【1日目AM】伊豆大島着→レンタカーorバス→三原山頂口
【1日目PM】三原山お鉢巡り
【1日目夕方】大島温泉ホテルで日帰り湯 →宿へ
【2日目AM】波浮港見晴台
【2日目AM】踊り子の里資料館(旧・港屋旅館)
【2日目AM】旧甚の丸邸
【2日目PM】裏砂漠バギーツアー(Book Tea Bed IZUOSHIMA)
【時間があれば】貝の博物館 ぱれ・らめーる
【時間があれば】大島公園動物園
【時間があれば】波治加麻神社
【3日目AM】サンセットパームラインをサイクリング
【3日目AM】ぶらっとハウス
おわりに

伊豆大島は東京から一番近い伊豆諸島の島で、火山島です。距離にすると120㎞。でも、島内を走るクルマは品川ナンバーというからビックリですね。いわば都心の火山島。

鎌倉など湘南エリアから見ても相模湾をへだてた目の前で、晴れた日にはくっきりと島が見えます。そんな距離なのですね。

2010年にジオパーク(=地球の過去を知り、未来を考えるユネスコ認定の地質遺産)に指定された伊豆大島は、島丸ごと大地の公園。迫力の地球の姿を見に出かけませんか。

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※本記事に掲載の情報は2024年2〜3月時点のものです。諸事情により変更となる場合がありますので、お出かけの際は各公式サイト等で最新情報をご確認ください

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東京都 < 伊豆諸島

東海汽船「さるびあ丸」

伊豆大島への行き方徹底ガイド-アクセス法・料金・時間の比較から島内交通まで 伊豆大島への行き方は大型客船・ジェット船・飛行機の3種。乗ってさえしまえばたどり着くのでアクセスは意外に楽々です。東京や神奈川県・横浜港、熱海港、久里浜港からの出航便から、伊豆大島内の移動手段まで幅広く解説します。

その他名所・観光スポット

【1日目AM】伊豆大島着→レンタカーorバス→三原山頂口

竹芝客船ターミナル・ジェット船・岡田港・三原山

①ジェット船・大型客船は竹芝客船ターミナル(JR浜松町駅から徒歩約10分)から出港 ②ジェット船(ジェットフォイル)は船体が海面から浮き上がって進みます ③伊豆大島の海の玄関口のひとつ・岡田港。客船は日や便によって岡田港または元町港に入港します ④伊豆大島のシンボル・三原山(写真:①〜③ PIXTA/④ 編集部)

2泊3日の旅は東京・竹芝から始まります。高速ジェット船で2時間足らずの船旅を楽しみましょう(熱海や伊東、下田からも高速船で気軽に行けます)。

大島は島全体が活火山。火山島ならではの地形はまるで別世界のようです。毎年1月末〜3月後半には伊豆大島最大のイベント「椿まつり」で賑わいます。

気が早いひとは港からその足でレンタカーを借りて伊豆大島のシンボル、三原山へ出かけてもいいですね。参考までに三原山が最後に噴火したのは1986年のこと。噴火の痕跡を見るのが楽しみです。


伊豆大島へのアクセス

①調布飛行場から飛行機で約25分
 ●時刻表:新中央航空 タイムテーブル
②竹芝客船ターミナルから高速ジェット船で約1時間45分
 ●時刻表:東海汽船 時刻表
③竹芝客船ターミナルから大型客船で約6時間(夏季)〜8時間(冬季)
 ●時刻表:東海汽船 時刻表
※詳しくは伊豆大島への行き方徹底ガイドをご確認ください

【1日目PM】三原山お鉢巡り

南東側上空から見た伊豆大島

南東側上空から見た伊豆大島。中央部分、二重の輪のようになっているのが三原山の内輪山と外輪山です。黒々している部分は「裏砂漠」と呼ばれています

三原山は標高748m。三原山山頂口(遊歩道の入口)から山頂までは歩いて40分ちょっと(片道)の山です。山頂までは遊歩道が続きます。山頂をぐるりと回るお鉢巡りで中央火口へ向かいます。道がでこぼこになってきますからスニーカーか、出来ればトレッキングシューズがいいですね。

火口を反時計回りで巡ると、まず見えてくるのがホルニト。1950年の噴火の際に出来た溶岩洞窟です。割れ目のような穴があり中はトンネルのようになっています。

火口の柵に沿って進むと展望台に到着。度重なる噴火でできた火口は迫力が違いますね。ダイナミックな火口をしばらく眺めてください。火口を見た後の帰り道は景色がまた違って見えてくるかもしれません。お鉢巡りは足元が舗装されていないので自信がない方は山頂までの往復でも十分に楽しめます。

展望台から見た三原山の中央火口

展望台から見た三原山の中央火口。1986年の噴火ではこの穴がマグマで満たされたそうです。現地へ行くと火口の壁から、地下のマグマで温められた水が湯気となって立ち上っている様子も見ることができます(写真:編集部)

三原山山頂口

●住所:東京都大島町元町・野増
●関連サイト:三原山トレッキング|伊豆大島ナビ
●アクセス:
①元町港または岡田港から路線バスで約25分
②元町港または岡田港から車で約20分
※編集部しらべ

【1日目夕方】大島温泉ホテルで日帰り湯

大島温泉ホテルの絶景露天風呂

大島温泉ホテルの絶景露天風呂(写真提供:大島温泉ホテル)

山から降りてきたら三原山温泉へ。大島温泉ホテルで日帰り温泉を楽しみます。一日の汗を流すのは格別の時間です。このホテルでは地下約300mから源泉を汲み上げており、大浴場をはじめ、客室のお風呂でも温泉を堪能できるのが幸せ気分を盛り上げます。

男湯、女湯とも露天風呂からは何一つ遮るものがない原生林越しの、先ほど登ってきた三原山の絶景が楽しめます。大自然に囲まれた空間で、体も心もリラックスして明日に備えましょう。

大島温泉ホテル

●住所:東京都大島町泉津木積場3-5
●日帰り入浴営業時間:6:00~9:00/13:00~21:00
 ※混雑時には入場制限がかかる場合あり
●定休:年に数回休館あり
●公式サイト:大島温泉ホテル
●アクセス:
①元町港または岡田港から路線バスで約20分
②元町港または岡田港から車で約15〜20分

【2日目AM】波浮港見晴台

波浮港見晴台から望む波浮港

波浮港見晴台から望む波浮港(写真:編集部)

朝の散歩がてら波浮港へ。ここはもともと火山の火口湖でしたが、大津波で伊豆の海とつながった港です。周囲の崖を切り崩し港口を広げて港となりました。

湖のように穏やかで静かな美しさは中山晋平が作曲、野口雨情の詩で大ヒットした戦前の歌謡曲、「波浮の港」そのままの雰囲気です。波浮港から筆島に向かう途中にある「波浮港見晴台」からは波浮の港の全景が一望できます。

波浮港見晴台

●住所:東京都大島町差木地クダッチ
●関連サイト:-
●アクセス:
①元町港から路線バスで約35分、[波浮港見晴台]バス停下車
②元町港から車で約20分
※編集部しらべ

【2日目AM】踊り子の里資料館(旧・港屋旅館)

踊り子の里資料館

踊り子の里資料館の中の様子。踊り子やお客を模したリアルな人形が展示されており、今まさに宴会が開かれているかのよう(写真:編集部)

旧・港屋旅館は「踊り子の里資料館みなとや」となって訪れる観光客の目を楽しませています。ノーベル賞作家・川端康成の小説『伊豆の踊り子』にも登場する舞台でもあり、モデルになった旅芸人一座は港屋旅館で演芸を見せていたそうです。

明治、大正期にかけてつくられたこの建物は、現在でも珍しい三階建の木造建築です。一階から三階まで連日宴席で賑わったそうで、近くの旅館でも訪れる人々を楽しませる多くの踊子さんが連日連夜踊りを披露したと伝えられます。

踊り子の里資料館・外観

踊り子の里資料館・外観(写真:編集部)

踊り子の里資料館(旧・港屋旅館)

●住所:東京都大島町波浮港
●関連サイト:-
●アクセス:元町港から路線バスで約30分、[波浮港]バス停で下車し、徒歩約5分
※編集部しらべ

【2日目AM】旧甚の丸邸

旧甚の丸邸周辺

旧甚の丸邸周辺は石畳の細い路地が続き、風情があります(写真:伊豆大島写真館より)

波浮港は1800年に開港しましたが、それ以来、大島の港には全国から漁船が集まり目覚ましい発展を遂げました。旅館が軒を連ね、網元、商家は豪華な建物を造りました。

網元の家々が建ち並び港町として全盛を極めた時代の賑わいは、踊り子坂を上った正面にある旧甚の丸邸がもっともよく表しているかもしれません。この屋敷からは伊豆・下田の影響を受けたのでしょうか、羨ましいほどの豪勢な暮らしぶりがうかがえます。

旧甚の丸邸

なまこ壁が印象的な旧甚の丸邸。もともとは旅館でした(写真:伊豆大島写真館より)

旧甚の丸邸

●住所:東京都大島町波浮港
●関連サイト:-
●アクセス:元町港から路線バスで約30分、[波浮港]バス停で下車し、徒歩約10分(踊子坂経由)
※編集部しらべ

【2日目PM】裏砂漠バギーツアー(Book Tea Bed IZUOSHIMA)

裏砂漠バギーツアー

Book Tea Bed IZUOSHIMAの裏砂漠バギーツアー(写真提供:Book Tea Bed IZUOSHIMA)

伊豆大島の魅力は自然と歴史ですが、最近は新たな要素としてアクティビティが注目されています。その一つが四輪バギーを使った先導型ツアーメニュー。港にほど近いゲストハウス「Book Tea Bed IZUOSHIMA」さんのバギー(普通自動車免許で運転可能。50cc)は安心、安全のレジャーといえます。

向かうのは「裏砂漠」です。裏砂漠とは、日本で唯一、国土地理院の地図に「砂漠」と表記されている場所。三原山の東側に広がっており、一年中風が強いため草木が育ちづらいのです。そんな特異な自然の中で走るバギーは、一度体験すればその魅力にハマってしまうでしょう。

ただし裏砂漠は国立公園に指定されている伊豆大島の中でももっとも規制の厳しい特別保護地域です。厳しく規制されていますし、迷いやすい場所でもあるのでくれぐれも注意しスタッフの指示に従いましょう。

裏砂漠バギーツアー(Book Tea Bed IZUOSHIMA)

●集合場所:東京都大島町岡田助田28-1
 ※大島バス・大島公園ライン[岡田郵便局前]バス停から徒歩1分
●料金例:裏砂漠コース 1名あたり1万2000円(所要約2時間)
●公式サイト:Book Tea Bed IZUOSHIMA|バギーツアー

【時間があれば】貝の博物館 ぱれ・らめーる

珍しい貝だけを展示した博物館です。伊豆・小笠原諸島をはじめ、世界各地の美しい貝を4000種、5万点も集めて展示してあります。

注目は「オキナエビスガイ」。よく知られるオオムガイとともに〝生きた化石〟といわれ、深い海に生息している貴重な貝です。これまで世界で30種類ほど見つかっていますが、そのうちの26種類が展示してあります。

これ以外にも世界最大の巻貝のアラフラオオニシ、100キログラムを越す二枚貝のオオジャコなど世界でも有数の展示規模といわれます。名前の由来はフランス語の「ぱれ・らめーる」(海の宮殿)です。

貝の博物館 ぱれ・らめーる

●住所:東京都大島町差木地クダッチ
●時間:9:00〜17:00
●定休:水曜
●公式サイト:貝の博物館 ぱれ・らめーる|大島町
●アクセス:元町港から路線バスで約30分、[ぱれ・らめーる前]バス停で下車
※編集部しらべ

【時間があれば】大島公園動物園

大島公園のラマ

海と緑の丘が美しい大島公園。写真の放飼場にはフタコブラクダ、ラマ、エミューがいます

ジオパークは地球の息吹を感じられる場所といってよいでしょう。伊豆大島の動物園では溶岩の地形をそのまま残したダイナミックな景観の中、動物達がのんびり過ごしています。

動物たちが遊ぶ空間(フライングケージ)は約53m×42m×13mという日本でも有数のスケール。そんな環境に池や湿地帯、丘陵地帯等の地形が作られ、さまざまな鳥たちを観察することができます。

鳥類のほかにも園内全体でワラビーやカピバラ、レッサーパンダ、キツネザル、ゾウガメ、ナマケモノなどの姿も見られ、思った以上に盛りだくさんの内容に驚くことでしょう。入園料は無料です。

大島公園動物園

●住所:東京都大島町泉津福重2
●時間:9:00〜17:00
●定休:無休
●公式サイト:東京都立大島公園|東京都大島支庁
●アクセス:
①元町港から路線バスで約30分(岡田港からは約13分)、[大島公園]バス停で下車
②元町港から車で約20分(岡田港からは約12分)
※編集部しらべ

【時間があれば】波治加麻神社

波治加麻神社の参道

杉の木立が神秘的な波治加麻神社の参道

波治加麻神社(はじかまじんじゃ)は伊豆諸島に伝わる伝説の舞台です。この島々をつくったとされる三島大明神の5人のお后と王子を祭っており、それぞれ、波治加麻神社の祭神であるとされます。

波治加麻神社をめぐっては様々な言い伝えが残っており、静寂の場所に身を置き、自分を見つめる時間を過ごすのも島の時間の過ごし方としていいかもしれません。

バスで行く場合は、泉津集落から路線バスに乗り、[椿トンネル]バス停で下車。しばらく歩くと「波治加麻神社」の文字が入った看板が目に入ります。

波治加麻神社

●住所:東京都大島町泉津48
●関連サイト:波治加麻神社|伊豆大島ナビ
●アクセス:元町港から路線バスで約25分(岡田港からは約10分)、[椿トンネル]バス停で下車し、徒歩約10分
※編集部しらべ

【3日目AM】サンセットパームラインをサイクリング

サンセットパームライン・赤禿

サンセットパームラインの名所のひとつ「赤禿(あかっぱげ)」

伊豆大島はサイクリングコースが整備された島で、サイクリング初心者にも絶好の場所です。

まずトライしてもらいたいのが元町港付近から野田浜までを結ぶ海沿い絶景の道「サンセットパームライン」。高低差が少なく車道と別のレーンを走れ、さらに景色がいいことが、高い評判の理由のようです。

また、「サンセットパームライン」から大島空港周辺を走る約12kmもルートアレンジが自在で、滞在時間が少し余ってしまったときの時間調整に最適です。

自転車は元町のみよし土産店や、同じく元町のゲストハウスVolcanic Islandなどで借りることができますよ。伊豆大島ナビの一周しなくても楽しめる! 伊豆大島のんびりサイクリングも合わせてチェックしてみてください。

サンセットパームライン

●住所:東京都大島町元町〜岡田
●関連サイト:みんなに愛される絶景ロード「サンセットパームライン」|伊豆大島ナビ
●アクセス:元町港から徒歩約5分
※編集部しらべ

【3日目AM】ぶらっとハウス

ぶらっとハウス

左:大島牛乳を使った濃厚ソフトクリームと、明日葉を使った爽やかなジェラート 右:見晴らしのいいテラス席もあります(写真:編集部)

「ぶらっとハウス」は伊豆大島の新鮮な野菜や花卉類、牛乳・バターなど地域の生産者の農畜産物を販売している農産物直売所です。島の特産品を使ったジェラートやソフトクリームもいただけます。

毎月のようにひらかれる日曜日の「ぶらっとまるしぇ」は、大勢の島民や観光客が立ち寄る人気のイベント。とりわけ玉ねぎやジャガイモなど、野菜や果物の収穫体験の催しが人気を集めているようです。

ぶらっとハウス

●住所:東京都大島町岡田新開87-1
●時間:9:00〜16:00
●定休:無休
●公式サイト:ぶらっとハウス
●アクセス:元町港または岡田港から車で約10分
※編集部しらべ

おわりに

伊豆大島を訪れて、この島が思っていた以上に多彩な魅力に溢れていることに改めて気付きました。

火山と、海という、島の環境に適応し進化してきた動物や植物たちと、火山とともに生きる人々の暮らし。そうしたエレメントの上に最近では若い人のアクティビティにも注目が集まってきたようです。

世界でも195カ所のジオパークが日本でもゆっくり成熟してきたのだと、そんな感想を持ちました。

Text:丹澤次郎 Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA/写真AC