極楽寺 神奈川県の南東部、鎌倉市に位置する「極楽寺」。鎌倉時代に建てられた真言律宗の寺院です。 真言律宗の高僧である良観房忍性が開山し、1259年に鎌倉幕府2代執権・北条重時氏が開基しました。開山前、この地は病人や貧民が集まる「地獄谷」と呼ばれたため、寺院が極楽の地になってほしいとの願いから「極楽寺」の名が付けられたといわれています。 かつては七堂伽藍を備えた大堂でしたが、合戦や自然災害によって現在は本堂と山門を残すのみ。古地図によると、以前は境内には施薬院や療養院があり、医療施設としても機能していたようです。現在は本堂近くの宝物院に、薬やお茶を挽くための石臼や鉢が展示されています。福祉家としての顔があったといわれる忍性の姿が垣間見える歴史的にも貴重なスポットです。 鎌倉十三仏第十二番札 「大日如来」や鎌倉二十四地蔵尊第二十番札 「導地蔵尊」をはじめとする、9種類の御朱印がいただけます。
鶴岡八幡宮 鎌倉の大臣山の麓に位置し、朱塗りの社殿が目を引く「鶴岡八幡宮」。1063年に建てられ鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝にゆかりが深い神社です。 山の中腹を削って建てられた本宮には勝負運や仕事運を司る「八幡神」が祀られており、多くの人が参拝に訪れます。由比ヶ浜から本宮まで続く参道は、春になると桜並木に変わります。日本の桜名所100に選ばれ、まるで桜のトンネルのような圧巻の光景が見られます。 また、様々な祭りが開催されるもの魅力となっています。春や秋には鎌倉武士に扮した射手が馬に乗りながら的に向かって弓を引く「流鏑馬(やぶさめ)神事」。鎌倉の夏の風物詩の「ぼんぼり祭り」や秋に開催される「例大祭」などのイベントでは境内が多くの人で賑わいます。
明月院 「明月院ブルー」という言葉で有名な明月院。鎌倉市山ノ内にある臨済宗建長寺派のお寺です。 この明月院で人気なのがアジサイ。鎌倉随一のアジサイスポットで、約2,500株のヒメアジサイが境内を埋め尽くします。また、本堂内にある円窓は、悟りや真理などを円形で表現していることから「悟りの窓」とも呼ばれ、その窓から見える枯山水庭園と後庭園の風景は圧巻です。 二つの庭園のうち、後庭園は一般公開されていませんが、ハナショウブが美しい6月ごろと紅葉の季節のみ特別公開されます。
高徳院大仏殿 鎌倉に位置する浄土宗の仏教寺院「高徳院大仏殿」。高徳院の見所はなんといっても鎌倉のシンボルでもある巨大な大仏です。 正式名称は「国宝銅造阿弥陀仏如来坐像」といい、高さ約11.3m、重さ121tを誇ります。当初は金箔に包まれていたため、今でも大仏の顔にその名残を確認することができます。拝観代20円を支払うと大仏の内部を拝観することが可能です。 高徳院は平安時代末期から鎌倉時代初期を生きた日本の僧・法然上人によって建てられ、大仏は1252年に僧・浄光が寄付を募り、建設が開始されたといわれています。しかし、高徳院と大仏のどちらも創建当時の事情などはまだ明らかになっていません。未だに謎に包まれるミステリアスな寺と大仏を是非その目で確かめてみてください。
円覚寺 JR横須賀線、北鎌倉駅の目の前に位置する「円覚寺」。鎌倉時代後半の1282年に、中国・宋より招いた無学祖元禅師によって開山されました。 建立の際に、大乗仏教の教えを説く「円覚経」が出土したことが円覚寺の名の由来。格式高い禅宗のお寺をまとめた「鎌倉五山」の第二位にあたり、臨済宗円覚寺派の大本山でもあります。 円覚寺のシンボルともいえる山門は、小説家・夏目漱石の「門」の舞台となったほか、漱石が書き残した数々の小説に円覚寺が登場します。春夏秋冬の景色も美しく、円覚寺の入り口に当たる総門脇では、春は桜、秋は紅葉が彩ります。
江島神社 神奈川県の南部・江ノ島に位置し、日本三大弁財天の一つである「江島神社」。境内には3つのお宮「辺津宮」「中津宮」「奥津宮」があり、それぞれが江島大神と称される三姉妹の女神を祀っています。三姉妹は海の神・水の神、また芸術・財宝の神として広く信仰されており、江島神社全体で技芸上達・海上安全・金運向上などにご利益があるとされています。 江島神社に足を踏み入れ、最初に目にするのが「辺津宮」。ここには、くぐると穢れを祓えるといわれる「茅の輪」や、繋がった太い根により縁結びのご利益があるとされる御神木も有名です。 奥へ進むと「中津宮」があります。中津宮前の広場は、毎年11月下旬〜2月上旬に江ノ島全体で行われるイルミネーションイベント「湘南の宝石」の会場の一つ。夜間には、神社の荘厳さに美しい電飾が合わさったきらびやかな景色を楽しめます。 さらに奥には「奥津宮」が。どの角度から見てもこちらを睨んでいるように見える「八方睨みの亀」が描かれています。
円応寺 神奈川県の南部、鎌倉市に位置する「円応寺」。閻魔縁日で有名な臨済宗の寺院です。 智覚禅師が鎌倉大仏近くに開山したといわれる円応寺。境内には閻魔大王や十王の像があることから、別名「閻魔堂」や「十王堂」とも呼ばれます。十王とは、死後七日ごとに死者の生前のおこないを裁く、地獄にいる10人の裁判官のこと。円応寺は、鎌倉時代に栄えた「十王信仰」の歴史を残す日本でも貴重な寺院です。なかでも、「閻魔大王坐像」は鎌倉時代の仏師・運慶によって手がけられたもので、国の重要文化財に指定されています。社務所でいただける御朱印も十王の文字仕様になっており、迫力のある力強い筆跡が特徴です。 毎年8月16日には地獄の窯が開き、すべての餓鬼(地獄行きになった死者)が解放されるといわれる「閻魔縁日」が開催されます。臨済宗の僧侶が集まり祈祷ををおこなう日ですが、子どもの成長を祈願するため、多くの参拝客が円応寺を訪れます。
建長寺 1253年。鎌倉幕府の執権・北条時頼が宋より招いた蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)によって創建された「建長寺」。 禅宗のお寺で最高の格付けをされた五つのお寺・鎌倉五山の第一位で、臨済宗建長寺派の大本山です。日本初の本格的な禅宗専門の道場として開かれた建長寺には、今も三門、仏殿、法堂が一直線に並ぶ、禅宗特有の伽藍様式が残されています。 三門・仏殿・唐門は国の重要文化財、巨大な鐘の「梵鐘(ぼんしょう)」は国宝に指定されており、特に梵鐘は、円覚寺・常楽寺と並んで「鎌倉三名鐘」と称されるほどです。
浄妙寺 神奈川県の南部、鎌倉市にある「浄妙寺」。鎌倉五山第5位に認定されている、大きな屋根の本堂が印象的なお寺です。 浄妙寺は、1188年に足利義兼(よしかね)によって建立された寺院。当初は真言宗の極楽寺と称されましたが、足利義氏によって現在の浄妙寺へと改められました。室町時代には大寺院として栄えた、鎌倉でも歴史ある寺院のひとつです。境内は国の指定史跡の一つに数えられ、伝足利貞氏(さだうじ)墓と宝篋印塔(ほうきょういんとう)は文化財に指定されています。 春はボタン、秋は紅葉と、四季折々の風景に触れられるのも魅力。お茶室の喜泉庵(きせんあん)ではお茶体験ができ、見事な枯山水の庭園を眺めながら優雅なひとときを楽しめます。 境内には築90年の洋館をリノベーションしたレストラン「石窯ガーデンテラス」も。新鮮な素材を使ったランチや、見た目も鮮やかなアフタヌーンティーが味わえます。
瑞泉寺 鎌倉の中心から東に少し離れた山の中腹に建つ臨済宗円覚寺派の寺「瑞泉寺(ずいせんじ)」。1327年に臨済宗の禅僧「夢窓疎石(むそうそせき)」によって建てられました。 鎌倉屈指の花の寺として知られ、新緑や紅葉の季節には多くの人が訪れます。中でも梅雨に咲くあじさいが有名で、青や赤、白などの様々なあじさいが寺を彩る光景は鎌倉の梅雨の風物詩です。 また、境内の「名勝瑞泉寺庭園」も見どころの一つ。石の庭とも呼ばれる庭園の岩壁には、修行に使われていた大きな洞「天女洞(てんにょどう)」や座禅を行っていた穴「坐禅窟(ざぜんくつ)」が人の手によって掘られています。この庭園は、室内からの美観を意識した「書院庭園」のさきがけとして知られ、鎌倉に残る鎌倉時代唯一の庭園として有名です。
寿福寺 神奈川県の南部、鎌倉市に位置する「寿福寺」。鎌倉幕府が定めた鎌倉五山第三位のお寺です。 1180年、鎌倉幕府を開いた源頼朝の正室・北条政子が創建した寿福寺。かつて源頼朝の父である義朝の屋敷があった場所に建てられました。通常、中門内は非公開のため、見学できるのは参道と裏山にある墓地のみ。参道からはまっすぐ伸びる石畳が敷かれています。墓地は北条政子と源実朝のものといわれ、やぐらの中にひっそりと佇む様子が見られます。青々と茂る緑に囲まれた厳かな雰囲気ただよう寺院です。 お正月やゴールデンウィーク期間中には、境内の特別開放日も。江戸時代に作られた仏殿に安置されている高さ3mを超える大きな「釈迦如来像」は必見。迫力のある姿を見学できます。
長谷寺 736年の創建といわれている「長谷寺」。鎌倉を代表する観光名所の一つで、本尊に祀られている高さ約9mの十一面観世音菩薩、通称「長谷観音」は、木造観音としては日本最大級です。 また、この十一面観世音菩薩ですが、奈良県の長谷寺にある十一面観世音菩薩と同じ木材から作られているともいわれています。 そして、四季折々の植物が楽しめるのも長谷寺の特徴。初夏に見頃を迎えるアジサイは、40種類以上、約2,500株が咲き誇ります。また、秋は紅葉が長谷寺境内を彩り、鎌倉で唯一、紅葉のライトアップが行われる人気スポットです。
鎌倉宮 神奈川県、鎌倉市の二階堂に位置する「鎌倉宮」。護良親王(もりながしんのう)を祀る神社です。 波乱万丈の人生を送ったことでも知られる護良親王。父である後醍醐天皇(ごだいごてんのう)と共に武家中心の政治を天皇中心にするべく、鎌倉幕府討幕を目指すも謀反が発覚してしまい父が島流しへ。父に代わって足利尊氏(あしかがたかうじ)をはじめとする各地の賛同者を取りまとめ、ついに討幕の願いがかないます。父は都へ戻り護良親王は征夷大将軍に。しかし、その権力を欲した足利尊氏にとらえられ、9年の長きにわたって幽閉されたうえ28歳の若さで暗殺されました。 護良親王が幽閉されていた場所こそが、現在の鎌倉宮。親王の功績を末永く残したいと願った明治天皇の命によりこの地に造営されました。幽閉されていた土牢(どろう)や護良親王の墓など、日本の歴史がまさに目の前に。護良親王が戦の際に兜の中に獅子頭のお守りを入れていたという言い伝えから、現在も獅子頭の厄除け守りが人気です。
妙本寺 神奈川県南部、鎌倉市に位置する「妙本寺 」。日蓮聖人を開祖とする、日蓮宗最古の寺院です。 かつてこの地で暮らしていた初代将軍・源頼朝公の乳母を務めた比企一族。しかし、北条時政氏による「比企の乱」で滅ぼされます。一族を弔ってもらうため、生き残った比企能本氏が屋敷を日蓮聖人に献上したのがはじまりです。能本の母に授けられた「妙本」の法号が、寺名の由来といわれています。最大の見どころは、開祖である日蓮聖人を祀る「祖師堂」。鎌倉最大級の木造建築として知られています。境内一帯は「比企谷」とよばれており、森に囲まれて厳かな雰囲気。祖師堂が後ろの山を背負っているかのように、自然に溶けこんでいます。にぎやかな鎌倉の市街地から近いながら、静寂の中で散策ができます。社務所では御朱印と日蓮宗ならではの御首題の2種類がいただけます。日蓮宗のフォントといわれる独特な書体「ひげ文字」で書かれているのが特徴です。
報国寺 臨済宗建長寺派に属する「報国寺」は、1334年に仏乗禅師によって開山されました。 この報国寺で最も人気なのが竹林。京都・嵐山の竹林と比べると、少し規模は小さいですが、約2,000本の孟宗竹が作り出す庭に心を癒されます。その竹林の中にある抹茶処「休耕庵」は、渋みのある抹茶と甘い和菓子を500円で味わうことができ、美しい竹林を眺めながら抹茶を楽しめる贅沢な場所です。 また、竹林以外にも見逃せないポイントは数多くあり、玉砂利が敷き詰められた枯山水庭園、鎌倉武士のお墓として伝えられている五輪塔群なども見られます。例年11月下旬には境内の紅葉が見頃を迎え、鎌倉の穴場紅葉スポットとしても人気高いお寺です。