鳴き龍(日光東照宮) 栃木県の北西部、日光市に位置する東照宮本地堂(輪王寺薬師堂)の天井で見られるのが「鳴き龍」。龍の頭の下で拍子木(ひょうしぎ)を鳴らすと、音が反響してまるで龍が鳴いているように聞こえることから鳴き龍と呼ばれています。 原画を描いたのは狩野派の巨匠・狩野安信(かのう やすのぶ)。狩野派とは、室町時代から幕府御用達の絵師集団として活躍した日本画の流派のことです。 1961年の火災により狩野安信による画は消失してしまいましたが、その後1966年に日本画の巨匠・竪山南風(かたやま なんぷう)により修復画が制作されました。現在見ることができる「鳴き龍」は、この竪山南風による修復画です。 東照宮本地堂(輪王寺薬師堂)周辺には、江戸時代に造られた日光山輪王寺の「逍遥園(しょうようえん)」、朱色の姿が特徴の「神橋」、「日光二荒山神社」などがあります。 (公開日:2018/12/18 最終更新日:2023/3/25)
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眠り猫(日光東照宮・東回廊) 栃木県の北西部、日光市に位置する世界遺産・日光東照宮内にある「眠り猫」。東照宮に建つ東回廊に施された建築装飾の彫刻作品で、国宝に指定されています。 眠り猫の作者は不明となっていますが、江戸時代初期に左甚五郎(ひだりじんごろう)によって作成された説が有力です。牡丹の花に囲まれ、日の光を浴びてうたた寝している様子から、「日光」に因んで彫られたと伝えられています。一説には「猫が眠りにつくほど平和な時代」、すなわち徳川幕府の安泰を象徴している、とも言われています。眠り猫は高い部分に彫られているので、見落とさないようにご注意ください。 東回廊をくぐると、御祭神・徳川家康のお墓所がある「奥宮」に入ります。奥宮は日光東照宮を語るには外せないスポット。
三猿(日光東照宮・神厩舎) 栃木県の北西部、日光市に位置し、世界遺産・日光東照宮内にある「三猿」。神厩舎(しんきゅうしゃ)という建造物に施された猿の彫刻です。 神厩舎は神馬をつなぐための厩(うまや)。猿の彫刻が施されているのは、猿は馬の健康を守るためと言われています。 人の一生が8面16匹の猿に表されていて、そのうちの第2面が三猿にあたります。 三猿は幼少期を描いた彫刻で、「見ざる、言わざる、聞かざる」の言い回しが有名。子供には悪い事を見させない、聞かせない、言わせない、そして良い物だけを吸収して素直に育って欲しいと言う意味が込められています。
陽明門(日光東照宮) 栃木県の北西部、日光市に位置し、世界遺産・日光東照宮内にある「陽明門」。国宝に指定されている、日本で最も美しい門の一つです。 故事逸話や子供の遊び、聖人賢人など500以上の彫刻が施されていて、見飽きることのない美しさから「日暮門」とも呼ばれています。陽明門の12本の柱は、「グリ紋」と呼ばれる渦巻き文様が彫られていますが、内側の右から2本目だけが他の柱と逆に下向きになっていて、「魔除けの逆柱」と呼ばれています。2013年から平成の大修理を終えて、装飾廻りの根本的な改修がされました。日光東照宮の中でも、より輝きを増した陽明門は必見。 日光東照宮では、渡御祭「百物揃千人武者行列」を始めとする多くの年間行事が催されています。また東照宮宝物館では、御祭神徳川家康公の遺愛品や当宮の祭器具などを様々な品が展示されています。
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唐門(日光東照宮) 栃木県の北西部、日光市に位置し、世界遺産・日光東照宮内にある「唐門(からもん)」。東照宮の本殿を守護するように建てられた門です。 貝殻をすりつぶして作られた胡粉(ごふん)で門全体が白く塗られているのが特徴です。江戸時代前期に建設され、国宝に指定されています。正面に見える昇龍と降龍の迫力ある彫刻が目を引きますが、門全体に施されている彫刻の数はなんと600以上。中国古代史に登場する「許由と巣父(きょゆうとそうほ)」など細かい彫刻の数々が見られます。 かつては、将軍に謁見できる身分の者のみがくぐることを許された由緒正しい門。通常営業時は閉ざされているものの、新年や例大祭などイベントの時期にのみ開放されています。チャンスに巡り会えればくぐることができるかもしれません。
日光東照宮 栃木県日光市に位置する世界遺産「日光の社寺」の中で最も有名な「日光東照宮」。1617年に初代江戸幕府将軍 徳川家康を神として祀ったことが始まりとされています。現在の姿は1636年に、江戸幕府3代目将軍である徳川家光によって作り変えられたものです。 境内には、500以上の豪華な装飾が施された「陽明門」や猫がうたた寝している様子を彫った「眠り猫」をはじめとした国宝が8棟、高さ9.2mの「石鳥居」や極彩色に輝く「五重塔」、三猿で有名な「神厩舎(しんきゅうしゃ)」などの重要文化財34棟を含めた55棟の建造物が建ちならびます。豪華絢爛な建造物の美しさを見るために世界中の人が訪れる人気スポットです。 また、徳川家康公の遺愛品などを展示する宝物館や掛け軸など日本画100点を公開している美術館などの、施設も充実しています。
湯滝 栃木県奥日光に位置する、高さ約60mの滝「湯滝」。華厳の滝と竜頭の滝に並ぶ「奥日光三名瀑」の一つとされています。 湯ノ湖の水が流れ落ちる様子を、滝つぼ近くの観瀑台で眺めることができます。水しぶきをあげる様子は迫力満点。春は新緑、秋は紅葉、冬は滝が凍る姿などの季節によって全く違う姿を見せることも特徴です。 また、日光国立公園内の高層湿原「戦場ヶ原」に整備されているハイキングコースの一部でもあり、ハイキングを楽しむ多くの人で賑わいます。
いろは坂 日光市街と中禅寺、奥日光を結ぶ全長15.8kmの山岳道路「いろは坂」。合計で48ヶ所もの急カーブが続くことで有名なこの坂は、下り専用の第一いろは坂と上り専用の第二いろは坂からなります。古くから坂の上に位置する男体山や中禅寺への登拝者で賑わっていました。 ひらがなの手習い歌「いろは歌」の文字数とカーブ数が同じことから、「いろは坂」という名称がつけられました。各カーブには対応する文字の看板が立っています。絶景ドライブコースとして知られるいろは坂の高低差はなんと440m。第二いろは坂途中の「明智平展望台」は日光市街を望める絶景スポットです。 また、日光で屈指の紅葉スポットでもあります。紅葉の中をドライブしながら赤く染まる日光を眺められる、一度で二度おいしいスポットです。
戦場ヶ原 栃木県奥日光に広がる400haの広大な湿原「戦場ヶ原」。日光国立公園内に位置し、標高は約1,400mです。かつて湿原近くの中禅寺湖をめぐって、東に位置する男体山の神と南の赤城山の神が争った戦場であったという神話が名称の由来とされています。350種類にも及ぶ四季折々の植物が湿原を彩り、野鳥の種類が多いことでも有名です。春には新緑が輝き、6月上旬にかけては白い綿穂が特徴のワタスゲが見頃。秋には一面が赤く染まる草紅葉、冬には雪が積もり白銀の世界が広がります。 湿原を取り囲むように二時間ほどの遊歩道が整備され、間近で植物や野鳥を観察ができます。また所々に、男体山を背景にした広大な湿原の光景を楽しめる展望ポイントが設置されています。存分に大自然を満喫できるスポットです。
輪王寺逍遥園 栃木県北西部の日光市に位置し、紅葉の名所として知られる「輪王寺逍遥園」。江戸時代に茶人の小堀遠州(こぼりえんしゅう)によって作庭されたとされる、中心に池を設けた池泉回遊式の日本庭園です。 世界遺産の輪王寺敷地内にあり、広さは約3,200㎡。女峰山(にょほうさん)などの山々を借景に、サツキやツツジといった花々やカエデなどの樹木が彩りを添え、季節ごとに様々な表情を見せます。 毎年紅葉シーズンにはライトアップが行われ、昼間とはまた一味違った幻想的な風景を楽しむことができます。 また、隣接している「輪王寺 宝物殿」では、1,230年以上を誇る日光山の資料が保管されています。拝観室には50点ほど展示されているので、ぜひお立ち寄りください。
華厳の滝 栃木県奥日光に位置し、那智の滝と袋田の滝に並ぶ日本三大名瀑の一つ「華厳の滝」。高さ97mの岸壁を毎秒約3トンの水が一気に落下する様子は圧巻の光景です。 エレベーターで行ける観瀑台から滝つぼを間近で見ることができ、轟音とともに水しぶきが弾ける様子は迫力満点です。 5月から6月頃には夏鳥であるアマツバメとイワツバメが子育てのため滝周辺の岩壁に巣を作り、滝の周りを飛び回ります。秋には紅葉が美しい風景を作り出します。1月から2月の冬のシーズンにかけては、ブルーアイスが見所。滝の周りに流れる小滝「十二滝」が凍り、滝全体が美しい青に輝きます。 雄大な自然によってつくられる豪快な滝が四季折々で違った姿を見せる神秘的なスポットです。
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三仏堂(日光山輪王寺) 栃木県の北西部、日光市に位置する日光山輪王寺(りんのうじ)境内にある「三仏堂」。平安時代に創建された、東日本で最も大きな木造建物です。 全国でも数少ない天台密教形式のお堂として知られ、現存する建物は江戸時代に第3代将軍・徳川家光によって建てられました。歴史ある建造物として、重要文化財と世界遺産に認定されています。三仏堂の内部に祀られている「日光三社現本地仏」という三体の大仏像が見どころ。高さ7.5mに及ぶ黄金の仏像が並ぶ姿は迫力満点です。 三仏堂の目の前には、樹齢約500年の「金剛桜(こんごうざくら)」が植えられています。山桜の突然異種という珍しい桜で、その希少価値と美しさから国指定の天然記念物に指定されました。例年の開花は4月下旬頃です。
足尾銅山跡 栃木県日光市に位置する「足尾銅山跡」。かつては「日本一の鉱都」として栄えていた足尾銅山の坑内を観光できる施設です。 足尾銅山は400年の歴史を誇る広大な銅山。閉山後、坑道内を整備し一部が開放され、現在は内部の見学ができます。スタートはトロッコ電車に乗り、全長約700mの坑道へ。坑道内ではリアルな人形を用いて、当時の鉱石採掘の様子を再現しています。 足尾銅山跡地には、鉱石が銅になるまでの様子を展示する「銅資料館」をふくめ3つの資料館を併設。あわせて訪れることで、日本近代化の歴史に触れることができます。
男体山 栃木県の北西部、日光市に位置する「男体山(なんたいさん)」。中禅寺湖の北岸にそびえる「日光連山」を代表する、標高2,486mの山です。 日本百名山の一つとしても知られる男体山。古くから山岳信仰の対象として扱われ、山頂には「二荒山神社」の奥宮も存在します。「二荒山(ふたらさん)」とも呼ばれることもあります。二荒山の「ふたら」とは、観音浄土の「補陀洛(ふだらく)」から付けられたとされ、日光という地名の由来に結びつくという説もあります。また、ふもとに広がる湖や滝、草原や湿原は、男体山の噴火活動によってできたもの。一帯を通して、自然の迫力を感じられます。 登山スポットとしても人気の男体山。日帰りの登山を楽しむことも可能です。毎年7月31日に登拝祭が開催され、翌日深夜には多くの人が山頂を目指して登山を開始します。
中禅寺湖 栃木県日光市街からいろは坂を登るとたどり着き、奥日光の入り口である「中禅寺湖」。周囲約25km、最大水深163m、海抜高度1,269mを誇り日本屈指の高さを誇る湖です。 約2万年前に湖近くの「男体山」の噴火で出た溶岩が渓谷をせき止め、元は谷だった場所に中禅寺湖ができました。北には標高2,486mの男体山、北西には四季の花と野鳥が有名な湿原「戦場ヶ原」。東には名前の由来となった「中禅寺」など、多くの観光名所に囲まれています。 また、中禅寺湖を周遊する遊覧船に乗ると、さらに中禅寺湖の魅力を満喫することができます。中禅寺湖を一周するコースや期間限定の「千手ヶ浜(せんじゅがはま)コース」などが用意されており、湖周辺の美しい景色が楽しめるのでオススメです。