北海道の代表イベント「さっぽろ雪まつり」。札幌市を舞台にした、現在、国内外から200万人もの人が訪れる札幌の冬のお祭りです。さっぽろ雪まつりが開催されるのは、大通り公園・つどーむ・すすきのの3会場。雪像・アトラクション・ご当地グルメ・氷像などが楽しめます。
そこで今回は開催時期などの基本情報や各会場で行われているイベントの情報など、「さっぽろ雪まつり」の楽しみ方をご紹介。さっぽろ雪まつりを思う存分堪能したい方はぜひチェックしましょう。
※2023年(令和5年)は大通会場・すすきの会場のみ開催。(つどーむ会場は開催見送り)
世界三大雪まつりの一つ「さっぽろ雪まつり」とは?

さっぽろ雪まつりの野球選手の市民雪像
2023年で73回目をむかえた「さっぽろ雪まつり」。 毎年2月上旬に開催される、北海道の雪の魅力を活かした「世界三大雪まつり」の一つです。
今期は3年ぶりとなる会場での開催。大通会場・すすきの会場のみで8日間に渡って開催されます。
通常さっぽろ雪まつりでは、北海道ならではの雪像はもちろん、「玉山(台湾)」や「ヘルシンキ大聖堂(フィンランド)」など、世界のマストな観光スポットの雪像も展示。雪像の上で行われるステージイベントでは、米海軍によるクラシックコンサートや、初音ミクのVRライブも開催され大きな盛り上がりを見せました。
そのほか、「スケートリンク」「滑り台」「スキージャンプ(観戦)」「ご当地グルメ」など、楽しみ方はいろいろ。開催時期は、大通りとすすきの会場は例年2月4日~2月11日、つどーむ会場は例年1月31日~2月11日となっています。
日時によっておこなわれるイベントも異なるため、事前に公式HPでイベント情報や日程を確認してから足を運んでください。
【さっぽろ雪まつり 開催概要】
会場:大通会場・すすきの会場 ※つどーむ会場は開催見送り
開催期間:2023年2月4日(土)〜2月11日(土)
TEL:011-281-6400(さっぽろ雪まつり実行委員会)
公式HP:さっぽろ雪まつり公式 WEB

さっぽろ雪まつり資料館
「さっぽろ雪まつり」の起源は69年前の1950年。 札幌市内の中高生たちが6基の小さな雪像を作ったのが始まりとされています。
半世紀以上に渡る雪まつりの歴史について深く知りたい方は、札幌郊外の「さっぽろ羊ヶ丘展望台」の敷地内にある「さっぽろ雪まつり資料館」に足を運んでみるのもおすすめ。 パネル写真や歴代ポスター、雪像のミニチュア模型などの貴重な資料が多数展示されていて、多くのことを学べる資料館となっています。
「さっぽろ雪まつり」の3会場の魅力とは?

さっぽろ雪まつり大通会場のライトアップされた雪像
さっぽろ雪まつりの会場は、「大通会場」「つどーむ会場」「すすきの会場」の3カ所。
ビルほどの大きさの雪像を見られる「大通会場」、雪の中でアクティブに遊べる「つどーむ会場」、精巧に作られた氷像が立ち並び、夜にはロマンティックな光景が広がる「すすきの会場」と、それぞれ異なる魅力を持っています。
ここでは、各会場の魅力と楽しみ方をご紹介します。
さっぽろ雪まつり大通会場

さっぽろ雪まつり大通会場の北海道食の広場
大通会場はさっぽろ雪まつりのメイン会場であり、場所は1丁目から12丁目まで約1.5km続く大通公園です。大通公園では雪像の展示やステージイベントはもちろん、6丁目を中心に例年「北海道 食の広場」を開催。メニューも幅広く、海鮮丼やとうもろこし、札幌ラーメン、ジンギスカンなど北海道特有のグルメが集結します。

さっぽろ雪まつりの夜の大通会場
1丁目には札幌時計台があり、夜に行くと12丁目までつづく雪像ステージがライトアップされ、美しく輝いている光景を一望できます。また、大通会場で行われる毎年人気のプロジェクションマッピングも見逃せません。
さっぽろ雪まつり期間中に設置される巨大なスケートリンクが設営されるのも、時計台と同じ1丁目。東西20m、南北17.5mのライトアップが美しいスケートリンクでスケートを楽しむのと併せて、時計台に上り夜景を眺めるのもおすすめです。
大通公園内では大雪像はもちろん小雪像も楽しむことができます。2019年開催の第70回さっぽろ雪まつりでは、「ポケモン」や「ちびまる子ちゃん」などのアニメキャラの雪像も登場しました。
11丁目の「国際広場」では、世界中から集まった参加者が腕を競って造り上げた、国際色豊かな雪像が見られます。国によって個性がまったく違うため、あなたの興味を惹く作品にも必ず出会えるはずです。
その他に、身体があたたまる赤ワインや雪像関連のグッズ(2019年は初音ミク)も販売しています。
さっぽろ雪まつりつどーむ会場

つどーむの内部
普段はサッカーなどの試合スタジアムとなっている「つどーむ会場」。さっぽろ雪まつりがはじまると「北海道の自然の中で雪とふれあう」というコンセプトを掲げ、子どもたちに大人気のアミューズパークに姿を変えます。

つどーむ会場のスノーラフト
人気は、巨大な滑り台とゴムボートに乗って斜面を滑り落ちていくスノーラフト。もちろん、小さな子どもでも安心して遊べる、スコップやバケツを使ったアトラクションも充実しています。
屋内には飲食ブースや休憩所も用意されており、年配者も安心です。つどーむ会場は、子どもを連れて北海道の冬を堪能したい家族連れにおすすめ。大通会場からシャトルバスが運行しているため、アクセスも良く移動も楽ちんですよ。
さっぽろ雪まつりすすきの会場

さっぽろ雪まつりのすすきの会場の様子
映画『探偵はBARにいる』の舞台となった歓楽街「すすきの」も雪まつり会場の一つです。すすきの会場では「氷を楽しむ」をコンセプトに、「氷彫刻コンクール」の作品をはじめ、細部にまでこだわり抜いた美しい氷像たちが出迎えてくれます。
暗くなると氷像がライトアップされるだけでなく、すすきの街のネオンも点灯し、より幻想的な光景が楽しめます。すすきの会場では、道産子美女がキャラクターを務める「氷の女王」との写真撮影や、氷で設営されたBAR「アイスバー」で暖かい飲み物を嗜むことも。

さっぽろ雪まつりすすきの会場のアイスバー
アイスバーは平日15:00~23:00まで、土・日曜は12:00〜オープンしています。電飾がドーム状に散りばめられ、まばゆい光を放つ「イルミネーションロード」は、インスタ映えのフォトスポットとして人気です。

すすきの会場のイルミネーションロード
すすきの会場は少しディープな大人のエリア。カップルや夫婦で日暮れに訪れるのがおすすめです。周辺には飲食店や居酒屋もたくさんあるため、そのままお酒を飲みに行くのもいいですね。
大雪像ができるまで

さっぽろ雪まつりの製作中の大雪像
ここまで、さっぽろ雪まつりの歴史や見どころについてご案内してきましたが、このお祭りのシンボルとも言うべき大雪像がどのように作られるのか、気になった方も多いのではないでしょうか。
高さ15mにも及ぶ大雪像の制作を担うのは、「さっぽろ雪まつり大雪像制作委員会」と「陸上自衛隊・さっぽろ雪まつり協力団」。
陸上自衛隊がのお祭りに関わっているのです。雪の中での訓練の一環として、延べ10,000人以上の隊員が参加しているそうです。
制作の準備作業は、まだ雪のない9月頃からスタート。雪像の設計や資材の準備などが行われます。

雪像の仕上げ
12月下旬になると大通会場で木枠を組む作業が開始され、1月上旬からはいよいよ制作が本格化。
雪像に使われる雪が、札幌市や近郊からトラックで運ばれて来ます。さっぽろ雪まつり全体で使用される雪の量は、5tトラック約6,000台にも及びます。
運ばれてきた雪を木枠の中に詰めて固めた後、木枠を外し、荒削りを行います。最後に、細部に彫刻を施し、化粧雪で表面を綺麗に仕上げ、足場を解体すれば完成です。
残念ながら大通会場にさっぽろ雪まつり会期前に立ち入ることはできませんが、雪像の制作風景を遠くから見学することは可能です。
解体作業も大人気!
期間中人々の目を楽しませたさっぽろ雪まつりの氷雪像は、安全のため、すぐに取り壊されます。この解体作業は「さっぽろ雪まつり」の第二の楽しみ方として隠れた人気を誇り、「解体見学ツアー」が組まれるほど。
時間をかけて作られた雪像が、重機であっという間に取り壊されていきます。このダイナミックな光景を楽しみに、毎年多くの人で賑わいます。
まだまだあります!北海道の冬のお祭り
北海道を代表するお祭りは、「さっぽろ雪まつり」だけではありません。各地で行われるさまざまなお祭りにも、ぜひ足を伸ばしてみてくださいね。
層雲峡温泉氷瀑まつり
北海道中部の上川町で開催される「層雲峡温泉氷瀑まつり」。石狩川の水を凍らせて造られた大小30基の氷像が、河川敷に立ち並びます。7色のライトで氷像が彩られる夜に訪れるのがおすすめ。週末を中心に花火が打ち上げられるのもこのお祭りの魅力です。
周辺には温泉街が広がっており、−10℃を下回る寒さで冷えた体を癒すこともできます。
旭川冬まつり
北海道中部の旭川市で開催される「旭川冬まつり」。巨大な雪像が見どころで、1994年には世界最大の雪の建築物として、ギネス世界記録に認定されました。
国内外から集まった氷彫刻が腕を競う「氷彫刻世界大会」も同時開催され、大会終了後には繊細な氷の彫刻の数々がライトアップされる幻想的な光景を楽しめます。
北海道の冬を満喫する「さっぽろ雪まつり」
大雪像や氷像、雪遊びなど、北海道の冬の魅力が詰まった「さっぽろ雪まつり」。2月上旬の札幌の平均気温は−3.4℃前後と氷点下を下回ります。コート1枚だけでは寒い日や時間帯も多いので、スキーウェアや帽子、マフラーなど服装に気をつけ防寒対策は忘れないでくださいね。