皆さんは日本のワイナリーを巡ったことはありますか?
日本は北海道から沖縄まで、ほとんどの都道府県でワインが造られており、各地で高品質な素晴らしいワインが造られています。
また、ワイナリーの数も年々増加傾向にあり、現在では330軒を超えるワイナリーがあります。
この記事では、日本ワインの5つの名産地を解説するとともに、おすすめのワイナリーも10軒紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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知ってる?日本ワイン5つの名産地
日本を代表するワイン産地「山梨」
「日本のワインといえば山梨」といえるほど、生産量が多く知名度も高い山梨県。実は、日本の全ワイナリー数の約1/4は山梨県に集中しています。
特に甲府盆地東部(甲州市、山梨市、笛吹市)は日本のワイン造り発祥の地であり、山梨県内でも一番ワイナリーが多いエリアです。
山梨県甲斐市内で造られたさまざまなワイン(写真提供:やまなし観光推進機構)
古くから栽培と醸造を手掛けてきた老舗のワイナリーも多く、ワイナリー巡りをするなら山梨は外せません。
白ワイン用ぶどう品種は甲州、赤ワイン用ぶどう品種はマスカット・ベーリーAが有名です。
白ワインはすっきりした辛口、赤ワインは軽やかで飲みやすいライトボディの辛口に仕上がることが多く、和食にも合わせやすいスタイルが主流です。
信州ワインで有名な「長野」
全国2位のワイン生産量を誇る長野県。主要品種は白ぶどう品種はナイアガラ、黒ぶどう品種はコンコードです。
近年ではメルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、ピノ・ノワールといった国際品種の栽培が盛んで、国内ではトップの生産量です。
長野県塩尻市内のぶどう畑
年間を通して降水量が少なく、昼夜と夏冬の気温差が大きいことから、ぶどうの生育条件としては素晴らしい環境が整っています。
2013年には長野県が「信州ワインバレー構想」を発表し、生産者の育成や長野県産ワインのPR支援に力を入れています。
挑戦と開拓のワイン造り「北海道」
北海道のワイン生産量は全国で3位。本州に比べて広大な土地を活用できることもあり、近年ワイナリー数が急増していることでも知られています。
岩見沢市宝水町の宝水ワイナリーによる、自社栽培・醸造ブランド「RICCA(リッカ)」(写真提供:北海道観光振興機構)
また、北海道ならではの冷涼な気候を生かした、ぶどう品種の開発や栽培方法の開拓も盛ん。品種は特に、ドイツ系の白ぶどう品種やピノ・ノワールなどが多く作られています。
後志(しりべし)地方の余市や仁木などは、生産者の理念や哲学をワインに表現する小規模ワイナリーが多く、ワイナリー巡りには絶好の場所といえます。
ぶどう香るフルーツ王国のワイン「山形」
全国で4位のワイン生産量を誇る山形県では、白ぶどう品種のデラウェアが非常に有名。デラウェアの栽培面積は全国でもトップ、山形県での生産量も1位です。
古くからフルーツ栽培が盛んで、ぶどう栽培・ワイン醸造の歴史を持つ山形。山形産のワインは、ぶどう本来の味や香りを感じられることも特徴の一つです。
山形県南陽市内のワイナリーによるワインの数々(写真提供:山形県)
ぶどう畑のほとんどは内陸にある村山地方と置賜地方に集中しています。東北地方で最古のワイナリーとされている「酒井ワイナリー」は1892年に設立され、その後県内では15軒のワイナリーが造られました。
水はけの良さや日照量の多さ、年間降水量の少なさなど、ぶどうの生育条件にマッチした環境が整っており、高品質なワインが多く造られています。
ワイン造りは100年以上も前から「大阪」
大阪は生産量はそこまで多くないものの、ワイン造りの歴史は長く、安土桃山時代にはぶどう酒らしきものが造られていたという記録があります。
大阪府羽曳野市の河内ワイナリーによる金徳葡萄酒デラウェア(写真:公益財団法人 大阪観光局)
本格的なワイン造りは大正時代には始まっていました。大都市近郊の大阪市街にぶどう園やワイナリーがあり、他地方と比べると比較的アクセスしやすいのも特徴です。
主要品種は白ぶどう品種のデラウェア、赤ワイン用ぶどう品種のマスカット・ベーリーAです。
有名【ワイナリー】10選!名産地でワイン観光を
(山梨)登美の丘ワイナリー
高台から甲府市街とぶどう畑を臨む登美の丘ワイナリー
住所:山梨県甲斐市大垈(おおぬた)2786
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:なし
公共交通機関でのアクセス:JR甲府駅から無料シャトルバスで30分
公式サイト:登美の丘ワイナリー
★サントリーが手掛けるワイナリー。甲府盆地に広がる景観は素晴らしく、さまざまなワインが試飲できます。工場見学は予約不要のコースを除き、インターネットまたは電話による事前予約が必要です。見学以外にもツアーやイベントが多く開催されているため、予約の前に公式サイトで確認することをおすすめします。
(山梨)シャトーメルシャン勝沼ワイナリー
住所:山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:なし
公共交通機関でのアクセス:勝沼ぶどう郷駅から車(タクシー)で8分
公式サイト:シャトーメルシャン勝沼ワイナリー
★おもてなしに重点を置いた体験型ワイナリーとして人気のあるシャトーメルシャン勝沼ワイナリー。ワイナリー限定ワインの有料テイスティングが楽しめるほか、ビストロ・ミル・プランタン特製のペアリングBOXを事前予約限定・数量限定で販売。ワイン資料館も備えてあり、歴史や文化を知る勉強として行くならもってこいのワイナリーです。
(長野)安曇野ワイナリー
ぶどうの木をはじめとした緑の中、屋根のオレンジ色が映える安曇野ワイナリー
住所:長野県安曇野市三郷小倉6687-5
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:あり
公共交通機関でのアクセス:JR松本駅からJR大糸線一日市場駅まで約12分、一日市場駅からタクシーで約15分
公式サイト:安曇野ワイナリー
★安曇野ワイナリーでは試飲カウンターやショップ、テラス席のあるカフェで一息つくことができます。常時4〜5種類の無料試飲カウンターがある他、有料試飲では蔵出し限定ワインが楽しめます。ワイナリーには珍しく、飲むヨーグルトの工場も併設されていて、風味豊かでナチュラルな飲むヨーグルトもお土産に買うことができます。
(長野)山辺ワイナリー
山辺ワイナリーのメイン看板
住所:長野県松本市大字入山辺1315-2
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:あり
公共交通機関でのアクセス:JR松本駅から車(タクシー)で20分
公式サイト:山辺ワイナリー
★美ヶ原高原のふもとに広がる山辺ワイナリー。見学はワインホールより、醗酵室、樽貯蔵室、瓶詰め室が見れます。併設された「ファーマーズガーデンやまべ」では、ぶどうはもちろん採れたての高原野菜、りんごやももといった果物、乳製品などの信州の味覚が季節に応じて販売されています。併設されたレストランは不定休のため、電話での確認が必要です。
(北海道)余市ワイナリー
テラス席を備えた余市ワイナリーのベーカリーカフェ
住所:札幌市中央区南3条東5丁目2番地
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:あり
公共交通機関でのアクセス:JR余市駅から車(タクシー)で5分
公式サイト:余市ワイナリー
★余市ワイナリーは、1974 年にワインづくりを手掛けた余市町最古のワイナリーです。ワイン用のぶどう栽培地として全国でもトップレベルの生育環境に恵まれているエリアで、ドイツ系ぶどう品種やピノ・ノワールなど多様な品種を育てています。余市ワイナリーでは、醸造や瓶詰め・貯蔵施設の見学ができるほか、ワインショップやレストランも併設しているので、食事やお土産の購入も可能です。
(北海道)ふらのワイン
樽を使ったふらのワインの看板
住所:北海道富良野市清水山
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:なし
公共交通機関でのアクセス:JR北海道 富良野線学田駅から車(タクシー)で3分
公式サイト:ふらのワイン
★富良野市内にある山の中腹に建つワイナリーは、レンガ造りの建物が特徴的です。使用するぶどうは全て富良野産で、工場では製造工程や熟成庫の見学はもちろん、ワインの試飲などもできます。10名以上の団体の場合は予約が必要ですが、個人の場合は不要です。工場限定販売のワインもあるので、見学の際はチェックすることをおすすめします。
(山形)タケダワイナリー
住所:山形県上山市四ツ谷2丁目6−1
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:なし
公共交通機関でのアクセス:かみのやま温泉駅から車(タクシー)で5分
公式サイト:タケダワイナリー
★自社農園でぶどう栽培をするタケダワイナリー。山形を代表するワイナリーの一つで、多くのワインラバーの心を掴んでいます。ワイナリー見学では畑や工場の様子を見た後、ショップでとれたてのワインを購入することができます。見学は無料ですが、事前予約が必要なので、公式サイトでの確認が必須です。
(山形)高畠ワイナリー
花壇と洋風の建物が美しい高畠ワイナリー
住所:山形県東置賜郡高畠町大字糠野目2700-1
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:あり
公共交通機関でのアクセス:米沢駅、赤湯駅から車(タクシー)で15分。
公式サイト:高畠ワイナリー
★県内で屈指のぶどう産地である高畠町にある高畠ワイナリー。受賞ワインを数多く手掛けており、フラッグシップ・シリーズやプレミアム・シリーズをはじめとして、ワインラバーも唸る高品質なワインを作っています。ワイナリー内にはフード店舗「ゴッツォナーレ」があるので、食事とワインを一緒に楽しめます。タイミングによってはイベントも多く開催されているので、事前に公式サイトをチェックすることをおすすめします。現地でしか買えないショップ限定販売のワインもあるので、そちらも要チェックです。
(大阪)カタシモワイナリー
風情ある街並みに軒を連ねるカタシモワイナリー(写真:公益財団法人 大阪観光局)
住所:大阪府柏原市太平寺2丁目9番14号
工場見学:あり
ショップ:なし
レストラン:なし
公共交通機関でのアクセス:近鉄大阪線 安堂駅より 徒歩約7分
公式サイト:カタシモワイナリー
★カタシモワイナリーは最寄駅から徒歩で行けるアクセス抜群のワイナリーです。歴史も古く、多くの受賞歴があります。公式サイトには「畑・工場・町歩きマップ」があり、畑と古民家の並ぶ町が楽しく散策できるようになっています。スタッフの案内があるワイナリー見学は不定期で予約制なので、公式サイトで日程などを確認する必要があります。
(大阪)河内ワイン
ショップ内容も充実の河内ワイン館(写真:公益財団法人 大阪観光局)
住所:大阪府羽曳野市駒ヶ谷1027
工場見学:あり
ショップ:あり
レストラン:あり
公共交通機関でのアクセス:近鉄南大阪線 駒ヶ谷駅から徒歩8分
公式サイト:河内ワイン
★ワイナリーツアーは要予約。ワイナリー見学のあと、食事ができる「金食堂」ではワインに合わせた弁当を楽しむことができます。こちらも要予約なので、公式サイトでチェックしてみてください。
ワイナリーで旬の秋ワインを堪能しよう
秋はワイナリーを訪れるベストシーズン!収穫時期の光景だけでなく、周りの自然の木々の紅葉も楽しめます。
ワイナリーによっては予約が必要な場所や、タクシーの手配が必要な場所もありますので、必ず事前に公式サイトで確認をしてから出かけましょう。
生産者の話を聞いた後に現地を眺めながら飲むワインは格別に美味しいですよ。ぜひこの機会に訪れてみてください。
Text:Takezo(たけぞう)
東京都出身。世界40カ国を旅し、世界中のワイナリーや酒場を巡ったソムリエ。バーテンダー歴も長く、ビールや蒸留酒にも造詣が深い。ここ数年は「日本ワイン」と「オレンジワイン」にどハマりしている。
Text:Takezo Edit:Sakura Takahashi
Photo(特記ないもの):PIXTA/PhotoAC
参考:
日本ワイナリー協会/世界も認める日本ワインを知ろう|農林水産省/特集:北海道のワイン|悠悠北海道/山形県ワイン酒造組合/NAGANO WINEの魅力|長野県産業労働部・NAGANO WINE応援団運営委員会/ワイン|富士の国やまなし/OSAKA WINE 大阪ワイナリー協会/酒類の地理的表示|国税庁/宝水ワイナリー/各ワイナリー公式サイト