稲積水中鍾乳洞 大分県の南西部、豊後大野(ぶんごおおの)市に位置する「稲積(いなづみ)水中鍾乳洞」。名水百選に選ばれた、日本最長の水中鍾乳洞です。 約3億年前に形成され、約30万年前の阿蘇山の大噴火の水没によって作られました。洞窟内には、つららのような「鍾乳石」や壁にそって地下水が流れ落ちて形を作った「流れ石」などの鍾乳洞特有の見どころが満載です。年間を通して洞内の温度は16度で夏も冬も過ごしやすいことも特徴です。資料館では、パネルや映像の展示などで詳しい解説を見ることができます。子供でもわかりやすい展示物から大人でも満足できる詳しい研究結果まで目白押しです。 毎年6月初旬には、ホタル鑑賞に際して太鼓や扇子踊りが行われる「ホタル祭り」、8月には、カラオケ大会や市のイメージソング「ふるさとおおの」の大合唱が魅力の夏祭りが開催されます。周辺には、東洋のナイアガラとも呼ばれる「原尻の滝(はらじりのたき)」があります。
長湯温泉 大分県の南西部、竹田市に位置する「長湯温泉」。「世界屈指の炭酸泉」とも言われる泉質で有名な、久住山の麓にある温泉地です。 長湯温泉が誇る炭酸泉は、お湯に多く含まれた炭酸ガスが体内の血行を促進し、疲労回復の効能が期待できます。泉質を求め、22カ所の入湯施設には古くから多くの湯治客が訪れています。市内を流れる「芹川」周辺にある「ガニ湯」は、長湯温泉を代表する混浴風呂。夏はホタル観賞をしながら入浴する幻想的な体験ができます。また、竹田市は同じ炭酸泉である温泉療養地バート・クロツィンゲン市と姉妹都市を結んでおり、長湯温泉にはドイツ文化を感じるドイツ風建築の「御前湯」があることでも知られています。 長湯温泉は全国的にも珍しい坂が少ない温泉地のため、幅広い年代の人が散策を気兼ねなく楽しめます。炭酸泉は飲泉としても有名で、飲むと胃腸の働きがよくなるそう。「道の駅おづる」をはじめ、長湯温泉周辺で堪能できますよ。
竹田湧水群 大分県西部、竹田市の玉来川と緒方川流域に広がる「竹田湧水群(たけたゆうすいぐん)」。阿蘇山系の伏流水を源流とする「日本百名水」にも選ばれた名水のふるさとです。 約60カ所あるといわれる湧水地から湧き出る水は、一日でおよそ6~7t。クセのない柔らかな水は九州一の味わいとされ、地域住民のみならず、ボトルに水を汲んで帰る観光客も多く見られます。 泉水(せんすい)湧水地、河宇田(かわうだ)湧水地などいくつかの代表的な湧水地では、案内板や駐車場も充実。うっそうと茂る緑に湧き出す透明の水は、飲んで美味しく、見て美しく、流れる音を聞いて癒しの時間をのんびり過ごすのもおすすめです。 湧水地を目指して歩く道のりには、山や生け垣、土の道など、何とも懐かしい田舎の風景が広がります。暑い夏に、清涼感を求めて訪れてみては。
岡城跡 大分県の南西部、竹田市に位置する「岡城跡」。時代が平安から鎌倉へと変わる文治元年、武将の緒方惟義(おがた これよし)が源義経を匿うために築城したのが始まりとされている城の跡です。明治時代の音楽家である滝廉太郎が、歌曲「荒城の月」のモデルとしたことで知られます。 標高325mの天神山に築かれたこの堅牢な山城は、江戸時代には勇猛果敢で知られた薩摩の島津軍をも撃退し、全国に名を轟かせました。 明治維新後の廃城令により城内の建造物はすべて取り壊しとなり、天守閣や櫓などは残っていません。それにも関わらず、現在でも訪れる人が絶えず、NHKの訪れたい名城ランキングでも堂々の1位に選ばれたことがあるほど。 その秘密は、深い山の緑の中にあらわれる壮麗な高石垣。広大な城域をぐるりと囲む精緻かつダイナミックな石垣が、訪れる人に驚きを与えます。 4月の「岡城さくらまつり」では満開の桜のもと大名行列が再現され、まるでタイムスリップしたかのような光景を楽しめます。