下呂市は岐阜県の中部に位置する周囲を山々に囲まれた自然あふれる街です。夏の最高気温は37〜38℃前後まで上がることがあるいっぽう、冬の最低気温はマイナス10℃(*)を下回ることもあり、こうした気温差から、四季折々の風景を楽しむことができます。
そして下呂市といえば外せないのが日本三名泉のひとつ、下呂温泉。この記事で下呂温泉の旅とともに楽しみたい観光スポットを紹介。温泉街付近はもちろん、少し足を伸ばした先にもいちおしスポット多数です。
*直近では2016年1月25日に下呂市萩原でマイナス12.3度を観測
TOP画像:下呂温泉の足湯(写真提供:一般社団法人 岐阜県観光連盟)
※本記事に掲載の情報は2023年11月時点のものです。諸事情により変更となる場合がありますので、お出かけの際は各公式サイト・公式SNS等で最新情報をご確認ください
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1. 編集部おすすめ:下呂温泉周辺の観光スポット10選
下呂温泉合掌村
下呂温泉合掌村の合掌造りの家屋と水車小屋(写真提供:一般社団法人 岐阜県観光連盟)
合掌造りの建屋10棟を移築し、日本の原風景を再現した観光スポットです。村内は2つのエリアに分かれており、「合掌の里」では国指定重要文化財・国の登録有形文化財の建物を見て回ったり、物づくり体験ができます。そのほか、食事処「合掌茶屋」では食事も楽しめますよ。もうひとつのエリア「歳時記の森」は、桜とモミジの里山。棚田や水車小屋もあり、四季折々の風景を楽しめます。
【下呂温泉合掌村】
●住所:岐阜県下呂市森2369
●時間:8:30~17:00
●定休:無休
●公式サイト:下呂温泉 合掌村
※編集部しらべ
千寿堂本店
左:「しぼりたて栃の実モンブラン」 右上:栃の実と下呂産庭先卵を使った「栃の実プリン」 右下:賞味期限30秒!焼きたての「栃の実せんべい」は直営店ならでは(写真提供:千寿堂)
古くから飛騨の人々が、冬をしのぐために大切にしてきた食べ物、それが栃の実です。千寿堂本店のカフェでは、その栃の実を使ったスイーツをいただけます。中でもスポンジ・クリーム・アイス・パウダーと、全てに栃の実が使われている「しぼりたて栃の実モンブラン」は名物で、クリームとパウダーをかける仕上げをお客さんの目の前で行います。これはスイーツ好きにはたまらない瞬間でしょう。
【千寿堂本店】
●住所:岐阜県下呂市森2557-4
●時間:8:00~17:00(L.O. 16:30)
●定休:不定休
●公式サイト:とちの実煎餅 千寿堂
ロビーラウンジ エビアン
左:和ふたぬーんてぃ 右:庭園を眺めながらゆったりくつろげる「ロビーラウンジ エビアン」(写真提供:水明館)
温泉街に建つ老舗湯宿「水明館」。4棟ある宿泊等のうち、「飛泉閣」の1階には、宿泊者でなくとも利用できるラウンジ「ロビーラウンジ エビアン」があります。午後のひとときにおすすめなのは、上品な和スイーツをあしらった「和ふたぬーんてぃ」。目の前に広がる和風庭園を眺めながら、ゆったり過ごす時間は格別です。「ロビーラウンジ エビアン」ではほかにも、「Gスイーツ」(下呂のG)をはじめ、地元産の素材を使ったケーキ、シュークリーム、ジビエ、ピッツァなどがいただけます。
【ロビーラウンジ エビアン】
●住所:岐阜県下呂市幸田1268 下呂温泉 水明館 飛泉閣1階
●時間:9:00~21:00(L.O. 20:30、和ふたぬーんてぃは13:00~17:00)
●定休:不定休
●公式サイト:水明館/ロビーラウンジ エビアン
飛騨牛レストラン 下呂松葉
左上:飛騨牛カツと飛騨牛ステーキ2種食べ比べ 飛騨野菜添え 中上:飛騨牛極生ハンバーグ 右上:お店外観 下:飛騨牛カツ(写真提供:飛騨牛レストラン 下呂松葉)
飛騨牛を使った「牛かつ」やステーキ、ハンバーグを提供しているのが下呂松葉です。日本有数のブランド牛である飛騨牛。その肉質はきめ細かで、やわらかく、そして細かいサシ・霜降りが多量に入っています。下呂松葉では、その飛騨牛の希少部位・イチボを90秒、サッと揚げレアに仕上げ牛かつに。ブランド牛をカツでいただくという贅沢。ここでしか味わえない逸品、食べない手はありません。
【飛騨牛レストラン 下呂松葉】
●住所:岐阜県下呂市小川230
●時間:(平日)8:00~21:00
(休日)11:00~15:00、17:00~21:00
※飛騨牛提供時間は11:00~15:00(L.O. 14:00)/17:00~21:00(L.O. 20:00)
●定休:不定休
●公式サイト:飛騨牛レストラン 下呂松葉
奥田又右衛門膏本舗(おくだまたえもんこうほんぽ)
左上:お店外観 右上:「楊貴肌玉せっけん」は見た目も可愛らしいゼリー状のソープ 左下:「下呂膏物語なごみしーと(飛騨の妖精たち)」はヒノキ・クロモジ・ミズメザクラ・アスナロの香り 右下:顔・首すじ・背中など、全身に使える「薬用 楊貴肌」(写真提供:奥田又右衛門膏本舗)
代々、下呂の地で接骨医を継承してきた「奥田又右衛門」。家伝薬の「生薬配合の貼り膏薬」が人気商品「下呂膏」のルーツです。現在は「下呂膏」のほか、お土産やギフトにもぴったりな商品を数多く展開しています。たとえば、薬用化粧水の「楊貴肌(よきはだ)」は肌に優しい化粧水。また、美濃和紙に飛騨産精油などの天然和漢植物成分を塗ったアロマシート「下呂膏物語なごみしーと」は、リラックス効果のある商品です。歴史を感じる店舗で、美容や健康に気を遣ったお土産を探すのも素敵な時間です。
【奥田又右衛門膏本舗直営店】
●住所:岐阜県下呂市森28
●時間:9:00~17:00
●定休:日曜祝日、年末年始
●公式サイト:株式会社奥田又右衛門膏本舗
おがわや酒店
角打ちで試飲できるお酒のラインナップはそのときどきで変わります ※写真は改装前のイメージ。おがわや酒店は2023年1月に改装し内観が写真と異なります(写真提供:[一社]下呂温泉観光協会)
地酒を数多く取りそろえる「おがわや酒店」では、一部のお酒を「角打ち」で試飲できます。1個500円の枡を購入すると、地元・下呂の酒蔵「天領酒造」で造られる地酒をはじめ、岐阜県内各地の地酒をちょっとずつ味わえます。店主の解説を聞きながらの試飲は楽しいだけでなく、豆知識も得られる思い出深い時間に。気に入ったお酒は購入してお土産にできますよ。お酒好きな方は必見です。
【おがわや酒店】
●住所:岐阜県下呂市湯之島230-1
●時間:9:00~18:30
●定休:水曜
●公式サイト:おがわや酒店
醫王霊山(いおうれいざん) 温泉寺
醫王霊山 温泉寺(写真提供:[一社]下呂温泉観光協会)
千年以上の歴史をもつといわれる下呂温泉。その歴史の中で1265年、突然温泉の湧出が止まることがあったそうです。
翌年、ある村人は飛騨川の河原の同じ場所に、毎日白鷺がやってくることに気がつきました。村人が白鷺がいる場所へ行ってみると、温泉が湧いていました。するとその白鷺は空へと舞い上がり、中根山の中腹の松に止まります。その松の下には光り輝く一体の薬師如来が鎮座していました。
これが下呂に伝わる白鷺伝説であり、温泉寺開創の縁起になっています(温泉寺ホームページより)。温泉寺の創建は1671年。以来、白鷺に化身し、温泉の湧出を知らせたこの薬師如来を本尊として今に至ります。
【醫王霊山 温泉寺】
●住所:岐阜県下呂市湯之島680
●公式サイト:下呂温泉 醫王霊山 温泉寺
杤本農園
自然豊かな場所でトマトを育てている杤本農園。トマトジュースもフルーツジュースのような味わい(写真提供:杤本農園)
低農薬・有機肥料を心がけ、市場にはなかなか出回らない皮が極薄の品種にこだわったフルーツトマトの収穫体験ができるのが、杤本農園です。ビニールハウス内で育った、あま~いフルーツトマトを自分の手で収穫できます。システムはいちご狩りなどと異なり、収穫した分を購入するという形になります。期間は7月初旬から10月末まで。トマトも成長するので、小さなお子さんは高さが低めの7月中に訪れるのが吉。
【杤本農園】
●住所:岐阜県下呂市御厩野2235
●時間:9:30~12:00/13:30~15:00
●定休:不定休
●公式サイト:杤本農園 フルーツトマト狩り
マウンテンライフ飛騨
「下呂アスレチック」はフランス発祥の高所ロープコースを備えるアスレチック。日本ではマウンテンライフ飛騨が先駆けです。40コースあるので、子どもから大人まで楽しめます(写真提供:マウンテンライフ飛騨)
下呂市の中でも、特に自然豊かな馬瀬(まぜ)地区にあるアウトドア体験施設です。アスレチックや沢のぼり、キャンプなど、下呂の自然をめいっぱい感じながら、森のアクティビティを楽しむことができます。特にアスレチックは、ビギナーから上級まで40ものコースがあり、レベルに合わせて遊ぶことができます。大自然の中で体験するジップラインは爽快感抜群です。なお受付事務所とアスレチックパークは少し離れているので自家用車での移動が必要です。
【マウンテンライフ飛騨】
●住所:岐阜県下呂市馬瀬西村1452
●時間:9:00~17:00
※最終受付時間はツアーにより異なる
●定休:不定休
●公式サイト:マウンテンライフ飛騨
★「マウンテンライフ飛騨」では古くなった露天風呂施設を改修して、カフェレストランのオープンを計画中とのこと。2023年12月31日までクラウドファンディングで改修費を募っているそうなので、気になる方はぜひこちらからチェックしてみてください:【岐阜下呂】移住者の挑戦。旧露天風呂施設をリノベしてカフェレストランOPEN!
滝めぐりツアー(三ツ滝コース)
小坂の滝めぐり「三ツ滝コース」(写真提供:216WORKS)
下呂市北部の小坂町は200以上の滝がある町。個性豊かな滝を巡るトレッキングに挑戦するのはいかがでしょう。「三ツ滝コース」なら比較的気軽に滝めぐりが楽しめます。「ひめしゃがの湯」をスタートし、約5万4千年前の溶岩で形成された「巌立(がんだて)」を経由して、三ツ滝・あかがねとよなど、最大5つの滝を見ることができます。ガイドツアーに参加すれば、地形や植物、地域の歴史などのお話を聞きながら、より深い滝めぐりツアーを楽しむことができますよ。
【ツアー情報】
●スタート地点:岐阜県下呂市小坂町落合1656(ひめしゃがの湯)
●お問合せ:小坂の滝めぐり事務局(0576-62-2216) ※三ツ滝コースと同コースで開催
2. 下呂温泉をさくっと解説
下呂温泉の豆知識① 日本三名泉のひとつ
下呂温泉は、飛騨川流域に湧出しています。室町時代には京都五山の僧・万里集九(ばんりしゅうく)によって、また江戸時代には儒学者・林羅山(はやし らざん)によって、兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉と並び、日本三名泉のひとつに数えられています。コロナ禍以前では毎年、年間100万人以上の観光客が訪れていた人気の温泉地です。
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下呂温泉の豆知識② マスコットは「カエル」
カエルの鳴き声(ゲロ)と「下呂(げろ)」が同じ音になることから、カエルは下呂温泉のマスコット的な存在。街中ではマンホールの蓋や、土産物屋の商品など、様々な場所でカエルの姿を目にします。そして、そのマスコットに敬意を払って建立したされたのが「加恵瑠(かえる)神社」。境内はもちろん、カエルの姿でいっぱいです。
加恵瑠神社の灯籠
下呂温泉の豆知識③ 「下呂温泉いでゆ朝市」は下呂温泉の名物
例年、3月上旬から12月上旬まで、午前中に下呂温泉合掌村の入り口下で開かれます。地元産の野菜や地酒、漬物といった地場産品のほか、骨董品や和雑貨を販売するお店も軒を連ねます。お店の方との会話も旅の大切な思い出になるでしょう。
いでゆ朝市(写真提供:[一社]下呂温泉観光協会)
下呂温泉の豆知識④ 「湯めぐり手形」でお得に日帰り温泉巡り
ホテル・旅館の日帰り利用OKのお風呂や、日帰り入浴施設で温泉をハシゴしたい時に使えるのが、「湯めぐり手形」。1枚1300円で、3カ所の温泉に入ることができます。有効期間が購入から6カ月あるのも嬉しいポイントです。
下呂温泉の湯めぐり手形
下呂温泉の豆知識⑤ 飛騨高山や郡上八幡と合わせた周辺観光が楽しめる
近隣の有名観光地である高山市までは車で1時間ほど。公共交通機関の利用であれば、JR高山本線の特急「ひだ」で約45分、普通列車でも約1時間で行くことができます。また路線バスも運行されており、こちらは1時間半弱を要します。
もうひとつの近隣観光地である郡上市との間は、車で1時間ほど。両市を直接結ぶ公共交通機関はなく、長良川鉄道とJR高山本線を美濃太田駅で乗り継ぐか、バスで高山市へ向かい、そこからJR高山本線を利用するのがいいでしょう。美濃太田経由であれば2時間半~3時間ほど、高山経由だとおおむね3時間以上かかります。
●参考リンク
下呂〜高山間のバス詳細:濃飛バス/高山から下呂温泉へ
左上:下呂温泉街 右上:下呂温泉街の夜景 左下:高山の街並み 右下:郡上八幡の街並み(左上写真提供:一般社団法人 岐阜県観光連盟)
3. 紹介スポット一覧MAP
おわりに
おいしいグルメから自然を体感できるアクティビティまで、下呂市は温泉はもちろん、それ以外にもさまざまな魅力があります。
ここで紹介したスポット以外にも、季節ごとのお祭りや、七福神巡りなど、まだまだたくさんの見どころがありますよ。春〜秋は沢のぼりや滝めぐりにトマト狩り、冬は温泉街をそぞろ歩き、など、訪れる季節に合わせて楽しんでみてください。
Text:JYK_R Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA/写真AC