東京都内有数の有数の観光スポットである浅草寺。国内外から年間約3,000万人もの人が訪れ、世界中で知られる観光スポットと言っても過言ではありません。
浅草寺といえば雷門や仲見世通りなどを想像すると思いますが、「御朱印」を集めるのも楽しみの一つ。神社や寺に行くと独自の御朱印をいただけますが、ここ浅草寺でしか手に入らない御朱印ももちろん存在します。一年を通して多くの人が訪れる浅草寺ですが、中には御朱印を求めて来るコレクターも少なくありません。
今回は、並んでも手に入れたい浅草寺の御朱印の種類やもらえる時間・場所などを解説します。混雑する浅草寺でスムーズに御朱印をいただくには、事前に色々確認しておきたいところ。浅草で御朱印めぐりの計画を立てる人は必見です!
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御朱印とは
御朱印とは、神社や寺にお参りしたときに、証として授けられる印のこと。名前、本尊の名前、寺社名、お参りした日付などが墨で記され、朱色の押印がされています。もともと御朱印は、写経を納めた証として授けられるものでした。
しかし、最近ではお経を納めなくても、お参りした証として授ける神社やお寺も増えてきました。御朱印は御朱印帳にその場で書いてもらえる場合もあれば、書き置きしたものを授与されることもあります。
御朱印
御朱印は、神社やお寺によってそれぞれデザインが異なります。墨書きの文字はシンプルなものが多いですが、その分デザインの自由度は高く、文字だけのものから絵が描かれたものまで様々。また、季節やイベント時限定のものなど、なかなか手に入らないレアな御朱印も存在するんだとか。様々なデザインを見比べて個性を楽しむのも、御朱印集めの醍醐味の一つです。
最近では、「お参りしたら記念に必ず御朱印をいただく」という人も増えました。旅行で寺や神社を訪れた際に御朱印をもらえば、旅の思い出を振り返る記念にもなります。寺社仏閣好きやコレクターだけの趣味にとどまらず、御朱印はより多くの人の間で人気を集めているんです。
御朱印がもらえる浅草寺の基本情報
浅草寺は、約1400年の歴史を持つ、東京都内最古の寺院。その始まりは、推古天皇の時代に遡ります。檜前(ひのくま)浜成・竹成兄弟が宮戸川(現在の隅田川)で漁をしている最中、一躰の仏像を発見しました。何度川に戻しても網にかかることから、持ち帰って土地の長に見せたところ、その仏像が聖観世音菩薩の尊像であることが判明しました。
その尊像を祀ってつくられたお堂が浅草寺の起源とされています。菩薩像は秘仏となっていて、通常は見ることができません。
浅草寺 雷門
その歴史の長さから、震災や火災によって幾度も損失を経験した浅草寺ですが、その度に修復がなされ、現在までその姿を残しています。現在の浅草寺は、1945年の東京大空襲により被害を受けたあと、1951年の再建によって復活したものとなります。
夜の浅草寺 宝蔵門
浅草寺の山号は「金龍山」といいますが、それは観音様が見つかった際、金色の鱗の龍が空から舞い降りてきたという伝承によるもの。そのため、浅草寺には所々に龍をモチーフとした彫刻や絵が見られます。
御朱印をもらう前の注意
御朱印をいただく上で、必ず知っておきたいいくつかの注意があります。マナーを守って気持ちよく御朱印集めを楽しみましょう。
必ずお参りをする
御朱印をいただく上で一番大事なのが、きちんとお参りを済ませてからもらうこと。
最近では一度に様々な寺や神社を巡って御朱印を集める「御朱印巡り」もブームとなっています。御朱印をもらいに来る人の中には、御朱印をスタンプラリーのような感覚で集めており、お参りをせずに御朱印だけもらおうとする人も多いんだとか。
御朱印をいただく前にお参りを忘れずに
しかし、御朱印の本来の意味は、参拝や納経をしたことを示す証。お参りもせずに御朱印だけもらうは、当然マナー違反となります。あくまで参拝が主な目的であることを忘れずに、御朱印をいただく前に必ずお参りをしましょう。
御朱印帳を用意する
御朱印はスタンプとは異なるため、ノートや紙などにもらうのもマナー違反とされます。御朱印をいただく際は必ず「御朱印帳」という専用の帳面を用意する必要があります。
御朱印帳
御朱印帳は寺や神社でも購入できる他、通販などでも簡単に手に入れることができます。御朱印帳も寺や神社によってデザインが異なり、シンプルなものやかわいらしいものなど様々なデザインが存在します。自分の気に入ったデザインの御朱印帳を買えば、御朱印集めがもっと楽しくなるはず。
また、寺や神社によっては先に御朱印帳を預けるところもあります。御朱印に関する案内が書いてあるので、それぞれの場所の指示に従いましょう。
浅草寺でもらえる御朱印
さて、ここからは実際に浅草寺でいただける御朱印について解説していきます。浅草寺でいただける御朱印は複数あるので、初めて見るとどれにすればいいか迷ってしまうかもしれません。御朱印の意味や種類を知って、どの御朱印をいただくかを決めましょう。
浅草寺の御朱印には何が書いてある?
御朱印に書いてある内容は寺や神社によって様々。寺社や本尊の名前はなんとなくわかりますが、他にはどんな内容が書いてあるのでしょうか。ここでは浅草寺でいただける「聖観世音」の御朱印を例にとって解説します。
浅草寺の御朱印に書かれた文字の意味
①奉拝(ほうはい)
「奉拝(ほうはい)」とは「つつしんで拝します」という意味。この言葉は多くの御朱印に記載されています。
②札所印
「坂東拾三番」の文字はお寺に与えられた札所の番号を示しています。この番号はかつて関東で巡礼するべきお寺である「坂東三十三所」の札所の一つ一つにつけられたもので、浅草寺は13番であることを示しています。
③山号
山号はお寺の名前の上につく称号のこと。浅草寺は観音様を祀った際に、天から金の龍が現れたという由来から、「金龍山」の山号がつけられています。
④梵字
梵字は古代インドで使われていた、神仏を一文字で表す文字のこと。浅草寺の本尊、「聖観世音」を表す梵字が書かれています。
⑤本尊
御朱印の中央に、浅草寺の本尊「聖観世音」の名前が書かれています。
⑥宝印
宝印は、仏を象徴する真言や文字が刻まれた印鑑のこと。聖観世音の方形の宝印が押されています。
⑦参拝した日付
参拝した当日の日付も書いてもらえます。旅の記録としてもこれは嬉しいですね。
⑧寺の押印
「浅草寺」の名前を刻んだ朱印が押されています。
浅草寺の御朱印の種類
浅草寺でいただける御朱印は大きく分けて2種類。特別なものを含めると3種類となります。それぞれの御朱印について詳しく解説していきます。
①聖観世音の御朱印
浅草寺 聖観世音の御朱印
浅草寺の本尊「聖観世音」の御朱印。浅草寺のもっとも代表的な御朱印として知られます。右上には坂東三十三所の13番札所を示す押印がしてあります。
また浅草寺は、東京の観音様を祀った寺を巡礼する「江戸三十三観音」の1番札所にもなっています。あらかじめ伝えれば「江戸三十三観音札所第一番」の押印に変えてもらうこともできます。
②大黒天の御朱印
浅草寺 大黒天の御朱印
浅草寺に祀られてるのは、実は聖観音だけではありません。本堂の西側にある「影向堂」には七福神の一体である「大黒天」が祀られています。浅草寺ではこの大黒天の御朱印もいただくことができます。
また、浅草には他にも七福神を祀った神社があり「浅草名所七福神」と呼ばれます。七福神全ての御朱印を集める専用の紙も販売されています。
③御詠歌(ごえいか)の御朱印
御詠歌(ごえいか)とは、寺の歴史や由緒、仏の教えなどをわかりやすく伝えるために、「 五・七・五・七・七」の和歌にして奉納されたもの。坂東三十三所のそれぞれの寺には全て御詠歌が存在します。浅草寺ではこの御詠歌を御朱印としていただくことができるんです。
ただし、受付の見本には御詠歌の御朱印は存在しないので、「坂東の御詠歌」と伝える必要があります。その理由は、御詠歌の御朱印は書くのが難しく、書く人が限られるため。書いてくれる方がその場にいない場合はいただくことができないので、その時の運次第。まさに幻の御朱印なんです。
浅草寺で買える御朱印帳
浅草寺でもオリジナルの御朱印帳を購入することができます。浅草寺の御朱印帳は3つのデザイン、2色ずつの計6種類。それぞれの御朱印帳の特徴を紹介します。
①蒔絵御朱印帳
蒔絵装飾が施された豪華な御朱印帳で、赤と白の2種類があります。表面には雷門の大提灯が描かれており、浅草寺を象徴する御朱印帳といったデザインです。大きさは約18cm×12cmと大きめのサイズで値段は3,000円。蒔絵が施されているので、他の御朱印帳と比べてちょっと高めです。
②和紋様御朱印帳
観音様を祀った際に、天から金の龍が現れたという伝説にちなみ、龍がデザインされた御朱印帳。青色と赤色の2種類があり、青色は約18cm×12cmの大きいサイズで1,500円、赤色は約16cm×11cmの小さいサイズで1,300円です。
③坂東三十三観音霊場納経帳
坂東三十三所の巡礼用の御朱印帳。青緑色で無地の通常タイプと、金襴(きんらん)で花柄が描かれたタイプの2種類があります。金襴のタイプは通常よりも少し大きく、蛇腹折りではなく紐とじの形担っています。また、中には「道中安全祈願」の文字と「観音教」が書かれています。値段はそれぞれ通常タイプが1,100円、金襴のタイプが1,700円となります。
浅草寺の御朱印をもらえる場所・時間
浅草寺 影向堂
場所:影向堂(ようごうどう)
時間:午前8時〜午後17時
初穂料:各300円
浅草寺の御朱印は、本堂に向かって左の影向堂(ようごうどう)でいただくことができます。「朱印所」という大きな案内板があるため、この案内板を目印にしましょう。御朱印の受付時間は、午前8時から午後17時まで。浅草寺の開門時間と異なるので注意が必要です。受付で御朱印帳を開いて渡し、御朱印を書いていただきましょう。もちろん感謝の言葉を忘れずに。
浅草寺の御朱印は書くのにやや時間がかかるため、通常でも10分ほどの待ち時間がかかります。また、初詣期間、特別な行事、土日の日中などは特に混み合い、30分以上待つことも。空いている時間を狙うなら、平日の終了時間近くの16時ごろがおすすめです。
浅草寺の御朱印をもっと楽しむには
浅草寺の御朱印集めをさらに楽しみたいあなたに、ここでは御朱印についてのちょっとマニアックな情報を紹介します。
ほおずき市の限定御朱印
浅草寺 ほおずき市
毎年7月に2日間だけ開かれるほおずき市の際には、限定の御朱印をもらうことができます。それは通常もらえる「聖観世音菩薩」「大黒天」に「四万六千日」という朱印が押されたもの。ほおずき市が開催されている2日間にお参りすると、四万六千日分のご利益があるとされていることが由来となっています。他とは違うちょっと特別な御朱印を手に入れたいあなたは狙ってみては。
浅草七福神巡り
浅草七福神「弁財天」を祀る吉原神社
「坂東三十三所」や「江戸三十三観音」の札所となっている浅草寺。これらのお寺を巡礼するのも楽しそうですが、東京や関東のお寺を実際に巡るのはなかなか大変。
しかし、浅草寺をはじめとした七福神を祀る9つの寺社を巡る「浅草七福神巡り」なら、寺社が全て歩いて回れる距離にあるため、気軽に御朱印巡りをしたい人にもおすすめ。七福神巡りの御朱印専用の紙も販売しているので、全て集めて記念に飾ることもできます。
浅草寺のアクセス
東京メトロ銀座線「浅草駅」(徒歩1分)
都営地下鉄浅草線「浅草駅」(徒歩2分)
東武スカイツリーライン「浅草駅」(徒歩3分)
つくばエクスプレス「浅草駅」(徒歩8分)
浅草寺の周辺情報
御朱印をいただきに浅草寺へ
今回は、浅草寺でいただける御朱印について詳しく解説しました。通常のものだけでなく、特別な場合しか手に入らないものなど、御朱印を集めるだけでも楽しい浅草寺。御朱印の意味や寺社と本尊の由来を知った上で行くと、御朱印集めがさらに楽しくなるはず。
しかし、御朱印はあくまで寺社への参拝がメイン。御朱印を「いただく」という気持ちを忘れずに、マナーを守って御朱印集めを楽しみましょう。