みたらい渓谷 奈良県の中部、天川村にある「みたらい渓谷」。ハイキングコースとしても人気の、自然溢れる渓谷です。 漢字表記で「御手洗渓谷」と綴られるみたらい渓谷の歴史は、南北朝時代にまで遡ります。時の天皇、後醍醐天皇の息子・護良親王(もりよししんのう)が戦の祈願のため、この場所で手を清めたことが由来とされているそう。川の水はエメラルドグリーンに見えるほど透明度が高く、ほぼ人の手が加えられていない周辺の緑とかけ合わさってダイナミックな渓谷美を生み出します。川沿いには遊歩道、滝の近くにはつり橋が整備されており、渓谷を間近に楽しめるのも魅力の一つです。 みたらい渓谷の自然をじっくり散策するハイキングもオススメ。渓谷から歩いて約2時間の場所にある「洞川(どろがわ)温泉」がゴールになっており、歩き疲れた身体を芯まで温めて癒してくれますよ。
花矢倉展望台 桜の名所として知られる奈良県にある吉野山の上千本展望台から、その上方に位置する世界遺産・吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)までの道中にある丘。 花矢倉展望台は吉野山でも屈指の絶景ポイントとして有名です。標高600mの展望台からは上千本・中千本・蔵王堂を見下ろし、周辺の山並みを一望できます。 花矢倉展望台は、かつて源義経の忠臣・佐藤忠信が迫り来る敵に矢を放ち義経を逃した場所ともいわれています。 桜の時期のみ期間限定で「子守茶屋」が営業。地元名物のしいたけ飯のほか、おでんや甘酒などをお供に吉野山の桜を堪能しましょう。 (公開日:2024/7/25 最終更新日:2024/7/25)
東大寺 奈良県の北部、奈良市に位置する「東大寺」。大仏さまがいることで知られる、華厳宗の大本山です。正式名称は「金光明四天王護国之寺」といいます。743年に聖武天皇が、盧舎那大仏造立の命を出し、その大仏を安置する寺として751年に大仏殿が完成。その後、約40年の歳月をかけて堂塔が建立されました。 見どころは、見上げるほど大きい本尊の盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)。像高(座高)は14.98mもあり、下にある蓮華(れんげ)の高さと合わせると約18mにもなります。大仏をスッポリと覆う大仏殿は、世界最大の木造建築といわれています。 東大寺では毎年3月に境内の二月堂で「お水取り」が行わなわれます。閼伽井屋(あかいや)から水を汲み上げ、本尊に供える式。この行事は有名で毎年多くの観光客が訪れます。
金峯山寺 奈良県の南部、吉野町に位置する世界文化遺産「金峯山寺(きんぷせんじ)」。飛鳥時代に創立された寺院です。 修験道と呼ばれる日本古来の山岳信仰の聖地とされる金峯山寺。修験者の一人である役行者(えんのぎょうじゃ)らの手によって創建されました。長い歴史と共に歩んできた壮麗な建築も金峯山寺の見どころの一つ。本堂は世界最古の木造建築として知られ、東大寺に次いで世界第2位の大きさを誇ります。高さ約7mにもおよぶ仏像「蔵王権現」を本尊とし、吉野山の桜をご神体として崇めているのが特徴です。 美しい桜が咲くことで知られる吉野の金峯山寺。春になると、周辺で桜祭りが開催されるため大勢の観光客で賑わいます。あわせて毎年4月には、本尊の蔵王権現がご開帳され、普段は秘仏として祀られている本尊を拝観をすることができますよ。
吉水神社 奈良県の中央部、吉野町の吉野山に位置する「吉水神社」。かつては、金峰山寺の僧が生活を送る僧坊でしたが、明治時代に出された神道と仏教を分ける「神仏分離」によって神社となりました。 吉水神社には歴史深い見どころが盛りだくさん。兄源頼朝に追われた義経と妻静御前が弁慶らと共に身を潜めていた部屋や、世界最古の書院建築の書院などがあります。さらに、後醍醐天皇の玉座も見逃せません。 吉野山は、山全体が桜に埋め尽くされる桜の名所。古くから山岳宗教と強く結びつき、桜の木を御神木として大切に育ててきたため、白山桜を中心とする約200種類、約3万本の桜が春に山を彩ります。桜の絶景を楽しむなら山全体を見渡せる「花矢倉展望台」がオススメです。
金峯神社 奈良県の南部、吉野町に位置する「金峯神社(きんぷじんじゃ)」。吉野山の地元神を祭る神社です。飛鳥時代に、吉野の地で山岳修行をしていた役行者(えんのぎょうじゃ)によって創建されたと云われています。 平安時代、時の権力者として名を轟かせた藤原道長も訪れたとされる金峯神社。境内には、道長が祈願した際に詠んだとされる和歌の石碑が残されています。「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として、境内が世界遺産に認定されています。 春になると無数の桜の木が美しい花をつける吉野町。金峯神社の周辺では、毎年「吉野さくら祭り」が開催され、大勢の観光客で賑わいます。桜の季節にあわせて、金峯山寺では秘仏の「吉野権現」をご開帳。普段はお目にかかれない貴重な仏像を拝観することができます。
吉野山 奈良県にある山稜の名称で、奈良県の中央部に位置する吉野町から約8kmにわたって連なる「吉野山(よしのやま)」。吉野山は、日本でも屈指の桜の名所にして非常に有名なスポットです。 たくさんの桜の木が並んでいて、満開の時期には一面がピンクに覆われ、幻想的な空間を作り出します。山の上から眺める桜はまさに絶景です。また、桜だけでなく、初夏の新緑、梅雨の紫陽花、秋の紅葉、冬の雪化粧など、四季を通してさまざまな自然を楽しむことができます。 吉野山では、夜桜のライトアップ・あじさいまつり・紅葉ライトアップ・秋祭りなど四季に応じた様々な行事が行われています。また、2004年には吉野山を含めた「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に認定されています。
吉野水分神社 奈良県の南部、吉野町に位置する吉野山の神社「吉野水分(みくまり)神社」。桃山時代に創建された由緒ある神社で、世界遺産に登録されています。 朱色の鮮やかな楼門が出迎えてくれる吉野水分神社。重要文化財にも指定されている社殿は、社の不思議なご利益、霊験(れいげん)によって誕生した豊臣秀吉の子・秀頼(ひでより)が再建したもの。桃山様式の美しい社殿が特徴です。 主祭神として奉られているのは、水の分配を司る「天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)」。「みくまり」が「みこもり」に訛ったことで、江戸時代以降には子育ての神としても信仰されてきました。 自然豊かな立地にある吉野水分神社では、毎年4月3日からお田植祭を開催。五穀豊穣を願うものとして、代々受け継がれてきた行事です。春にはシダレザクラ、初夏にはスズランが敷地内を美しく彩ります。
大峰山 奈良県の南部、吉野町にある「大峰山(おおみねさん)」。吉野川の川岸から山上ヶ岳まで続く山脈です。大峰山は、標高1,719mを誇る近畿地方で最高峰の山。修験道の開祖や役行者が、山岳修行をするために開いた道場と云われています。 岩壁の鎖を頼って登る「鐘掛岩(かねかけいわ)」、絶壁から逆さ吊りにされる「西の覗き」など、修行場として知られる場所も見どころ。山頂には、国の重要文化財に指定されている「大峰山寺」があり、宿坊で休憩も可能です。大峰山は古来より女人禁制の山とされており、女性の入山は現在も禁止されています。 大峰山の麓には、パワースポットとしても知られる神社「天河弁財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ)」があります。毎年7月に開催される例大祭では、京都の観世流宗家による薪能をはじめとする古典芸能を見学できます。
室生寺 奈良県の北東部、宇陀市に位置する「室生寺(むろうじ)」。奈良時代に創建されたとされる真言宗大本山の寺院です。 江戸時代に女性の参拝を許可していたことから「女人高野」の愛称で親しまれ、古くより女性からの信仰が厚い地として知られています。見どころの一つは、悠久の歴史を感じる建物や仏像。境内に建つ「金堂」、「五重塔」、「潅頂堂(かんじょうどう)」は、国宝や重要文化財に指定されています。国宝「中尊釈迦如来立像」に見られる様式は、室生寺様式と称されるもの。朱色の衣の流れるような衣紋(えもん)が特徴です。 室生寺の境内には多様な草花が芽吹き、季節の折々にイベントが開催されます。境内のシャクナゲが開花する4月から5月にかけて「しゃくなげまつり」、秋には「紅葉まつり」や紅葉と伽藍が美しく映える「紅葉ライトアップ」など、普段とは違った姿の室生寺を楽しめますよ。
宇陀松山 奈良県の東部、宇陀市に位置する「宇陀松山(うだまつやま)」。江戸時代からの文化が続く、風情溢れる町並みが広がる地域です。当時は、京都・奈良・伊勢をつなぐ交通の要として栄えていました。 この地域の町家の特徴は、「間口が広いこと」と「格子戸の種類が多いこと」。1軒ずつ確認しながらゆっくり散策すると、特徴がよくわかるそうです。 酒蔵や醤油蔵、和菓子屋が点在しているため、地域の特産品を食べ歩きもオススメ。なかでも、宇陀松山の名産品として有名なのが「吉野本葛(よしのほんくず)」。豆腐や葛餅、葛饅頭などに使われ、小麦粉にも代用される上質な粉原料として知られています。 全国有数のダリア球根生産地である宇陀市では、毎年10月に「宇陀松山華小路」を開催。路地に色とりどりのダリアが咲き誇り、古き良き町並みの情緒とダリアの華やかさが美しいコラボレーションを演出します。
洞川温泉 奈良県の中部、天川村にある「洞川温泉(どろがわおんせん)」。標高約820mの山里に佇む温泉郷です。 洞川温泉は修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が湯治のために開いたとされており、修験道の聖地として知られています。どこかレトロで懐かしい町並みが広がる温泉街には、旅館・民宿が20軒以上、お土産屋さんや飲食店など各商店が軒を連ねます。温泉の泉質は、弱アルカリ性の単純泉。神経痛や筋肉痛を和らげる効果があるほか、美肌効果も期待できます。 周辺には湧水群や渓谷があり、名水百選にも選ばれるなど清らな水が豊富な洞川。洞川温泉街にも、地元の名水を使用したグルメが堪能できます。名水珈琲を売りにした喫茶店やそば処のほか、旅館でふるまわれる四季折々の地元料理もぜひご賞味あれ。
谷瀬の吊り橋 奈良県の南部、十津川村と五條市の村境付近に位置する「谷瀬の吊り橋」。日本有数の長さを誇る鉄線のつり橋です。 上野地と谷瀬を結ぶつり橋の長さは約297m。地元の生活を支えるために村民が費用を出し合い完成させました。現在は十津川村で一番の観光名所ともいわれる谷瀬の吊り橋。歩くたびにゆらゆらと揺れるつり橋はスリル満点です。高さ54mの橋の上から眼下に流れる「十津川(とつかわ)」の絶景を見下ろして、空中散歩を楽しめます。 周辺には、全国にある稲荷神社の基と言われている「玉置神社」や「十津川温泉」として知られる温泉郷があります。十津川村で自然の魅力に癒されてみてはいかがでしょうか。
七曲坂 桜の名所として有名な国立公園・吉野山の山道。弊掛(しでかけ)神社前から下千本付近まで続く、7回折れ曲がった道が七曲坂(ななまがりざか)です。 季節ごとに異なる表情を見せてくれる七曲坂は、吉野山のなかでもぜひ訪れておきたいスポットの一つ。近畿日本鉄道[吉野駅]と吉野山山頂を結ぶ吉野山ロープウェイが坂の真横を通っており、車体の窓越しに春は桜、夏はアジサイ、秋は紅葉、冬は白銀に覆われた山を眺めることができます。 吉野山の桜と紅葉は有名ですが、七曲坂に植えられた約4000株のアジサイが咲き誇る姿も圧巻です。例年6月下旬頃の梅雨時期には、道沿いに植えられた色とりどりのアジサイが訪れる人の目を楽しませます。 付近には無料の駐車場や休憩所も完備。新緑のなかたくさんのアジサイが彩る七曲坂を、ぜひ歩いて散策してみましょう。 (公開日:2024/6/20 最終更新日:2024/6/20)
瀞峡 奈良県、三重県、和歌山県の3県にまたがる国特別名勝「瀞峡(どろきょう)」。コバルトブルーに輝く川の水が美しい、自然が生み出した大峡谷です。荘厳に切り立つ断崖や巨岩と静かな水のせせらぎが訪れる人の心を落ち着かせてくれます。 有名な歌人である与謝野晶子も夫婦でこの地を訪れ、歌を詠みました。瀞峡では、雄大な自然の彫刻を間近に見られる瀞峡めぐりを行っています。観光用のウォータージェット船に乗って、船頭さんのガイドに耳を傾けながら峡谷の魅力を満喫することができます。 瀞峡には、生活用としては日本で一番長い297.7mの橋、「谷瀬の吊り橋」が架けられています。一度に大人数は乗れない、スリリングな吊り橋。夜になるとライトアップされて、幻想的な景色を演出します。