恐山冷水 青森県むつ市の釜臥山(かまふせやま)展望台入り口付近の湧水で、読み方は「おそれざんひやみず」。霊場で有名な「恐山」の参拝客たちが古くから利用してきた水場です。 恐山冷水は青森方面から恐山に続く通称「恐山街道」沿いに位置し、現在は設置された3本の樋から冷水が流れ出ています。冷水の前はバスの停留所となっており道路幅も広いため、路肩に車を停めて水を飲む人も多いようです。 恐山冷水はこの世とあの世の境界ともいわれており、この冷水で手や口を洗い恐山へ入るのがならわしとされてきました。「冷水を1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返る」という伝承も残っており、恐山冷水の湧水は不老水とも呼ばれています。 (公開日:2024/6/28 最終更新日:2024/6/28)
恐山温泉 青森県下北半島の恐山菩提寺境内にある温泉。活火山である恐山では温泉の湧出が見られ、参道の左側には恐山温泉の湯小屋が点在しています。 四つある湯小屋の温泉は全て白濁した硫黄泉で、参拝者は自由に入浴可能。神経痛やリウマチ、胃腸病に効果があるといわれています。もとは参拝の前に体を清める目的で利用されていたため、小屋内に洗い場はなく石けん類の使用も禁止です。 木造の湯小屋は男湯・女湯・男女入れ替え制・混浴に分かれており、それぞれ「冷抜(ひえ)の湯」「古滝(こたき)の湯」「薬師の湯」「花染(はなぞめ)の湯」と呼ばれています。源泉掛け流しの湯は強酸性で温度も高め。湯船には温泉成分が固体化した白い湯花が溜まっているのが見てとれます。 混浴の「花染の湯」のみ宿坊裏手にあるため境内から少し歩くことになります。境内に近い湯小屋の周囲には参拝客も多いため、静かに入浴したい場合は「花染の湯」がおすすめ。タオルは恐山の売店でも販売しています。 (公開日:2024/7/30 最終更新日:2024/7/30)
宇曽利湖 青森の霊場として有名な標高879mの活火山「恐山」のカルデラ湖です。恐山のカルデラに雨水がたまってできた湖水は、湖底から噴出する火山ガスによって高い酸性度をもつことで知られています。 湖はpH3.5前後の酸性湖であり、魚が生息する湖沼としては世界で最も酸性の強い湖とされています。ただし宇曽利湖(うそりこ)にすむウグイはこうした過酷な環境に適応するため特殊な生態変化を遂げた個体のみ。ほかの一般的な淡水湖にすむウグイは宇曽利湖では生きられません。 恐山の山門の奥、地蔵殿わきに広がる「地獄」のなかにある宇曽利湖。火山岩でできた岩場を抜けた先に広がる白い砂浜は、その美しさから「極楽浜」と呼ばれています。 透き通ったエメラルドグリーンの宇曽利湖と白い極楽浜がおりなす空間は、岩場の多い恐山においてはまるで極楽。そんな風景とは裏腹に、たちこめる硫黄臭や砂浜に積まれた石が非日常的な雰囲気をかもしだします。 (写真:青森県) (公開日:2024/6/28 最終更新日:2024/6/28)