日本三大盆踊りとは?
郡上おどりの開催の地「郡上八幡」
日本一長い盆踊り「郡上おどり」
マストアイテム「踊り下駄」
まとめ
周辺情報

日本の夏といえば、全国各地でお祭りが行われる季節でもあります。その中でも「盆踊り」は独特のダンスが特徴で、夏祭りの恒例行事として日本に定着している文化のひとつです。「日本三大盆踊り」として有名なのは、徳島県の「阿波踊り」、秋田県の「西馬音内(にしもない)盆踊り」と岐阜県の「郡上(ぐじょう)おどり」。

今回は、岐阜県郡上おどりの魅力をメインに、郡上おどりで使われる「踊り下駄」について紹介していきます。年齢や性別、地域問わず誰でも気軽に参加できるのが特徴の郡上おどりは、7月中旬~9月上旬の間に渡って開催されます。開催中は「踊り下駄」が鳴らす音が町中に響き渡り、郡上八幡の夏の風物詩とされています。

(画像提供:郡上八幡観光協会)

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【盆踊り】世界に誇る日本の文化!知られざる歴史や起源に迫る

徳島県 < 徳島・鳴門

【盆踊り】世界に誇る日本の文化!知られざる歴史や起源に迫る 日本を代表する夏の風物詩「盆踊り」。笛の音や曲に合わせて踊り、祭りの際には会場を盛り上げます。「東京音頭」など有名なものも多いですが、いつから行われるようになったのでしょうか。今回は盆踊りの歴史や由来、種類について紹介します。

花火・祭り

日本三大盆踊りとは?

日本の夏の風物詩のひとつ、「盆踊り」。先祖の霊を家に迎え、供養する仏教行事「盂蘭盆(うらぼん)」の期間とされる8月13日から15日を中心に行われる踊りのことを指します。日本は無宗教の国家ながら、古来仏教の教えに基づいた考えが普及。その一環として、「夏には盆踊り」という伝統が根付いたとされています。

盆踊りはこの8月13日から15日を中心とする夏の時期に(地域によって開催日は様々)、人々が音楽や歌に合わせて踊ります。決まった型や音楽はなく、全国各地でお盆の時期に開催される踊りのお祭りを総じて「盆踊り」と呼びます。地域の伝統芸能として毎年多くの観光客を集めている「日本三大盆踊り」に注目してみましょう。

秋田県 西馬音内盆踊り

秋田県の「西馬音内(にしもない)盆踊り」は、国の重要無形民俗文化財にも指定されている踊りです。その発祥は明確ではありませんが、源親という修行僧が豊年祈願として始めた踊りと、亡くなった君主に捧げる亡者踊りが合体したものとされています。


優雅な踊りが特徴の「西馬音内盆踊り」

秋田県の羽後町で毎年8月16日〜19日までの3日間に渡り行われます。激しい出囃子に合わせた踊りというよりは、優雅で品のあるなめらかな踊りが特徴です。

徳島県 阿波踊り

全国的に知られる、日本を代表する夏祭りのひとつ。毎年8月12日〜15日の4日間にかけて開催される阿波踊りは、その規模や踊り子の数でも日本一を誇ります。徳島県から誕生した阿波踊りは、東京都でも高円寺や下北沢で毎年開催されています。


綺麗な列をなして踊る「阿波踊り」

阿波の国が発祥のことからこの名前がついており、約400年の歴史があります。リズミカルな踊りは、それぞれ「男踊り」と「女踊り」に分けられます。また、かけ声も特徴的で「ア、ヤットサー、ヤットー、ヤットー」は有名です。

阿波踊りは様々な「連」によって繰り広げられます。連とは踊り子さんの団体のことで、いわば阿波踊りを行う小さなグループのこと。それぞれ衣装や踊りにも特徴があり、徳島県の人々は個人でひいきにしている連があるそうです。

岐阜県 郡上おどり

岐阜県の「郡上(ぐじょう)おどり」。江戸時代から続き約420年の歴史をもつ郡上おどりは、国の重要無形民俗文化財となっています。他の2つの盆踊りとは異なり、誰でも気軽に参加できるのが大きな特徴。


多くの人が踊る「郡上おどり」 (画像提供:郡上八幡観光協会)

郡上おどりは、「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」 の歌詞で知られ、城下町である「郡上八幡」でうたい踊り続けられてきました。日本一ロングランの盆おどりで、毎年7月中旬から9月上旬の間に、30数夜行われています。「徹夜おどり」の開催時にもっとも盛り上がります。踊りの種類が多いのも郡上おどりの特徴で、全部で10種類もあるそう。

郡上おどりの開催の地「郡上八幡」

今回注目するのは、日本三大盆踊りのひとつである岐阜県の「郡上おどり」。江戸時代から続く歴史ある盆踊りで、他の2つの盆踊りとは異なり、誰でも気軽に参加できるのが大きな特徴です。


多くの人が踊る郡上おどり(画像提供:郡上八幡観光協会)

郡上おどりの中心地・岐阜県 郡上市

郡上市は岐阜県の中部に位置する人口約40,000人の市で、豊かな自然に囲まれています。その中でも郡上おどりが盛んに行われているのが「郡上八幡」です。城下町として発展してきた郡上八幡は、風情ある町並みが特徴。

また、長良川や吉田川・小駄良川があるため豊かな水の町としても知られています。全国名水百選の一番手として指定された「宗祇水(そうぎすい)」があることで有名なのだとか。


古き良き町並みが特徴の郡上八幡(画像提供:郡上八幡観光協会)

町のシンボルは「郡上八幡城」。日本最古の木造再建城として知られています。1559年に武将の遠藤盛数によって創建されたのち19代に渡って統治されていましたが、廃藩置県によって1871年に廃城となってしまいます。この時、城の大部分が取り壊されますが、1933年に全面的に再建されました。


街のシンボル 郡上八幡城(画像提供:郡上八幡観光協会)

また、郡上は「白山信仰」の場としても有名。「白山」とは富士山、立山と並び「日本三霊山」のひとつに数えられており、石川県、富山県、福井県、そして岐阜県にまたがる標高2,702mを誇る山です。郡上の白鳥市を起点とする山道は古くから多くの参拝者で賑わってきました。


日本三霊山のひとつ「白山」

日本一長い盆踊り「郡上おどり」について

郡上おどりの歴史、開催時期や踊りについて紹介します。


老若男女が楽しむ郡上おどり (画像提供:郡上八幡観光協会)

郡上おどりの歴史

郡上おどりの起源は、風流踊り(衣装を身にまとい、太鼓や笛の囃子に合わせての踊り)や、念仏踊り(念仏を唱えながらの踊り)などが発祥とされていますが、盆踊りとして大成したのは江戸時代に入ってから。

初代郡上藩の藩主であった遠藤慶隆が士農工商の融和を図り、町の一体感と親睦のために踊りを奨励したことがそのきっかけとされています。藩内の村々で踊られていた盆踊りを城下に集め、「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい。」と勧めたことから、年々に盛んになっていきました。

こうした歴史的背景があったからこそ、今なお400年続く「誰でも参加できる盆踊り」が完成したのかもしれませんね。

郡上おどりの開催時期と場所

郡上おどりは7月上旬から9月上旬までの間で30数夜に渡って行われます(30日連続というわけではありません)。これだけ長い期間開催される踊りは、盆踊りが盛んな日本国内でもなかなかありません。郡上の夏は盆踊りと共にあるといっても過言ではないでしょう。

また、開催場所は毎夜変わります。これは町内の縁日が開かれる場所で行うため。これも郡上おどりの大きな特徴です。それぞれの魅力溢れる会場で、毎晩新鮮な気持ちで盆踊りを楽しめます。

時間

平日と日曜はおよそ20時から22時30分、土曜は20時から23時までが開催時間。ただ、お盆の8月13日〜16日は例外です。この4日間は徹夜で盆踊りが行われ、20時から翌朝まで踊り明かされます。町中が朝まで一体感に包まれるこの4日間は、郡上おどりの最高潮といえるでしょう。

踊りの種類

郡上おどりには全部で10種類の踊りがあります。踊りの数が多いのは、各村や藩に伝承されてきたそれぞれの踊りを集めたからだそう。阿波踊りのように男女で分かれていることはなく、老若男女みんなで音楽に合わせて踊ります。


踊りを覚えるとさらに楽しい (画像提供:郡上八幡観光協会)

主に祭りの最初に踊られるのが「かわさき」という曲。「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」といううたい出しから始まり、会場は一気に一体感を増していきます。そのほかにもアップテンポの「春駒」、ゆったりとした「やっちく」、少し難しい「三百」など、順番に各曲が流れ、みんなで踊っていきます。

曲調も踊りの内容もそれぞれ特徴があり、飽きないからこそ夜通し踊れるのかもしれません。

郡上八幡観光協会公式ホームページから実際の動画を見ることができるので、事前にチェックしてみてください。

郡上おどりのマストアイテムは「踊り下駄」

郡上おどりで欠かせないアイテムは「踊り下駄」。会場に鳴り響く下駄の音は、この地域ならではの夏の風物詩です。郡上おどりは下駄で地面を叩いて音を出しながらリズムをとる踊りが多いため、踊り下駄はマストアイテム。旅の記念にもなるのでぜひ一足ゲットしてみてはいかがでしょうか。


郡上おどりで使われる踊り下駄(写真提供:岸山履物店)

郡上の踊り下駄

郡上おどりで使われる下駄は、郡上でとれる良質なヒノキを用いて作られます。軽くて丈夫なヒノキは長時間踊っても壊れにくく、軽やかで綺麗な音を鳴らします。

とはいえ、30数夜踊っていては踊り下駄が持たない人もいるとか。郡上八幡には下駄を扱うお店が数多くあり、下駄を履き潰したら、お店で新たに購入する人がいるのだとか。郡上おどりの期間中、ワンシーズンで2〜3足の下駄を履き潰す人もいるようです。


踊り下駄を制作している様子(写真提供:岸山履物店)

踊り下駄を扱うお店は多くありますが、今回は郡上市八幡町新町に位置する「岸山履物店」を紹介します。

創業100年以上の「岸山履物店」

「岸山履物店」では、「郡上おどり オーダーメイド下駄」を作ることができます。好きな鼻緒と台を選ぶことができ、自分好みのオリジナルの下駄を購入できます。ここで、岸山履物店のこだわりを3つ紹介。


カラフルな鼻緒(写真提供:岸山履物店)

①岸山履物店オリジナル焼印

同店限定の焼印文字。プリントではないので文字が消える心配もありません。男性用の下駄には力強い「郡上おどり」の文字。女性用の下駄には躍動感ある文字の焼印をひとつずつ手押しで焼印します。

②こだわりの二枚歯

下駄の音を鳴らし、リズムをとることが郡上おどりを上手く踊るコツ。つけ歯の下駄では踊りの最中にとれてしまう恐れがあるため、同店の踊り下駄は全て1枚の板を削って歯を作っているそう。下駄の材質としては、良い音がなり歯が減りにくい丈夫なヒノキを採用しているのも特徴です。

③足に合わせて鼻緒を調整

足に合わせて鼻緒の調整が可能なため、踊りでの動きも考慮しながらしっかりと調整してもらうのがおすすめ。鼻緒の模様も数百種類あるので、お気に入りの鼻緒で郡上おどりを楽しみましょう。


開業時の写真(写真提供:岸山履物店)

岸山履物店は、創業から100年近くも経営している歴史ある履物店。現在は、5代目の岸山孝和さんが経営しています。同店では年間約2,000足の下駄を製造しているそう。

当初、1871年に八幡町大坂町で下駄工場を設立し創業していました。大正10年の50周年の節目に八幡町新町で開業したのが、現在の「岸山履物店」。「商いをするなら新町の方が人の通りが良い」と先代が判断したことがきっかけなのだとか。

オリジナルの下駄を履いて、郡上おどりへの参加はもちろん浴衣と踊り下駄の姿で郡上八幡を散策してみるのもおすすめ。郡上八幡の町並みがより一層風情豊かなものに感じられるはずです。

誰でも参加できる「郡上おどり」で日本の夏を感じよう


郡上おどりと書かれた街灯

郡上おどりの一番の魅力は「誰でも参加できること」。性別も年齢も国籍も地域性も問わず、誰もが盆踊りに飛び入り参加できます。

決まった服装もなく、夏は毎日のように開催されている郡上おどり。毎夜音楽に合わせて参加者がどんどん増え、輪も大きくなれば自ずと体が動き出してしまうでしょう。

ぜひ郡上の踊り下駄をゲットして、夏の思い出を作りに行ってみてはいかがでしょうか。

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