2019年7月19日に公開された新海誠監督の3年ぶりの新作『天気の子』。公開3日で興行収入16億円を超え、前作の『君の名は。』の記録を更新するほどの大ヒットを記録しました。
離島から東京に家出してきた少年・森嶋帆高(ほだか)と“祈るだけで晴れにできる”不思議な力を持つ少女・天野陽菜(ひな)が出会い、残酷な運命に翻弄されながらも自らの生き方を選択していく物語。
深海監督作品ならではの映像美と2人の切ない恋心が見どころの作品となっています。物語のポイントの一つは、帆高と陽菜が運命的に出会った「東京」。劇中では東京の街並みや建物が緻密に描かれています。
今回は、映画『天気の子』の舞台となった場所を紹介していきます。
JR東京総合病院(代々木)
物語の始まりの地であるJR東京総合病院(写真提供 Instagram: shibuyatokyojapan様)
映画の序盤で陽菜が母親のお見舞いをしていた「JR東京総合病院」。
病院の窓から代々木の廃ビルに光が差しているのが見え、陽菜がそこに向かって歩き出します。物語の始まりの場所ともいえるこの病院から『天気の子』の聖地巡礼をスタートさせてみてはいかがでしょうか。
JR東京総合病院へのアクセス
住所:東京都渋谷区代々木2丁目1-3
アクセス:JR代々木駅から徒歩5分、JR新宿駅から徒歩5分
渋谷スクランブル交差点
『天気の子』のロケ地となった雨の日の渋谷スクランブル交差点
『天気の子』の予告動画にも登場する「渋谷スクランブル交差点」。ストーリーの中でヒロインの陽菜が立っていた交差点のモデルとなった場所です。
スクランブル交差点の交通量は、多い日で1日50万人にも及び、1回の青信号で行き交う人の数はなんと3,000人に及ぶことも。『天気の子』の聖地巡礼でスクランブル交差点を訪れる際は、雨の日がおすすめです。
JRと京王線の連絡通路や、商業施設「MAGNET by SHIBUYA109」の展望台からスクランブル交差点を見下ろせば、どんよりとした雨模様の中を無数の傘がカラフルに入り混ざる『天気の子』のワンシーンのような光景を楽しむことができます。
渋谷スクランブル交差点へのアクセス
住所:東京都渋谷区道玄坂2丁目2-1
アクセス:JR山手線渋谷駅ハチ公口から徒歩1分
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ドコモタワー(NTTドコモ代々木ビル)
ドコモタワーと高層ビル群
劇中では都内の高層ビル群が何度も映し出されており、渋谷区千駄ヶ谷に位置する「ドコモタワー(NTTドコモ代々木ビル)」も数多く登場しています。
中でも最も印象的なのが、帆高と出会った後、陽菜が晴れ女の力を使い、新宿の街に太陽の光をもたらしたシーンではないでしょうか。また、序盤の病院のシーンでもドコモタワーの外観が描かれています。
病院の窓から見えるドコモタワーとビル群を劇中と同じアングルで撮影したい人は、「東京都庁の南展望台」がおすすめ。空が厚い灰色の雲で覆われた雨の日に撮影すれば、劇中のワンシーンのような写真が撮れること間違いなしです。
ドコモタワー(NTTドコモ代々木ビル)へのアクセス
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24-10
アクセス:JR代々木駅西口から徒歩5分
代々木会館
まるで『天気の子』の廃ビルそのもののような代々木会館
最も有名な聖地の一つである「代々木会館」。陽菜が「天気の巫女」として100%の晴れ女の力を得た代々木の廃ビルのモデルとなった場所です。
陽菜が不思議な力を得た場所であると同時に、逃亡した帆高が警察に囲まれるクライマックスの地でもある代々木の廃ビル。今にも剥がれ落ちそうな外装や錆びて茶色く変色した手すりが印象的なこの建物は『天気の子』の廃ビルそのものです。
残念ながら、建物の老朽化により解体されることが発表され、2020年1月に工事が終了したため、現在は目にすることができません。この地を訪れれば、絶体絶命の状況でも陽菜を想い続けた帆高の果敢な姿が目に浮かびそうです。
代々木会館へのアクセス
住所:東京都渋谷区代々木1丁目35-1
アクセス:JR代々木駅西口から徒歩1分
東京都庁・都庁通り(西新宿)
都庁通りのビル群
帆高、陽菜、凪の3人による「晴れ女ビジネス」の日々が始まった場所に登場した高層ビル群。陽菜の祈りによって、太陽の光が差し込み、東京の街にそびえ立つビルがキラキラと照らされていく様子が描かれました。
東京都庁からホテル「ハイアットリージェンシー東京」にかけて続く陸橋の上から新宿駅の方に目を向けると、劇中と同じ角度で写真を撮ることができます。
東京都庁へのアクセス
住所:東京都新宿区西新宿2丁目8-1
アクセス:大江戸線都庁前駅から徒歩1分
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アタミビル(歌舞伎町)
ぼんやりと光るネオンが印象的なアタミビル(写真提供 Instagram: junni.1021様)
何日間も探し回るもののバイトを見つけることができなかった帆高がうずくまり、野良猫のアメと出会ったのが歌舞伎町にある「アタミビル」。のちに陽菜を救うことになる拳銃を拾った場所でもあります。
夜の暗闇の中にぼんやりと光るネオンが、帆高を危険な世界に誘い込むようなどこか妖しい雰囲気を醸し出しています。
アタミビルへのアクセス
住所:東京都新宿区歌舞伎町2丁目27-8
アクセス:西武新宿駅から徒歩4分、東新宿駅から徒歩6分、新大久保駅から徒歩8分
新宿大ガード西
新宿大ガード西の壁に描かれたイラスト(写真提供 Instagram: yataguy0906様)
スカウトマンの木村が2人の刑事に追いかけられ、挟み込まれたのが「新宿大ガード西」です。劇中では実際の場所がそのまま背景として使われており、壁に描かれたうさぎや虹の絵まで忠実に再現されています。
新宿を訪れてからもう一度映画を観れば、また違った楽しみ方ができること間違いなしです。
新宿大ガード西へのアクセス
住所:東京都新宿区西新宿7丁目1-1
アクセス:JR新宿駅東口から徒歩5分、西武新宿駅から徒歩5分
目白駅と高田馬場駅の間
帆高が全力疾走した目白駅と高田馬場駅の間の線路(写真提供 Twitter: @ys_angen様)
帆高が池袋警察署から逃亡し、夏美のバイクから飛び移ったのが、目白駅と高田馬場駅の間の線路です。
フェンスのトゲで頬を切っても臆することなく柵を乗り越えていった帆高。「陽菜にもう一度会いたい」という強い想いがひしひしと伝わってくるシーンでした。
目白駅と高田馬場駅の間へのアクセス
住所:東京都新宿区下落合2丁目14-25
アクセス:JR目白駅から徒歩7分、JR高田馬場駅から徒歩10分
朝日稲荷神社(銀座)
青空に映える朝日稲荷神社の鳥居(写真提供 Instagram: kazu_tk1様)
ストーリーの序盤で陽菜が晴れ女の力を授かった「朝日稲荷神社」。
劇中では廃ビル(代々木会館)の屋上にある神社として描かれていましたが、実際は屋上部分だけ銀座にある朝日稲荷神社がモデルとなっています。陽菜の気持ちに思いを馳せながら鳥居をくぐれば、いつもと同じ何気ない景色が輝いて見えるかもしれません。
朝日稲荷神社へのアクセス
住所:東京都中央区銀座3丁目8-12大広朝日ビル
アクセス:浅草線・日比谷線東銀座駅から徒歩2分
のぞき坂(豊島区高田)
勾配22%を誇るのぞき坂
陽菜の不思議な力で天気が一気に晴れに変わっていくシーンで登場するのが、都内でも激坂として有名な「のぞき坂」。人々が坂の上から覗き込んでいたことから名付けられ、なんと勾配22%という、まるで崖のような坂です。
JR池袋駅東口から副都心線雑司ヶ谷駅を経由して約20分のところにあり、目白駅通り方面から訪れると、劇中の登場シーンのようにのぞき坂を真上から眺めることができます。
のぞき坂へのアクセス
住所:東京都豊島区高田2丁目12-21
アクセス:都電荒川線・東京メトロ副都心線雑司ヶ谷駅3番出口から徒歩2分
さるびあ丸(竹芝客船ターミナル)
帆高が乗っていたさるびあ丸
帆高が謎の光を追いかけて離島から家出し、上京する際に乗っていた船「さるびあ丸」。船内には至るところに映画に登場したスポットが存在しています。
帆高が須賀にチキン南蛮定食とビールを奢らされる食堂や、船の急な傾きによって帆高が海に投げ出されそうになる甲板など、乗船すれば『天気の子』の世界観を味わえること間違いなし。
また、映画のワンシーンのような写真を収めたい人は、さるびあ丸の船上から夜景をバックにレインボーブリッジを撮ってみてはいかがでしょうか。
さるびあ丸(竹芝客船ターミナル)へのアクセス
住所:東京都港区海岸1丁目12-2
アクセス:ゆりかもめ竹芝駅から徒歩2分、JR浜松駅北口から徒歩8分、地下鉄大門駅B2出口から徒歩10分
なお2023年現在は、2020年6月に就航した3代目「さるびあ丸」が運航しています。
お台場海浜公園展望デッキ
フリーマーケット会場のモデルとなったお台場海浜公園展望デッキ
晴れ女ビジネスの依頼を受け、移動した先の一つであるフリーマーケット会場のモデルとなったのが「お台場海浜公園展望デッキ」と「出会い橋」です。
この依頼をきっかけに晴れ女ビジネスの依頼が急増。「晴れにしてほしい」という人々の想いを受けて、陽菜は東京のさまざまな場所を晴れに変えていきます。
『天気の子』では昼のお台場が登場しますが、夜のお台場も見どころ満載。海沿いの夜景スポットとして有名なお台場海浜公園からは、美しく輝くレインボーブリッジを間近に見ることができます。
お台場海浜公園展望デッキへのアクセス
住所:東京都港区台場1丁目4
アクセス:新交通ゆりかもめ お台場海浜公園駅・台場駅より徒歩3分
六本木ヒルズ屋上スカイデッキ
六本木ヒルズ屋上スカイデッキから見える夕陽
『天気の子』の予告タイトルバックにもなった「六本木ヒルズ屋上スカイデッキ」。劇中では、晴れ女ビジネスがクチコミで話題となり、雨を懸念した神宮外苑花火大会の主催者が陽菜と帆高に晴れの祈願を依頼したシーンで登場しました。
東京の空を鮮やかに彩る花火とビル群が織りなす映像が印象的なこのシーン。六本木ヒルズ屋上スカイデッキで大空と風を感じながら、陽菜と帆高が見た美しい景色を眺めてみてはいかがでしょうか。
六本木ヒルズ屋上スカイデッキへのアクセス
住所:東京都港区六本木6丁目10-1六本木ヒルズ森タワー52階
アクセス:都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅直結
芝公園(港区)
青空に映える東京タワーと芝公園
須賀と須賀の娘・萌花が芝生で遊んでいるシーンが印象的な「芝公園」。この芝公園のシーンでは、須賀と夏美が伯父と姪の関係であることが明かされたり、夏美が陽菜に天気の巫女の末路を話すなど、物語のキーポイントとなる会話が繰り広げられています。
映画に登場したベンチに座って、目の前に広がる芝生と東京タワーの美しいコラボレーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
芝公園へのアクセス
住所:東京都港区芝公園4丁目10-17
アクセス:都営地下鉄三田線芝公園駅より徒歩1分
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堅川河川敷公園フットサル場(江東区亀戸)
フットサルの練習風景のモデル地となった堅川河川敷公園フットサル場(写真提供 Twitter: @ys_angen様)
劇中で陽菜の弟・凪がフットサルの練習をしていたのが江東区亀戸にある「堅川河川敷公園フットサル場」。陽菜の誕生日プレゼントに悩んだ帆高が凪に相談し、アドバイスをもらった場所でもあります。
首都高速道路の高架下という立地条件を活かし、屋外施設でありながら雨天時でも利用することが可能。ボールやビブス、ストップウォッチなど、必要なものは無料でレンタルすることができるので、誰でも気軽にフットサルを楽しむことができます。
堅川河川敷公園フットサル場へのアクセス
住所:東京都江東区亀戸6丁目33-10
アクセス:JR総武線亀戸駅より徒歩10分
田端駅南口
最も重要な聖地の一つである田端駅南口
劇中の至るところに登場する線路際の坂。そのモデルとなったのがJR山手線田端駅南口を出たところにある緩やかな上り坂です。この坂道はひなの家に続いており、劇中で何度も登場しますが、特に印象的なのが帆高と陽菜の再会シーン。
坂から、水に覆われた東京の街に向かって祈る陽菜と美しい映像に心を打たれた人も多いと思います。山手線唯一の無人改札という、都内とは思えないのどかな駅でラストシーンの感動を味わってみてはいかがでしょうか。
田端駅南口へのアクセス
住所:東京都北区東田端1丁目17-1
気象神社(高円寺氷川神社)
「晴れること」への願いが込められた下駄絵馬
劇中で圭介と夏美が「100%の晴れ女」に関する情報を取材するために訪れた「気象神社」。JR高円寺駅の南口改札から2~3分歩いた場所にある気象神社は「高円寺氷川神社」の境内にあります。
この神社は日本で唯一「気象の神様」が祀られていることで有名。「気象の神様」は「晴」「曇」「雨」「雪」「雷」「風」「霜」「霧」という8つの気象条件を司ることができると言われています。
境内で最も目を引くのが、劇中にも登場する下駄をイメージした赤と黄の絵馬。あまり目にすることがない下駄の形は、昔の人々が「天気を予想するときに下駄を飛ばしていた」ことに由来するそうです。
気象神社を訪れた際は、切っても切り離すことができない人間と天気の関係に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
気象神社(高円寺氷川神社)へのアクセス
住所:東京都杉並区高円寺南4丁目44-19
アクセス:高円寺駅南口より徒歩2分
神津島(東京都)
神津島のはるか展望台と青い海(写真提供 Twitter: 島宿浜の家@東京の離島/神津島様)
帆高の出身地である「神津島(こうづしま)」。「はるか展望台」や「東京都立神津高等学校」が舞台となっています。神津島は、東京から約180km、伊豆諸島のほぼ中心に位置する面積約19㎡の小さな島。
はるか昔、事代主命という神様が伊豆の島々を作るために、神々を集めて相談をする拠点としたことが「神津島」の名前の由来となっているそうです。
透明度日本一に選ばれたこともある透き通った青い海や「東京名湧き水57選」に選ばれた豊かな湧き水など、自然に溢れたのどかな島には癒しスポットが満載。劇中に登場するはるか展望台からは、前浜海岸の白いビーチと真っ青の海を眼下に望む美しい眺望を楽しむことができます。
神津島へのアクセス
住所:東京都神津島村37-2
アクセス:竹芝桟橋より高速ジェット船で約3時間45分、大型夜行客船で約12時間
映画『天気の子』の世界観を楽しんで
以上が映画『天気の子』の世界観を楽しむことができるスポット18選でした。
他にも、東京にはJR品川駅の東西連絡通路や西武新宿駅前のマック、東京メトロ有楽町線の銀座一丁目駅付近にあるみのりカフェなど、劇中に登場するスポットが点在しています。陽菜と帆高の想いを感じながら聖地巡礼してみてはいかがでしょうか。