青森ねぶた祭はどんな祭り?
巨大な灯籠が街を巡行
「ねぶた」・「ねぷた」呼び方の違いは?
ねぶた祭りの起源
ハネトの参加方法は?
ハネトってなんだ?
ハネトに参加するには(2024年版)
青森ねぶた祭2024:最終日の見どころ
青森ねぶた祭のねぶたが完成するまで
開催概要・アクセス・ツアー
おわりに
青森ねぶた祭の周辺情報

東北三大(四大・五大)夏祭りの一つに数えられている「青森ねぶた祭」。青森県青森市内で毎年8月2日から7日の6日間の日程で開催される、のべ300万人を超える観光客が訪れる伝統的なお祭りです。

大きなもので高さ5mにもなる「ねぶた」が町を練り歩き、その周りでは「ハネト」と呼ばれる踊り子たちが踊っているのが特徴。なんとそのハネトには、観光客のみなさんも参加できるのです。

2024年の青森ねぶた祭は、8月2日(日)〜8月7日(金)に開催。

ねぶた祭りがどんな祭りか、また、ハネトに参加する方法を紹介します。

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青森ねぶた祭はどんな祭り?

青森ねぶた祭の提灯

青森ねぶた祭の提灯

巨大な灯籠が街を巡行

ねぶたとは、木材や針金、紙などで作った灯籠のこと。ねぶた祭りはその「ねぶた」が青森市街を練り歩くお祭りです。

初期のねぶた祭りはその灯篭を川や海に流すことで無病息災を祈っていました。現在でも、青森ねぶた祭の最終日に「ねぶた海上運行」として、ねぶたを海に浮かべています。

「ねぶた」・「ねぷた」呼び方の違いは?

ねぶた・ねぷたの起源は、古来から津軽で行われていた夏の睡魔を追い払う行事に関係があるとされており、「ねむり」が訛って「ねむた」→「ねぶた・ねぷた」へ変化していったものだと考えられています。

1950年代、青森は「ねぶた」、弘前は「ねぷた」という表記を観光行事の名称として選択しましたが、現在でも青森で「ねぷた」、弘前で「ねぶた」という発音の名残はあるそうです。

ねぶた祭りの起源

始まりは定かではない青森ねぶた祭ですが、奈良時代に中国から伝わってきた「七夕祭」と、青森の津軽の地にあった風習が合体したものが、ねぶた祭りの起源だと考えられているそう。

ねぶたという言葉が最初に資料に登場したのは『弘前藩庁御国日記』(1722年)。津軽藩主・津軽信寿が城下町に出向き、「祢ふた」「祢むた」を観覧したと記されています。

ハネトの参加方法は?

高さ5mにも及ぶねぶたの迫力を見て楽しむのもいいですが、さらに青森ねぶた祭を楽しむ方法があります。それは「ハネト(跳人)」に参加すること。

青森ねぶた祭で踊るハネト集団

青森ねぶた祭で踊るハネト集団(写真提供:青森県観光情報サイト

ハネトってなんだ?

ハネトとは、文字通り跳ねて踊る人のことで、ねぶたの周りで鈴の音を鳴らしながら「ラッセラー!ラッセラー!」の掛け声で踊っています。

ハネトの集団は青森ねぶた祭に欠かせない存在。そのハネトに、ハネトの正装を着ていれば、誰でも自由に参加できます。

ハネトに参加するには(2024年版)

ねぶたを囲んで踊るハネト

ねぶたを囲んで踊るハネト(写真提供:青森県観光情報サイト

特に団体に所属していなくても参加できるハネトですが、参加するにはいくつかルールがあります。中でも、一番重要なルールが、ハネトの正装を着用して参加するということ。

ハネトの衣装は、デパートなどで一式購入できるほか、レンタルも行っています。詳しくは公式サイト内、ハネトの衣装の購入・レンタル方法のページをご確認ください。

ハネト衣装を着たら、ハネトの集合場所(新町柳町交差点海手)に集合します。

以下、その他ハネトのルールです。

■みんなが楽しめる明るい祭りにする
■運行委員の指示に従う
■関係のないホイッスルなどは持ち込まない
■花火の打ち上げや爆竹の使用、一升瓶持ち込み、空き缶の投げ捨ては禁止
■運行中、逆戻りは禁止
■消防車や救急車が出動した場合は、速やかに道路を空ける
など

詳しいルールは公式サイト内、ハネトの参加方法・ルールのページに記載があります。ハネトに参加することで、青森ねぶた祭がより楽しい思い出になりますよ。

青森ねぶた祭2024:最終日の見どころ

ねぶた海上運行の背後で打ち上げられる花火

青森花火大会とねぶた海上運行(写真提供:青森県観光情報サイト

青森ねぶた祭の最終日8月7日には、「青森花火大会」と「ねぶた海上運行」が同時に開催されます。

青森ねぶた祭では、運行したねぶたを対象に審査を行っていて、いくつかの賞が用意されているのですが、ねぶた海上運行に登場するのは、受賞した6台。

夜の海に揺られるねぶたと、その背後に打ち上げられる花火の光景は幻想的です。海上運行と花火を一緒に見られる場所は、有料観覧席となるので、事前に購入しておきましょう。

青森ねぶた祭のねぶたが完成するまで

青森ねぶた祭・ねぶたの運行

青森ねぶた祭のねぶた1台の大きさ(写真提供:青森県観光情報サイト

青森ねぶた祭で使用される大型の人形の灯籠は、10ステップに及ぶ制作工程を3カ月かけて作っています。ねぶた1台にかかる費用は約2000万円。

ねぶた名人と呼ばれるねぶた制作を専門にしている人を中心に制作しています。

1.下絵

最初に、ねぶたの設計図ともなる下絵を書きます。題材となるのは歴史的な物語などで、それを元に構成を練り下絵を作ります。

2.小屋がけ

ねぶた作りに入る前に、その制作場所と完成後の収納場所のためにねぶた小屋を作ります。小屋の大きさは、高さが約6m、奥行きは12mほどです。

3.細部のパーツ作り

顔や手足、刀などの細かい部分を先に作ります。大きさは、それぞれの寸法から比例式で割り出して計算します。

4.骨組み

細かいパーツが完成したら、次は骨組み作りです。角材で支柱を作り、針金や糸を使って形を作ります。1950年代ごろまでは、針金の代わりに竹が使用されていました。

5.電気配線

できあがった骨組みに、照明用の電球や蛍光灯を800から1000個取り付けます。これにより、内部からねぶたを照らします。昔は、電球ではなくろうそくを使っていました。

6.紙はり

ねぶたに使用される紙は、和紙の一種の奉書紙。貼り付けにはボンドを使用し、この作業が一番難しいとされています。

7.墨書き

貼り付けた奉書紙に、墨を使って顔や手足、着物の柄などを書いていきます。迫力をかもし出す筆法で書かれる墨書きは、ねぶたの迫力をより引き出しています。

8.ろう書き

パラフィンという油をとかして、ねぶたに模様をつけます。この作業は、ただ模様をつけるだけでなく、色がにじむのを防ぐ役割もあります。

9.色つけ

水性顔料を使って色をつける作業。筆やスプレーで染色します。これでねぶたの本体は完成です。

10.台上げ

完成したねぶたの本体を、高さ2mの台に上げます。一つのねぶたを持ち上げるのに必要な人数は40人から50人。これで全ての作業が終了です。完成したねぶたは、先に作ったねぶた小屋で収納されます。

開催概要・アクセス・ツアー

開催概要

●名称:青森ねぶた祭
●期間:2024年8月2日(日)〜8月7日(金)
 ※毎年同日に開催。8月1日は前夜祭
●時間:
 8月2日・3日 19:00~
 8月4日〜6日 18:45〜
 8月7日 13:00~、19:15~21:00頃 
●場所:青森市内中心部(青森県青森市)
●公式サイト:青森ねぶた祭オフィシャルサイト

青森ねぶた祭へのアクセス

①電車で
JR[青森駅]から徒歩15分ほど(青い森公園まで)

②車で
青森自動車道[青森中央IC]から車で約5分(サンロード青森まで)

駐車場

無料臨時駐車場(普通自動車専用)・有料臨時駐車場(普通自動車専用)あり。詳しくは公式サイト内、青森市内迂回路・臨時駐車場をご確認ください。

おわりに:青森ねぶた祭は早めに予定を決め楽しもう

青森ねぶた祭は、曜日に関係なく毎年8月2日から7日の日程で開催されるので、あらかじめ予定も立てやすいです。

ハネトの衣装やホテルの予約、観覧席の購入は、ぜひ早めにしておきましょう。

Text:編集部
参考:ねぶた・ねぷた 楽しみ方ガイドブック/TBS NWES DIG「青森ねぶた2023はハネト自由参加の方針 コロナ禍以前の祭り体制へ」

青森ねぶた祭の周辺情報