Ⅰ. 洞爺湖周辺はどんな場所?
Ⅱ. 1泊2日洞爺湖の旅モデルコース
Ⅲ.洞爺湖観光の定番スポット
洞爺湖中島巡り遊覧船
中島・湖の森博物館
昭和新山
有珠山(うすざん)ロープウェイ
Mt.USUテラス
昭和新山熊牧場
洞爺湖温泉
サイロ展望台
Ⅳ. 洞爺湖周辺グルメ
【うに丼】道の駅あぷた
【洋食】レストラン望羊蹄
【銘菓と和食】わかさいも 洞爺湖本店
【カレー】SoupCurry HLAHAL(スープカレー ハラハル)
Ⅴ. 洞爺湖周辺ではこんな体験ができます《冬OKも》
【カヌー・スノーシュー】洞爺ガイドセンター《冬メニューあり》
【ホーストレッキング】レイクトーヤランチ《冬メニューあり》
【フルーツ狩り】そうべつくだもの村《夏・秋》
まとめ

2009年に世界ジオパークに認定された洞爺湖エリアは、地球の息吹を感じられる美しい場所です。巨大なカルデラ湖である洞爺湖や、荒々しい姿が神秘的な有珠山・昭和新山は、いずれも火山活動により誕生したもの。

この記事では洞爺湖観光で訪れたいスポットをモデルコース形式で紹介します。観光船やグルメ、温泉、アクティビティなど多彩な見どころがありますので、プラン立ての参考にしてみてくださいね。

※本記事に掲載の内容は2023年7〜10月時点の情報です。諸事情により変更となる場合がありますので、お出かけの際は各店舗公式サイト・公式SNS等で最新情報をご確認ください。

Ⅰ. 洞爺湖周辺はどんな場所?

洞爺湖は、約11万年前の巨大な噴火によってできたカルデラ湖です。カルデラ湖としては、屈斜路湖(くっしゃろこ)、支笏湖(しこつこ)に次いで日本で3番目の大きさを誇ります。

洞爺湖の周辺には、昭和新山や有珠山など今も噴煙を上げる山々があり、火山活動で形成された地質学的に貴重な地形や自然などが「洞爺湖有珠山ジオパーク」として、日本で最初の世界ジオパークとして認定されました。

洞爺湖や昭和新山、有珠山などの雄大な自然と北海道有数の温泉街である洞爺湖温泉があり、多くの観光客が訪れる人気のエリアとなっています。

2008(平成20)年には、「第34回主要国首脳会議」(北海道洞爺湖サミット)が開催され、洞爺湖の名前は世界的にも広く知られるようになりました。

Ⅱ. 1泊2日洞爺湖の旅モデルコース

※レンタカー利用プランです。
※時間は目安です。ロープウェイ等季節により運航時間が変わるものがありますので、お出かけの前に公式サイト等で最新情報をご確認ください。

==

●1日目
【AM】洞爺湖町着(JR洞爺駅・虻田洞爺湖IC)
→【11:30】わかさいも 洞爺湖本店に併設の「仙堂庵」でランチ
→【12:30】洞爺湖中島巡り遊覧船で洞爺湖クルーズ
→【13:00頃】中島(大島)に上陸。「中島・湖の森博物館」見学しふたたび乗船
→【13:50】桟橋到着。下船
→【14:15】有珠山ロープウェイに乗る
→【14:21】展望台到着。カフェで休憩or火口原展望台までハイキング(往復約20分〜1時間程度)
→【15:15】有珠山ロープウェイで下山
→【15: 30】「昭和新山熊牧場」で熊を見る
→【16:15】洞爺湖温泉の宿にチェックイン

==

●2日目
【9:30】宿チェックアウト
→【10:30】洞爺ガイドセンターの「洞爺湖カヌーショートツーリング」に参加
→【12:00】ツアー終了
→【12:15】サイロ展望台で洞爺湖の絶景を眺める
→【13:00】道の駅あぷたでランチ
→【14:30】そうべつくだもの村でフルーツ狩り
→【15:00】帰路へ

Ⅲ.洞爺湖観光の定番スポット

○洞爺湖中島巡り遊覧船
○中島・湖の森博物館
○昭和新山
○有珠山(うすざん)ロープウェイ
○Mt.USUテラス
○昭和新山熊牧場
○洞爺湖温泉
○サイロ展望台

【定番スポット】洞爺湖中島巡り遊覧船

洞爺湖遊覧船として航行している多目的アミューズメントシップ「エスポアール」

洞爺湖遊覧船として航行している多目的アミューズメントシップ「エスポアール」

洞爺湖温泉街にある桟橋からは、洞爺湖に浮かぶ4つの中島を巡る遊覧船が、夏季は30分毎、冬季は1時間毎に運航しています。4月下旬から10月末日までの夏季は、大島で下船して「中島・湖の森博物館」の見学や、島内の散策を楽しめます。

「洞爺湖ロングラン花火大会」が開催されている期間には、花火の打ち上げポイントに合わせて移動する「洞爺ロングラン花火鑑賞船」も運航していて、船上から花火を楽しむことができます。

【洞爺湖汽船 洞爺湖の中島巡り遊覧船】
●所在地:北海道洞爺湖町洞爺湖温泉36-4(中島巡り遊覧船桟橋)
●所要時間:中島上陸込みで約80分
●公式サイト:洞爺湖汽船

【定番スポット】中島・湖の森博物館

中島・湖の森博物館

「中島・湖の森博物館」へは洞爺湖遊覧船で行くことができます(写真提供:洞爺湖町)

洞爺湖に浮かぶ4つの中島のひとつ「大島」には「中島・湖の森博物館」があります。館内には「ジオパーク情報」「洞爺湖と中島の自然」「中島散策情報」の3つの展示ゾーンがあり、洞爺湖や中島の自然・歴史についてわかりやすく紹介されています。

建物の中には、島内散策ルートの入り口や洞爺湖を眺めながら休憩できるカフェもあります。

【中島・湖の森博物館】
●所在地:北海道洞爺湖町洞爺湖大島
●参考サイト:洞爺湖観光/中島・湖の森博物館

【定番スポット】昭和新山

地球の息吹が感じられる昭和新山

地球の息吹が感じられる昭和新山(写真提供:[公社]北海道観光振興機構)

「昭和新山」は1943年(昭和18年)に火山活動で麦畑が隆起してできた山で、今も活動を続けていて山肌からは噴煙が上がっています。

麓の駐車場周辺には、昭和新山や有珠新山の誕生を見守った壮瞥(そうべつ)郵便局長の三松正夫(みまつ まさお)が書き綴った記録を展示した「三松正夫記念館」や、有珠山や洞爺湖に関する資料が展示された「昭和新山パークサービスセンター」などの見学施設のほか、飲食店やお土産店などがあります。

【昭和新山】
●所在地:北海道壮瞥町昭和新山
●参考サイト:壮瞥町の観光情報サイト/昭和新山

【定番スポット】有珠山(うすざん)ロープウェイ

リニューアルした有珠山ロープウェイ

有珠山ロープウェイの所要時間は片道6分。15分間隔で運行しています。2020年春にスイス製の新ゴンドラにリニューアル(写真提供:有珠山ロープウェイ)

有珠山は、20世紀に4回も噴火した活火山です。この有珠山山頂と昭和新山の山麓を結んでいるのが「有珠山ロープウェイ」です。山頂にある「洞爺湖展望台」からは、昭和新山や洞爺湖が一望できます。

山麓駅の火山村には、有珠山の噴火やジオパークの魅力について学べる「洞爺湖有珠山ジオパーク火山村情報館」、山頂駅には減災への取り組みを紹介した「噴火体験室」があります。

【有珠山ロープウェイ】
●所在地:北海道壮瞥町昭和新山184-5(山麓駅)
●公式サイト:有珠山ロープウェイ

【定番スポット】Mt.USUテラス

Mt.USUテラスのプライベートシート

Mt.USUテラスのプライベートシートは3席あります(写真提供:有珠山ロープウェイ)

有珠山ロープウェイに乗り、たどり着いた先にあるのが「Mt.USUテラス」。洞爺湖や昭和新山を一望する抜群でロケーションで、ドリンクやフードを楽しめながら、ソファでのんびりくつろげます。

併設のカフェでは、地元産の野菜&フルーツたっぷりの「ジオ・スムージー」や、ピザ味・あんバター味から選べる「ホットサンド」が購入できますよ。ソファの席数は、プライベートシート3席を含めて全90席です。

【Mt.USUテラス】
●所在地:北海道壮瞥町昭和新山 有珠山ロープウェイ山頂駅
●営業日:4月中旬〜10月下旬(ロープウェイ運休日は休み)
●営業時間:9:00〜16:00
●公式サイト:2022年Mt.USUテラス・グレードアップオープン!

【定番スポット】昭和新山熊牧場

>昭和新山熊牧場で熊がくつろぐ姿

昭和新山熊牧場では熊がくつろぐ姿、遊ぶ姿、食事する姿を見ることができます

有珠山ロープウェイの山麓駅のすぐ近くにある「昭和新山熊牧場」には、およそ60頭ものヒグマが飼育されています。場内は、大牧場、若ぐま牧場、くまのアパート、こぐまの幼稚園に分かれています。

5月のゴールデンウイーク頃には、こぐまの幼稚園でその年に生まれたこぐまを観ることができます。また、場内には熊のえさが買える自動販売機が設置されていて、えさやり体験も楽しめます。

【昭和新山熊牧場】
●所在地:北海道壮瞥町昭和新山183
●公式サイト:昭和新山熊牧場

【定番スポット】洞爺湖温泉

洞爺湖温泉の名物・洞爺湖ロングラン花火大会

洞爺湖温泉の名物は毎年4月〜10月に開催されている「洞爺湖ロングラン花火大会」。2023年は4月28日〜10月31日まで開催予定

洞爺湖の南側にある「洞爺湖温泉」は、1917(大正6)年に源泉が発見された北海道有数の温泉地です。ホテルや民宿、ペンションなど20軒以上の宿泊施設が立ち並び、たくさんの観光客が訪れます。

洞爺湖温泉街には、無料で利用できる手湯や足湯、お土産店、飲食店、2008洞爺湖サミットの会議テーブルを保存した「北海道洞爺湖サミット記念館」などの施設もあります。

【洞爺湖温泉】
●所在地:北海道洞爺湖町洞爺湖温泉
●参考サイト:洞爺湖温泉観光協会

【定番スポット】サイロ展望台

サイロ展望台から望む洞爺湖

サイロ展望台から望む洞爺湖

洞爺湖西側の高台にある「サイロ展望台」は、洞爺湖や中島、昭和新山、有珠山を見渡すことができる絶景スポットです。建物の1階には洞爺湖のお土産品が並ぶショップ、2階は展望レストランになっています。

洞爺湖サイロ展望台の横には、テイクアウト専門の「CAFE balher(カフェ バルハー)」もあり、ソフトクリームやプレスコーヒーなどを楽しめます。

【サイロ展望台】
●所在地:北海道洞爺湖町成香3-5
●公式サイト:サイロ展望台

Ⅳ. 洞爺湖周辺グルメ

○レストラン望羊蹄:洋食
○道の駅あぷた:うに丼
○わかさいも本舗:銘菓と和食
◯SoupCurry HLAHAL(スープカレー ハラハル):スープカレー

Ⅳ-1.【うに丼】道の駅あぷた

道の駅あぷたのうに丼

道の駅あぷたのうに丼。甘く濃厚なうにがたっぷり(写真提供:道の駅あぷた)

「道の駅あぷた」は国道37号沿い、内浦湾の景色がパノラマで広がる高台にあります。館内には、洞爺湖町の農産物や海産物、加工品などが並ぶ「地場産品直売」コーナーや、目の前の虻田漁港で水揚げされる新鮮な魚介を使った料理が味わえるレストランなどがあります。

レストランで人気のメニューは、地元や北海道各地で採れた新鮮なウニを使った名物の「うに丼」。レストランの営業時間は11:00〜14:00です。

【道の駅あぷた】
●所在地:北海道洞爺湖町入江84-2
●公式サイト:道の駅あぷた

Ⅳ-2.【洋食】レストラン望羊蹄

レストラン望羊蹄のハンバーグステーキ

レストラン望羊蹄のハンバーグステーキ(写真提供:Instagram MOCOさん)

「レストラン望羊蹄」は、1946(昭和21)年創業の老舗洋食レストランです。店内には、開店当時のテーブルやイスが残されていて、昭和レトロな雰囲気の中で食事が楽しめます。

人気メニューは、オリジナルのデミグラスソースがたっぷりかかった「ハンバーグステーキ」。昔懐かしい「スパゲティ・ナポリタン」、特製ソースで仕上げた「ポークチャップ」です。

【望羊蹄】
●所在地:北海道洞爺湖町洞爺湖温泉36-12
●公式サイト:望羊蹄

Ⅳ-3.【銘菓と和食】わかさいも 洞爺湖本店

北海道銘菓「わかさいも」をてんぷらにしたお菓子「いもてん」

北海道銘菓「わかさいも」をてんぷらにしたお菓子「いもてん」。衣のさっくり感と、中のほくほく感は病みつきに(写真提供:わかさいも本舗)

北海道土産の定番「わかさいも」は、芋をいっさい使わず白あんと大福豆、刻み昆布で焼き芋を表現したお菓子。

「わかさいも本舗」の洞爺湖本店では、「わかさいも」や「北海道あんぽてと」、揚げたての「いもてん」など人気の商品が購入できるのはもちろん、併設された和食レストラン「仙堂庵(せんどうあん)」では、噴火湾産のホタテを使った料理などが味わえます。

【わかさいも 洞爺湖本店】
●所在地:北海道洞爺湖町洞爺湖温泉144(わかさいも 洞爺湖本店)
●公式サイト:わかさいも本舗

Ⅳ-4. 【カレー】SoupCurry HLAHAL(スープカレー ハラハル)

SoupCurry HLAHALの「北の海鮮」

魚介の旨みが凝縮された「北の海鮮」(写真提供:SoupCurry HLAHAL)

「洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス」の横に2019年オープンした「SoupCurryHLAHAL」は、北海道の旬の食材、オリジナルブレンドのスパイスにこだわったスープカレーのお店です。窓際のカウンター席からは、洞爺湖の絶景が広がります。

おすすめは、ホタテやエビなど海の幸が入った「北の海鮮」やトロトロに煮込まれた豚バラ肉がおいしい「とろ豚(トン)」。それぞれ辛さやライスの量が選べます。

●所在地:北海道洞爺湖町洞爺湖温泉27-34
●時間: 11:00~16:00(L.O.15:00)
 ※時期により変動あり
●定休:無休
●公式サイト:SoupCurry HLAHAL

Ⅴ. 洞爺湖周辺ではこんな体験もできます《冬OKも》

【夏・冬】
○カヌー・スノーシュー:洞爺ガイドセンター
○ホーストレッキング:レイクトーヤランチ

【夏・秋】
○フルーツ狩り:そうべつくだもの村

Ⅴ-1.【カヌー・スノーシュー】洞爺ガイドセンター《冬メニューあり》

夏の洞爺湖カヌーツーリング

夏の洞爺湖カヌーツーリング(写真提供:洞爺ガイドセンター)

「洞爺ガイドセンター」は、洞爺湖周辺でのウォーキングやカヌーツアーなどを催行するガイド会社です。夏には洞爺湖をカヌーでツーリング、冬には湖畔や森の中をスノーシューで歩くツアーなど、洞爺湖の自然や美しさを体感できるネイチャーツアーを開催しています。

カヌーやスノーシューが初めてでも、体力がなくても、その人に合ったメニューを提案してくれるので安心です。

【洞爺ガイドセンター】
●所在地:北海道洞爺湖町洞爺町193-8 ※集合場所はツアーにより異なります
●料金例:[夏の洞爺湖カヌーショートツーリング](日本語ツアー)
 中学生以上 6000円
 小学生 4500円
 未就学児(4歳から) 2000円
 ※英語ツアーは別途問い合わせ
●公式サイト(予約):洞爺ガイドセンター

Ⅴ-2.【ホーストレッキング】レイクトーヤランチ《冬メニューあり》

冬のホーストレッキング

夏はもちろん冬も体験できるホーストレッキング(写真提供:[公社]北海道観光振興機構)

「レイクトーヤランチ」は、ホーストレッキング専用の観光牧場(ゲストランチ)です。洞爺湖や昭和新山、有珠山などの景色を眺めながらの乗馬が楽しめます。

スタッフがサポートしてくれるので初心者や子どもでも安心。子どもも参加できる引き馬トレッキングや本格的な山岳ルートを登るレイクヒルトレッキングなど、年間を通じて多彩なコースが楽しめます。

【レイクトーヤランチ】
●所在地:北海道洞爺湖町月浦44
●公式サイト:LAKE TOYA RANCH

Ⅴ-3. 【フルーツ狩り】そうべつくだもの村《夏・秋》

さくらんぼ

そうべつくだもの村では数十種類のさくらんぼを栽培しています ※写真はイメージ

洞爺湖の南東に位置する壮瞥町(そうべつちょう)は、道内有数の果樹の産地です。「そうべつくだもの村」は壮瞥町の18軒の果樹園からなる観光農園の村で、いちごやさくらんぼ、りんご、なし、ブルーベリー、もも、プラムなど、たくさんの種類のフルーツが栽培されています。

7月にはさくらんぼ、7月下旬から8月中旬にはブルーベリー、9月から10月にはりんごやぶどうなどのくだもの狩りが楽しめます。

【そうべつくだもの村】
●所在地:北海道壮瞥町滝之町
●公式サイト:そうべつくだもの村

まとめ

「日本百景」(※1)や「新日本旅行地100選」(※2)、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」(※3)にも選ばれている洞爺湖は、大自然、美しい景色、温泉、グルメ、アクティビティなどたくさんの魅力があるエリアです。

1泊2日で全てを体験することは難しいですが、今回ご紹介したモデルコースを参考に、洞爺湖エリアの観光を楽しんでください。


※1 日本百景:大阪毎日新聞社・東京日日新聞社主催で1927年に選定された、日本を代表する100の景観
※2 新日本旅行地100選:雑誌『旅』(日本交通公社刊)の1966年11月号で発表された、日本の観光地100カ所
※3 美しい日本の歩きたくなるみち500選:日本ウオーキング協会提案のもと発足した「美しい日本の歩きたくなるみち推薦会議」が2004年に発表した、500の道・コース

Text:都良 Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA