアオフィスのほかに、今はガイド業もしていて、卒業後はガイドにも力を入れたいと思っています。
伊豆大島は成り立ちや自然環境が特殊で、島全体が『ジオパーク』に登録されています。2年に1度『伊豆大島ジオパーク認定ガイド』の認定制度があるんですが、僕も資格をとったので、知り合いや、学校の子どもたちに大島のことをガイドしています。

伊豆大島・三原山のふもと

伊豆大島には、大自然が作り出す非日常の風景が広がります(写真:ピクスタ)

神田さん:
「それからもうひとつ、伊豆大島の波浮というエリアでゲストハウスを開く予定です。もう物件は押さえてあって、2022年の11月から工事、2023年の4月にオープンの予定です。

前職も旅行業をやっていたのですが、どちらかというと、ツアーを作っていくっていう裏方的な仕事でした。だから、今度は直接お客さんを受け入れる側をやってみたいんです。

ガイド業と宿業、どっちもやっていれば、宿泊から入ってきた人に対してはガイドの提案ができるし、ガイドから入ってくる人には宿の提案ができる。

せっかく来てくれる人たちには、より深いアクティビティや、本物体験を楽しんでもらえたらなぁと思っています。一緒に山に行くのもそうですし、一次産業を体験してもらうのもいいですよね。王道の景勝地を回っていただくのももちろん素晴らしいんですけれど、こちらからも価値あるコンテンツをいろいろと提供していけたら、と思っています。」

■■

地元の人に聞いた〝マイフェイバリット大島〟

岡田のトンネルの先から見る夕日

長瀬さん:
「岡田港近くのトンネルを出た先、信号のある高台から見る夕日が綺麗です。天気が良ければ、海と港の桟橋と、富士山も見えて絶景です。」

岡田港

長瀬さん:
「夜になると星が綺麗です。夜なら誰にも会わないから、パジャマで歩いていっても平気。桟橋で寝っ転がって星を見たりしています。」
伊豆大島の岡田港

日中は大型客船やジェット船が入港する岡田港(写真:ピクスタ)

大島公園動物園近くの芝生の丘

浅沼さん:
「私は普段外にあんまり出ないんですが、秋とか春は天候もいいし虫も少なくてピクニックするには最高です。大島公園動物園の横に、芝生が広がってる丘みたいなところがあるんですけど、そこは誰も来なくて、風が気持ちいい。『天国かな?』ってくらい気持ちいい場所です。」

赤だれ

神田さん:
「三原山の南側にあるビューポイントです。行くのが少し難しいのでガイドさんと一緒に行ったほうがいいかもしれないですね。裏砂漠もいいんですけど、大島の自然系のスポットでいうと、赤だれが一番好きです。『こんなところがあるんだ』って圧倒されますよ。

伊豆大島の名所・赤だれ

雨で崖が削られ、赤い地層が露出している「赤だれ」(写真:伊豆大島写真館

もももも

神田さん:
「元町にある昔ながらのカフェで、自分は島に移住してから大体ここにいます。マスターが大島の人なんですが、面白い人で、いろいろな話をしたり相談します。週に何回も行ってるんで、マスターとは親父より一緒にいるかも。」

大島のスナック

神田さん:
「大島に移住してからスナックに行くようになりました。一人で大体のところに行きましたが、好きなスナックは元町エリアにある『ラビアンローズ』さん。大島のスナックは元町に多くありますが、島の人が多いので、島の人と話したり、カラオケしたりして過ごします。」

Information

■島ぐらしカフェ chigoohagoo
住所:東京都大島町岡田3
時間(カフェ):7:30-11:00(10:30LO)/16:00-20:00
定休(カフェ):火曜
料金目安(宿泊):1泊1名 1万1000円/1泊2名 1万8000円 ※季節により変動あり
公式サイト:島ぐらしカフェ chigoohagoo

■ぶらっとハウス
住所:東京都大島町岡田字新開
時間:9:00~16:00
定休:年中無休
公式サイト:伊豆大島の農産物直売所『ぶらっとハウス』

■伊豆大島クエストハウス
住所:東京都大島町元町 字家の上416-4
公式サイト:伊豆大島クエストハウス

■SHIMA STAY
公式サイト:SHIMA STAY|伊豆大島のジオガイド