2022年に、感染症拡大の影響で2019年以来3年ぶりの開催となった「すすきの祭り」が、2023年も8月3日(金)から5日(日)まで開催されます。
北海道最大の繁華街・すすきのを舞台に、59回目の開催となる2023年も、花魁道中(おいらんどうちゅう)や神輿の渡御(とぎょ)・宮入(みやいり)をはじめとしたさまざまなイベントが行われます。
また飲食店による屋台の営業なども行われる予定で、短い道都の夏を盛り上げます。この記事では、そんな「すすきの祭り2023」の見どころを存分にご紹介します。
【すすきの祭り】2023年の開催日程と場所
2023年のすすきの祭りは8月3日(木)から8月5日(土)までの3日間開催予定。開催場所は札幌市中心部、大通公園の南側にある地下鉄すすきの駅周辺、具体的には南4~7条、西3~4丁目のエリアです。
★すすきの祭り公式サイトはこちら
札幌中心部での開催ということもあり、アクセスは抜群。地下鉄南北線すすきの駅から会場までは、徒歩1分です。
地下鉄南北線すすきの駅には複数の出口がありますが、どの出口も会場の範囲内にあるので、地上に出た瞬間からすすきの祭り会場に足を踏みいえることができます。

札幌の歓楽街「すすきの」の街並み(写真:札幌市より)
また東豊線の豊水すすきの駅からも徒歩5分ほどで会場にアクセスできますし、札幌市電(路面電車)のすすきの電停も会場のすぐそばにあるので、これらの路線を使って訪れることも可能です。
ちなみにJR札幌駅から徒歩で訪れる場合には15~20分ほどの時間をみるのが良いでしょう。
会場エリア内の一部の道路は通行止めにされ、歩行者天国となり、屋台が出店します。イベントは初日の連合太鼓の演奏に始まり、すすきの祭りのメインイベントである花魁道中、2~3日目のよさこいの演舞披露、そして最終日の連合神輿と、さまざまな催し物が展開され、華やかさで溢れます。
【すすきの祭り】周辺の観光スポット①さっぽろ大通ビアガーデン
すすきの祭り開催期間中には、大通公園の西5~11丁目で「さっぽろ大通ビアガーデン」が開催されます。北海道の夏の風物詩といっても過言ではない、おなじみのイベントです。

さまざまなビールとおつまみを楽しみましょう
5丁目はサントリー、6丁目はアサヒ、7丁目はキリン、8丁目はサッポロと、国内の主要ビールメーカーが出店するほか、10丁目の「世界のビール広場」と11丁目の「札幌ドイツ村」では国際色豊かな世界のビールを味わうことができます。
これらの会場ではビールメーカー各社がそれぞれ、自慢のビールをはじめとしたドリンクと個性あふれる美味しい食事やおつまみを提供しています。北海道の爽やかな夏、都心のど真ん中、それも屋外で味わうビールは格別です。

札幌の夏の風物詩です
各会場、予約不要で思いついた時に訪れることができるのもポイント(5・7・11丁目の各会場では事前に席の予約が可能)。
会場へのアクセスは地下鉄大通駅降りてすぐ。営業時間は12:00~21:00(オーダーストップは会場ごとに異なり20:30もしくは20:45)、すすきの祭りの会場からも、概ね徒歩10~20分程で行くことができます。
【さっぽろ大通ビアガーデンの基本情報】
会場:北海道札幌市中央区大通西5~11丁目
公式サイト:
サントリー・ザ・プレミアムモルツ大通ビアガーデン
ASAHI SUPER DRY BEER PARK
キリン一番搾りビアガーデン
THEサッポロビヤガーデン
世界のビール広場「World Beer Square with Hokkaido」
札幌ドイツ村
【すすきの祭り】周辺の観光スポット②第70回狸まつり
すすきのと大通公園の中間に位置する狸小路商店街。飲食店や土産物店などが軒を連ね、観光名所としても有名な狸小路は今年で誕生150周年を迎えます。そんな狸小路のお祭り「狸まつり」が2023年7月21日(金)~8月16日(水)まで開催中です。

写真はリニューアル前の装飾。2023年はどんな飾りつけになるのでしょう
記念の年とあって、アーケードを彩る装飾は全面リニューアルされます。また、8月5日に行われる恒例の狸八得例大祭(子供神輿渡御、狸神輿渡御)に使用される神輿も化粧直しをして登場する予定です。
すすきの祭りの会場から、徒歩5分ほどでアクセスできるので、足を伸ばしてみるのもいいでしょう。

普段から多くの人々が行き交う賑やかな商店街(写真:札幌市より)
【第70回狸まつりの基本情報】
会場:狸小路商店街(札幌市中央区南2・3条西1~7丁目)
公式サイト:第70回狸まつり
【すすきの祭り】周辺の観光スポット③AOAO SAPPORO
「AOAO SAPPORO(アオアオ サッポロ)」は2023年7月20日にオープンしたばかりの商業施設「moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)」の中にある都市型水族館。

moyuk SAPPOROの外観
ペンギンをはじめとする海の生き物の展示はもちろん、バックヤードの公開、ミニ植物園や海中世界を感じられるデジタルアートを楽しめるほか、カフェやコワーキングスペースが併設された新しい形の水族館です。
入場料は大人2200円、子供1100円、幼児200円で、営業時間は10:00~22:00まで。地下鉄大通駅から徒歩3分、札幌市電の狸小路電停から徒歩1分です。すすきの祭りの会場からも徒歩5~10分程でアクセスできます。
【AOAO SAPPOROの基本情報】
住所:
北海道札幌市中央区南2条西3丁目20
moyuk SAPPORO 4階-6階
公式サイト:AOAO SAPPORO
【すすきの祭り】見どころ①花魁道中
すすきの祭りの目玉イベント「花魁道中」は、すすきの祭りの初日、3日(木)の20:00~21:30まで開催されます。
スタート地点は南7条西4丁目にある豊川稲荷札幌別院前。そこから北上し、ゴールとなる南4条方向へと、一行は距離にしておよそ400m、1時間半かけて会場を練り歩きます。

ある年の夢千代大夫と佳津乃大夫。絢爛豪華な装いが目を惹きます(写真:札幌市より)
このイベントは約40年前から行われています。1984年、20回目のすすきの祭り開催を記念して、東京・浅草から花魁役等を9人招いて花魁道中を披露したことが始まりとのこと。その際、予想以上に好評を博したことから、翌年以降はすすきの祭り恒例のイベントととして定着しています。
花魁は公募によって毎年2人が選ばれ、それぞれ「夢千代大夫」「佳津乃大夫」と名付けられます。行列は提灯を持つ人々を先頭に、着物姿の女性などが続き、その後ろ、概ね行列の中ほどから後方に主役となる花魁2人が現れます。

前から見た花魁道中の行列(写真:札幌市より)
花魁姿の女性はとても大きく見えますが、これは約25cmもの高さがある下駄を履いているため。歩き方に注目すると、その下駄を履きながら、「外八文字」という独特の歩き方で進んでいきます。行列が醸し出す華やかさや優雅さと、すすきのの街の雰囲気がマッチし、すすきの祭りの夜を盛り上げます。
すすきのの繁栄は、1870年頃に遊郭としてすすきのが繁盛したことに始まります。遊郭は100年以上も昔、1920年に白石へと移りますが、その跡地に飲食店などが建ち並び、現在のすすきのの風景が出来上がりました。こうした歴史を踏まえると、花魁道中が夜のすすきのを彩ることは自然なことなのかもしれません。
【すすきの祭り】見どころ②連合神輿
祭りの最終日、5日(土)に行われる「連合神輿(れんごうみこし)」もまた、すすきの祭りを象徴するイベントです。市内を駆け回ってきた札幌中の神輿がすすきのに集い、祭り会場へとやってきます。
神輿の数は7、神輿の重さは1.5t、担ぎ手は1000人以上。応援の声、熱気、人の数、どれも圧倒的で、言葉に表しきれないほどの迫力を味わえますよ。

迫力満点の連合神輿(写真:札幌市より)
連合神輿には神輿が進む「渡御(とぎょ)」と、神輿が神社の境内に戻ってくる「宮入(みやいり)」があり、渡御では担ぎ手が神輿の周りを取り囲み、入れ替わり立ち替わり神輿を担いでいきます。
周囲を見ると、神輿が練り歩く沿道には、店の広告や看板などが目立つ商業ビルが建ち並んでおり、「まさに歓楽街」といった光景が広がります。

サンバの衣装で旗を持って踊るダンサー(写真:札幌市より)
また、神輿の宮入と同じ時間帯には、すすきのサンバカーニバルが開催され、サンバのリズムに合わせて神輿が担がれます。サンバカーニバルは2019年から始まった比較的新しいイベント。一見相容れないように思えるサンバと神輿が、見事にマッチしているのはすすきの祭りならではの光景です。

女性だけでかつぐ女衆神輿も、見応え抜群です(写真:札幌市より)
すすきの祭りは繁華街やサンバと神輿という、見慣れない一見カオスともいえるような光景の中でフィナーレを迎えますが、これこそがすすきの祭りの魅力や醍醐味であり、最大の見どころでもあるのです。ちなみに、2日目には女性が担ぎ手を担う、珍しい女衆神輿が開催され、こちらもおすすめですよ。
【すすきの祭り】見どころ③スタートとフィナーレ
すすきの祭りは初日、連合大太鼓で幕を開け、最終日はすすきのナイトフィーバーで終演を迎えます。連合大太鼓は「ビルの谷間で1000人くらいの人が太鼓をたたいたら迫力があるんじゃないか」という発想から1985年にスタート。同年「北海祭り太鼓セッション」が登場しました。

腹の底に響く音色で会場を盛り上げる連合大太鼓(写真:札幌市より)
翌1986年にはさらに規模を拡大し、全道の太鼓チームが集い、迫力の演奏を披露しました。現在は、すすきの祭りのメインイベントである花魁道中の直前に連合大太鼓が披露されます。すすきの祭りのスタートを、迫力ある勇ましい太鼓の演奏で彩るとともに、花魁道中の露払いとしても会場を盛り上げます。

サンバと神輿と観客たちが混ざり合い熱狂する様子(写真:札幌市より)
反対に、祭りの最後を飾るのが「すすきのナイトフィーバー」です。会場がディスコと化し、観客、関係者が一体となって踊り、盛り上がります。同じ時間帯には「サンバカーニバル」や「神輿の宮入」も行われており、すすきの祭り会場各所が熱狂に包まれます。
【すすきの祭り】見どころ④その他のイベント
これまで紹介してきた、花魁道中・連合神輿・連合大太鼓・サンバカーニバル・ナイトフィーバー以外にも、すすきの祭りに訪れたらぜひ見てほしいイベントがあります。
まずは「すすきの祭りYOSAKOI」。祭りの期間中、2日目と3日目に当たる4日(金)、5日(土)の夜に開催されます。札幌では6月に「よさこいソーラン祭り」が開催され、全国からチームが集結し、勇猛さや華やかさなどを競います。すすきの祭りでもそうした競演を楽しむことができます。

実力派のよさこい踊りが見られます(写真:札幌市より)
参加チームは例年、7月下旬に発表されます。過去の参加チームを見ると、よさこいソーラン祭りで大賞受賞経験があるチームなど、北海道のチームを中心に人気・実力を兼ね備えたチームが集結するよう。
★2023年のすすきの祭りYOSAKOI出場チームはこちら
また、すすきの祭りは食べることを目的に訪れた人も満足させてくれます。歩行者天国となっている場所では焼き鳥、おでんといった、すすきので営業する飲食店の屋台が80~90軒ほど出店し、札幌のグルメ目的にで訪れる人々を楽しませてくれます。
屋台は祭り開催期間中、全ての日程で営業しており、22:30という比較的遅い時間まで営業しているのもポイントです。この屋台で「美味しい!」と感じたお店に、改めて訪れてみるのもいいでしょう。
人であふれかえるすすきの祭りの屋台
このほか、すすきの祭り初日の3日(木)には、開会式と寿獅子・お囃子の披露があります。「すすきの囃子」は地元観光協会で伝統芸能を守り続ける団体が誕生して22年、各地の神社にお囃子を奉納しており、このすすきの祭りでも、獅子舞とともに演奏を披露します。
また2日目、4日(金)にはさっぽろ名妓連による「さっぽろをどり」の披露があり、女衆神輿と合わせて祭りに華やかさを添えます。さらに3日目、5日(金)にはアイドルフェスも開催される予定です。
【すすきの祭り】の魅力は花魁道中だけじゃない!
現在では3500軒程の店舗が営業しており、夜間人口は8万人ともいわれるすすき野。そんな大繁華街のお祭り「すすきの祭り」と短い札幌の夏を楽しんでみませんか。
きらびやかな花魁道中が人気を集めるすすきの祭りですが、ここまで紹介した通り、ほかにも見どころはたくさんあります。すすきの祭りに訪れるついでに楽しんでほしい、おすすめのスポットにもぜひお立ち寄りを!
Text:JKY_R / Sakura Takahashi
Photo:PIXTA(特記ないもの)
参考サイト:
2023さっぽろ夏祭り/札幌まつり 北海道公式観光サイト/2023すすきの祭りポスター/AOAO SAPPORO公式ホームページ/HTB北海道ニュース(2022年8月4日配信、最終閲覧:2023年7月19日)/moyukSAPPORO公式ホームページ/一般社団法人すすきの観光協会ホームページ/ニトリパブリックホームページ