神田明神の歴史〜幕府からも崇敬された創建1300年のパワースポット〜
神田明神の御祭神とご利益は?〜神田明神に祀られる3つの神様〜
神田明神の見どころ 
神田明神でもらえる御朱印・お守り 
神田明神で行われる年中行事
神田明神へのアクセス・駐車場
周辺情報

江戸の守り神とも呼ばれている「神田明神」。近くにある電気街の秋葉原とは対照的に、静かな雰囲気の神社です。神田明神は、1300年もの歴史を持ち、戦国時代の武士たちや江戸時代の参勤交代で訪れる人々にも信仰されてきました。歴史ある美しい朱色の本殿は、関東大震災や東京大空襲にも耐え抜いた神田明神のシンボルです。

神田明神は縁結びや健康祈願などたくさんのご利益があるのも人気の一つ。全国からの参拝者も後を絶ちません。

今回は、そんなパワースポット神田明神の歴史や見どころ、ご利益やユニークなお守りも合わせてを紹介していきます。

神田明神の歴史〜幕府からも崇敬された創建1300年のパワースポット〜

神田明神の随神門

神田明神の随神門

神田明神のはじまり

社伝によると、神田明神は730年に大己貴命の子孫・真神田臣により現在の東京都千代田区に創建されました。戦国時代の間は、有名な武士の太田道灌や北条氏綱、さらには徳川家康も神田明神へ参拝者として祈願していました。特に徳川家康は深く信仰しており、1600年の関ヶ原の戦いの際には、この神田明神でご祈祷を行いました。そして徳川家康は関ヶ原の戦いで勝利しますが、偶然にも神田祭と同日に勝利したのです。

それ以降、神田明神は徳川家にとって縁起の良い神社となり、その後も信仰され続けました。

江戸時代

徳川将軍家は、信仰する神田明神の規模を広げようと勤しみました。1616年には江戸城の表鬼門守護の場所にあたる現在の場所に鎮座し、江戸幕府によって社殿が造営されます。神社は「江戸総鎮守」とも呼ばれ、庶民からも親しまれる神社となりました。

明治〜昭和

明治時代に入ると、神田明神は「神田神社」と社名を変え、東京の12の主要な神社(准勅神社)、東京で影響のある神社(東京府社)の一つとなりました。1874年には初めて明治天皇も神田明神を御参拝し、神田明神は東京の守り神として繁栄します。

1923年、東京を襲った関東大震災により神田明神の社殿は焼失してしまいますが、東京の人々による寄付などのおかげで1934年に社殿が再建されます。当時では画期的な鉄筋鉄骨コンクリートが使用され、現在の神田明神の象徴でもある朱色塗りの社殿となりました。その頑丈な構造のおかげで、第二次世界大戦中の東京大空襲の際にも社殿はわずかな損傷のみで耐え抜きました。

現在へ

平成時代を迎えると、時代の変遷を経験してきた神田明神の大改修が行われます。社殿の修復や塗替えのほか、新たに資料館が建設されるなど、境内の整備が進められています。

神田明神の御祭神とご利益は?〜神田明神に祀られる3つの神様〜

神田明神の縁結び

神田明神の縁結び

神田明神には3つの神が祀られています。縁結びの神様「大己貴命(おおなむちのみこと)」、えびす様とも呼ばれる「少彦名命(すくなひこなのみこと)」、「平将門命(たいらのまさかどのみこと)」です。そのうち、大己貴命と少彦名命の2つの像は神田明神の境内に鎮座しています。

ご利益は、縁結び、夫婦和合、健康祈願、商売繁盛、勝運。神田明神にはありとあらゆるご加護を求めて日本全国から参拝者が訪れます。

えびす様像

神田明神 えびす様

神田明神 えびす様像

「えびす様」は商売繁盛・医療健康・開運招福の神様です。神田明神にある像には、カメやイルカなどの海の仲間に守られて、大海原を渡るえびす様の姿が造形されています。

だいこく様像

だいこく様

神田明神 だいこく様

「だいこく様」として知られる大己貴命(おおなむちのみこと)は縁結びの神様です。縁結びで有名な島根県の出雲大社の御祭神でもあります。石像は高さ6.6m、重さ約30tで、石造りとしては日本一のだいこく様として建立されました。

平将門命

平将門命は「まさかど様」と呼ばれ、除災厄除の神様として祀られています。平安時代、平将門は政治改革をはかり関東を中心に勢力をふるった存在でした。

東京都千代田区大手町にある「将門塚」

東京都千代田区大手町にある「将門塚」

最期は朝廷からの追討令により討伐されてまった平将門ですが、将門の死後京都で晒された首が突然歯ぎしりを立てた、目を見開き喋りかけてきたなど、奇妙な出来事が立て続けに起こる事態に。人々は畏怖の念を抱き、祟りを鎮めるために現在の神田明神に霊を祀ったといいます。将門の首は現在、東京都千代田区大手町の「将門塚」に祀られています。

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神社・寺

神田明神の見どころ 

本殿

神田明神の本殿

神田明神の本殿

鮮やかな朱色の神田明神本殿は関東大震災でもともとの社殿が壊された後の1934年に建設されました。幣殿・拝殿・神饌所・宝庫が重なり合う形で造られており、その時代では新しい形の建物です。拝殿は手前を土間にすることで、参拝客が靴を脱がなくても参拝できるようになっています。また、江戸幕府が開かれて400年の2003年には国の有形文化財にも指定されました。

随神門

随神門

神田明神の随神門

神田明神の入り口にある随神門。昭和天皇が即位して50年の記念として、1975年に建てられました。外回りには四神(朱雀・白虎・青龍・玄武)が、内側には「因幡の白兎」など、神話に関する描写が彫刻されています。2つの神が入り口を守り、神社を守り続けます。

資料館

神田祭

神田祭の神輿

1998年にオープンした神田明神資料館は2階・3階の展示室からなります。2階には神田祭のジオラマをはじめとする神田祭の資料、3階には神田明神に関する歴史や神宝が展示されています。また、江戸時代の錦絵の他、「ラブライブ!」等の神田明神とアニメのコラボに関する資料も展示されています。

開館日は土・日曜、祝日の10時から16時。大人500円、学生300円、中学生以下は無料となっています。。

神田明神文化交流館 EDOCCO

随神門と神田明神文化交流館

随神門と後ろに見えるのが神田明神文化交流館
境内にある神田明神文化交流会館 EDOCCOにはイベントホール会場である神田明神ホールやオリジナル商品が立ち並ぶEDOCCO SHOP、ランチとスイーツが味わえるEDOCCO CAFEなど多様な施設が入っています。

1階にあるEDOCCO SHOPでは縁起物や御朱印、だいこく様クッキーなどのここならではのオリジナル商品を購入可能。

さらにEDOCCO CAFEでは神社でお祓いを済ませた飲み物・神社声援(ジンジャエール)や様々な味の種類がある明神プリンをいただけます。容器を返却すると御縁玉(5円玉)がいただけるようです。神田明神で祈祷を済ませた後は、ぜひ EDOCCO CAFEへお立ち寄りください。

神田明神でもらえる御朱印・お守り 

お守り

神田明神のIT情報安全守護 出典:江戸総鎮守 神田明神
神田明神にはユニークなお守りが販売されています。近くにある秋葉原電気街に関連して、パソコンの情報を守ってくれるお守りとされている「IT情報安全守護」です。マイクロチップのような形のお守りで、コンピューターウイルスや突然のフリーズなどから守ってくれます。初穂料は1,000円です。

御朱印

初穂料は500円。購入できる場所は文化交流会館 EDOCCOの1階で御朱印を購入することが可能です。

神田明神 御朱印

神田明神 御朱印(写真提供Instagram:hobbies__nya様

神田明神の御朱印は書き置き朱印(事前に御朱印が入った紙)で2023年6月現在、クリアファイルもついてくるそうですよ。通常であれば、神田明神の御朱印は1種類だけですが、アニメキャラコラボの御朱印、特別な絵が入った御朱印などが期間限定でいただけることがあります。限定の御朱印が出る場合は、公式サイトなどで案内されますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
公式サイト:神田明神

神田明神で行われる年中行事

5月『神田祭』

神田明神 神田祭

毎年5月に開催される神田明神 神田祭

江戸時代から続く「神田祭」は「江戸三大祭り」の一つに数えられています。祭りの始まりは17世紀、関ヶ原の戦いで勝利した徳川家が、以降徳川家縁起の祭りとして盛大に執り行われるようになりました。

6日間続く神田祭のメインイベントは「神幸祭」です。神田明神の3つの神が、それぞれ3つの神輿に祀られて東京の街を行進します。1日で30万人もの見物客が訪れる人気のお祭りです。

8月『神田明神 納涼祭り』

神田明神 納涼祭り

神田明神 納涼祭りの様子 出典:江戸総鎮守 神田明神
2016年から始まった「神田明神 納涼祭り」は8月中旬ごろの全4日間で開催されるお祭り。祭りの特徴はアニメキャラクターとのコラボ。魅力的なコンテンツが集まる秋葉原の町と連動して、アニソン盆踊りやアニメキャラコラボ屋台などを楽しむことができます。屋台には肉料理を中心とするメニューを販売しており、ビールやお酒に合いそう。老若男女問わず楽しめるイベントが神田明神の納涼祭りです。

また、神田明神の公式の情報によるとお祭り中は期間限定の御朱印が頒布予定だそうです。(1日200枚限定)納涼祭りならではの御朱印をぜひこの機会に手に入れましょう。

【神田明神 2023年納涼祭り】
開催会場:東京都千代田区外神田2-16-2
開催時間:11時〜21時(前夜祭のみ17時〜21時)
開催日程:
納涼祭り前夜祭 8月10日(木)
アニソン盆踊り 8月11日(金・祝)
千代田区民踊連盟 8月12日(土)
浜町音頭保存会 8月13日(日)
公式サイト:神田明神 納涼祭り絶品グルメ ビール&日本酒祭り(当日の屋台情報)

神田明神へのアクセス

最寄駅:御茶ノ水駅 (JR線、東京メトロ線)

新宿駅からのアクセス

【新宿駅】 ー JR中央線 / 東京方面
→ 【御茶ノ水駅】 聖橋口 → 徒歩(約5分)

東京駅からのアクセス

【東京駅】 ー JR中央線 / 高尾方面
→ 【御茶ノ水駅】 聖橋口 → 徒歩(約5分)

成田空港からのアクセス

【成田空港駅】 ー スカイライナー / 京成上野方面
→ 【日暮里駅】 ー JR山手線 / 上野方面
→ 【御茶ノ水駅】 聖橋口 → 徒歩(約5分)

羽田空港駅からのアクセス

【羽田空港駅】 ー 東京モノレール / 浜松町方面
→ 【浜松町駅】 ー JR京浜東北線 / 大宮方面
→ 【神田駅】 ー JR中央線 / 高尾方面
→ 【御茶ノ水駅】 聖橋口 → 徒歩(約5分)

神田明神の駐車場情報

参拝者駐車場が境内にあります。(10台ほど)
※神社正面の鳥居をくぐった後、随神門右側の脇門よりお入りください。神社北側の参拝者駐車場にお停めください。

神田明神周辺の駐車場:
・秋葉原UDXパーキング(800台収容・24時間営業・1日料金平日 2300円)
・秋葉原ダイビル駐車場(112台収容・24時間営業・1日料金平日 2000円)

Edit:Ako Kobayashi/Kaoru Maki

参考:神田明神神田明神祭り行ってみよう たのしい町ほか

神田明神の周辺情報