庭園、城跡、桜のトンネル───。佐賀県には、魅力ある桜の名所が数多くあります。この記事では佐賀県の数ある桜名所の中から、8カ所をご紹介します。
気象庁の「2023年のさくらの開花状況」によると、佐賀県の桜は【3月22日】に開花が観測されました。また、ウェザーマップでは【3月29日】が桜の満開日と予想されています。
見頃を迎えた佐賀の桜。満開の桜を見に出かけてみませんか。
佐賀の桜名所① 金立公園(佐賀市)
金立公園の桜 (写真提供:佐賀県観光連盟 撮影:福田幸夫)
金立(きんりゅう)公園は、吉野ヶ里歴史公園(吉野ヶ里遺跡)から車で15分ほどの場所にある広大な総合公園です。金立山の麓にあり、佐賀平野を一望できるビュースポットでもあります。
園内には、薬用植物園やコスモス園のほか、約5000本の桜が植えられている「いこいの広場」があります。いこいの広場ではバーベキューをしたり、遊具で遊んだり、子ども連れやグループでわいわいお花見が楽しめますよ(バーベキュー炉の使用は要事前予約)。
金立公園では広場でくつろぎながらお花見ができます
(写真提供:佐賀県観光連盟 撮影:福田幸夫)
金立公園 お花見情報
●住所:佐賀県佐賀市金立町金立1197
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬頃
●公式サイト:金立公園(佐賀市)
※編集部しらべ
佐賀の桜名所② 神野公園・多布施川桜道(佐賀市)
ライトアップされた神野公園の桜
神野(こうの)公園は1846年、佐賀藩10代藩主・鍋島直正(なべしま なおまさ)公の別邸として造られ、のちに佐賀市に寄贈されて整備された公園です。春には約600本の桜が咲きます。
園内には直正公の別邸にあった茶室を復元した「隔林亭」や小動物園、メリーゴーランドや回転ボートなどのアトラクションを楽しめる神野公園こども遊園地などが整備されていて、桜と合わせて楽しめますよ。
また神野公園に隣接する多布施川沿いには、約6.5kmの桜並木が続きます。桜の数は、約3000本。ゆったりとお花見散歩をするのにぴったりです。
多布施川沿いの桜並木 (写真提供:佐賀県観光連盟)
神野公園・多布施川 お花見情報
●住所:佐賀県佐賀市神園4丁目
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬頃(神野公園)
●公式サイト:神野公園(佐賀市)
※編集部しらべ
佐賀の桜名所③ 徐福サイクルロード(佐賀市)
桜が満開の徐福サイクルロード
かつて佐賀県佐賀市と、福岡県瀬高町(現・みやま市)を繋いでいた旧国鉄(現在のJRの前身)の佐賀線。全線が廃線となってからは、「徐福サイクルロード」として生まれ変わりました。
自転車および歩行者の専用道路となっている「徐福サイクルロード」は総延長約5km。道の両脇には1000本以上の桜が植えられており、春になると桜のトンネルに変身。ウォーキングやサイクリングで楽しめる桜スポットです。
徐福サイクルロード お花見情報
●住所:佐賀県佐賀市諸富町為重
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬
●参考サイト:徐福サイクルロード(Sagabai.com)
※編集部しらべ
佐賀の桜名所④ 仁比山公園(神埼市)
ソメイヨシノが彩る春の仁比山公園
金立公園と、吉野ヶ里歴史公園(吉野ヶ里遺跡)からそれぞれ車で10分強の場所にある仁比山(にいやま)公園は、桜と縁結びのスポットとして知られています。
仁比山公園には「仁比山神社」と「八天神社」という縁結びにご利益のある神社があり、このふたつの神社を結ぶ橋「愛逢橋(あいあいばし)」は、仁比山公園のシンボル。春には約100本のソメイヨシノに彩られます。
お花見のあとは、愛逢橋のたもとにある日帰り入浴施設「もみじの湯」に立ち寄っても。
仁比山公園 お花見情報
●住所:佐賀県神埼市神埼町城原
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬
●公式サイト:仁比山公園(神埼市市観光協会)
※編集部しらべ
佐賀の桜名所⑤ 小城公園(小城市)
ぼんぼりと満開の桜は小城公園の春の風物詩
佐賀県の中央部に位置する小城(おぎ)は、小城藩の城下町として栄えた街。歴史ある史跡や寺社があちこちに残ります。
小城公園も、そんな歴史ある場所のひとつです。小城藩の初代藩主・鍋島元茂(なべしま もとしげ)から二代藩主・鍋島直能(なおよし)の時代にかけて造られた名庭園です。
県内指折りの桜名所・小城公園は「日本の歴史公園100選」にも選出されています (写真提供:佐賀県観光連盟)
小城公園は昔から桜の名所として有名。日本さくらの会が選出する「さくら名所100選」に佐賀県では唯一選ばれています。毎年3月下旬頃から、園内の数千本の桜が花をつけ、夜にはぼんぼりが灯ります。
公園内の「元気広場」には遊具や「ジャブジャブホタル池」などがあるので、子どもたちも思い切り遊べますよ。
小城公園 お花見情報
●住所:佐賀県小城市小城町185
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬頃
●ライトアップ期間:2023年3月20日(月)〜
●点灯時間:18:00〜21:00
●公式サイト:小城公園(小城市)
※編集部しらべ
佐賀の桜名所⑥ 名護屋城跡(唐津市)
名護屋城跡から望む桜の海
(写真提供:佐賀県観光連盟 撮影:福田幸夫)
名護屋城は、豊臣秀吉が朝鮮半島に攻め入るとき、出兵拠点として築いた城。かつては5層7階の天守をはじめさまざまな建物が築かれていました。城の周囲には大名たちの陣屋も置かれ、全国から20万人を超える人々が集まったとされています。
現在は天守ほか建物は残っていませんが、石垣や発掘調査で見つかった遺構などが保存されています。また、隣接する名護屋城博物館では、名護屋城や、日本と朝鮮半島の交流史に関する資料を見ることができます。
名護屋城跡の春といえば石垣と桜の組み合わせ
(写真提供:佐賀県観光連盟 撮影:福田幸夫)
名護屋城跡にはソメイヨシノをはじめ、山桜、八重桜などの桜が植えられていて春には花見客で賑わいます。一時代を築いた城の跡地に咲く桜は、時代の流れをも感じさせるようで風情があります。
名護屋城跡 お花見情報
●住所:佐賀県唐津市鎮西町名護屋1938-3
●例年の見頃:3月下旬〜4月上旬頃
●参考サイト:名護屋城跡・佐賀県立名護屋城博物館(あそぼーさが)
※編集部しらべ
佐賀の桜名所⑦ 円応寺参道の桜並木(武雄市)
桜のトンネルが続く円応寺の参道
武雄市武雄町、武雄温泉のほど近くにある円応寺は、曹洞宗の禅寺。江戸時代に佐賀藩主・鍋島家の家老を務めた武雄鍋島家の菩提寺です。
まっすぐ伸びる円応寺の参道は桜の名所として有名です。参道の両脇には約100本の桜が植えられていて、花が咲くと桜のトンネルに変身。
本堂に至る道のりにあるのは、石造りのアーチ型の門。寺院の門としてはユニークな存在です。桜のトンネルと、石畳の参道、アーチ型の石門の組み合わせが美しい桜名所です。
円応寺のアーチ型石門と桜 (写真提供:佐賀県観光連盟)
円応寺の桜並木 お花見情報
●住所:佐賀県武雄市武雄町大字富岡10513
●例年の見頃:3月中旬〜4月上旬頃
●参考サイト:円応寺参道の桜並木(武雄市観光協会)
※編集部しらべ
佐賀の桜名所⑧ 横竹ダム(嬉野市)
横竹ダムの周辺に咲く満開の桜
島根県の斐乃上温泉(ひのかみおんせん)、栃木県の喜連川温泉(きつれがわおんせん)と並ぶ「日本三大美肌湯」のひとつ・嬉野温泉で知られる嬉野市。
嬉野市内を流れる吉田川に、洪水調節や流水の確保のため、2001年に完成したのが横竹ダムです。横竹ダムの周辺には広場や展望台が整備されていて、春は無数の桜に彩られます。静かな横竹ダムは穴場的な桜名所となっています。
横竹ダムの周辺には、ピンクの花をつける桜のほかに、淡い緑色の花をつける御衣黄桜(ぎょいこうざくら)も植えられています。御衣黄桜はソメイヨシノよりも少し遅れて見頃がやってきます。
御衣黄桜の花。薄緑の花びらが光に透けます
横竹ダム お花見情報
●住所:佐賀県嬉野市嬉野町大字吉田乙
●例年の見頃:4月上旬〜4月中旬頃
●参考サイト:-
※編集部しらべ
まとめ
佐賀県内各地の桜名所の多くは、3月下旬から4月上旬にかけて見頃を迎えます。ライトアップが楽しめる場所もありますが、夜は冷え込むこともありますので、お出かけの際は温度の調節がしやすい服装がおすすめですよ。
また、人気のスポットは道路や駐車場が混雑する場合があります。出発時間を考慮するなど、余裕をもった計画でお花見を楽しんでくださいね。
Text・Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA