宮崎県宮崎市南東部の青島に鎮座する「青島神社」。青島は堆積した貝殻によってできた島であるので、昔は別名「真砂島」とも言われていました。亜熱帯植物に覆われた青島内でひときわ目立つ、真っ赤な社殿が特徴的です。日本神話の舞台でもあり、「山幸彦」と「豊玉姫」がこの地で愛を育んだことから縁結びの神社として有名です。
さらに青島神社には10個の願掛け神事があり、「縁」や「金」などの目が振られたサイコロを振る「賽の目神事」は、出た目が導きとなる神事です。青島の周囲は「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩に囲まれ、干潮時には岩場を散策することもできます。
今回は、そんな縁結びのご利益がある青島神社の歴史と見どころを紹介します。
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青島神社とは？
「青島」ってどんなところ？
1周1.5kmの小さな島「青島」
青島神社が鎮座しているのは、宮崎県宮崎市に位置する周囲1.5kmの小さな島「青島」。全島が熱帯・亜熱帯植物の群生地で、国の特別天然記念物に指定されています。
青島の中央に位置する青島神社ですが、なんと島全体が境内地。このことから青島神社だけでなく、島そのものがパワースポットといわれています。島内には約5,000本も生息するビロウ樹をはじめ、ハイビスカスなど本土ではなかなか見られない植物が盛りだくさん。南国の雰囲気が漂います。
青島神社に渡るための橋
青島に架かる「弥生橋」
青島神社に行くために渡るのが、長さ約120mの「弥生橋」。青島に架かる唯一の橋です。この橋はかつて青島神社の神職しか渡ることが許されていませんでした。開放感抜群の橋の上から記念写真を撮るのもおすすめです。
干潮時に現れる「鬼の洗濯板」
また干潮時に橋の下に現れる「鬼の洗濯板」と呼ばれる岩場も見どころの一つ。約700万年ほど前に海中で形成されたのが、固い砂岩とやわらかい泥岩が繰り返し積み重なった地層。この水成岩が隆起し、長い間に波に洗われたことで固い砂岩層だけが板のように積み重なって見えるようになりました。
青島から南の巾着島までの約8kmの海岸線に見ることができます。満潮時と干潮時で橋の上から異なる風景が楽しめるのが魅力的ですね。
トゥクトゥクに乗って移動もできる
青島を走るトゥクトゥク
青島海岸から青島へ向かう際の移動手段として、主に東南アジアで走る三輪バイクのような「トゥクトゥク」が運行しています。青島駅から青島神社の目の前まで乗せてくれるので、子供や年配者でも楽に移動できるので便利ですよ。
青島神社の歴史
縁結びで有名な青島神社の歴史
青島神社が創建された正確な年代はわかっていませんが、平安期の伝記「日向土産」の中に登場することから、820年代より前といわれています。今でこそ多くの参拝客が青島神社に訪れますが、古くは青島全体が神聖な場所であったため、限られた人のみが参拝できる神社でした。
青島神社に祀られている「彦火火出見命（ヒコホホデミノミコト）」「豊玉姫命（トヨタマヒメノミコト」「塩筒大神（シオヅツノオオカミ）」は、日本神話「山幸彦と海幸彦」に登場する神々。彦火火出見命は山幸彦のことで、山幸彦と豊玉姫はこの青島の地で結婚し愛を育んだといわれていることから、縁結びのご利益がある神社として知られています。
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青島神社の見どころは？
神秘的な空間「祈りの古道」
亜熱帯植物に囲まれた絵馬のトンネル「祈りの古道」
お成り道入り口にある絵馬のトンネル「祈りの古道」。古くは神馬を奉納していましたが、馬は高価で献納することが困難でした。そこで馬小屋の形の木に神馬の絵を描き、感謝を伝えるため奉納したことが始まりとされています。元宮への参道に絵馬掛けを設けることで、参拝者の想いやお礼の言葉を伝えてくれるのです。
亜熱帯植物が生い茂り、まるでジャングルに迷い込んだかのような気分になるトンネル。皆さんも祈りを込めてこの道を歩いてみてください。
参道を覆う真っ白な砂地
青島神社の参道には浜辺のような細かな砂が
青島神社へと続く参道は、真っ白な砂地に覆われています。砂が堆積したことで形成された青島。今でもあらゆるところに砂地が残っています。よく見ると可愛らしい貝殻が混じっていることも。海に浮かぶ島ならではの光景です。
自然に囲まれ朱塗りが際立つ社殿
青島神社社殿
緑あふれる亜熱帯植物に囲まれた青島神社社殿は、色鮮やかな朱塗りが施されています。何度も建て直されており、現在の社殿は1974年に再建されたもの。青島神社社殿に祀られている「日向七福神」の一人「弁財天」は、その美しい姿から愛情と親切心を表わす神とされ、事前に予約すれば拝観することもできます。
もっとも神聖な場所「青島神社元宮」
青島神社元宮
祈りの古道の先にある「青島神社元宮」。青島の中心に位置し、周辺は弥生式土器や勾玉などの出土が多く、古代祭祀が行われていた場所といわれています。そのため、青島の中でも特に神聖で、もっともパワーが集まる場所です。
青島神社で願掛けをしよう！
青島神社にはいくつかの願掛け神事があります。ちょっとしたアトラクションのような感覚でできる運試し。こちらでは主な神事を5つ紹介します。
産霊紙縒
青島神社の神事 産霊紙縒（むすびこより）
願い事によってそれぞれ色が異なる5色の紙縒を、夫婦ビロウの樹に結ぶ神事「産霊紙縒（むすびこより）」。ピンクは良縁、紫は心身健全、緑は生業成就、黄色は商売繁盛、白は心願成就のご利益があります。
掃守神事
楼門手前の手水舎の横にある「掃守（かもん）神事」。お金やカードなどの大切なものを神水につけて、願い事を唱えながらホウキで掃いて清める神事です。金運にご利益があるといわれています。
海積の祓
海積の祓で使用する願い符(写真提供：有明ガタゴロウ＠ゆるっふぃ〜ず様)
社務所の横にあるのは、願いを込めた願い符が溶けると願いが叶う神事「海積（わだつみ）の祓」。この願い符を流す「玉の井」は山幸彦と海幸彦の出会いの場とされ、青島が海に囲まれているにもかかわらず、塩分のない真水が湧き出ています。
天の平瓮
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天の平瓮
元宮の裏手にある神の御座所に、平瓮と呼ばれる素焼きのお皿を投げ入れる神事「天の平瓮（ひらか）」。願い事を小声でつぶやきながらお皿を投げ、御座所に入れば願いが叶い、入らなくてもお皿が割れると開運厄払いになるとされています。
賽の目神事
賽の目神事でもらうことのできるおみくじ（写真提供：となりのこだまさ〜ん様）
「教え給え、導き給え」と唱えながら大きなサイコロを振る神事「賽の目神事」。サイコロの目には「縁・金・身・交・厄・地」の6つがあり、出た目が今自分にとって一番大切なことだといわれています。
青島神社のイベント
1月『青島神社裸参り』
毎年1月の成人の日に開催される「青島神社裸参り」は、全国から集まった成人が、神社の前の海で禊を行い、身を清めてから神社をお参りする祭礼です。山幸彦が帰ってきたのを、地元民が裸で海に入って迎えたという故事にちなんで開催されています。
青島神社へのアクセス
最寄駅：JR青島駅
宮崎駅からのアクセス
【宮崎駅】- JR日南線 / 油津方面 →【青島駅】→ 徒歩（約10分）
日南駅からのアクセス
【日南駅】- JR日南線 / 油津方面 →【青島駅】→ 徒歩（約10分）
宮崎空港からのアクセス
【宮崎空港駅】- JR宮崎空港線 / 延岡方面
→【田吉駅】- JR日南線 / 油津方面 →【青島駅】→ 徒歩（約10分）
青島神社周辺の駐車場
青島は車で入れないため、青島参道入口周辺の駐車場利用してください。
JR青島駅前駐車場
無料駐車場。青島参道入口まで徒歩3分。
青島歴史文化の広場
駐車場あり、車いすトイレあり。青島参道入口まで徒歩7分。
リゾート気分を味わいながら、恋愛成就を祈りに青島神社へ！
周りをジャングルに囲まれた場所に位置する青島神社。日本には恋愛成就の神社は沢山ありますが、青島神社では非日常を味わいながらお祈りすることができます。しかも青島神社には魅力的な１０種類の神事を体験することができます。ここ「青島神社」でしか体験することができないのでぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
