寒い冬はもうこりごり。早く春を感じたい!という方におすすめなのが、三重県鈴鹿市に位置する「鈴鹿の森庭園」。日本最大級のしだれ梅が楽しめる庭園です。梅は桜よりも開花時期が早いので、一足先に春を感じることができますよ。
この記事では、鈴鹿の森庭園のしだれ梅の魅力から、梅としだれ梅の違い、桜と梅の違いなどを詳しくまとめていきます。可憐に咲く梅の花を見て、ひと足早く春の訪れを楽しんでみてはいかがでしょうか。
鈴鹿の森庭園【しだれ梅まつり】の見どころは?
鈴鹿の森庭園で2月〜3月に開催される「しだれ梅まつり」。一足先に春の訪れを感じさせてくれる、しだれ梅まつりの見どころをご紹介します。
約30品種の梅が園内を彩る
しだれ梅まつりの最大の見どころは、約30品種・約200本の梅を楽しめること。園内一面に咲き誇る梅は多種多様で、それぞれ色や形が異なるのです。鈴鹿の森庭園を代表する6品種のしだれ梅をご紹介します。
呉服しだれ
鈴鹿の森庭園の名木「天の龍」
八重咲き品種の代表「呉服(くれは)しだれ」。花の大きさは2.5cm程度で、色は淡い紅色です。満開になると花弁のふちが白くなるのが特徴的。樹齢100年以上で日本最古と推定される呉服しだれの名木「天の龍」や「地の龍」は、圧巻の存在感を放っています。
白滝しだれ
花弁数が多く八重咲きの品種「白滝しだれ」。花付き・花持ちが良く、開花が進むと花弁が反るように開き、華やかな印象を与えます。白い花弁が枝垂れる様子が白滝を彷彿とさせることから、その名がつきました。
難波しだれ
ほんのり紫がかった濃い紅色の花弁が特徴的な「難波しだれ」。明るく鮮やかな花色は一際目立ちます。園内のしだれ梅の中で一番最後に開花する品種です。
藤牡丹しだれ
遅咲きの「藤牡丹(ふじぼたん)しだれ」。花は2.5cm程度の中輪で、淡い紅色です。鉢植えで楽しめるしだれ梅の代表的な品種。八重咲きのしだれ梅といえば「藤牡丹」という人も多く、人気がある品種です。
鹿児島紅
濃い紅色が特徴的な「鹿児島紅(かごしまべに)」。花は2.5cm程度の中輪で、花弁には波がなく平たく見えます。花と似た色のしべが多いのが特徴的。濃い紅色の梅の代表的な品種です。
思いのまま
一本の木に紅と白の2色の花が咲く特徴的な品種「思いのまま」。「絞り(花弁にまだらに色が入る)紅白咲き(源平咲き)」または「輪違い(りんちがい)」とも呼ばれます。梅が「思いのまま」に咲き分けるという意味から付けられた名前だそうです。
鈴鹿山脈と梅が作り出す絶景
鈴鹿山脈としだれ梅
鈴鹿の森庭園には、園内と鈴鹿山脈が一望できる「見晴らし台」があります。園内に咲き誇るしだれ梅と遠景の鈴鹿山脈が織りなす光景は、息を呑むような美しさ。天気が良ければ釈迦ヶ岳まで臨むことができるので、ぜひチェックしてください。
雪としだれ梅のコラボレーションが見られることも
幻想的なしだれ梅と雪のコラボ
数年に一度、雪と梅の開花が重なる時期があるのも見どころの一つ。白銀の世界にしだれ梅の紅色が映え、より美しく幻想的な景色が広がります。冬と春の風物詩が同時に見られる滅多にない機会。雪が降った年は、ぜひ訪れてみてください。
期間限定!しだれ梅まつりのライトアップ
鈴鹿の森庭園のしだれ梅のライトアップ
鈴鹿の森庭園「しだれ梅まつり」では、しだれ梅の開花期間に合わせ、夜間ライトアップを行っています。昼間とは違う、妖艶な美しさをまとったしだれ梅。物語の世界に迷い込んだかのような、美しくロマンチックな空間が待っています。
鈴鹿の森庭園【しだれ梅まつり】(2024)の開催情報
住所:三重県鈴鹿市山本町151-2
開園期間:2024年2月17日(土)~2024年3月下旬(予定)
営業時間:9:00~16:00
※夜間ライトアップ期間中は9:00〜20:30(最終入園:閉園30分前)
入園料金:
【一般】700円~1,800円
【小学生】半額
【未就学児】無料
※入園料は開花状況により変動します
公式サイト:研究栽培農園 鈴鹿の森庭園
●当日の入園料は赤塚植物園の公式Twitterで確認できます。
鈴鹿の森庭園へのアクセス
鈴鹿の森庭園は、鉄道の駅から離れた場所に位置しているので、公共交通機関を利用する場合は、バスかタクシーを利用することになります。
開園期間中の一部の日程で、三重交通バスによる有料の臨時バスが運行されるので、こちらを利用するのがおすすめ。週末は混雑も予想されるので、駅からタクシーで行く際は事前に配車の予約をしておくと安心です。
電車・タクシーでのアクセス
・近鉄名古屋線「近鉄四日市」駅から車で約30分
・JR関西線「四日市」駅から車で約30分
・近鉄湯の山線「菰野こもの」駅から車で約17分
・近鉄鈴鹿線「平田町ひらたちょう」駅から車で約21分
車でのアクセス
東名阪自動車道「鈴鹿」ICから車で約5分
駐車場:200台
バスでのアクセス
JR関西線「四日市」駅発または近鉄名古屋線「近鉄四日市」駅発の臨時バス(三重交通)が運行予定。
2024年の臨時バスの運行は2月23日(金・祝)~3月17日(日)。期間中、3月の土日は夕方発のライトアップ便も運行されます。詳細はこちらをご確認ください。
知っておきたい「しだれ梅」の魅力
「しだれ梅」ってどんな梅?
濃い紅色のしだれ梅
ひと口に梅といっても、梅には約500種類以上の品種があります。そして大きく2種類の用途に分類すると、鑑賞するための梅、食用として実を採るための梅に分けられます。
しだれ梅は観賞用に育てられた梅で、中でも枝が垂れているその形状から「しだれ梅」と分類されています。
しだれ梅の代表品種
しだれ梅の中でも品種が異なれば花の大きさや色合い、花びらの枚数などが異なります。
たとえば「難波枝垂(なにわしだれ)」はしだれ梅の代表的な品種で、明るい紅色の花をつけるため目立ちます。「藤牡丹枝垂(ふじぼたんしだれ)」は淡い紅色で、梅の中では大きな花をつけることが特徴です。
種類によって色の濃淡や花の大きさ、咲き方は多種多様。花の違いを知った上で観察すると、新たな一面が見えてくるかもしれません。
しだれ梅の剪定方法
梅の盆栽
剪定(せんてい)とは、病気や害虫から植物を守るため余分な枝を切り、見た目や風通しを良くすること。しだれ梅の剪定は、地植えであれば梅が休眠期間になる10月〜1月ごろに行うのが良いとされています。
剪定方法や時期は、地植えのしだれ梅か、鉢植えのしだれ梅かで大きく変わってきます。庭などに地植えにされているしだれ梅は、混み合っている枝や見栄えの悪い余分な枝、弱っているを落としていきます。時期は前述の通り冬場です。鉢植えの場合は、開花時期が終わった5月〜7月頃に剪定するのがよいとされています。
しだれ梅の枝は四方八方に伸びることが多いので、少しきりすぎたと感じるくらいがちょうどいいと言われます。ただし、花芽は残しておくよう注意が必要です。しだれ梅を正しく剪定することで、美しいしだれ梅を見ることができるのですね。
梅を見て早めの春を楽しんで
今回は鈴鹿の森庭園のしだれ梅を紹介しました。春に美しいのは桜だけではありません。梅の種類や管理方法にも注目しながら見てみると、いつもまた違った良さや奥深さが見えてくるはず。
今年の春は少し早めにお出かけして、新しい季節の訪れを感じてみてくださいね。
参考サイト:生活110番