毎年11月初めごろに開催される「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。世界中から100を超えるバルーンが集まり、佐賀の秋空に浮かびます。
競技開始直後のバルーン一斉離陸は圧巻の光景。その幻想的な景色をひと目見ようと毎年多くの来場者が集まります。
この記事では、佐賀インターナショナルバルーンフェスタを楽しむためのポイントを、ピックアップしてご紹介します。
※この記事は2018年7月時点の情報をもとに作成されました。最新の状況と異なる場合があるため、お出かけの際はご自身で最新情報をご確認ください
※2024年10月、一部情報を更新しました
1. 「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」はどんなイベント?
観客のすぐ近くを飛ぶバルーン
「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」は、【毎年11月初め】に佐賀県佐賀市の【嘉瀬川河川敷】で開催される熱気球の国際大会です。
1978年に福岡県で「バルーンフェスタin九州」として開催されたのが始まりで、1980年の第1回からは佐賀県に会場を移しました。近年では100万人近くの観光客が訪れる人気イベントになり、2016年には世界選手権の開催地にもなりました。
2. 佐賀バルーンフェスタでは何をするの?
佐賀バルーンフェスタの様子バルーン競技と各種イベントあり
佐賀バルーンフェスタのメインプログラムはバルーンの競技飛行。こちらは朝と夕方に行われます。
それ以外の時間は、キャラクターをかたどったバルーンが展示される「バルーンファンタジア」、世界の超一流ライダーによるバイクのデモンストレーション、気球の立ち上げを体験できる「気球教室」など、一般向けのイベントプログラムが用意されています。
2つの部門で行われる競技飛行
競技は2つの部門があります。ひとつは、期間中の総スコアで順位を争う「パシフィック・カップ」。もうひとつが会場に訪れた人々を楽しませる「フェスタ部門」です。
【パシフィック・カップ】は、以前までは海外の強豪に日本人選手がどれくらい迫れるのかが見どころのひとつでした。しかし近年、日本人選手が上位を独占できるほどの実力をつけてきています。日本人選手の活躍を見られるのは、嬉しいですね。
【フェスタ部門】では、大会期間中の午前中にのみ行われます。パシフィック・カップとは違い、順位は争いませんがフライトごとにタスク(競技)が設定してあります。また参加機数も少なくなりますが、ゆるいカテゴリーということもあり観客サービスをしてくれるバルーンに出会えるかもしれません。
バルーンの競技内容とは?主要競技を紹介
佐賀バルーンフェスタに参加する選手
ここからは、バルーンの競技内容について詳しく解説していきます。
バルーンの競技大会とは、一般的に操縦の正確さやゴールまでどれだけ近づけるかを競うスカイスポーツ。
横に動く推進力を持たないバルーンをバーナーの操作だけで内部の温度を上下させ、行きたい方向に吹く自然の風に任せて飛行させます。
「ターゲット」と呼ばれるゴールを目指し、ターゲットにどれだけ近づいたかを測定するため、飛行中に砂袋の「マーカー」を地上に落とします。これがバルーン競技の基本で、ターゲットとマーカーの距離の短さで得点を競い合います。
自然の風を利用した競技なため、競技前に開かれるタスクブリーフィング(競技者間会議)にて、その日の天候や風を考慮し、主催者・競技委員によってタスク(競技種目)が決定されます。
その日の気象条件から、1回のフライトで複数のタスクを連続で行う場合もあります。
佐賀バルーンフェスタでも様々な競技が行われ、マーカーを落とす瞬間を見られることも。競技について知っておくと、より観戦が楽しくなりますよ。
バルーン競技で行われる代表的なタスクを3つ紹介いたします。
タスク①|ジャッジ・デクレアド・ゴール
ジャッジ・デクレアド・ゴール
本部が指定したターゲットに向けて、バルーンが飛行していきマーカーを投下していきます。最もターゲットに近いところにマーカーを投下した選手が、ポイントをゲットできます。
タスク②|パイロット・デクレアド・ゴール
パイロット・デクレアド・ゴール
ジャッジ・デクレアド・ゴールとは異なり、選手が離陸前に自身でターゲットを宣言し、そのターゲットにマーカーを落とします。その風向きや風速を予測する必要があり、地図も正確に読むことが求められます。
さまざまな観点から実力を試されるので、難易度の高い競技と言えます。
タスク③|ミニマム・ディスタンス
ミニマム・ディスタンス
一定の時間を飛行後に、マーカーをターゲットに向けて投下する競技です。離陸地内に設定されたターゲットの中心と、落としたマーカーとの距離で争います。
いかにして空中にとどまり続けられるか、離陸地に戻って来られるかが勝負の分かれ目になります。
3. 佐賀インターナショナルバルーンフェスタの過ごし方
朝のバルーン競技(7:00〜)
まだ日が出ていないころから準備が始まる
佐賀インターナショナルバルーンフェスタで行われるバルーン競技は1日2回。1回目は朝7時から始まります。11月の佐賀の日の出は6時半頃。選手やスタッフは太陽が出ない時間から準備を始め、競技開始に備えます。
バルーン競技の最大の見どころは、バルーン競技開始直後の「一斉離陸」。会場に並ぶたくさんのバルーンが、開始の合図とともに一斉に飛び立っていきます。
朝の競技の一斉離陸
大きなバルーンが一斉に飛び立つ迫力とともに、朝焼けに染まる空を飛ぶ様子は感動的です。朝7時と少し早い時間ですが、早起きして見る価値は十分にありますよ。
競技の様子
会場を飛び立ったバルーンたちはそれぞれ競技へと移ります。ゴール地点が会場の競技もあり、間近で砂袋の「マーカー」を落とす瞬間を見られます。
バルーンファンタジア(朝のバルーン競技終了後〜)
キャラクターや動物のバルーン
朝の競技終了後、競技エリアにはアニメの人気キャラクターや動物などの巨大バルーンが登場します。可愛らしいバルーンばかりなので、家族連れは必見のイベント。
バルーンのフライトはありませんが、天候がいい場合は普段入ることのできない競技エリア内にも入れるので、間近でバルーンを見られます。
気球教室(13:00〜14:00)
毎日開催される「気球教室」では、実際にバルーンの立ち上げ、片付けを体験できます。パイロットやクルーの指示のもと、バルーン内に風を入れるところやバーナーで熱風を送ったりと、他ではなかなか経験できないものばかり。バルーンの仕組みや特性を学ぶこともできます。
ただし、バルーンへの搭乗はできないので注意しましょう。
夜間係留(3日と4日の18:30〜19:00)
夜間係留
気球というと昼間のイメージが強いですが、夜も楽しめるのが佐賀バルーンフェスタ。夜間係留の「ラ・モンゴルフィエ・ノクチューン」が期間中の土・日曜に開催されます。※2024年は11月3日(日)と11月4日(月祝)に開催
暗闇の河川敷に並べられたバルーンが、バンドの生演奏に合わせてライトアップされる光景は幻想的です。ショーの最後には「バーナー・オン!」の掛け声と共に、全てのバルーンのバーナーを一斉に点火し、花火が打ち上げられます。
夜間係留・バーナーバージョン
強風でバルーンを立ち上げるのが困難と判断された場合は、バーナーのみの「バーナーバージョン」が実施されることもあります。
4. バルーン競技の楽しみ方
風が穏やかな朝がおすすめ
朝焼けの中を飛ぶバルーン
1日2回行われるバルーン競技ですが、おすすめは朝7時からの競技。朝焼けに照らされながら飛行するバルーンが見られるのもおすすめする理由ですが、バルーンが飛ぶ確率が高いというのも理由です。
バルーンを飛ばすには風が重要で、少しでも風が強いと競技が中止になってしまいます。朝の時間帯は風が穏やかな場合が多く、逆に午後は風が強い傾向があるため、競技を見る場合は朝がおすすめです。
その日の開催状況に関しては、会場内のアナウンスや、公式サイト、公式Xなどで知ることができるので、チェックしておきましょう。
対岸から川に映るバルーンを見る
嘉瀬川に映るバルーン
会場から見る、目の前で飛び立つバルーンも迫力がありますが、川の対岸から見るのもおすすめです。川に映るバルーンが見られるので、撮影スポットとして人気。また、対岸から見ると飛び立つバルーンの背後に朝日が昇るため、朝焼けに染まる空の中を飛行するバルーンが見られますよ。
注意事項
バルーンが飛ぶかは天候次第
バルーンを立ち上げたり、うまく飛ばすには天候が大きく関わってくるので、雨天や強風などの場合は中止になることもあります。
競技直前に開かれる運営側と競技者の協議によって決定され、飛ばない可能性もあるので注意しましょう。
バルーンには乗れない
佐賀インターナショナルバルーンフェスタの会場内では、残念ながらバルーンに乗ることはできません。以前は搭乗体験を行うこともありましたが、安全を考慮して、現在は観客の搭乗体験は行っていません。
なお、普段は競技エリア内に入ることはできませんが、「バルーンファンタジア」の時間や「気球教室」、などでバルーンに近づくことはできます。
5. 会場外の見どころ
佐賀インターナショナルバルーンフェスタを訪れた際は、ぜひ会場の外にも足を運んでみましょう。例年、市街地へとシャトルバスが運行していました。そちらを利用すると便利でしょう。
シャトルバスの情報はパンフレットに分かりやすくまとまっていますよ。
公式サイトのこちらのページからパンフレットをダウンロードでます▼
(更新)2024佐賀バルーンフェスタ 事前パンフレットを配布しています。
佐賀バルーンミュージアム
佐賀バルーンミュージアム
2016年にオープンした「佐賀バルーンミュージアム」は、日本初の常設型バルーンミュージアムです。バルーンの歴史やバルーンフェスタで撮影された映像を楽しめる大型シアター、バルーンフライトシュミレーターなど、バルーンを一年中体感できます。
■公式サイト:佐賀バルーンミュージアム
干潟よか公園のシチメンソウ
シチメンソウ
有明海沿岸に位置する「干潟よか公園」。干潟や大型遊具、江戸時代の民家を再現した建物など、子どもから大人まで楽しめます。
この干潟よか公園で人気を集めているのが、海の紅葉とも呼ばれている「シチメンソウ」です。ちょうど佐賀バルーンフェスタと同じ時期の11月上旬に見頃を迎え、海岸を真っ赤に染め上げます。
2024年は11月2日(土)・11月3日(日)に「第31回 シチメンソウまつり」も開催され、バルーンフェスタの会場とシチメンソウ会場をつなぐシャトルバスが運行されます。
開催概要・アクセス
開催概要
●イベント名:2024 佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
●期間:
バルーン競技 2024年10月31日(木)〜11月4日(月祝)
公式練習 10月30日(水)
●時間:7:00〜19:00
※プログラムにより異なります。詳細は公式サイト内、大会スケジュール(2024)をご確認ください
●公式サイト:佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
アクセス
●最寄駅:JRバルーンさが駅
イベント期間中だけ登場するJRバルーンさが駅
バルーンさが駅の看板
佐賀バルーンフェスタが開催される嘉瀬川河川敷に、イベント期間中だけ「JRバルーンさが駅」が設置されます。JR長崎本線の鍋島駅と久保田駅の間で、駅は会場内にあるためアクセス抜群です。
特急列車も臨時で停車するので、訪れる際はぜひバルーンさが駅を利用しましょう。
佐賀駅からのアクセス
【佐賀駅】- JR長崎本線 / 長崎方面
→【バルーンさが駅】
博多駅からのアクセス
【博多駅】- JR特急かもめ・みどり / 佐世保方面
→【バルーンさが駅】
佐賀空港からのアクセス
【佐賀空港】- 連絡バス・佐賀市営 / 佐賀駅行き
→【佐賀駅】- JR長崎本線 / 長崎方面
→【バルーンさが駅】
一日中楽しめる佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
佐賀インターナショナルバルーンフェスタは、バルーン競技以外にもたくさんの見どころがあるイベントです。紹介した佐賀のグルメを味わう以外にも、コンサートやトークショー、超一流のライダーが華麗なテクニックを披露するバイクショーなど、楽しめるイベントが盛りだくさんです。
佐賀インターナショナルバルーンフェスタの周辺情報
Edit:Kaoru Maki/Ayano Enokido
参考:佐賀インターナショナルバルーンフェスタ/AirB/佐賀県公式観光サイトほか