吉祥寺の夜を彩る【ハーモニカ横丁】とは?
ハーモニカ横丁の店員に聞いた!おすすめ店舗飲み歩きレポート
ハーモニカ横丁おすすめ店① Jolly-Pad
ハーモニカ横丁おすすめ店② 串.com
ハーモニカ横丁おすすめ店③ 漬物BAR 4328(清水屋)
ハーモニカ横丁おすすめ店④ 龍2(RON-RON)
ハーモニカ横丁のツウの店を知りたいなら
ハーモニカ横丁の周辺情報

昼間のサブカルチャーな雰囲気とは打って変わって、夜になると仕事帰りのサラリーマンやOLたちで賑わう吉祥寺。お目当ては、吉祥寺駅東口を出てすぐに見える「ハーモニカ横丁」です。今では観光客も多く足を運ぶこのハーモニカ横丁は、100以上の店舗が入り組んだ狭い路地にひしめき合うように立っているのが印象的。

今回は、そんなハーモニカ横丁に訪れ、足を運んだお店の店員さんに紹介してもらったおすすめ店舗をリレー形式に巡っていく「ハーモニカ横丁リレー巡り」に挑戦してきました。アポなしで飛び込んだ先で、おいしいお酒と料理に出会う様子をお届けしていきます。

※記事内の価格はすべて取材時(2019年8月)のものです

吉祥寺の夜を彩る【ハーモニカ横丁】とは?

ハーモニカ横丁

吉祥寺に来たら外せない「ハーモニカ横丁」

東京都武蔵野市、吉祥寺駅から徒歩約30秒ほどに位置している「ハーモニカ横丁」。

入り組んだ路地に、小さな飲食店が100軒以上並んでいるその様子がハーモニカのマウスピース部分に似ていることから、「ハーモニカ横丁」という名前がつけられました。正式名称は「ハーモニカ横丁」ですが、通称「ハモニカ横丁」とも呼ばれています。

100軒以上の飲食店は、居酒屋やBARなど気軽にお酒を楽しめるお店がほとんど。平日の夜には仕事帰りのサラリーマンやOLで賑わい、週末には観光客で賑わう、吉祥寺を代表する飲み屋街といえるでしょう。

ハーモニカ横丁は夜に訪れるもの、というイメージがありますが、実は昼に営業している店舗も多いんです。なかには夜だけでなく、ランチメニューを提供している飲食店も。

ハーモニカ横丁は「闇市」がルーツ

ハーモニカ横丁のルーツは、1940年代頃、戦後に各地で誕生した闇市にあります。非合法に商売を行う闇市は、狭く細い路地の方が好都合。その当時の小さな路地がそのまま残り、現代のハーモニカ横丁へと発展していったのです。

提灯が並ぶハーモニカ横丁

赤い提灯が印象的なハーモニカ横丁

ハーモニカ横丁内は仲見世通り、中央通り、のれん小路、朝日通り、祥和会通りの5つの通りで構成され、飲食店を中心にさまざまなお店が並んでいます。

今回は、ハーモニカ横丁にある100以上の店舗の中から、とっておきのお店を探しに行ってきました。吉祥寺へ足を伸ばし、ハーモニカ横丁で働くお店のスタッフさんから、お気に入りのお店を紹介してもらうという「ハーモニカ横丁リレー巡り」を実行。実際にハーモニカ横丁で働く彼らが、胸を張っておすすめしてくれたステキなお店を4つ、紹介していきます。

ハーモニカ横丁の店員に聞いた!おすすめ店舗飲み歩きレポート

時刻は平日の夜20時。帰宅ラッシュの電車に揺られながら、吉祥寺駅に到着です。東口から徒歩すぐのところに、「ハ」という大きな文字が輝くネオンの看板を見つけました。この先に広がる路地が、「ハーモニカ横丁」です。

「ハ」と輝くネオンの看板

「ハ」の文字が印象的なハーモニカ横丁の看板

今回アポなし取材に挑戦するのは、THE GATEのトラベル担当とエンジニア、そして編集部の私の計3名。何度もハーモニカ横丁に訪れたことのあるという社員をお供に、とっておきのお店を探しにいきましょう。

まずはハーモニカ横丁を一周して、最初に訪問するお店を探します。この日は火曜日ながら、シャッターが閉まっているお店が多い模様。臨時休業や定休日のお店が目立ち、心なしか人通りも少ない様子です。

せっかくなのでお肉が食べたいという私の意見を汲んでもらい、最初のお店を探します。ハーモニカ横丁の中央通りにさしかかると、外壁に大きくペイントが施され、どことなくウエスタンな雰囲気を醸し出しているお店を見つけました。

Jolly-Pad外観

アメリカンな印象のお店「Jolly-Pad」

早速取材交渉をすると、許可をいただけました!最初のお店は、多国籍料理を提供する「Jolly-Pad」に決まりです。

ウエスタンな店内で豪快に肉にかぶりつく「Jolly-Pad」

店内にお邪魔すると、ドラム缶を使ったテーブルや、アメリカンテイストのインテリアがそこかしこに飾られており、西部劇に出てくるバーのよう。それもそのはず、同店はアメリカの酒屋をイメージして造られたのだそう。

Jolly-Padの店内

60年代のアメリカにタイムスリップしたかのよう

奥のテーブル席に腰掛け、さっそく料理とお酒を注文。おすすめメニューを店主にうかがうと、「肉を豪快に刺して炭火で焼いた串焼きがイチオシですよ」…ということで、見た目にもインパクトがあるという串焼きの盛り合わせと、トルティーヤの皮をピザ生地にして作る「トルティーヤのちびPIZZA」をお願いすることに。

乾杯の様子

まずはビールとウーロン茶で乾杯

ハーモニカ横丁リレー巡り1軒目、最初の乾杯です。

ちらほらとほかのお客さんも入店してきて、賑やかになってきました。どうやら平日のハーモニカ横丁が盛り上がるのは、20時を過ぎてからのよう。

乾杯をしてから4分ほど、イチオシメニューのお出ましです。大皿に盛られた3本の串焼きは、長さ30cmという大きさ。牛、豚、鶏の串焼きが各1本ずつの人気メニューです。豚と鶏の串焼きは塩でさっぱりと、牛の串焼きは特製のバーベキューソースを絡めて仕上げているようで、飽きがきません。串のまま豪快にかぶりつけば、お店の雰囲気もあいまって気分も盛り上がること間違いなしです。

串焼き盛り合わせ

「BBQ炭火串焼き 盛り合わせ」(1,300円)

続いて、ちょっとしたつまみにぴったりな「トルティーヤのちびPIZZA」も登場しました。今回注文したのは「アンチョビ、ツナ、オリーブのオレガノ風味のちびPIZZA」。たっぷりのチーズの中にはツナとアンチョビが隠れており、ハーブとオリーブであっさりとした味わいに。トルティーヤのパリパリとした食感がたまりません!手のひらよりもちょっと大きいかな?くらいの小ぶりサイズが、お酒のつまみにぴったり。

トルティーヤのピザ

「トルティーヤのちびPIZZA」(550円)

ワイルドなアメリカ料理を楽しんだら、次のお店を探していきましょう。

今回のハーモニカ横丁巡りは、「訪れたお店の店員さんにおすすめのお店を紹介してもらう」という決まり。おすすめを聞いてみると、「ちょっと先を行ったところにある、焼き鳥のお店がおいしいですよ」と。案内までしていただきついていくと…ありました、次のお店はこちら、「串.com」です。

串.com外観

朝日通りに立つ「串.com」

「串.com」メガジョッキと焼き鳥で乾杯!

「串.com(くしドットコム)」は、その名前の通り焼き鳥に力を入れているお店。Jolly-Padさんからの紹介ということで取材撮影を交渉したところ、OKをもらえました!

ハーモニカ横丁にしては珍しく、2階にもテーブル席を設けている席数の多いお店です。この日の店内はかなり賑わっている様子。店内入ってすぐのテーブル席に着席し、ドリンクを注文します。

串.comのカウンター席

おひとりさまにもうれしいカウンター席も

同店では、通常のジョッキの約2倍という「メガ角ハイボール」があったので迷わず注文。700mlという大容量で、がっつり飲みたいという人にぴったりです。そのお供となるのは、やはり外せない焼き鳥。定番の5本盛り合わせを注文しました。

さらに、人気のメニューをスタッフさんに聞いたところ、メニューにも大きく載っていた「鳥皮ポン酢」を勧めてもらいました。あとは私の好きな「もつ煮」を発見したため、一緒に注文。お酒を飲みながらのんびりと料理を待ちましょう。

注文してすぐ、まずはもつ煮が登場。

串.comのもつ煮

「もつ煮」(580円)

甘めの味噌ベースのスープで長時間煮込んだモツは、口の中で溶けるほどトロトロ。味は意外にもさっぱりしており、どんどん箸が進みます。このもつ煮をご飯にかけた「もつ煮丼」なるものもメニューに載っており、一度食べたことがあるというトラベル担当の社員曰く、「お酒の最後にかきこむようにして食べるのが最高」とのこと。お酒のつまみにも、シメにもなる串.comのもつ煮、侮れません。

次にテーブルに届いたのは「鳥皮ポン酢」。

鳥皮ポン酢

「鳥皮ポン酢」(500円)

さっと茹でた細切りの鳥皮に、自家製のポン酢をたっぷり絡めていただきます。鳥皮ポン酢といえば揚げた鳥皮にポン酢をかけて食べるイメージがありますが、茹でた鳥皮はさっぱりしていてポン酢との相性抜群。こちらも箸が止まりません。

鳥皮ポン酢ともつ煮をつまみにお酒が進む一同。最後に登場したのが、お待ちかね、焼き鳥の盛り合わせです。

この日の盛り合わせはタン、砂肝、つくね、鳥もも、ぼんじりの5本。ほんのりきつね色に焼きあがった焼き鳥たちは、ちょっと濃いめの絶妙な塩味で、お酒のお供にばっちり。串のままかぶりつくのがツウの食べ方です。

焼き鳥盛り合わせ

「焼き鳥 5本盛り合わせ」(780円)

お酒とおいしい料理でだんだんとお腹が膨れてきました。ここまでで使った金額は3名合わせても7,000円程度。焼き鳥とハイボールを満喫したら、次のお店に向かいます。

店員さんにハーモニカ横丁のおすすめのお店を聞いてみると、このすぐ近くにある居酒屋を教えてくれました。「こじんまりとしていて雰囲気のあるお店です」とのことで案内してもらいましたが、交渉したところ、取材は一切受け付けていないとNG。店内は満席で、3人で入店するのも難しそうです。

残念ながらここで、ハーモニカ横丁のリレー巡りはストップ。このまま帰るには少し飲み足りないため、ひとまず3人で次のお店を探してみることにしました。時刻は22時を回ったところ。ふらりと足を止めたお店で店員さんに話を聞いてみると、今日はやはりタイミングがよくなかったようで、おすすめしたいお店はどこも本日休業とのこと。残念です。

漬物を肴にお酒を楽しむ「漬物BAR 4328(清水屋)」

入り組んだ路地を出て、武蔵通りの路面に並ぶお店を探していると、風情のある建物を発見。「漬物BAR 4328(清水屋)」です。歴史を感じる「清水屋」と書かれた看板が飾られていますが、それもそのはず、実はこのお店、老舗の漬物屋さんで、地元民からも愛されてきた漬物を、さらにお酒に合う逸品として提供してくれるバーなんです。

足を止め看板を眺めていると、2階から店員さんが降りてきて声をかけてくれました。取材の旨を伝えたところ、OKをいただき、風情のある路面のテーブル席に着席。改めて、ハーモニカ横丁巡りのスタートです。

清水屋外観

伝統を感じる木製の看板がステキ

清水屋の1階の座敷とカウンター席

開けた1階には座敷とカウンター席が。2階の店内は立ち飲みスタイルのバーだそう

自家製の漬物を中心に提供している同店。本日は、異なる3つの漬物を楽しめる「清水屋セット」と、人気メニュー「うずらキムチ」をいただくことに。夜風に吹かれながらお酒とともに漬物を楽しむなんて、とっても贅沢な時間です。

この日の「清水屋セット」の漬物は、しば漬け、ザーサイ、ぬか漬け。同じ漬物でも、漬ける野菜や方法によって味がまったく違ってくるから面白いものです。私のお気に入りは、ぬか漬け。程よく酸味があり、味は濃すぎず、薄すぎずという絶妙な味わいで、お酒がなくても延々に食べられてしまうほどの美味しさでした。

清水屋の漬物盛り合わせ

手前が「清水屋セット」(500円)、奥が「うずらキムチ」(400円)

同店の一番人気だという「うずらキムチ」は、うずらの卵をキムチのタレに漬け込んだ一品。タレの色が透明なのは、うずらに味がより染み込みやすくするための特製タレを使っているから。うずらの甘さのなかに、キムチタレのピリっとした辛さが感じられます。

膨れたお腹を抱えながらもペロリと食べられてしまうのが、漬物のすごいところ。ハーモニカ横丁巡りも3軒目でしたが、お酒にも漬物にも飽きることなく、楽しくおいしい時間を過ごすことができました。

最後に、店主の清水さんに次のお店を紹介してもらいます。ハーモニカ横丁のお店が連なる通りに戻り、案内していただいたのは、九州出身の店主が九州の「おいしい」を提供してくれるお店「龍2(RON-RON)」です。

九州生まれの焼酎と料理に舌鼓!「龍2(RON-RON)」

紹介してもらった「龍2(RON-RON)」へ23時をすぎた頃に足を運んだところ、カウンターで立ち呑みを楽しむお客さんも多く、賑わっている様子です。店主と話をするのはもちろんですが、カウンターで呑んでいるお客さんたちは銘々で楽しんでいる模様。一人で呑みにくるのにもぴったりなお店のようです。テーブル席に案内してもらい、ハーモニカ横丁巡り、最後の乾杯をします。

ロンロン看板

祥和会通りに立つ「龍2(RON-RON)」

立ち飲み客で賑わうロンロン

立ち飲み客で賑わう

取り扱っているお酒も、九州のものが多数。芋焼酎、麦焼酎だけでなく、黒糖や栗、シソなど普段お目にかかれないような焼酎もそろっていました。せっかくなので芋焼酎をいただきます。

料理は人気の「手羽ギョーザ」、長崎グルメだという「生からすみ大根」「ジャガイモ揚げ」の3つを注文します。この日はまだ蒸し暑い8月の日でしたが、もう少し寒くなってきたらダシがたっぷり染み込んだ人気のおでんもぜひ味わってみたいですね。

お酒をのんびり飲んでいると、次々と料理が運ばれてきました。

ロンロンの料理

手前から「手羽ギョーザ」(600円)、「生からすみ大根」(400円)、「ジャガイモ揚げ」(500円)

ボラの卵を使って作るからすみは、長崎県の名産のひとつでもあります。その生からすみを大根に乗せた「生からすみ大根」は、からすみが苦手という人でも食べられるおいしさ。からすみ独特の塩辛さはあるものの、臭さはなく、さらに大根のみずみずしさと甘みがからすみと合わさり、さっぱりと食べられます。

「ジャガイモ揚げ」は、マッシュし味付けしたジャガイモを丸め揚げた一品。一口サイズで食べやすいのがうれしいですね。

最後に登場した「手羽ギョーザ」は、手羽先の中にギョーザの餡をたっぷり詰めて焼いたもの。ポン酢のようなさっぱりとしたタレがとにかく合うんです。思いきりかぶりつけば、口の中に餡の肉汁が溶け出します。

3品と九州生まれの焼酎を楽しんだら、そろそろ終電の時間。ハーモニカ横丁巡りも終わりです。

ハーモニカ横丁のツウの店を知りたいなら

各店舗のスタッフさんからお店を紹介してもらう横丁リレー巡り。ツウも通うお店ばかりを紹介していただきました。「定番のお店ばかりではつまらない…」そんなちょっと変わったハーモニカ横丁巡りを楽しみたいあなたは、ぜひ挑戦してみては。ご協力してくださったお店の方々、ありがとうございました!

ハーモニカ横丁の周辺情報